ノルウェイの森

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評判

ノルウェイの森の評価:

3.82/5点 レビュー 818件。 C ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.82pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1,951件 721〜740 37/98ページ
No.1231
(5pt)

一番大切な本

好きな本。というより聖書に近い存在ではないかと。

初めてこの本を読んでから20年近い時間はすぎましたが、二十歳くらいの頃にこの本を読み、1年位はこの本だけを来る日も来る日も読み続け、その内、そらで全てを暗唱できるんじゃないか?という位読んでいました。
実際の所、台詞等はほとんど暗唱出来ていたと思います。

本を読んだり、映画を見たりして、これは自分のこと?と感じることはないですか?
自分を人間の屑だと思っている僕にとっては、本で言えば「ノルウェイの森」であり「限りなく透明に近いブルー」であり、映画で言えば「マグノリア」がそれなんですよね。

当時、僕はこの本を読んで、初めて自分が自分で構わないんだ。と、そう許してもらえたような気持ちになりました。

他人と密接な関係を築くことが苦手だった当時の自分にとっては、他人と関わるということは苦痛に感じることでした。
特に、誰とでも良好な関係を築かないといけない。
誰かとの関係を崩せば自分が攻撃されるかもしれない。
そんなことを心の奥底で恐れていたように思います。

けれどこの本を読んで、自分が心から大切だと思える人との出会いは奇跡のようなもので、大切だと思うからこそ思いが上手く通じ合えないことがどれだけ苦しいことなのか。ということを実感し、それ以降、全ての人と良好な関係であることは全く望まなくなりました。
そして僕は素のままの自分で人と接することを求め、また自分にとって大切な人との関係を全てにおいて最優先する。ということに疑いを持たなくなりました。

自己確立を形成するには遅すぎたのかもしれませんが、間違いなく僕という人を形作ったものの一番根幹にはこの本との出会いがあると思います。

改めて考えてみても自分にとっては一番大切な本、まさしく聖書ですね。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.1230
(5pt)

懐かしい

私が最初に上巻を手にとったのは、中学1年の夏期休暇、溜まっていた美術のポスターの宿題をこなそうとした時だった。

今でこそ書籍を通信販売で購入することが多くなりましたが、中学生の私は書店でこの赤・緑のカバー買いをしました。
村上春樹という新進作家の作品くらいにおもいながらページを開いたら最後ポスターをほったらかして、下巻まで読みふけってしまいました。

ありがちな青春群像物でしょう。しかし、当時のわたしにとっては言葉で伝えきれない何かを、傷をつけた作品であることは確かです。

読書においては、読む時期が大切であると今でも痛感しています。世界には、村上春樹など足元にも及ばぬ文豪、思想家がいます。
質が低下したと言われるノーベル文学賞にかすることができるか出来ないかくらいの作家と思います。

しかし、わたしにとってのベストは未だにノルウェイの森です。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.1229
(5pt)

さらっとも読めるが、何故と考え出すとすぐには自分の答えが出せない作品

今更と思われるが村上春樹は初めてある。特に著者への思い入れはない。上下合わせてのレビューである。
当初、書き出し、終わり、その間の展開の関係が理解できなかった。何故世界的なベストセラーとなっているか疑問であった。
自分では理解出来ないことが多くて、本レビューやネット検索により「ノルウェイの森」論を読んだ。
性描写からエロ小説と捉えるのは単純過ぎる。死者が多すぎるという意見も末梢的なものである。ある程度の年齢になると、性、死は、小説での頻度と同等とは言えないが、日常からかけ離れたものではない。登場する音楽、書物等がキザで鼻につくと感じるのも本筋ではない。
ある方の「僕」と「直子」そして「緑」との関係を説いた 村上春樹「ノルウェイの森」論 が自分には最も当てはまった。今では、世界的ベストセラーであることに納得し、何度読み返しても、話の展開を楽しめる深い作品と思う。
映画では視覚的に訴える所はあるが小説とは別物と考えたほうがよい。
ノルウェイの森(上) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森(上)より
4062035154
No.1228
(2pt)

