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りーり さんのレビュー一覧
りーりさんのページへレビュー数121件
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昭和も中頃、有数の名家歌川邸に集うは招かれた客、招かれざる客、使用人や医者等20数名。 各々の感情が渦巻く中、死体が一つ二つ・・・、事件解決は停滞を辿り一連の殺人は混沌を極めてゆく。 これは連続殺人なのか?犯人の狙いは?そして犯人が残してしまったミスとは・・?
平成が終わりを告げる前には読んでおきたかった作品。 時代が時代なので飲み込みにくい文化性、晦渋な文章が目立ちます。 そして登場人物の多さがさらにハードルを上げています。 そこは想像力を逞しくしつつ、情報を取捨しながら読んでいただきたいですが、まぁ手軽に読める作品ではありません。 乗り越えた後の真実は格別、とくに犯人が残したミスの部分は感嘆致しました。 複雑な様相を成した物語でありながらトリック・真相は簡潔で魅力的。 ★は7つ!! ▼以下、ネタバレ感想 |
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幼少期の記憶を一切失っている沙也加は父の遺品から謎の地図と鍵を見つける。
父が秘密裏に通っていたその場所に行けば自身の記憶が取り戻せる―――沙也加の元恋人である「私」は彼女と二人その家に足を踏み入れた・・・。 流石東野圭吾と言いたくなるようなきっちりした構成です。 登場人物二人、舞台はむかし家だった場所、それ以外に範囲を広げることなく過去の事実を基に謎解きをしてゆきます。 無駄な展開がほぼ無く、異様な真実がいつ明かされるのだと読んでいて緊張感がすごかったです。 傑作とは呼べませんが特異な雰囲気には一読の価値あり。★は7つ!! ▼以下、ネタバレ感想 |
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タイトル通り孤島を舞台としたミステリー
やっぱり王道には王道たる所以あり、孤島のクローズドサークルって面白いです。 雪の山荘と違って暗澹としてなくて、海と太陽が清々しい。 本作はそんなムードに殺人事件の暗雲が垂れ込める話です。 読者への挑戦、作者有栖川有栖ということで事件の凄惨な状況は最低限に止め、事件への手がかりの部分が分かりやすく子細に述べられます。 大学生の一夏の物語であると同時に作者が読者へ宛てた推理小説。登場人物を自然に動かしつつ読者に伏線を張り、孤島の活かし方も楽しいです。 落ち着いた雰囲気で誰にでもおすすめですね!! |
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J・ディーヴァーの短編集。 16作品収録でページ数だけ見れば長編小説級。 短編小説を真っ向から感情移入して読む人はいないでしょう。 どれだけドラマティックな結末を用意しても登場人物に思い入れようが無いのだから仕方ない。 ならばひたすらにエンターテイメント性、読者を驚かし裏切ることに傾倒してゆこう。 ただ短い話ではないです、予め短編とはどうあるべきかを作者なりに捉え定義して作られています。 本作はそんな短編集です。 私は本作を一種のパズルクイズのように考え、直感的に誰が悪意を持っているのか答えるように読んでいきました。 当たれば喜び、外れれば驚く、そこには至極単純な感情しか湧き上がっていないのですが面白いのだから何の問題もないです。 大きな展開の起伏と複雑な感情が欲しいのなら大人しく長編を読めばいいのですよ。 短編に求められてるものを見極め書かれた本書は「クリスマスプレゼント」程の一大イベントではないが大きなサプライズになりました。 |
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1988年に死んだはずの少女が1992年の写真に写りこんでいたら? 幽霊?いや、それとも――― 写真の中の「幽霊?」を推理する異色作。 当時を知る三人による推理合戦のように作品は進んでいきます。 現在軸は2010年となっており事件自体は風化していて陰惨な雰囲気はほとんどないです。 推理する側は盃を交えつつですし、過去の描写も明るくてユーモラスミステリーに近いような軽快さが感じられます。 推理合戦だけあって情報の整理がしやすいですし、250頁の軽めのボリューム。 あっと言う間に読み終えてラストの写真の秘密にも満足です。 ★は7つ ▼以下、ネタバレ感想 |
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ある殺人で無期懲役の判決を受け服役中の男がいた、主人公のライターはその男から自身の無実を証明してくれと頼まれる。 悩みそして怒る主人公・・・なぜならその男が殺したのは主人公の婚約者なのだから・・・。 事件は冤罪だったのか、新たに起こる犯罪は何を意味するのか、登場人物を複雑に書き分け真相に迫っていく。 ミステリとして極めて複雑だったと思います。 折原さんの作品でもトップレベルで登場人物多いんじゃないかな。 本シリーズ特色として実際の事件がモデルとして背景にあります。 冤罪、警察の応対、加害者の人権、そして遺族の憤慨、モデルとなった事件は存じなかったのですがどのような事件だったのか想像がつくようです。 でも社会派小説では全くないです。 社会制度について思案するのも悪くないですが作者は手加減なしで騙してくるのでご注意です。 ★は7つ!! ▼以下、ネタバレ感想 |
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4年前の事件の真相を―― 思い当たる節がなく連続殺人鬼に襲われ、運良く助かった梢絵は<恋謎会>なる組織に自身の狙われた理由の解明を依頼します。 突拍子のない推理合戦の中、各人が持ち寄ったヒントを結び付け真相に辿り着くものは・・・・。
自分も一員として推理合戦するぞ!という意気込みで読み始めた本作。 各々の推理はあまりに奇天烈、犯人はおそらく既に死亡しているのを良いことに想像力合戦が始まります。 しかし見落とせないのはいくつかの偶然では片付けられない被害者たちの繋がり、どうやら単なる無差別殺人ではないようです。 突拍子のない推理には自信があったけど登場人物がそれを上回ってきたのでびっくり、真相が明かされたときこの作品が読者も交えての推理合戦なんかじゃないことに気付かされました。 大きな裏切りを以て終局に入るのですが、真相に対しての説明が多いです。 ★は7つ ▼以下、ネタバレ感想 |
