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りーり さんのレビュー一覧
りーりさんのページへレビュー数424件
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「どんな夢を見ているの。」
地下シェルターに閉じ込められた3人。 外に出るためには5年前の転落事故の真相を告げよ。 外部で進行する交換殺人の本当の狙いは、そしてこの作中作「かつていたところ」という物語の正体とは。 体験せよ浦賀トリックの帯に釣られ牢獄に迷い込みました。 物語は浦賀とその恋人である亜矢子が階段から突き落とされる所から始まります。 5年間眠りの牢獄から抜け出せない亜矢子、そして1日で目覚めた浦賀、やがて事件の真相を求める亜矢子の兄の手によって事件関係者の3人が地下シェルターに閉じ込められてしまう。 3人は途方に暮れながらも事件を振り返るのだが・・・。 一方、別視点では冴子という女がネットを通じた交換殺人のやり取りを持ちかけられる。 自身の元恋人・博の殺害の代わりにある人物の殺人を依頼されるのだが・・・。 この全く視点の異なる二つの物語が「かついていたところ」という亜矢子のために書かれた小説なのだという。 250頁の中に詰め込められたいくつもの技巧。 欲張りセットなパズル小説だった。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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アリバイ証人は雪女!? 虚構推理シリーズの短編集。 メインとして雪女関連の話が二編、琴子高校時代の話が一編。 いつものように真相は予め妖怪から聞いているのだが、態々虚構を作り披露する。 なぜ虚構を伝えなければいけないのか、そこには知恵の神として人間と妖の調和の為の優しさがある。 今回は九朗先輩はほぼお休み、雪女が怯えますので。 |
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綾鹿市動物園で行われる人気アイドル“チタクロリン”のコンサート。 メンバーの一人がレッサーパンダに触れようとして指を噛み千切られてしまう。 やがて関係者が次々に襲われていき・・・。 ある者は中指を、ある者は小指を、持っていかれたり、放置されたり、指にまつわる事件は連鎖していく、果たしてレッサーパンダの事故は偶発的な物だったのか? 誰かが嘘を吐いている。
○○的でお馴染み綾鹿市シリーズ、テーマは「指」。 なんと物語早々アイドルグループの指が噛み千切られる。 そして指切り事件は飼育員や他のメンバーに波及していく。 大事なのは殺してから指を切り取ったのではなく、生きている人間から指を切り落としていくという事。 さて指を切り落とす必然性をあなたは推理出来るのか、綾鹿市シリーズにしては実に理論的な帰着でした。 |
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連続殺人鬼との対決から幾月、城塚翡翠に前に3つの殺人事件。 タイトル通りの倒叙3編。 作中で度々使われている古畑任三郎ネタはもう若い世代には通じないんじゃないかもしれない。 トリックよりロジックによったもので作品としては結構地味だ。 前作より落ち着いた展開になっていて、城塚翡翠の過去に迫っていくのかと思いきやそんなことは無かった。 シリーズ通した何かしらのオチを付けるのか、ただ城塚翡翠が事件を解決する推理物にするのか、そこら辺は作者の都合。 個人的にはこの作品の探偵のスタンスは苦手で犯罪者を捕縛したいのならそれに準ずる職に就けと思ってしまう。 探偵が能力を発揮出来るのは誰かに頼まれるか不可抗力で巻き込まれる時だけにして欲しい。 |
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クリスマスを控えた階段島に起こる事件。 島のインターネット通販が機能を失った。 島に逃げ込んだハッカーの噂を聞き調査を始める真辺、泣いてる少女の為にヴァイオリンの弦を探す佐々岡、通販で届かなかった真辺への代わりのプレゼントを探す水谷、それぞれの物語はクリスマスの七不思議の謎に収斂する・・・。 階段島シリーズの第二作。 クリスマスを前に島の通販が停まってしまった階段島。 それぞれが自身の考える正義や理想の為に奔走する。 悪がいるなら正したい真辺、不幸な少女の為にヒーローになりたい佐々岡、クリスマスを機に友好と秩序を守りたい水谷。 前作ではあまり触れられなかった佐々岡や水谷の内心が見れて良かった。 そして本作の面白い所は主人公である七草が物語の序盤よりおおよそ真相に辿り着くような布石を打っているのだがそれが読者には知らされない点である。 犯人の意図も主人公の意図も隠された状態で進む物語は非常にミステリーらしかった。 |
