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ねじまき鳥クロニクル 第1部 泥棒かささぎ編



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【この小説が収録されている参考書籍】
ねじまき鳥クロニクル〈第1部〉泥棒かささぎ編 (新潮文庫)

ねじまき鳥クロニクル 第1部 泥棒かささぎ編の評価: 4.13/5点 レビュー 173件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.13pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全21件 1~20 1/2ページ
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No.21:
(3pt)

タイトルがうまい

文庫じゃなく単行本だったけど3日で読んだ。村上作品はこれと「田崎ツクル」は大丈夫だったけど、あとは途中までしか読めなかったです。トーマス・マン『魔の山』はポルノシーンもあったりユング風の世界観が共通して、村上春樹が好きな人は気に入るかもしれないです。映画なら「シックス・センス」。
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4101001413
No.20:
(3pt)

あちらの世界の出来事が、こちらの世界にどう結びつく?

村上春樹さん『ねじまき鳥クロニクル』読んだ。最新作『壁』から遡って長編を順番に読んでるけど、本作が圧倒的にわけがわからなかった。こちら側とあちら側、過去(戦時中)と現在の世界観がどう結びつくのか読み解けなかった。

あちらの世界の出来事が、こちらの世界にどう結びつく?
綿谷ノボルは妹達に何をした?
アザで不思議な能力を使える?治癒?
加納姉妹(マルタとクレタ)はどこへ行った?

あと、本作だけでなく『1Q84』にも登場する牛河さんが懐かしい。
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No.19:
(3pt)

村上作品でも好き嫌いが大きそう

文体が軽く、序盤の方はけっこうスイスイ読めるようなものなのだが、
物語が進むにつれてだんだんと、どんよりねっとりした重々しさに包まれる。

幾分グロテスクな描写も入ってくる。

重厚感があると考えるか、そうでないか…。好き嫌いが大きく出る作品のように思う。
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4101001413
No.18:
(3pt)

1巻だけでは何とも言えぬ

なし
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No.17:
(3pt)

不思議な文章のちから

本の中の時間のスピードが遅く感じるのだが、
決して退屈はしない文章。

ひずみを生み出すねじまき鳥。
鳴き声が聞こえたらいろいろな感情で反応してしまう。
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No.16:
(3pt)

モンゴルの井戸の底には光は届かない

私のような平凡な人間にはこの中のひとつのエピソードだけで充分なくらいに目まぐるしく物語が進んでいきます。それが小説の面白さなのだといえば、この作品は評価に値します。ただ、モンゴルの井戸の底には太陽の光は物理的に届かない。北回帰線より北だもんね。重要なモチーフの場面だけに、春樹それでいいのか?
編集者も気付かなかったのでしょうか。
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4101001413
No.15:
(3pt)

自分には”中間”の存在。

村上春樹という名前は流石に有名だから知っていたけど、作品を読んだことはなかった。
2010年、少し長く入院生活を送ることになり普段あまり本を読む方ではないけど、当時1Q84の3巻が大きな話題となっていたので作品にも作家にも何の予備知識もないまま全3巻を読んでみて、なるほどこういうお話だったかと。
つまらないとは思わなかったし、最後まで読めたけど とてつもなく面白かったかと聞かれればそうでもなく、
不思議なはなしだなと思いつつ、すごく魅力的だと思ったわけでもなく、
誰かに薦めようとはとくに思わないけど、読もうかなという人をあえて止めることもなく、
村上春樹という作家が素晴らしい才能があるのかないのかよくわからず、ただ有名だし売れてるらしいことは特に意外だと感じるわけでもなく。
村上春樹氏がノーベル賞を取れるか取れないかとくに興味もないけどもしいつか取れたら ああおめでとうございました、くらいには思うだろうし。