食わず嫌いは間違ってなかった

しかしこの話は人が死にすぎる
良くも悪くもこれに尽きる

緑が好きだったので結構楽しめましたが
緑が出るまではだらだら感がありました

彼女が物語りに抑揚をつけてますね
人の死はエネルギー使いますから
物書きの必殺技かもしれませんね
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X
No.1227
(4pt)

不気味なのだが

僕はこの小説「ノルウェイの森」を18の歳で読んだ。
普段小説など手にしない僕が、この本を読もうと思ったのは、たまたま学校の先生がなにかのきっかけで本の話題になった時、お薦めしていたからだ。
この本を一言で言い表すとすれば、不気味な恋愛小説だ。さえない主人公ワタナベの周辺で人が次々死んでいくし、当然のようにセックスをする。
描写や雰囲気は上下巻通して、陰鬱な印象を与える。この小説を毛嫌いする人は、ただの薄っぺらい官能小説と言う人が多い。
僕は読後、心にぽっかりと大きな穴があいてしまった。そして2.3日は目の焦点が合わないような顔をしていただろう。授業中、ぼんやりと考え事をすることも多くなった。それだけの衝撃を世間知らずの18歳の僕に与えたのだ。人を愛する事の素晴らしさや、弱き心を持ちながらも強く生きようとする姿は、とても考えさせられた。しかしこの気持ちはあまりうまく表現できそうない。なぜだろう。
読者になにかしらの強烈な衝撃を与えてくれることは間違いないだろう。
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X
No.1226
(5pt)

不満なし

不満なしーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X
No.1225
(4pt)

