行きずりの街

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行きずりの街の評価:

2.78/5点 レビュー 69件。 C ランク

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平均点2.78pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全36件 21〜36 2/2ページ
No.16
(4pt)

シミタツはこの本だけで判断すべきじゃない

 『行きずりの街』は去年、16年ぶりに?急に売れて、シミタツを固定ファンから一般の人に知らしめたことになった。それだけで星4つ。
 シミタツをはじめて知り、『このミス』期待でこの本から入った人は本書をミステリーじゃないと言って貶める。しかしそれはあまり正当ではない。91年頃の『このミス』は、ミステリーと言っても本格派からハードボイルド、冒険小説まで非常に広く網をかけて投票されていた。私は1位で良い作品だと思います。「なんで?」と言う人は当時のほかの作品をいろいろ読んでみて再評価したらどうでしょう。
 最近のミステリーはプロットの巧妙さだけでうまい下手が言われる嫌いがあるように思うけど、シミタツはミステリーではないし、本人も認めるようにプロット作りはうまくない。本書も皆さんが指摘しているようにあまりに都合のよい展開やややステロタイプ的な人物造形があるのは否めない。だからこういうところが気になる人にはダメですね。私は、最近のミステリーはプロットを複雑にするだけに力を注いでいるように思えて、あまり評価していませんが。
 シミタツのすごさはむしろ自然風景、人の情景を描く表現力でしょう。この点についてはほとんどの小説家は適わないのでは? 本書の女性像は確かに男の目線かもしれないけれど、それでも人情の機微が浮き出ているなぁと感心します。
 だからこそシミタツは本書だけでなくいろいろな作品を手にとって欲しいと思うのです。 
行きずりの街 (新潮ミステリー倶楽部) Amazon書評・レビュー: 行きずりの街 (新潮ミステリー倶楽部)より
4106027240
No.15
(4pt)

こりゃひとまわり以上年下に惚れたことなきゃわからんよ。

理屈じゃないんだ。
18歳年下の女と、きちんとイーブンにつきあった経験がなきゃわからんよ。
振り回し、振り回され、自分以外にあまりにも突然に持っていかれ。。。。。
ただ、この男のすごいところは「自分にちゃんと酔えてる」ところ。
中年を自任し、翻弄されることに美学を携えながらも
徹底して演じきる男の在り方。
年を重ねるとこの熱さに簡単に猜疑心を振りかける。
ラストはちょっと「軽い」ね。
二度と戻れない行きずりの街に哀愁と悔恨が降りてくる。
ぬくぬく過ごしてきた奴は読んだところでこの美学はわからんよ。
行きずりの街 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 行きずりの街 (新潮文庫)より
4101345112
No.14
(4pt)

シミタツ初体験

美味しいのだけど満腹感を得られない食事のような小説です。ストーリー的には面白いのだけど根本的に非常に無理がある部分があり、それが引っかかって納得できないものとなっています。他のレビューにも書かれているように偶然が多すぎる事と、主人公が命を掛けて少女を守る理由が無い事が大きな原因かもしれません。私は志水辰夫の本はこれが初めてで1冊で判断するのも無理があるので今、2冊目の「情事」を読み始めました。これが面白い展開であってほしいとの願いを込めて星4つにしておきました。
行きずりの街 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 行きずりの街 (新潮文庫)より
4101345112
No.13
(4pt)

懐かしいバブル絶頂期の東京

私は結構面白く読んだので、他のレビューの酷評を見てちょっとびっくりした。
確かに主人公の教え子の失踪と、主人公が昔クビになった学園の事件が繋がってしまうのは偶然すぎるし、他にも都合の良過ぎる偶然がいくつか見られた。後半の方では、いい加減警察に任せた方が良いのに単身で(しかも一介の教師が)敵に立ち向かう気持ちが理解できなかった。まあ、警察に泣きついてしまったらハードボイルドにならない訳だが・・
でも色々な突っ込みどころも含めて、エンターテイメントとして十分に楽しめると思う。
私が印象的だったのはバブル絶頂期の東京の雰囲気がとても懐かしく感じられたこと。
バブル期の再開発ブームに乗じて学園を大きくしようと画策し、
それに群がって甘い汁を吸おうとして破滅していく姿は、その後のバブル崩壊を予感させる。
自分にとってはつい最近の時代に感じるが、本書を読むとまだ携帯電話もインターネットも普及してなかった事実に気付いて、ちょっと不思議な気分になった。
行きずりの街 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 行きずりの街 (新潮文庫)より
4101345112
No.12
(4pt)