自分がどういう評価をしていいのかよくわからないので、試しにもう一作読んでみようと思って こちらの作品の1巻を古本屋で買い、
続きがそこには売ってなかったので2、3巻をAmazonで購入し、大分時間はかかったものの途中で投げだすこともなくこちらも一応最後まで読み終えて
結局 感想は1Q84の時からほぼなんの変動もなく、
本当に好きとまでいかないけど、嫌ではないんだな、自分はと客観的にとらえるくらいで、

どうも宙ぶらりんなまま、じゃもう一作読んでみようと現在海辺のカフカの1巻をもうじき読み終える所。

本当に自分がこの作家さんと作品をどう感じてるのか よくわからなくってどうもすっきりしない。

ひとつだけ、一巻の終盤に出てくる戦争体験の描写で、ちょっと表現がキツすぎて読みとばしたところが2~3ベージある。
読まなかったけどだいたいどんなことが書かれてたかは検討がつくので話のスジは理解できてると思う。

あと村上春樹氏の作品全体で感じるのは、作品そのものの評価はわからないけど、この人の大人向けのシーンの描写がどうもキモチワルイのと、
食事のシーンがなぜかすごく美味しくなさそうに感じるというところがある。

好きな人にはすごく好きになれる作品なのだろう。でも合わない人には合わないのだろう。
そして自分がどっちなのか、とにかくわからなく、今後もわかる気がしない。

どうでもいいようで気になる。
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4101001413
No.14:
(3pt)

おもしろいですが…

非常に楽しく読んでいたのですが、山本が生きたまま皮を剥がされていく描写が気持ち悪すぎます。右の肩から剥がされていって、最期は赤い肉のかたまりになりました。読む人はエチケット袋を横に置いて読んだ方がいいですよ。夜寝られなくなりましたし、数日は頭から離れなくなります。
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4101001413
No.13:
(3pt)

夫婦の成り立ちを粘着力ある物語をつくる。

実に粘着力のある物語だ。
「夫婦」というものの成り立ちを 描こうとしている。
ムラカミハルキは、自分というものを 
べっとりとしたゴムのようにして書いている。

ワタヤノボル という猫が行方不明となり、
その夫婦が 一体どうなっていくのか?
加納マルタのビニールの赤い帽子とジャックリーンケネディのような風貌
といわれただけで、彷彿として 浮かぶたたずまいは 
同じ時代を生きてきたものなんですね。

綿谷ノボル が 虫唾の走るような人物として
えがかれ、世の中を ロジックだけで わたっていく、
なんとなく 枡添厚生大臣 を思い出させる。
それが おもしろいことに 
統一した世界観がないというのが世界観である 
というヒトなのである。

世界観を統一して持っているということ自体が
あまりないことであるが、
持たないということをはっきりさせることも あまりない。

綿谷ノボル を読みながら、
マケーティングを研究している 研究者は ひょっとして
世界観を持たないから できるかもしれないなぁ
とおもったりした。
ひたすら、現実で起こっていることを 忠実に分析、解析して
そのなかから ある方向性を 探り出す。
それは 流れに従うことに他ならない。
自分で、あたらしい流れを作らないというところに 
マケーティングの真骨頂がある。

日本国民ほど 世界観を持たない奴はいない と感心する。

間宮中尉の 独白は・・・戦争が ニンゲンという仮面を
はがしていく作業で あることを知らせる。

ねじまき鳥は これからどうするのだろう。
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4101001413
No.12:
(3pt)

現実的な問題と非現実的な精神世界とのせめぎ合い

どっかのインタビューで著者が初めて夫婦間を描けた、と述べていましたが、確かに今までのようにストーリー展開のなかでの恋愛はあっても
初めからこの小説では夫婦間の関係の齟齬から始まっていますね。結果、予め成立した社会的関係の崩壊とその修復の試みなり清算なので、この著者には珍しく観念的で形而上の概念を使っての文章の比重が多めです。結局、井戸というのも周囲の雑念なりを徹底的に排してその暗がりの中で延々と今までの関係なりを実存的なレベルで探っていくとともに、主人公の出会う特徴的な人物との繋がりをきっかけに精神的な深さや時間軸を遡って精神的な冒険をすすめていくための象徴的な舞台のような気がしました。
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4101001413
No.11:
(3pt)