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まず非常に無駄のなく、すっきりしたミステリーだなと。300p弱のボリュームにてミステリ的面白みが随所に光ります。 犯人が明かされている倒叙ミステリ、登場人物も複雑すぎることなく読者は事件の裏のハウダニットに集中できます。 探偵役が出しゃばり過ぎることもなく、かつ要所で事件の手がかり、整理を披露してくれるのですごく読みやすい。 癖が強いミステリにはよく出会いますが、今作のように万人に薦められるようなミステリは中々邂逅しないです。 トランプという身近なテーマも吉ですね。 贅沢を言うとシンプルすぎるのかなと・・。 探偵の事件への慧眼と犯人側の比較的子細な描写によって、読んでいて謎を解くというよりかは単に謎を読み進める形になってしまいました。 自分はもうちょっと複雑多岐な作品が好みですね、★は7つ |
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鯉ヶ窪学園シリーズ番外短編集の二作目、番外編ながらシリーズとして区切りの付く作品。 本編、前作のキャラが多々登場するので過去作はほぼ必読、逆に言えば過去作が楽しめたなら間違いなく楽しめる作品になっています。 |
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普段はほとんど読まないハードボイルドもの。知ってたら手に取っていたかは微妙、食わず嫌いは良くないですね。
受賞云々は特に気にしません、個人レベルの好みがありますしね。むしろひねた見方をしちゃうので 主人公は過去に澱みを持った中年アル中バーテン。落魄したというよりかは顕達する気のない、最低限の住まい、最低限の収入、最低限の人付き合いの元で暮らしている。この人生を諦めているような厭世観、時代に取り残されるのでなく追いつく気もない根性、超大好物です。それ以外の人物もなかなか魅力的、ホームレスから警察までどこか渋い心持を感じさせます。ごく一部の人を除いて感情を昂らせたり、声を荒げたりしないんですよね、成程これがハードボイルドか(違ったらごめんなさい) ミステリとしての犯人当てや動機当てはないに等しいかもしれないです。社会派そしてテロリズム的犯行と言うことで自分のミステリ像の中ではやや外れますが、単純に一小説として面白いです。★は7つです!!! ▼以下、ネタバレ感想 |
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1990年、東野圭吾氏の作品では比較的初期の作品。 「不遇な運命を辿った警察官」と「運命の波など知らぬ恵まれた天才」が一つの殺人事件の盤面で追う追われる・・・ ある会社社長が殺されたことで大きく運命は動き出します。会社の権勢を理由に行われた殺人という社会的ストーリーと登場人物の出生の秘密に迫る人生的ストーリーの二つの物語を軸に据え、ミステリとしての犯人当てよりも、「宿命」の対決が紡ぎだすヒューマンな結末が見所となっています。 動機、トリックの謎はもちろんですが、それを超えたミステリ的謎を表現したい、と語っている作者のあとがき通りの顛末になっており以降の東野圭吾氏の作品の形成を感じ取れる作品です。 逆にしっかり推理したい人には少々物足りないかもしれないかも。★は7つ!! ▼以下、ネタバレ感想 |
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館シリーズの二作目。中村氏の建造物を舞台に探偵島田潔が謎を解くというシリーズの大筋を決定づける作品となっています。 この水車館の殺人は犯人を言い当てるという点ではもの凄く平易であるといえますが、むしろ今作の肝は犯人の動機、目的にあるようです。 前作では犯人当てに主眼を置き、動機については回想として触れるだけだった故、今作の犯人よりも動機に重きを置いた構図は対蹠的であると感じます。 読者の予想を裏切る将又前作のイメージを引き摺り過ぎない作者の姿勢がうかがえ、館シリーズが叙述物という基本トリックを据えながら多様な形を見せてくれるであろう兆しが見られます。 前作が気に入った方はもちろん、迷路館・時計館と進んでいく上で読んで損しない作品でしょう(必然ではない)。 ★は7つ!! ▼以下、ネタバレ感想 |
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【ネタバレかも!?】
(1件の連絡あり)[?]
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東川篤哉氏のデビューシリーズの一作目。タイトル通りの密室もの、主役がその密室内に死体とともにいた強固な密室に加え、近場で起きた自殺、アリバイ工作から隠された動機と一筋縄では行かないストーリーに仕上がっています。 しかし特筆すべきは殺人事件をこれでもかとユーモラスに描いていることでしょう。本作は主要キャラの元恋人と先輩が亡くなってしまうという、一聴すると重い空気をイメージを感じさせる作品ですが、中身はコメディ要素満載で暗い雰囲気はほとんどありません。積み上げられたトリックをユニークで一癖あるキャラクターたちが飄々と解いていくのを楽しみながら読んでいく・・・ハードボイルドや陰鬱な雰囲気のミステリーとは真逆であり、大人から子供まで幅広く読んでもらいたい、誰にでもおすすめできるミステリー入門書となっています。 |
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意外性のある犯人ではないが推理していく楽しみは味わえる作品でした。結末・真相は大変面白いと思ったのですが、作者は犯人当てに主眼をおいたのかラストの進行は性急なものになっているのが残念。
過去と現在の事件描写と手記の多方向から紡がれるストーリーは複雑さ故に人を選びそう。通勤通学中に少しづつ読んでいける作品ではないですね、じっくり腰を据えて推理したい人向けです。 折原氏作品では結構楽しめました。★は7つ!! |
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