確かにおもしろい。けど。。。

「このミス第1位」という帯に迷うことなく読んだ。
確かに読んでいてページをめくる手が止まらなかった。
作品の構成が、あちこち飛ばずに、展開が引き続き連続していくからか。
読んでいて確かにおもしろいが、作品自体の奥行きや訴えるものが薄い。
主人公の人柄やこれまでの人生。何をかけて生きているのかが見えてこない。
なぜ、命をかけてまで行方不明の教え子を捜すのか。
自分が学園を追われた理由を追及したいのか、不正を正したいのか?
いずれにしても命をかけるだけの理由にはすこしあいまいな感じ。
別れた妻との関係もはっきりしない。
最終的に、結果が上手くいった。ということなんだろうか。
その割には安易に死人が出過ぎる。
ミステリーの一番中心の骨格が細いので、後から後からいろいろ
付け足したって感じかな。
おもしろいと感じたのは事実だけど、同時に誰かの作品に似てるかな?
と感じたのも事実。
そして、この著者の作品をもう1冊読もうかなと思ったのも事実。
行きずりの街 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 行きずりの街 (新潮文庫)より
4101345112
No.11
(4pt)

シミタツはこの本だけで判断すべきじゃない

 『行きずりの街』は去年、16年ぶりに?急に売れて、シミタツを固定ファンから一般の人に知らしめたことになった。それだけで星4つ。
 シミタツをはじめて知り、『このミス』期待でこの本から入った人は本書をミステリーじゃないと言って貶める。しかしそれはあまり正当ではない。91年頃の『このミス』は、ミステリーと言っても本格派からハードボイルド、冒険小説まで非常に広く網をかけて投票されていた。私は1位で良い作品だと思います。「なんで?」と言う人は当時のほかの作品をいろいろ読んでみて再評価したらどうでしょう。
 最近のミステリーはプロットの巧妙さだけでうまい下手が言われる嫌いがあるように思うけど、シミタツはミステリーではないし、本人も認めるようにプロット作りはうまくない。本書も皆さんが指摘しているようにあまりに都合のよい展開やややステロタイプ的な人物造形があるのは否めない。だからこういうところが気になる人にはダメですね。私は、最近のミステリーはプロットを複雑にするだけに力を注いでいるように思えて、あまり評価していませんが。
 シミタツのすごさはむしろ自然風景、人の情景を描く表現力でしょう。この点についてはほとんどの小説家は適わないのでは? 本書の女性像は確かに男の目線かもしれないけれど、それでも人情の機微が浮き出ているなぁと感心します。
 だからこそシミタツは本書だけでなくいろいろな作品を手にとって欲しいと思うのです。 
行きずりの街 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 行きずりの街 (新潮文庫)より
4101345112
No.10
(4pt)

良質のハードボイルド作品

 教え子と結婚し,それがスキャンダルと指弾されて名門高校を追われた元教師(現在は塾講師)が,塾の教え子を探す過程で,かつての追放劇の裏面を含む名門高校の暗部を知ることになる……
 「偶然」の要素が強すぎて,ミステリーとしてよくできているとは言い難い(いくら世間が狭いからといって,現代日本の大東京で,かつての敵と偶然再会するなどありうるのだろうか?)。
 しかし,ハードボイルド作品として読むなら,教え子を探す過程で事実が一つ一つ淡々と明らかになってくストーリー展開にグイグイと引きつけられ,最後まで一気に読み通すことができた。
行きずりの街 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 行きずりの街 (新潮文庫)より
4101345112
No.9
(5pt)

不撓不屈の熱き魂

 テンポ良く,リズミカルで巧みな心理・情景描写。それが志水節と呼ばれる名調子であることを読後に知った。
 悪は悪,善は善で,その中間の濁ったキャラクターはいない。失踪した塾の教え子の足跡を辿りつつ,巨悪に独り立ち向かう主人公。燻っていた純愛の復活もあり,不撓不屈の熱き魂全開で読める,ハードボイルド・アクション・アドベンチャー・ラブストーリーだ。
 絶体絶命の主人公が「殺るなら殺れ,俺は何度でも立ち上がる」ってな感じの矢吹丈的な口上を呟く場面に胸が躍った。
行きずりの街 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 行きずりの街 (新潮文庫)より
4101345112
No.8
(4pt)

失われた十数年を取り戻せるか?

