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りーり さんのレビュー一覧

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レビュー数109

全109件 81~100 5/6ページ

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No.29:
(6pt)

パイプ椅子探偵


 市民サーヴィス課臨時出張所櫃洗市一般苦情係、腕貫をしたその男に寄せられるのは些細な悩みから殺人事件まで様々。 パイプ椅子に座った探偵が概要だけで事件解決!?

 役所勤めの腕貫男が冷静井に事件を解決してゆく短編集、シリーズ第一作。 短編集としてはかなり良かったです。 ★は6つ

 
 
腕貫探偵 (実業之日本社文庫)
No.28: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

いつもの

 
全ての文章が伏線になってる究極のミステリー。 幕間的な箸休めの作品ながら謎の手間がかかっている。
倉阪氏慣れしていると物足りないかもしれませんが、初めて体験するなら軽めでオススメな作品です。

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波上館の犯罪 (講談社ノベルス)
倉阪鬼一郎波上館の犯罪 についてのレビュー
No.27:
(6pt)

99%の誘拐の感想

 
 昭和時代も暮れのこと、発生した誘拐事件はコンピューターを駆使した前代未聞の犯罪だった!!

 コンピュータという言葉さえ一般的じゃない時代のお話。 カタカナ用語に狼狽える警察のなんとも情けないこと、本作は先進的な機械を使った誘拐事件を犯人視点も含め描いています。 誘拐事件という迫力には欠ける展開を次世代テクノロジーを扱った特殊性と事件を起こす側と追う側の交互視点で盛り立てております。  
 倒叙で誘拐モノということで小々地味な感じが否めないですね。 SF的要素も2018年から見てしまうと物足りなさを感ずる。 ★は6つ。

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99%の誘拐 (講談社文庫)
岡嶋二人99%の誘拐 についてのレビュー
No.26:
(6pt)

僕、犯人だった


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ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ ! (講談社ノベルス)
No.25: 1人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

不夜城の感想


 舞台は新宿歌舞伎町。 様々な勢力が幅を利かせるこの街で綱を渡るように孤高に生きる男「劉健一」。 過去の因縁から人探しをすることになった劉、残された期間は三日。 自身の信念のもと一計を案じる劉の前に顕れる蠱惑の女、短兵急な計画は暗黒街の闇の中で容易く瓦解してゆく・・・。日本に巣食う中国マフィアを描いたアジアンノワール。

 全員悪人を標榜した映画がありましたがあの映画だってもうちょっと善人じみた人はいたと思う。しかし本作は掛け値なしに全員悪人、油断すれば寝首を搔かれるとはこの事、誰一人信頼に値する人間はいない。 主人公の劉は仕事上「信用」は得ようとするが他人を「信頼」することはない一匹狼、恩義や血筋さえも自身の生き延びる糧として扱う。 こんな薄情な主人公を狂わせる巨悪の奸計と女への恋慕、未来を勝ち取るためでなく唯今日を生き延びるためにひたすらアウトローに徹する狼の生き様を味わってもらいたい。 ラスト数ページにて物語は帰結し主人公は完成する、常識や人情をかなぐり捨てたハードボイルド。 久しぶりのド硬派はちょっと自分には硬すぎたかな、★は6つ。
不夜城 (角川文庫)
馳星周不夜城 についてのレビュー
No.24:
(6pt)

青空文庫 短編

 
灯台守が不可解な死を遂げた。 大胆な物理トリックに輻輳した人間関係、退屈させない。
大阪圭吉灯台鬼 についてのレビュー
No.23:
(6pt)

青空文庫 短編


 愚人の毒――“フールスポイズン”、症状が特徴的で体内から容易に発見することから毒殺に不向きな毒「亜砒酸」。 被害者の貴婦人の体内から亜砒酸が出たと医師は診断する。 愚か者の烙印を押される殺人者、しかし事件は皮肉的な様相を・・・。

 元医学者で毒に関する推理小説を多く残した小酒井不木の短編。 専門的なペダントリからミステリー的な終わり方をするのが魅力。 お薦めの作家さんです。

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小酒井不木愚人の毒 についてのレビュー
No.22:
(6pt)

青空文庫 短編


 大阪圭吉氏のデビュー作。創元推理文庫「とむらい機関車」に収録。
デパートに現れた不審死体、彼はなぜ絞刑に処せられたのか。 戦前も戦前、一切奇を衒うことのない論理的な筆致からあくまで事件だけを描く。 そしてパズル的に導かれる身近な解答はまさに推理させる短編ミステリ。 

大阪圭吉デパートの絞刑吏 についてのレビュー
No.21: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

グラスホッパーの感想

 
 復讐を企み犯罪組織に潜入した「鈴木」は復讐の相手を何者かに横取りされてしまう。 存在不確かな殺し屋「押し屋」の仕業? 後に引けなくなった鈴木は押し屋の正体に迫ろうとする。 その他方で、押し屋の存在を嗅ぎ付けた殺し屋「鯨」と「蝉」もそれぞれの思惑を持って動き始めた。 3人の男の視点で描かれ、幻想的要素も綯交ぜにした殺し屋エンターテイメント。