ねじまき鳥

読めば読むほどに、この小説の中に引き込まれていくような感じの作品です。
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4101001413
No.10:
(3pt)

どんよりとする内容。

なぜ、これにひかれたのか、
なぜなんだろ。
でも読みたかったのは
読むべしですね。
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4101001413
No.9:
(3pt)

想像力をフル活用して読める

頭の中に風景が浮かびます。その文章力はさすがとしか言えない。
しかし、話の内容が僕にはつまらない。ので、なかなか頁が進まない。(涙)

これで村上春樹作品を読むのは2作目だが、残念ながら僕には彼の良さがわかるまでには至らず。
今1Q84を読み始めましたが、これも・・・
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4101001413
No.8:
(3pt)

わかるひとにはわかる、のかな?

初めて村上春樹さんの著書を読んだ。今までなんとなく避けていた。
知り合いのアメリカ人に勧められ、日本人だし一応読んでみるかと手に取った。
読み始めると、ひきこまれて読んでしまうのだが、ここはいいや、と読み飛ばしてしまうこともしばしば。
最後はあっけなかった。
それでおしまい?という感じ。
獣医さんは?ボリスは?けむにまかれたような読後感だった。
でも、いつかまた村上作品を読んでもいいな、と思った。
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4101001413
No.7:
(3pt)

わかった気がするだけで、実は何も残らない

第1部 P155
僕の人生は間違いなく奇妙な方向に向かっている。
猫が逃げた。変な女からわけのわからない電話がかかってきた。不思議な女の子と知りあって、路地の空き地に出入りするようになった。
第2部 P336
表面的に見れば、これは馬鹿みたいに単純な話なんだ。
僕の奥さんがどこかで男を作って家出した。
そんな単純な話を、「こちら側の世界」と「あちら側の世界」2つのズレた視点から、複雑に、象徴的に描写する。
話はけっこう飛び飛びで、断片的で、繋がっていない。
繋がっていないようで、けっこう繋がっている。
とてもいい表現で生死観が語られていたりと、非常に印象的な章もある一方で、
私の読解力不足のせいもあるだろうが、
このエピソードは必要なのか?と思う章がいくつもあった。
村上春樹の代表作をいくつか読んでみた。はじめはわかった気になれて楽しかったし、高揚もした。
しかし、このパターンばかりだと飽きてしまうなー
わかった気がするだけで、実は何も残らない。
勉強不足なのかもしれない。ちょっと古典にでも手を出してみるかなー
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4101001413
No.6:
(3pt)

構成力の弱さ

日常の中に潜む些細な出来事が実は深い意味を持っている。その意味に気づくことは幸せなのだろうか?運命付けられているかのように受け入れるしかないいくつかの出来事。 透明な悪意に満ちた世界にパステル調の色彩のヴェールで紗をかける。そして人の心の奥底にそっとメスを入れる。独自の世界観を大上段に構えるわけではなく、静かに語りかけるように説き続ける筆者。
今、村上春樹を語る時に使われている此れらの修辞は、良きに付け悪しきに付けこの作品にこそ相応しいと思う。
しかし、いかんせん構成、展開ともに凡庸で最後まで読み通した充実感が無い。部分的には印象的なエピソードが多いだけに、はっきり言って途中で読むのを止めても読後感は大差無いかもしれない。
蛇足になるが、主人公がひたすらカタカナフードを飲み食いしているだけといった印象が残る。
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4101001413
No.5:
(3pt)