前々から書店で見かけて気になっていたのですが、何故か購入する気になりませんでした。
ところが、その後書店に行く度に気になるため購入して見ました。
結果は、正解でした。
女生徒との恋愛スキャンダルによって辞職せざるを得なくなった元高校教師が主人公
です。
ところが、十数年振りにある事情で、辞職せざるを得なかった高校と関わる事になり、命懸けでその事件を解決します。
その過程で、この主人公が辞職せざるを得なくなった背景に今回の事件と関係のある陰謀があったことが判明します。
主人公は失われた十数年を取り戻せるのでしょうか?
著者の名前すら知らなかったのですが、場面場面の描写なども優れており一気に読み終えてしまいました。
行きずりの街 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 行きずりの街 (新潮文庫)より
4101345112
No.7
(5pt)

探偵ではないハードボイルド

誰がなんと言おうと本作は「ハードボイルド小説」です。それは主人公が様々な困難や苦難、暴力、女性、裏切り、騙しなどの様々な障害と出会います。しかし彼の意思は折れません。唯一教え子を救う、という目的のみを見つめているのです。それを達成まで彼の意思は貫かれています。主人公の人生にもバックグランドが当然あり、それは会話から理解できるように、良いものではありません。それをまったく見せず、男の意思のみで追求していくのです。だから、物語のもう一つの柱である、別れた妻との物語も深まっていくのです。彼女との会話や仕草、波多野の思惑は読んでいて、ずっぽりその世界に引きずりこまれてしまいました。ここまで感情を書き込める作家だとは。敬服します。ラストもよかったです。言うことなしです。
新たな帯で売れ始めていると聞きましたが、良い書物が時を超え再発見されるのは、嬉しい限りです。
行きずりの街 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 行きずりの街 (新潮文庫)より
4101345112
No.6
(4pt)

どちらに向かうのか

この本が売れているという。
しかも、女性読者が4割いて、いわゆるシミタツを知らない若い世代が買っていくという。
私のような20年来のシミタツファンにはうれしいことである。
この本は、シミタツをハードボイルド期と純文学期に分けると、
ハードボイルド期の晩年にあたる時期の作品であり、
この本に与えられた各賞は、この作品にではなく、デビュー以来のシミタツの著作活動に対して与えられたものという受け取り方をしていた。
それは、この作品が各賞に価するほどの水準にあるとは思えず、
推理小説と呼ぶにも、冒険小説と呼ぶにも中途半端であったからである。
正直、レベルが落ちたかなという気になったものである。
この本から志水辰夫の世界に入った人たちへ。
ハードボイルドファンの若い世代は、デビュー作から順番に読んでいくことをお勧めする。
それらは、間違いなく本作品より面白い。そしてよりハードボイルドに魅せられたなら、稲見一良や風間一輝に寄道してみるといいだろう。
また、志水辰夫の文章が気に入った方は、最近の純文学系の作品を読まれることをお勧めする。
文章の格調の高さに圧倒され、小説とはこういうものなのかと思われることだろう。
若い世代には、退屈かもしれない。そう思ったら、40歳を過ぎてから読んでみるといい。
シミタツのすごさがわかるだろう。
ちなみに、この作品は水谷豊主演で、二時間ドラマとして映像化されたことがある。
結構原作に忠実で、原作を貶めるものではなかったと記憶している。
行きずりの街 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 行きずりの街 (新潮文庫)より
4101345112
No.5
(5pt)

優れたハードボイルドミステリ

久しぶりに優れたミステリを読んだ。ハードボイルドに恋愛小説の味付けもされていて大変おもしろく一気に読み終わった。こんなにいい作家がいたことを知らないでいた。東京港区の街の描写も具体的でよく描き込まれている。文句なしの星5つ。
行きずりの街 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 行きずりの街 (新潮文庫)より
4101345112
No.4
(5pt)