 復讐、殺し屋そして裏社会とアンダーグラウンドな世界を舞台にしながら、暗い雰囲気はほとんど搔き消されてます。 鈴木の行き当たりばったりの行動や蝉と岩西の掛け合いは笑ってしまうような愉快さを持ち合わせ、3つの視点で流れるように展開される物語は殺し屋小説ながら非常に軽快です。
 しかし「押し屋」に迫る群像劇、完全に消化されないまま尻すぼみに終わった感じは否めないです。 ★は6つ 
 
グラスホッパー
伊坂幸太郎グラスホッパー についてのレビュー
No.20:
(6pt)

GOTH リストカット事件の感想


 人間の暗黒面を全面に滲ませた乙一さんらしい作品。 残酷な一面を持つ高校生二人と短編ならではの大胆なトリックが光る。

自分としては「犬」や「リストカット事件」、物語としては本筋外の作品の方が楽しめました。 乙一作品の雰囲気を味わいたい人なら読んで損は無いんじゃないでしょうか、★は6つ
GOTH 夜の章 (角川文庫)
乙一GOTH リストカット事件 についてのレビュー
No.19:
(6pt)

館島の感想

 
 瀬戸大橋の工事が進むさなかの198X年、瀬戸内海の孤島にその銀色の館はあった。 半年前創造主が謎の転落死してしまったその館に招待された女探偵と刑事、そして嵐となった島でまたも不可解な事件が・・・。 「館」に焦点を当てたユーモアミステリ。

 大胆なトリックながら伏線はちゃんとしています。 やっぱ女探偵っていい、★は6つ

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館島 (創元推理文庫)
東川篤哉館島 についてのレビュー
No.18:
(6pt)

学ばない探偵たちの学園の感想


鯉ヶ窪学園シリーズ1作目。 「探偵部」を舞台にしたユーモラス学園ミステリー。


メイントリックは大分自由でユーモアミステリだから許される範囲です。 細かな謎解きは身近で楽しい。
最大の欠点は女の子が足りない!! 東川篤哉氏の作品にはやはり女性キャラは欲しい、★は6つ

それにしても広島カープ強くなったなぁ。
学ばない探偵たちの学園 (光文社文庫)
東川篤哉学ばない探偵たちの学園 についてのレビュー
No.17:
(6pt)

非ミステリー枠


 「黒髪の乙女」の後輩に思いを寄せる「先輩」は京都諸所にアンテナを張り偶発的な出会いを演出し続ける。 そんな多発する出会いにも天然乙女は”奇遇ですね”と躱し続ける。 巻き起こる不思議な事件で進まない二人の関係は・・・。

四畳半のキャラも巻き込み個性的な面子で送る恋愛ファンタジー、迂遠すぎる計画で空回りする「先輩」と不自然な出会いにも一切動じない「後輩」ちゃんが楽しすぎるぞ!! 
夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫)
森見登美彦夜は短し歩けよ乙女 についてのレビュー
No.16:
(6pt)

一家失踪の謎

 
埼玉県某所で2ヵ月前に起こった一家失踪事件―― 不可思議な神隠しの裏には5年前の殺人事件が関係しているのか、失踪事件の調査を始めたライターの五十嵐みどりは関係者を通じて事件の闇を追っていく・・・。 
一方、また別の埼玉県某所では連続通り魔事件が進行していた。 ある因縁から通り魔の「君」を突き詰めた「僕」は仕事のネタにしようと通り魔事件を追い始める。 3つの事件は如何に終結するのか・・・。

主人公の五十嵐みどりは「冤罪者」の被害者の妹、五十嵐友也の妻でこのシリーズでは珍しい信頼できる語り手になります。 必然ではないにしろ「冤罪者」を読んでおいた方が飲み込めると思います。 
さて内容の方は相も変らぬ複雑な多重視点。 時系列、関連性、一人称が隠されたプロットをいったいどのようにまとめあげるのか見物です。 

○○者シリーズとしてはぼちぼちの出来。 この作品の直近の沈黙者や冤罪者と比べるとかなり劣るのが否めないです。 それでも折原さんの作品は推理する楽しさがあって面白い、★は6つ。



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行方不明者 (文春文庫)
折原一行方不明者 についてのレビュー
No.15:
(6pt)
【ネタバレかも!?】 (1件の連絡あり)[]   ネタバレを表示する

マラソンしてたらどこかに放り出された作品

 
 読者参加型のミステリー、フルマラソンのように区切られた42章、道中作者による給水ポイントという名のヒントも設けられてフェアな心構えは十分。 やっぱりスポーツだもの正々堂々を尊重しなくちゃですよね!!