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私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! のミステリーアンソロ小説。
作家陣めちゃ豪華。 当たり前だけど原作愛がないと買うべきではない、そして原作愛があるほどキャラ崩壊に打ちひしがれることだろう。 ただ新規のイラストがあるぞ!! |
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「いやしの村」 奈良県某所山奥、傷ついた人々が集い再起を願う共同生活。 しかしネットに広がる怪しい噂、呪いで人を殺すカルト宗教。 真偽を探るために村に潜入したルポライター佐竹の残した記録、出版禁止となり封印されていた"いやしの村滞在記" 。 雰囲気は放送禁止の"しじんの村"にかなり近い。 村に潜入し、交流を通して得られる情報から村の秘密を解き明かそう。 ただそのまま正面から読んでも真実には辿り着けないかもしれない・・・。 |
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痣。 顔の右側に青白くあるそれのせいで僕の人生は醜く歪んでいた。 「賭けをしませんか?」 公衆電話の向こう側からの提案、それは自身の醜さのせいで諦めた初恋を叶えるというもの。 斯くして僕の痣は消えた。 1994年夏、三年ぶりに出会った彼女は自殺を図り、その顔には僕と同じ痣があった。 粗筋だけで面白い。 もちろん本編も面白い。 「痣」という大きなコンプレックスによって諦めた過去の恋を謎の電話主からの提案で取り戻しに行くというストーリー。 しかし初恋の彼女には自身と同じような痣が出来ていて、この提案が酷く残酷なものだと気付かされる。 痣を含め自分を素直に受け入れてくれた彼女、立場が逆になった今、彼女が自分にしてくれたことをそのまま返すだけではどうにも同情らしい感情が見えてしまう。 そしてこうも思う、「痣」という悲観的な特徴が無くなった僕は彼女にとってもう一介の男子にすぎないのではないかと。 そんな葛藤の中でも皮肉なことにコンプレックスの無い僕の人生は前とは見違えるほどに他人との交流に輝いている。 賭けをしているのも忘れるほどに。 少年がこの賭けにどう打ち勝っていくのか、非常に読み応えのある青春小説でした。 |
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階段島
山奥に住むという魔女によって下界から隔絶されたこの島で僕は平穏な日常を送っていた。 何の為に僕らは集められここに閉じ込められているのか、 自身の失くしたものを探し出せば島から出れるというが・・・。 そして11月19日午前6時42分、僕はこの島で一番会いたくなかった人に再会する。 学園を舞台にした青春ミステリかと思いきや、不思議な力で支配された島からの脱出を図るファンタジー。 とはいえ主人公はあまり乗り気ではない。 未来を生きることに悲観している故にこの平穏な島から出る理由を見出せないでいる。 しかし、2年振りの彼女との再会が状況を一変させる。 対照的なまでに底抜けな理想主義な彼女はこの階段島の違法性を主張し主人公を振り回す。 シリーズを見越して様々な伏線、登場人物を収めた本作。 シリーズの一作目、つかみの作品として上々。 |
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築40年、パートリア淀ヶ月。 過去を断ち切りこのマンションの一室を購入した紗希は新しい生活の一歩を踏み始める。 緑の整ったエントランス、堅牢な管理人、気さくな隣人、輝かしい新生活はある宵のマンションの奇妙な風習と共に瓦解する。 このマンションは何かおかしい、、紗希は隣に住むライターの真帆子とマンションの秘密を探り始める。 自身の秘密をも隠したままで、、、
笑顔で親切な人がいる。とっても好意的な印象。 でもその人が裏では怪しい宗教の糸を引いていたら? 将又犯罪を生業として生きる人だったら? それまでの笑顔や親切が大きいほど、それは反転して恐怖に変わるだろう。 本作はそんな怖さを感じさせる。 マンションの真相に近付けば近付くほどに変わらない住人、ありふれた日常が恐ろしく思えてくる。 ホラーミステリとしてはミステリ成分は低め。 山奥の村の因習を都会のマンションの持ち込んだような雰囲気、紗希に平穏な世界は訪れるのか否か、常に先の気になる話だった。 |
