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りーり さんのレビュー一覧
りーりさんのページへレビュー数109件
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『 警告! 自分の記憶は数十分しかもたない。 思い出せるのは事故があった時より以前の事だけ。 』 どうやら私は新しい記憶を留めていくことが出来ないらしい。 手元にあるこのノートだけが私の過去を知れる記憶媒体のようだ。 『今、自分は殺人鬼と戦っている。』 自身の記憶が数十分しかもたない主人公と他人の記憶を意のままに改竄できる超能力者、2人の記憶破断者の対決を描くストーリー。 主人公側が絶対的に不利なのだが改竄できる記憶を持ち合わせてないという唯一の武器を手に立ち向かう。 この主人公かなりの切れ者でリセットされる記憶に対しての適応能力が半端ない。 殺人鬼側も傲慢な利己的な部分が表立つが能力を使用した狡猾な策略は抜け目が無い。 特殊設定を用いた知略サスペンスから小林泰三らしいブラックなオチは鮮やか。 |
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後にSFや推理合戦などのトリッキーな作品で人気を得る西澤保彦氏のデビュー作です。 解体、つまりはバラバラ殺人事件に焦点を当てた短編集になっています。 いやぁデビュー作でこのテーマの短編集って渋すぎない? そしてバラバラだった短編さえも伏線として最後の章に繋がっていく様は見事。 |
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西洋風の館。 首のない死体。 2人の探偵。 本格ミステリの要素をふんだんに扱い、ぶち壊していく麻耶雄嵩渾身のデビュー作。 何でも食べたい私としては珍しく敬遠していた作家:麻耶雄嵩のデビュー作。 相当に癖のある探偵が出てくるという事でちょっと苦手かなと思っていたのですが、成程このアンチ・メタミステリの世界観ならこの探偵は許せる。 設定から解決までミステリの世界を基盤とし、現実的な世界を脱却した本作は、ミステリのルールと本格から新本格への変遷、探偵小説における後期問題をある程度知った上で読み進める必要があると思う。 |
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推理作家協会賞短編部を受賞した表題作他、残酷で痛々しく、鬼畜で耽美な短編集。 どの作品も生々しいグロテスクな表現と不快で不安定な世界観、そして想像の斜め上を行くようなオチが光る。 さながら猟奇的な世にも奇妙な物語といった感じで、タモリさんに結末を皮肉ってもらいたいものである。 |
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突如として醜い異形に姿を変える異形性変異症候群によって息子が芋虫になってしまった主婦美晴。 家族の無理解、世間の眼、被害者同士の派閥、嫌悪感の中に見出す成長と愛情。 現代世界にカフカの変身を取り入れた第57回メフィスト賞。 嫌な話だ。 息子の生殺与奪の選択を委ねられ、葛藤する母親。 あまりに不条理な病によって描かれる被害者心理、傍観者心理のリアルさは心に刺さるものがある。 「生まれてこなきゃよかったのになぁ」 何者にもなれないなら、人間に向いてないなら、私が最後に望むのは・・・。 ドロドロとおぞましい物語ながら、テンポよい語り口、特に終盤の展開は圧巻だった。 |
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療養型病院の当直バイトとして初めて田所病院訪れた外科医・速水秀悟。 仮面を被ったピエロが病院を占領し、自分が銃撃した女を治療しろと要求してきた。 奇妙なピエロとどこか怪しい田所病院の勤務医たち、脱出の為の捜索をするうちに病院内の大きな秘密が見えてきて、、、
面白かった。 現役医師作家ということで小難しいのかなと思って敬遠してきたけど、むしろピエロや籠城といったエンターテインメント溢れる小道具を多用した好みの作品でした。 展開が非常にスピーディーで事件の発生から解決まで無駄のない構成、登場人物もごく限られた範囲の人間だけで複雑な関係性は見られない、それ故に読みやすい作品になっている一方で結末の予想は付きやすそうか。 |
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シリーズ初短編集、恐ろしい話から少しユニークな話まで納められた全6編。 |
