我らが影の声
評判
我らが影の声の評価:
3.75/5点 レビュー 8件。 E ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1〜4 1/1ページ
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我らが影の声の評価:
3.75/5点 レビュー 8件。 E ランク
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残酷な兄ロスと凶暴なその親友ボビーにいつもいじめられながらきつい子供時代を過ごしたジョゼフ、今は物書きとしてどうにか名をあげ文筆で食べていけるようになりました。ハンサムだけれど根っこは今も臆病でヘタレな主人公、いつも安全な方ばかり選んで生きてきたことには内心忸怩たるものがありました。兄はどうしょうもないいやなヤツだったけど、その大胆さに憧れていたのも事実。このつらい幼少期というテーマはキャロル作品にはよく登場します。
それから話はジョゼフがウィーンへ移住した後に移ります。作中に書かれていますが、主人公が”何もかもが僕の好みに、静かで、落ち着いていて、気持ちよく退屈な街”ウィーンへ戻りたくてさっさとアメリカを後にする、これは現在もウィーン在住だというキャロルの気持ちそのままではないかと感じました。キャロルのように繊細そうな人にはマッチョなアメリカよりも屈折したヨーロッパの方があうような気がします。
そしてジョゼフはあるアメリカ人夫婦に出会って意気投合、それからはまるで家族のように一緒に行動することになります。けれどその妻とジョゼフがお互いに惹かれあってしまい・・・。夫は出張から帰宅後まもなく心臓発作で死亡してしまう、異変はそれから現れます。このあたりは真っ当なホラーと言っていいでしょう。
キャロル作品の中で一番の恐怖仕立てというのは本当で、他の作品でここまで恐怖を前面に押し出したものはなかったと思います。ただ、最後の4ページを省いてはごく普通のストレート直球な作品で、キャロルらしい複雑さ、多様さ、優美さに欠けるというか・・・。2作目でストレスがかかりすぎてトーンダウンしてしまったとか・・。実際、キャロルの名が知れ渡ったのは3作目が発表になってからです。
そしてそのラストですが、矛盾があるような気がしてなりません。ネタばれするのであまり書けませんが・・・もし妄想ならば、彼がそれまで通常の日常生活を送れていたわけがないし、おかしな行動をまわりに指摘されていたと思うのですが・・・。または、もし恨みを持った霊が存在するとしたら、たとえ地の果ての孤島に逃げても意味ないのでは・・。
ということで、キャロル作品にはめずらしく星3つになってしまいました。