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最愛の彼女の遺体は3億の価値になる。 体が金塊になり死に至る「金塊病」、世界でも数例しかないその病の療養施設の近くに住む少年・江都日向。 ある日金塊病の女子大生に話しかけられたことで彼の人生は動き始める。 彼女は自分を相続しないかと提案してきたのだ、劣悪な家庭環境、何もない田舎町、冴えない自分自身、3億あれば変えられる。 しかし、屈託のない彼女との時間は少年にとって掛け替えのないものになっていき・・・。 人の価値観がテーマである本作。 彼女は自分の死が金になることを達観していて、少年の相続を賭けたゲームを持ちかける。 少年は戸惑いつつもそのゲームに乗るが生身の彼女の姿に惹かれてゆく。 確実に進行する病と、その体に宿る金。 彼女の価値は死が近づくにつれて上がっているのか下がっているのか、少年は煩悶する。 残酷な現実は二人以外にも広まっていき、世間の好奇の眼が彼らを貫く。 非常に重いテーマ性だが、私があまり入れ込めなかったのが人の死が金になることを保険金や遺産ということ形の日常に置き換えてしまえたからだろうか。 体が金塊になるというのは独自の設定だが、人の死が金になることは往々にしてあることなのだ。 タイトル付けも前作の「私が大好きな~」を引きづってるような感じで好きじゃない。 印象抜群のタイトルだが、読み終わってみるとそこまで作品の本質は表していないタイトルだった。 |
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「ウラシマトンネルって、知ってる?そこに入れば欲しいものがなんでも手に入るんだけど、その代わりに年を取っちゃうの―」 高校生・塔野カオルはそんな噂を聞き、偶然にもそのトンネルを発見する。 欲しいもの――、5年前に事故で死んだ妹を取り戻せば、失われた家族関係、自身の未来を取り戻せる気がした。 トンネルの効力を実感したカオルは更なる調査を重ねるが、転校生の花城あんずに見つかってしまって・・・。 未来を捨てて、過去を取り戻そうとする。少年たちの夏。 未来の時間を失う代わりに、欲しいものが手に入るウラシマトンネルをきっかけに少年少女二人が自身の失ったものを取り戻そうとするストーリー。 20歳にも満たない彼らが学生生活を捨ててもなお、取り戻したいものがあるという事実で彼らが複雑な境遇を持っていることは分かるだろう。 彼らの決意がどう転んでいくのか是非見届けて欲しい。 |
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芸術探偵・神泉寺瞬一郎シリーズの一作目。 エコール・ド・パリの画家に魅了された画廊の屋敷での密室殺人を描く。 目を惹くのはあちこちに散りばめられた芸術論だろう、この絵画にまつわるエピソードを楽しめるかにどうかが問題だ。 そして芸術家ゆえに展開される推理劇は芸術に興味なくても瞠目することだろう。 深水作品は殺人事件、高度な蘊蓄も堅苦しくなくて良い。 |
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山奥の別荘に招待された6人。 雪に閉ざされ脱出不可能の中、一人また一人と殺されていく。 残されたのは殺害方法の異なる6人の死体とある人物の手記。 プロローグに現れる「兜虫の亡霊」の正体とは・・・。 前々から読みたかった作品、ついに手に入りました。 もう舞台、トリック、設定、全てがはちゃめちゃなミステリを演出するために存在している。 作中の人物が言っているように一年後の記憶に残るのは上手な推理小説より奇想天外な推理小説というのを体現している。 奇想天外がすぎて、もはや読者全員を納得させるような気もない作品。 僕もあの道具を見たら、兜虫の亡霊を思い出すことにします。 |
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忌名で呼ばれても決して振り向いてはならん。 目ぇが潰れるからな。 生名鳴地方虫絰村に伝わる忌名の儀礼、自身の代わりに災厄を引き込んでもらう忌名を授かるその儀式の最中に土砂崩れに巻き込まれた少女・李千子。 一度は死出の旅に出向いた彼女は忌名に名前を呼ばれ復活したという・・・。 そんな村に婚前の挨拶の付き添いという場違いな形で訪れた刀城言耶。 儀礼の最中に眼を刳り貫かれた死体があがり、否応なしに事件に巻き込まれていく。 シリーズ11作目。 まず前長編の碆霊の如き祀るものは読んでおいた方がいい。 前作並のスローペースで物語の大半が土地に伝わる怪異譚に終始する。 このホラー部分を楽しめるかどうかがこのシリーズの肝だが、今作まで読み進めている人なら大丈夫であろう。 ▼以下、ネタバレ感想 |
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