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怪異を前に虚構の推理を。 鋼人七瀬事件より後日、岩永琴子に舞い込む怪異達の相談事の数々、人知の及ばない回答はNG、現実的で納得のいく虚構を造り上げる。 虚構推理短編5篇、どれも基本ベースは前作と同じく真相を知った上でそれより信憑性の上を行く嘘を吐いていくというもの。 前作では僅かだった琴子と怪異との付き合い・距離感がはっきりし、秩序を重んじるという目的の下、時折冷酷で非情な面も覗かせる。 そこはやはり「神」を引き受けた身として生半可な判断はとれないということだろう。 キャラクターの一面が窺える短編らしい作品群だった。 |
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第三次世界大戦後、放射能によって汚染された大地では生きている野生動物は物珍しいものになり、生きている動物を飼っていることが人々の地位の象徴となっていた。 数年前に生体羊を亡くし、アンドロイド羊で近所の眼をごまかしていたリックは大金を手にするために地球に紛れ込んだ逃亡人型アンドロイドの狩りを始める。 人工物に命はあるのか、心揺さぶる1969年産SF。 終末世界で警察管轄の下、賞金稼ぎをやっているリックがペットを飼うためにアンドロイド狩りを始めるところから物語は始まる。 羊を手に入れるために人型アンドロイドを殺戮するのだ。 核により崩壊した世界では一匹の生きた動物は数体のアンドロイドと同価値となりうる。 見た目では判断がつかず僅かなアンドロイド特有の反応でしか見分けられない機械たちを前にリックの心は揺らぎ始め、、、生きているとは何か問い始める。 未来を想起してこのような機械、このような世界、このような価値観が生まれるのではないかを散りばめ当時の世に訴えたかのような作品。 物語としては決の部分が非常にあいまいであり解釈が読者に委ねられる部分が多い。 作品を読んでどう思うかがこの作品の趣向であり多くの作品や作者に影響を与える為に(もちろん作者の意図してない処だが)生まれたとも言える50年前の古典SFになっている。 |
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季節は夏。 裏世界に米軍を救出しにいったり、裏世界のリゾートでバカンスを楽しんだり、裏世界への探険を進める空魚と鳥子。 そして怪異に襲われる新しい人物の出現とDS研の局長登場。 冴月の謎に迫る第二巻。
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夢野久作による短編。 少女地獄としては「何んでも無い」「殺人リレー」「火星の女」の三編であり、出版社によって他に収録されている短編が異なる。 どれも女性が主軸となっており、当時の女性の無力さ、あるいは堅牢さ、そして狡猾な一面によって振り回される人達、陥っていく者達を描いていく。 手紙・伝聞・記事と異なる書簡形式と久作独特のおどろおどろしい文面で語られる女たちの地獄。 |
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放浪する数学者を求めて訪れたのは"双孔堂"、警察庁キャリアである宮司はそこで密室殺人が起き、容疑者として尋人である十和田只人が捕まってることを知る。 自分が犯人であると結論づける十和田、既に出された解を変えるには事件の'前提'を覆さなければ・・・ シリーズ第二作。
流石屋敷に主眼を置いてるだけあって面白いトリックでしたね。 キャラも立ってきてるしいいシリーズになってきたんじゃないでしょうか? ★は6つ。 |
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閻魔堂沙羅の推理奇譚第三弾。 今回のテーマはワイダニット! 何をしても容姿で損をする天性のブス、余命一年のおじいさんとその孫、天涯孤独で死のうと思ってる浪人生、殺される覚えも由縁もなさそうな方々、何故殺された? 良かった良かった特に表題作。 犯人確定済の純ワイダニット。 こういう終わり方の作品も偶には必要だよね、私も昔は自分を特別な存在と思いたかったものよ。 |
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なんでも教えてくれる魔法の鏡を使って事件解決!? 論理や証明は後回し、真相を先にどうぞ!! そんな少女探偵の鏡と命を狙う輩たち、何でも分かる鏡VS何でも分かる鏡の結末は・・・? 白雪姫のモチーフを取り入れた軽い語り口のファンタジーミステリ、事件を解決する話ではなく鏡を持った相手に対してどう挑戦していくかが肝になっている物語。 短編気分で読めるライトミステリになっている。 ★は6つ。 |
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箱を解き 石を解き 面を解け ―――よきものが待っている 財閥の遺産を巡る謎解きは謎の少女の出現をきっかけに怪しい様相を見せ始めた・・・。 面白いですわ、分量的に超大作には成り得ないけどきっちりとした転結とユニークな終わり方。 さくっと読めていいね! |
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