「ノルウェイの森」の真相

まず冒頭を見てみよう。これ程綺麗な文章は外には見当たらない。ただナルシスティックなのが鼻につく。綺麗でナルシスティックな文体。ここで考えなければならないのは、「この小説はこの文体でなければ書けないのか?」ということである。しばらく読むとヒントが出てくる。
「ひょっとして自分は一番肝心な部分の記憶を失ってしまっているんじゃないかとふと思うからだ」これである。より意地悪く見れば、記憶自体が変わってしまっているのではないかとも疑える。そのように考えた場合、この文の直前の回想は、後の回想のどこかに挿入できるはずだか、後の回想を読んでもうまく当てはまらない。
この後から、直子の死までは、主人公・ワタナベの成長の物語である。直子と関わり、緑と知り合いその他さまざまな体験を通じて、親友・キズキの死以来ワタナベの眠っていた感情が次第に動いていく。主人公の成長を読者が感じ始めたところで、主人公は緑と結ばれ、直子が死ぬ。
「直子が死んで」第11章はこの出だしで始まる。前章までで直子は死んでいないので、唐突な印象を受ける。この後、唐突な印象を埋めるように文章が続いていくので、読者は直子が死ぬ経緯を補完できるが、それならこの出だしで11章が始まる必要はない。つまり、この出だしは意図して書かれている。何かが抜けた印象を、読者に与えようとしているのだ。
何が抜けたのかは、しばらく置く。この後ワタナベは放浪し、東京に戻ってレイコとセックスをする。このシーンを最も美しいという人がいるが、恋愛感情がない限り、年増の不美人とのセックスは、男の劣等感や罪悪感を表すものである。男の負の感情によるセックスを主題にしたものとして、桐野夏生の「グロテスク」がある。「グロテスク」では、男が年増の不美人とのセックスに耽溺した後、その女性に殺意を持ち、実行する。どんなに綺麗に描いても、そのセックスは健康的なものではない。
それではワタナベには、どんな劣等感、または罪悪感があるのか。ここで10章の最後を見てみよう。直子の退院を待っていたワタナベは、緑の告白により、緑を愛するようになる。ワタナベは混乱し、手紙でレイコに相談する。その時直子は療養所を離れ、別の施設で治療を受けていた。そしてレイコは、とりあえず直子には緑とのことを黙っているようにとワタナベに伝え、11章に続く。
ここで、何が抜けたかが見えてくる。つまりワタナベが緑を愛するようになったのが、直子に伝わったのである。そしてそれが直子の自殺の原因ではないか?
ワタナベとレイコのセックスを、レイコが直子に代わり約束を守ったという解説者もいたが、ワタナベは直子を待っていないので、約束が果たされる必要はない。しかしワタナベが緑に心変りしたことが直子の自殺の原因なら、このセックスは従来の解説とは全く違った様相となる。
レイコは直子の服を着てワタナベに会いにいく。なぜレイコは直子の服を持っていたのか?それが直子の唯一の遺言だからである。なぜ直子がそんな遺言をしたのか?死んだ後に服を譲れば、レイコは直子の服を着て、ワタナベに会いにいくのが分かっていたからである。なぜレイコは、直子の服を着て、ワタナベに会いに行ったのか?それはワタナベへの贖罪、つまりワタナベが緑を愛するようになったのを、直子に知らせたことの償いだが、この償いはワタナベを共犯者にする含みがある。そしてそれが直子の本当のもくろみである。直子はレイコさんを身代わりに、約束を果たしていないワタナベに抱かれることにより、ワタナベに負い目を抱かせたのである。
「私のこと、忘れないでね…」この言葉通り、ワタナベにとって直子は、罪悪感により一生忘れられない女となったのだ。
「今どこにいるの?」
レイコとのセックスの後、緑に電話したワタナベに、緑が問いかける。
ーー僕はどこにいるんだ?
ワタナベは、自分がどこにいるのかわからない。ワタナベは緑の名前を呼び続ける。緑の名を呼ぶのは、緑を愛しているからではない。ワタナベは助けを求めているのである。
ワタナベは、死の世界にも似た。、罪悪感に満たされた世界にいるのである。押し寄せる罪悪感と、自己正当化に消耗する世界。「今どこにいるの?」と尋ねた時点で、既に緑は、ワタナベを救えないことを感じている・・・
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X
No.1224
(4pt)

きれい

買って良かった。リサイクルは充分可能な本でした。これからも、あればリサイクル本を購入します。
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X
No.1223
(4pt)

http://www.amazon.co.jp/gp/product/406274869X/ref=cm_cr_ryp_prd_ttl_sol_27

http://www.amazon.co.jp/gp/product/406274869X/ref=cm_cr_ryp_prd_ttl_sol_27
ノルウェイの森 下 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 下 (講談社文庫)より
406274869X
No.1222
(4pt)

あとがき

本書の単行本には、「僕は原則的にあとがきをつけることを好まないが、おそらくこの小説はそれを必要とするだろうと思う。(←たぶん、過去に書かれた短編小説がそのままこの小説の一部になっていることなどだと思うのですが)」と最初にことわって書かれた、短い著者のあとがきがあります。

『・・・
・・・
僕という人間が好まれたり好まれなかったりするように、この小説もやはり好まれたり好まれなかったりするだろうと思う。僕としてはこの作品が僕という人間の質を陵駕して存続することを希望するだけである。
・・・・』

芥川龍之介の『人生は一行のボードレールにも若(し)かない』という言葉は割と有名だと思うのですが、同じようなことを言っているように思います。
河合隼雄さんとの対談本で著者は、「自分は伝えたいメッセージがあるから小説を書くのではなく、メッセージを探すために小説を書いているような気がする」というようなことを言っているのですが、これらのことを読んでいつしか、メッセージが伝えたくて小説を書くというのは邪道なのだ、ということが分かるようになったような気がします。
こういうことをする人は、もう自分が人に伝えるべきことを知っている、と、ある意味思いあがっているのだということが。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.1221
(3pt)