つかみどころの無い小説

3冊で1,000ページを超えるが、文章が読みやすいのでスラスラ行ける。しかし、内容は難解というか不可解なので、2巻まではさっぱり?3巻を読み終えると不思議な爽快感?がある。
1巻と言えば、間宮中尉の長い話が印象的というか衝撃的だった。人間の皮を・・・食事中だったので余計・・・
登場人物の下の名前がみんなカタカナなのは意味があるのだろうか?
渡辺真里菜さんは本書を読んで衝撃を受けたそうです。
まだの人は読んでみては如何?
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4101001413
No.4:
(3pt)

読ませる力。

これだけの長大な物語を読ませきってしまう村上春樹の力はやはりたいしたものだと思う。
高校時代に初めて読んだが、あまりにも先の展開が気になって、学校もズル休みして、ほとんど徹夜で2日間で読みきった。
当時はあまりにも深いその小説世界に戸惑いを覚えていたが、何度か読み直してみたところ、今ではなんとなく内容がつかめてきた・・・と言いたいところだが、相変わらずその圧倒的な世界観に今でも戸惑っている。
すごいなとは思うが、面白いなというところにはたどり着けない。おそらく理解するのにまだまだ時間がかかるだろう。
ただはっきりと言えることは、笠原メイは魅力的な女の子だ。
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4101001413
No.3:
(3pt)

現代社会の姿

 3部作全てを読み通してみましたが、結局何が言いたいのか分かりませんでした。これまで読んだ本は、読後に何かしら思うところがあったのですが、この作品には何も感じませんでした。 それが逆に気になって、何度も読み返しているのですが、残酷なシーンではついつい読み飛ばしてしまい、再び通読することはありませんでした。 この作品を研究している方のページで、作中のモチーフの相関図をみたり、「少年カフカ」を読んで、この混沌こそが村上春樹の表現したかったことなのか、と思いました。話の筋に対して、具体的に何か掴めたわけでは無いのですが、様々なイメージ(あるいはメタファー)に満ち溢れ、その中で何かを掴もうと躍起になっている現代そのものを表しているのだと思いました。 しかし、社会がこのような状態だからこそ、変わらない物を小説の中に見出したい私には、いまいちしっくり来ませんでした。 名作だ、という声が多くあるようですが、私はそうは思いません。 しかし、ここまで長い小説を一度に読み切れてしまうほど、文体は素晴らしいと思います。
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No.2:
(3pt)

探求譚の応用としては最高か

 春樹は、その文体の軽妙さ名前の若さ(?)に引き比べて、元来重いものを持ってる作家である。探求譚を応用して読ませながら、箴言表現をそこかしこにちらばせるので、どの世代も、文学好きも嫌いも、ゲーム好きも嫌いも、引き寄せてしまう。例えば君はペシミスティックな考え方するなと言われたメイが、その言葉の意味をはじめて知った後、「ペシミスティックじゃない世の中の大人はバカよ」と本書で言うようなところだ。 ところで奥泉光がうまく推理小説と純文学の合間を行って佳作をなしたのと、春樹のその方法は近いはずなのに、主人公が三人称のインテリかナイーブな一人称かで、ずいぶんとポピュラリティーの獲得で差が出てしまった、そんなことをつらつらと思わせる。 話の展開も最高にうまいが、主人公をめぐる展開が、ユングの原理を薄めて使うようなところがあまり個人的には好きではない(もし狙っているのならなおさら)。 むしろ春樹は、戦後の英米系探求小説を日本の土壌でうまく応用した力量を買うべきではないか。ところが逆に日本のミステリー作家たちときたら、お手の物の探求パターンのはずなのに、「文学」は書けないのだから、春樹が日本で独壇場になるのもよくわかる。 この作品を「読めてしまう」中高生はハマるだろうし、日本文学で最高と思っても不思議ではない。それは春樹が悪いのでもなんでもなくって、他の日本の作家が勉強不足なだけなのではないかとも思えてしまう。ちなみに評価が三つなのは、春樹の他の作品と比べた相対評価のつもりである。
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