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(短編集)
ロードムービー
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ロードムービーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全26件 21~26 2/2ページ
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『冷たい校舎の時は止まる』の前日譚や後日譚に当たる三つの話を収めた短篇集。 本書の刊行後、漫画版『冷たい校舎』も発売されており、連動させ、相乗効果を狙う戦略があったのかと、 つい、ゲスの勘繰りをしてしまいますが、『冷たい校舎』を読んでいるほうが、より楽しめるのもたしか。 『冷たい校舎』は、グイグイ読ませる、学園ホラーサスペンスなので、 未読の方は、まずそちらを読んでから本書を読むことをオススメします。 さて、本書における集中の白眉は、表題作「ロードムービー」。 ある事情から家出をした小学生のトシとワタルの道行きを描くパートと、児童会長選挙までの 彼らの学校生活を描くパートが交互に配される、カットバックの構成が採られたミステリです。 本作に仕掛けられているのは、著者十八番の××トリックなので、著者の 過去作を読んで、しっかり免疫がついている人は、引っかからないかも。 (フルネームが明示されない人物には要注意、ですね) 当初、本作だけは、ノンシリーズ作品なのかと思ったのですが、もろもろ確認して、やっと了解。 (トシの両親は、あの人とあの人だったのか!) それにしても、番外編である本書はともかく、著者の作品には過去作の事情を 知らないと充分楽しめないリンクが多い、というのは、いかがなものでしょうか。 著者としては、ひとつの世界を構築していく喜びがあり、ファンからすれば、 それを共有する楽しみがあるのでしょうが、外側の人間からは排他的な営み と見なされる危険性があります。 (そう考えると、本書がハードカバーで出版されたという事実は、 それだけ固定ファンが多い、ということの証しなのでしょうが) 作品のテーマ面も含め、著者には、そろそろ新境地を開いてほしいですね。 | ||||
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著者のデビュー作「冷たい校舎の時は止まる」のスピンオフ短編集。 3人の大人になる前の子ども時代にどうしても「できない」もどかしさを優しい視点で描いている。 それぞれの少年、少女は思いっきり背伸びして、「できない」もどかしさに必死に抵抗して、傷つきながらも頑張っています。 辻村さんの書く小説は読んでいる人に痛さを感じさせることがあります。その「痛み」を自分の「痛み」に重ね合わせられるのであれば、本当にお薦め。大事な人にだけお薦めしたい作家です。 ただ、短編で読んでいると、その痛みを感じたり読み終えた時のカタルシスがほんのちょっと物足りなく感じてしまいます。その分だけ、ほんのちょっと個人的な評価を下げています。 直接、ストーリーとは関係ありませんが、表紙の紙質とか、本のつくりが丁寧で持っていてとても素敵です。出版に携わっている人の努力が見えてちょっと嬉しくなりました。 | ||||
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辻村深月さんの作品は今迄のものはすべて読破してます。 辻村さんの作品にはしかけがたくさんあって、もうそろそろ学習しなよ、自分・・・と思うほど辻村さんのしかけにはまります。(笑 それは多分、辻村さんの作品は先を予測する暇もないほど物語の中にのめりこんでいるからなのだと私は思います。 今回の作品も、辻村さんの得意技とも思えるどんでん返しがひとつめのロードームービーにはあって、残り2作はほっこりと心が温かくなります。 感じたことのある焦燥感、虚無感、でもそれだけではなくそれを包み込む埋めて満たしてくれる救いの手が嬉しいです。 ハッピーエンドとわかっているのに、不安になる。でもハッピーエンドとわかって安心する。 必ず、「冷たい校舎の時は止まる」を読んでからの方が、この作品の重さもわかるのではないかと思います。 | ||||
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表題作を始めとする短編3話が収録されています。どのお話も大人になる一歩手前の切ないお話です。☆『ロードムービー』。今までは、学校でも人気者であった主人公のトシが仲間外れに…。唯一の友達は、ワタル君。いじめにも負けず闘い続ける2人に更なる試練が…!どこにもであるお話だけにギューッと胸が痛んだ。それは、ワタル君の言葉の力。常にトシちゃんに遅れをとりがちなワタル君のそのひたむきな気持ちに泣けてしまった。そして、ずっとトシ君だと思って読んでいたらラストでまさかのトシちゃん(笑)。意外でした!! ☆『道の先』。塾ではリーダシップを取っている少女千晶。そして彼女が好きなった相手は、大学生の塾のバイト教師だった!こちらもありがちな設定です。しかし、この世代の少女の気持ちが、とても良く描かれています。大人のようでいて実は、まだ心は大人になりきれず…。受け止めてくれる人がいるだけで気持ちは、やっぱり違う…。 ☆『雪の降る道』大切な友を亡くしてしまい深い傷を追った少年。そんな少年を健気に元気付ける少女。そんな少女の明るさそしてひたむきさに素直になれない少年だが…!とにかくひたむきな女の子が、なんとも可愛らしい…。一心に大好きな少年のために尽くす少女。いつも一緒にいるからその存在の大切さに気付かない少年だけれども…。やっと自分の気持ちに素直に向き合う事が出来るようになる。好きだからこそつい甘えそして気付かないふりをしてしまう…。切ない。 | ||||
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懐かしさやいとしさを感じるストーリーでした。全体的にふんわりしている感じ。大きな仕掛けはないけど、満足の出来です。 思わず『冷たい校舎の時は止まる』を最初から読み返したくなる。あれって長いから読むの大変なんだけど、読みたくなってしまいますね。すでに読んでいる人なら「ニヤリ」とできるところが多々あってうれしい。大人になってからの彼らの物語も読んでみたい気もするけど。 基本的に全部子どもたちのお話なので、『冷たい校舎の時は止まる』を読んでいない人でもすんなり読めると思います。これを読んで興味を持ったら、ぜひ、『冷たい校舎〜』を手に取ってもらいたい。 温かい物語を語ってくれる作者さんだなぁと読むたびに思います。 | ||||
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「冷たい校舎〜」から生まれた短編集。 いつも通り(良い意味で)、寂しさと温かさがひしひしと伝わる作品でした。 辻村さんの作品を多く読んでいる人ならば、当然『再登場』に意識が向いてしまうわけです。 期待してもいいです。ですが、やはり本筋の物語が良い!! 誰もが感じたでしょう、先が見えない人生への漠然とした不安・無力感を見事に描いています。 短編ですから、そこまで大掛かりなクライマックスは無いわけですが、 何と言うのでしょうか、一話目の子供達を気づけば見守ってしまってる自分に驚きました。 三篇あるから、三日はかけて読もうとしたのに・・・気づけば読み切っており、 「冷たい校舎〜」を部分的に読み直す始末(笑 きっと、この人の作品を読んで何も感じなくなったら、何かを失ってるんだろうなぁ そう思わざるを得ません。 | ||||
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