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アフターダーク
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アフターダークの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.47pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全256件 241~256 13/13ページ
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秋の夜長、眠れない。眠るのがもったいない。そんな時に、ちょっと人肌のぬくもりが欲しい時におすすめな一冊です。秋の夜長にもってこいな最高な秀作。真夜中の都会の片隅で繰り広げられるお話。それを春樹ワールドに。どこにもあるありふれた情景、耳慣れた固有名詞、しゃれた会話。時間軸に沿って心地よくリズミカルに一気に読ませるストーリーテリング。さすがです。次回作の長編の前奏曲(?)ウォーミングアップとなるであろうこの一冊。もう次回作に長編に期待を膨らませてしまう一冊です。 | ||||
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一晩で人生は変わるだろうか?答えは「イエス」だと思う。変わる兆しを掴むのに一晩という長さは十分な時間である。それがこの本の読後にまず感じたことです。ぜひこの小説を読んでみてください。 | ||||
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細かい銀色の一面の砂のような印象の残る小説。物語は感情を徹底的に排した言葉の連なりで語られる。目を離すことができない文体なので、読み進めていってはしまうが、そこには感情的な高まりというものは特にない。表層的な共感というものはまるで問題にされておらず、そのために、これがはじめて読む村上春樹という人には薦めにくいが、是迄深くコミットして読んできた人には、いつもの如く面白いと思う。じわじわと心の深い部分に砂を溜められていくような気分がある。 | ||||
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村上春樹ワールドに引き込まれ、一気に読み進めました。今まで出会ってきた人が、自分にどんな影響を与えてきたのか改めて考えさせられる一冊です。読み終えた後、久しぶりに会いたいと思う人の姿が頭に浮かびました。 | ||||
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きょうは仕事を休んで、朝一番に書店に走りました。個人的には、「ねじまき鳥」が村上氏の作品の一つの頂点で、その後は、何処に向かっていくんだろうと、幾分はらはらしながら作品を追い続けてきましたが、「アフターダーク」はそんな私のような一読者に対する、村上氏からの最初の答えのように思われました。文体が変化していこうと、本作品には、氏の息遣いが「通奏低音」としてそこにあります。でも、欲を言わせてください。もっと、もっと、長い物語を次は読ませてください!!!もっともっと深い底まで連れて行ってください!!という意味で星4つです。 | ||||
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深夜、街にたむろする若者の背景を描いている。家に居ないで外に居るのには理由がある。家に居ると苦しくて居れないから外に居るのだ。「海辺のカフカ」に続いて、”悩みの種は家族”(今回は兄弟)の話。マリとエリを基にコンプレックスについて考えるのにいい作品だと思いました。 | ||||
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9月7日,退勤後即座に購入し,ただいま読了しました。村上春樹を読んで,まもなく20年になりちます。新たな春樹が始まった,との印象をもちます。「カフカ」を読んだときに,今後もしかしたら小説を書かないのではないかと危惧しました。しかし,それは杞憂でした。作者のテーマはより深く,そして新しくなったように思えます。おそらく,今後しばしば読み返す作品になると思います。 | ||||
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待ちに待った村上春樹の新刊。なんとなくカフカの後の作品なので、もっと心理色が強いのかなあと思っていたけれども、そうでもなく、どっちかというと処女作である『風の唄を聴け』にちかい感じの印象を受けた。彼の作品はいつでも後を引くけれども、良い意味で今回も印象に残った。私は村上作品というと、『ノルウェイの森』を思い浮かべてしまうので、それに比べるとちょっと物足りない感じはするけれど、村上春樹を初めて読む、という人にはお薦め。 | ||||
