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レクイエム
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レクイエムの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.89pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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無い | ||||
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伯父が戦地で何をしたのかは、私も学生時代にあの映画を見ていたため、早くに予想できてしまいました。対象が戦友ではないという点に関しては、他のレビュワーさんと同じ疑問を抱いています。ありそうな話ではあるのだけれども、モヤモヤが残りました。 | ||||
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篠田節子さんの本は、これが初めて。最初に この短編集から入ったのが、良くなかったのか… 書き方に「シナリオ」的な雰囲気あり、私には合わなかった。 その中では、第1話「彼岸の風景」が良かった。美しいと感じたもの、大切に思っていること、大事な人の抱く、あるいは大事な人への想い。それらが ことごとくかみ合わない人たちとの、すれ違い。葛藤にも至らない、歯がゆさ。そんな虚しさと、精一杯の反乱が、心に痛い。 2話〜4話は、正直言って、「う〜ん」と唸ってみせるのがやっと。腑に落ちない。4話以外は、心に響くものがなかった。 そして、最終話「レクイエム」 鎮魂歌というには、あまりにも… 舞台のニューギニアは、その方面では有名な映画『ゆきゆきて、神軍』と重なる。篠田氏の短編が事実に基づいているとすれば、あの過激な映画よりも更に凄惨な…、あああ、言葉にならない… 『ゆきゆきて〜』では「白豚・黒豚」だけでなく友軍までも、という内容だった。本作では「猿」までも、そのために「殺して」ということになっているが… 他の方のレビューにあるように、弱り切った日本軍の生き残りが、現地の人を出し抜くことができたのか?という点で、話の信憑性には疑問を持った。 小学生の頃、戦記ものもかなり読んだが、当時はこんなことには(当然)思い至らなかった。大人になってみると、こういうことも、あったのかもしれないと、思う。そう遠くない昔、私にとっては祖父の世代の、話だ。 事実として何があったのか、否定も非難もできる・する立場にはない。しかし、そういう事実を積み重ねて、今の「日本国」があるのかもしれない。そうした意識は、心の隅に留めておくべきなのだろう。そんなことを、しみじみ思う。 他の4話の出来はともかく、 最終話は それ相応というより、桁違いの覚悟をもって臨まなければ全うできない、危険なテーマだと。そして本作では まだ、否、今後もたどり着くのは絶望的に困難であろうと。そういった感想を禁じ得なかった。 | ||||
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篠田節子さんの得意な、現世と来世の境界のような雰囲気が素晴らしいと思う。 短編集の最初は『彼岸の風景』で、愛する夫を来世の彼岸へと送る妻が主人公である。自然の風景の中で、繊細な心の動き、そして去り行く夫を現世に留めたい願いが、微かに見える彼岸の風景と共に美しく描かれている。この作品を含めて6作が収められており、どれも優れていると思う。 最後は『レクイエム』という、悲惨な戦争体験をテーマにした作品である。 作品としての衝撃度と深さは認めるが、少し心に引っかかることがある。 それは、ニューギニア戦の数少ない生存者である作家の尾川正二氏のことである。氏は私の勤務する学校に勤められていた方だが、尾川氏が生前に必死な思いで書かれていたことは、氏が知る限りにおいて、ニューギニアの日本軍は恥ずべきことはしていないということである。特にジャングルの原住民を虐殺したりしていないと強調されていた。そして氏によれば、原住民たちはジャングルを人間技でないほどの速さで動き、日本兵たちを監視していた。栄養失調で限界にきていた日本兵が彼らを殺したならば、すぐに報復されただろうと書かれていた。 氏によれば、戦争で酷いことをしたと告白する人たちは、ニューギニアでの部隊名をちゃんと言えない場合が殆どであるそうだ。尾川氏は最近亡くなられたが、亡くなった戦友の名誉は守りたいという必死な思いが遺言のように残っている。この『レクイエム』という作品がある程度事実に基づくのか、そうでないのかは篠田氏にもう一度調べていただきたいと思う。 ニューギニア戦を戦った人々の名誉を守るのも私たちの義務であると思う。そして、作品は良いものならば、長く残って欲しい。そうだからこそ、慎重でないといけないと思う。 | ||||
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初めて篠田節子先生のお話を読みました。 生と死についての描写が素晴らしいです。 時の迷路の2作品は映画のSAWを連想させました。 各短編の登場人物の背景が少し似すぎているかな、とも 思いましたが、違った展開が見られたので そこまでは気になりません。 奇妙な夢を見ているような、そんな感覚を 読者に残してくれる、素敵な作品だと思いました。 レクイエムの最後では、ちょっと救われた気分になれましたね。 | ||||
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五篇の短編集であるが、それぞれ密度の濃い作品ばかりだ。 それぞれの作品は、どちらかと言えば軽いものから、重いものへと配列されている。 最も重い内容の「レクイエム」は、最後に配されている。 この内容から、著者の長編「弥勒」の凝縮版の様な印象を受けた。 ただ、ここで話題にされるのは、太平洋戦争末期時代の事であり、 生半可に「極限状況」という言葉を使ってはならないという雰囲気だ。 「人としてしてはならない事」というのは、殺人でも、強姦でもなかった。 それは、人食の事を言っているのかな?と当初思ったが、実質的には違っていた。 「レクイエム」には、物語としての起承転結はある。 しかし、この物語には、取り返しがつかず、終わりは無いとも言える。 深い悲しみが後遺する。 強く心を揺さぶられる。 | ||||
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人の心の中にあるひずみ。それが見せる幻なのか?作者の描く世界は とても不思議な世界だった。逝く者と見送る者、心のすき間を埋め ようとする者、人生を振り返る者、語られる悲惨な過去の話に耳を 傾ける者。そのどれもが悲哀に満ちている。特に表題作の「レクイ エム」は読んでいて切なかった。自分が生きるためにしたことは、 結局自分の人生を狂わせていく。他に選択肢などあるはずもなかった のに。読後、泣きたくなるような思いが心に残った。 | ||||
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おもしろいけど、なんだか生きているのが むなしくなる1冊。 幻想的だけど、 死ぬ前に走馬灯のように思い浮かんだ 人の一生の話のような重苦しさや むなしさ・・・という感じ。 篠田さんは、女たちのジハードのような 前向きな話とこういうラストがどーんと重くなる 話の両方ありますね。 まあ、どっちもおもしろいのですが。 | ||||
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読者を不思議な幻想の世界へ誘う短編集です。現代社会に潜む、落とし穴というべきものが書かれています。特に良かったのは、表題作の「レクイエム」。ジャングルの中で悲惨だった兵隊の姿が眼に浮かぶようです。篠田さんの作品は、本当に主人公の心理描写が素晴らしいです。読み終わった後、う~ん面白かった!と唸ってしまいました。 | ||||
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