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42.195 (カッパノベルス)
No.14:
(6pt)

よろずのことに気をつけよの感想

 

 「呪い」で人を殺せるか? そんなことは無理だろうと一蹴することは簡単であろう。 しかし事実として被害者の傍に眠っていたのは60年来の怨みの籠った呪術符。 調べてゆくうち明かされるは被害者の隠匿された過去と罪業、誰が何のために途方もない企てをしたのか被害者の孫と呪術専門家で迫っていく。

 「呪い」を全面に押し出した作品。 この作品を楽しめるかどうかは「呪い」という非科学的、超常現象とも言えるテーマを受け入れられるかにかかっています。 私自身は好みのテーマで呪術や因習に関する蘊蓄じみた知識に嫌悪感を持つことはなかったです。 仮に興味がなかったとしても説得力を持った丁寧な説明があり理解することに苦心することは無いと思います。 この気難しいテーマを万人に扱えるように昇華させたのは作者の研究と筆力の賜物でしょう、私の想像するミステリとは些か違ったのですが、なるほどこのような作品も悪くないです。 ★は6つ



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よろずのことに気をつけよ
川瀬七緒よろずのことに気をつけよ についてのレビュー
No.13:
(6pt)

冬空トランスの感想


 樋口真由"消失"シリーズの三作目(短編集)。 過去二作を補完するような作品もあり楽しく読めました。
短編集だけあって整合性よりも大胆さを有していますが、表題作の冬空トランスはかなり気合入っていると思います。 中編小説ぐらい長いですし、登場人物も多いですし、シリーズのテーマも辿っておりますし、短編だから許されるレベルですが秀作。
冬空トランス (角川文庫)
長沢樹冬空トランス についてのレビュー
No.12: 2人の方が下記のレビューは「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

黒猫館の殺人の感想

 ある館の管理人を任されていた記憶喪失の老人は自身の正体の調査を島田に依頼する。 残された手記から判明するのは館で起きた事件とその真相。 過去の事件と失われた記憶の関連性は・・? そしてこの館のからくりとは・・・?

 既シリーズ作品を踏襲しつつ、かつてない裏切りを見せてくれます。 過去の作品のイメージを持たせつつ、それを拭うように読者の想像を躱すのは長編シリーズの強みですかね。 評価は分かれそうな作品だけど好きな人にはたまらないでしょう。 ★は6つ!!


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黒猫館の殺人〈新装改訂版〉 (講談社文庫)
綾辻行人黒猫館の殺人 についてのレビュー
No.11:
(6pt)

冷たい家の感想


 2017年発刊の現代心理サスペンス。 完璧主義者の建築家エドワードの建てた住居は最新鋭の技術でコーティングされた質素で要塞のような家。 徹底した管理と監視、厳しい条件を課せられた上で入居を許された者が本作の主人公の一人ジェーン。 そしてその家でかつて死を遂げた過去の住人がもう一人の主人公エマ。 現在と過去を交互に描き、エマの死の真相とジェーンの行末、家に隠された秘密を追ってゆく・・・。

 二人の主人公を交互に展開していくのですがそのスパンが驚く程短いです。 僅か5ページ程で主人公が入れ替わり進行していきます。 しかし不思議なことにまったく読みにくさや混乱はないです。 時系列は違えど二つの物語は謎を提示し解き明かし、読者を一つの真実に導いてくれます。 人の心を支配するような家で繰り広げられる肉薄した心理サスペンス、勿論犯人当てという所でしっかりミステリの体裁を保っています。 
 作者が真珠王御木本幸吉を出すほどの日本通?なのかは定かではないですが日本の文化が度々触れられています。 この日本の描写、二つの視点の物語が映画にてどのように料理されるのか楽しみですね。 ★は6つ!!
 
冷たい家 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)
JP・ディレイニー冷たい家 についてのレビュー

No.10:

Q&A (幻冬舎文庫)

Q&A

恩田陸

No.10:
(6pt)

時代と人間の本質に切り込む

 大型ショッピングセンターで起こった凄惨な災害―― 原因が何一つ見つからない災禍を当事者とインタビュアーの「Q&A」で照らし出してゆく

 事件だったのか事故だったのか、偶発的な物なのか仕組まれたものだったのか、将又両方なのか・・・。 対話の中から浮かび上がる政治的・宗教的な利権と欲望、個人レベルの悲運と葛藤、哀悼や自責が恐ろしくリアル。 
 本作を初めて読んだのは中学生の頃で当時はチンプンカンプンでした。  発刊は2004年、情報化社会が広がりつつある中で人間の仄暗い裏面を誇張したように取り出した一冊であったと思います。 そして平成も終わりを迎えることになった今読み直すと現実が本書のような社会・思惑に傾倒していくようで怖い。 自身が深いレベルで災害や事件に巻き込まれ大きな傷を心に負ったときにどうなってしまうのか、一歩外に出れば宗教の勧誘が、ネットを開けば虚構や扇動的な情報が溢れる今世で本書の登場人物のような道を辿ることはあり得ない話ではないと思わされます。  
 
 ジャンルはミステリーよりかはホラーテイスト。 ★は6つ
Q&A (幻冬舎文庫)
恩田陸Q&A についてのレビュー