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帯にわざわざ「『風の歌を聴け』から25年」と書いてある。この作品は、村上春樹が四半世紀かけて問い続けたモチーフのリフレインなのだ。もっと言えば、『風~』と「対」になった作品なのである。 もちろん、二作品は舞台も出来事もまったく違う。それよりもまず、『風~』が一人称の主人公「僕」の語る物語だったのに対して、本作の主人公は、なんと「私たち」なのだ。 一見、高橋やマリが主人公に見えるが、そうではない。この物語の中では「私たち」だけが唯一、時間軸のなかで、「今」を背負っている。 一人称複数(!)の「私たち」が、まるで実験室で粒子でも観察する科学者のように、物語を俯瞰しているのだ。しかも、そんな「私たち」は、三人称の登場人物たちに干渉してはいけないはずなのに、時に思わず登場人物に「逃げるんだ!!」などと叫んでしまう。 書き手でもあり、読み手でもあり、そのどちらでもない「私たち」の、常に現在進行形の記述。 この構造において、本作は『風~』と「対」であり、不正確な鏡なのだ。 つまり、どちらも「『何かを書くということ』を書く」という、無謀かつ真摯な挑戦なのである。『風~』が「僕」の側から一方的に世界を限界づける試みだとすれば、本作は、「私たち」によって「僕」(や高橋、マリなどという主人公性)をも俯瞰し、世界を再構成する企てなのだ。 そんなベースラインの上で、「個人とシステム」「偶然と必然」「記憶や意識と自己同一性」「語り得るものと語り得ぬもの」などのモチーフがジャムセッションのように奏でられていくのである。 評価の分かれる作品かもしれないが、僕は、圧倒的に支持したい。(なにしろ、こうしていくらでも書くことがある。続きは他で書きますが) 最後に、本作中ラブホの名前の由来である映画『アルファヴィル』の中から。「すべては語られた。 言葉が意味を、そして意味が言葉を変えない限りは」 | ||||
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~村上春樹の小説の中心的な主題は長い間「喪失感」と「detouchment(関わりのなさ、他人との距離)」であったように思う。しかし、地下鉄サリン事件被害者へのインタビューや阪神大震災の追体験などを通じて、社会やコミュニティーに積極的に関与すること(commitment)に関心が移ってきたらしく、河合隼雄との対談でもそのことに触れている。本書は19歳の女性のある夜~~の7時間ほどの出来事を軸としているが、中心的な主題は主人公が感じる喪失感をcommitmentによって修復していこうとするもので、前者よりも後者に重点が移ってきている点が新しい。登場人物のほぼ全員に名前が与えられ、その描写はリアルである。また、文章表現は意図して映像的なものになっていて、今までの作品とは趣を異にする。にも関わらず、そこには村上春樹~~でなければ表現できないであろう「核」のようなものがあり、具体的な描写とは反対に、読後に残るのは普遍的で抽象的な概念である。detouchmentからcommitmentへ、方向を大きく変えつつある村上春樹の転換を象徴する作品として評価したい。~ | ||||
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村上さんの本を読まなくなって随分と長い時間が過ぎました。久しぶりに読んだ新作は、中年男性にお勧めできる内容です。蘇生すること。壊れかけた人間に生の息吹がもたらされること。村上さんはそのような可能性を、絵空事ではなく描きたいと長年思い続けていたように推測します。癒しという言葉にかなりアレルギーを持つものとして、彼が以前に「癒されるのではなく、赦されるのだ」とどこかで書いていたことを想起します。美しくて、しかし内面はよくわからず(そもそも内面があるのかどうかもわからず)自分から悪夢のような眠りを続けるエリを、作者は懸命に赦そうとします。感情移入することが困難な登場人物への、このまなざしに作者の成熟を感じます。 | ||||