ハードボイルド恋愛小説の秀作

読み終わったとき、素晴らしい宝物を掘り当てたと思った。ハードボイルド恋愛小説の秀作と言ってよい。
主人公は意思の強いハードなタフガイだが、元々は正義感の強い生徒からも慕われる名門校の将来を嘱望された優秀な教師だった。今は郷里に退いて塾の教師に後半生の希望をかけている。その彼が、一転してある事件に巻き込まれる。事件を追って東京に出てきた彼は、生死を賭けて事件の謎に挑む。事件の展開、主人公の行動に息を飲ませるような迫力とスリルがある。
これは、ハードボイルド小説だが、同時に、恋愛小説でもある。かつて激しく愛し合って結婚し、外的事情からやむを得ず別れなければならなかった夫婦の再びの愛が、濃密に描かれていて、心に沁みる。ハッピーエンドにもほっとする。
しかし、この小説が、レビュウアーたちに評判がよくないのはどうしてだろうか。決してそう低く評価されるような作品ではない。筋に無理があったり、偶然が重なったりするというが、それは世界のどんな名作にも見られることだ、筋に多少とも無理のない小説など先ずない。登場人物の夫々の個性が見事に描き分けられ最後までぶれがなく、各人の個性の絡み合いによって、自然に物事が進行して行く。心情、情景描写も確かである。これから読まれる方は、先入見なしに読んでいただきたいと思う。
事実は小説よりも奇なりという。どんな不思議な人生もあり得るのである。これは、再会したかつての妻への愛に心惹かれつつも、教師である自分を慕う葛藤から東京へ家出した教え子の女生徒を救うべく大冒険を余儀なくされた勇敢な一人の男の物語である。
行きずりの街 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 行きずりの街 (新潮文庫)より
4101345112
No.3
(4pt)

教え子失踪事件とかつての自分の追放劇とがコインの裏表という展開は少々強引かもしれない

 郷里の丹波で塾を経営する40歳の波多野はかつての教え子が東京で失踪したと聞き、探しだすため上京してくる。彼は12年前都内の私立学校教師だったが、生徒との恋愛沙汰をきっかけに教壇を追われた過去がある。教え子の行方を追ううちにやがて波多野は、自分を追放した学園が事件の背後にあることに気づく…。
 1990年度の「このミステリーがすごい!」で国内作品1位に輝いた小説であり、それをうたい文句に再び今年(2007年)書店で売れているようです。私がシミタツの作品を手にするのは「いまひとたびの (新潮文庫)」に続いてこれが二作目。「いまひとたびの」は、酸いも甘いもかみわけた中年男の心のひだを見事に描きだす優れた短編集でした。そしてこの「行きずりの街」もまた、職も妻もかつて失ったことのある手負いの男・波多野が、事件によってさらに大きく傷つきながらも人生に決して屈することがない姿を描く、秀作ミステリー長編となっています。
 巻末の解説で北上次郎が述べているように、この作品は夫婦小説としても確かに名作といえるでしょう。波多野が以前恋愛沙汰を起こした女生徒は、後に彼の妻となる雅子です。離婚を経た彼女との12年ぶりの再会の物語は、いくつものわだかまりを抱えた元夫婦の新たな衝突と和解の物語として読めます。謎めいた事件と伴走する形で展開するこの二人の関係が、私の心にぐっと添いました。
 惜しむらくは、教え子の失踪事件が波多野の過去の追放劇と密接にからみあうというプロットが、少々ご都合主義的だと感じられます。教え子と波多野のかつての勤務先学園との接点があまりにも偶然過ぎはしないでしょうか。その点がクリアされていれば、文句なく☆5つの傑作だと評価できる作品です。
行きずりの街 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 行きずりの街 (新潮文庫)より
4101345112
No.2
(4pt)

志水辰夫の代表作、長編ハードボイルド小説だが・・・

 志水辰夫の代表作ともいえる長編ハードボイルド小説。みごとな臨場感を感じさせてくれる濃密な文体、描写は、さすがといわずにはいられない。 しかし、ストーリーがいまひとつぱっとしないのである。ハードボイルドなストーリー展開にキレがなく、読後、モヤモヤ感がつきまとう。1ファンとしては『いまひとたびの』『きのうの空』といったシャープで心にズシリとくる短編集こそ志水辰夫の真骨頂、絶対にお奨めといいたい。
行きずりの街 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 行きずりの街 (新潮文庫)より
4101345112
No.1
(5pt)

男の苦い優しさ

ハードボイルドの傑作である。主人公は塾教師。失踪した教え子を探す。淡々としているところがいい。主人公の苦い過去も含めて男の優しさがにじみ出ている。ハードボイルド好きで未読の人、読んで下さい!
行きずりの街 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 行きずりの街 (新潮文庫)より
4101345112