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以前の作品に比べ、今回は作品内部の世界を時間的に制限することで、描写や会話に重点を置いている、と思いました。(「トニ-滝谷」などの短編などを除けば)「スプートニクの恋人」あたりから本格的に意識するようになった三人称の文体が、より洗練されていて鳥肌が立ちました。レトリックのリズミカルかつバリエーション豊であることが、時間推移が遅く冗漫になりがちな構成にもかかわらず牽引力と求心力を与えている、と思いました。散文詩みたいですが、小説です。輝いている文体でした。また、三人称の視点(神の視点)の「私たち」を、「カメラ」という視座を設けて明確にすることで、「私たち」が「他の世界」に「入っていくこと」も明確になっている、と思いました。これは映画的なスリル・ダイナミズムを生む以上に、興味深いことだと思いました。あと、村上春樹さんの「僕」という一人称の作品には、「個人主義」に徹底しようとする意志のようなものが感じられましたが、三人称を意識し始めてから、その意志のようなものが、ちょっと変化してきているのかな、と個人的に感じました。人称の変更に伴う感興に過ぎない、と言われればそれまでですが。いずれにせよ、この作品は「国境の南、太陽の西」「スプートニクの恋人」と同じように、次の長編へ向けてのウォームアップだと思うので、次の作品が楽しみです。マリとエリが一緒に眠るところがとても美しかったです。 | ||||
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魂の漆黒の闇の中では時刻はいつも午前三時だ F・スコット・フィッツジェラルドこの作品を書くにあたって、村上春樹がこの言葉を意識しなかったはずはない。魂の漆黒の闇。全編に渡ってここには、魂の漆黒の闇と、それをほんの微かに照らすわずかな光しかない。無と同様に、真の闇はどこまで行っても闇であるし、闇は夜に溶け込み、都市の(もっと言えば我々の生活の)至る所に潜んでいる。思えば村上春樹はずっと「闇」を描き続けてきたのだ。闇、虚無、不安、沈黙、深淵、そして形而上学的死。これらは小説以外の媒体では、ほぼ表現(表象)不可能であると僕は信じている。だからこそ、こうして村上春樹の作品を読むのである。僕は常々、村上春樹はいつか必ずフィッツジェラルドの『THE GREAT GATSBY』を自らの手で翻訳するであろうと思って来たが、この作品を以てその確信をますます深めた。確信というか、希望・期待であったりはするのだけど(やはりフィッツジェラルドの真のおもしろみは、英語でなければ感じ取れないと、思ってみたりはする)。パブロ・カザルスのチェロを低く響かせながら、この本を読んでいるとき、僕もまた不完全な闇の一部の中にいた。村上春樹の新しい小説世界に期待したい。そして、哀しみを帯びた夜明けの美しさに、ただの一度でも触れたことがあるのであれば、村上春樹の描く「闇」と「夜明け」をどうか一度体験してみて下さい。 | ||||
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~「私らの立っている地面というのはね、しっかりしているように見えて、ちょっと何かがあったら、すとーんと下まで抜けてしまうもんやねん」これはアフターダークの中の一節です。村上春樹という作家はありふれた現実の姿、生活の姿を正確に切り取ることが非常にうまい、と僕は常々、~~思っていました。ああ、うまいなあ、この表現、などと思いながら、その文章の心地良さに身を任せているのですが、著者は巧妙な罠を仕掛けてきます。現実の描写の中に非現実の世界の雰囲気をそれは自然に滑り込ませていき、僕などは凡庸な主人公とともにあれよあれよと事件のまっただ中に放り込まれてしまいます。~~しかし、これははたして小説の中の登場人物に限った話なのでしょうか?僕やこの拙文を読んでいらっしゃるあなたの周りでも起こりうる話なのではないでしょうか?上の引用文に端的に示されているように。と、抽象的なレビューになってしまいましたが、僕が読んでおおよそ上のような感想を持ちました。それはさておき、この小説にはまだまだ続きが~~あるようです。続編での物語の展開が多いに期待されます。~ | ||||
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春樹さんの作品を読むことは、見落としていた心の一部分に目を向けさせられるような、自分自身の深い部分に潜っていく感覚が伴います。この作品でもそういう感覚を堪能しました。視点は異なるものの、作品のテーマもこれまでの作品と同じだと思います。春樹さんのファンの方なら作品の世界に違和感なく入り込めるのではないでしょうか。ただ以前の作品と比較して、文体に変化が見られるようです。そのせいか息苦しい程の緊迫感が感じられ、これは他では得難いちょっとした体験でした。春樹さんの新しい一面を見せつけられたようで、次の作品が今からとても楽しみです。「ねじまき鳥」級の大作を期待しています。 | ||||
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真夜中の都会の片隅で繰り広げられるお話です。ひとりでしかも設定と同じ真夜中に読むと作品世界と一体化できておすすめですよ。 書き下ろし長編となっていますがむしろ中編、あるいは超短編と言った方が適切かもしれない分量です。少し物足りなさがあるかもしれません。 | ||||
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