「たぶんもう八十人くらいは行ってるんじゃないかな」と僕は言った。 P200

飛行機が着地を完了すると禁煙のサインが消え、天井のスピーカーから小さな音でBGMが流れはじめた。それはどこかのオーケストラが甘く演奏するビートルズの「ノルウェイの森」だった。そしてそのメロディはいつものように僕を混乱させた。いや、いつもとは比べものにならないくらい激しく僕を混乱させ揺り動かした。 P5
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.1220
(5pt)

不満なし

不満なしーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.1219
(5pt)

病んでる時に読んだら共感がもてる

主人公の性行為に対する軽さには納得いかないが、上下関係読んで見て渡辺君を取り囲む環境の異質さに自分ならどう感じるかを考えされられました。
寮仲間の特攻隊や永沢くん。そしてその彼女。
大学で知り合った小林という女性。
高校時代の親友キズキとその彼女。
療養所で知りあった直子のパートナー。
それらには、どれも死が関連しているがそれぞれが死の捉え方をしていて、そんな境遇に置かれるワタナベが自分自身について考える。

特に永沢からは学ぶことが多い気がした。
私には理解し難いですが、オリジナリティあふれる物事の例え方。どれも深いです。
こういう本の内容なので最後にどんでん返しか起こってしまうのではと期待し、どんどん本の魅力にはまって行く自分がいました。
ノルウェイの森 上 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森 上 (講談社文庫)より
4062748681
No.1218
(2pt)

食わず嫌いは間違ってなかった

しかしこの話は人が死にすぎる
良くも悪くもこれに尽きる

緑が好きだったので結構楽しめましたが
緑が出るまではだらだら感がありました

彼女が物語りに抑揚をつけてますね
人の死はエネルギー使いますから
物書きの必殺技かもしれませんね
ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫)より
4061848933
No.1217
(4pt)

不気味なのだが

僕はこの小説「ノルウェイの森」を18の歳で読んだ。
普段小説など手にしない僕が、この本を読もうと思ったのは、たまたま学校の先生がなにかのきっかけで本の話題になった時、お薦めしていたからだ。
この本を一言で言い表すとすれば、不気味な恋愛小説だ。さえない主人公ワタナベの周辺で人が次々死んでいくし、当然のようにセックスをする。
描写や雰囲気は上下巻通して、陰鬱な印象を与える。この小説を毛嫌いする人は、ただの薄っぺらい官能小説と言う人が多い。
僕は読後、心にぽっかりと大きな穴があいてしまった。そして2.3日は目の焦点が合わないような顔をしていただろう。授業中、ぼんやりと考え事をすることも多くなった。それだけの衝撃を世間知らずの18歳の僕に与えたのだ。人を愛する事の素晴らしさや、弱き心を持ちながらも強く生きようとする姿は、とても考えさせられた。しかしこの気持ちはあまりうまく表現できそうない。なぜだろう。
読者になにかしらの強烈な衝撃を与えてくれることは間違いないだろう。
ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫)より
4061848933
No.1216
(5pt)

不満なし

不満なしーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫)より
4061848933
No.1215
(4pt)

「ノルウェイの森」の真相

まず冒頭を見てみよう。これ程綺麗な文章は外には見当たらない。ただナルシスティックなのが鼻につく。綺麗でナルシスティックな文体。ここで考えなければならないのは、「この小説はこの文体でなければ書けないのか?」ということである。しばらく読むとヒントが出てくる。
「ひょっとして自分は一番肝心な部分の記憶を失ってしまっているんじゃないかとふと思うからだ」これである。より意地悪く見れば、記憶自体が変わってしまっているのではないかとも疑える。そのように考えた場合、この文の直前の回想は、後の回想のどこかに挿入できるはずだか、後の回想を読んでもうまく当てはまらない。
この後から、直子の死までは、主人公・ワタナベの成長の物語である。直子と関わり、緑と知り合いその他さまざまな体験を通じて、親友・キズキの死以来ワタナベの眠っていた感情が次第に動いていく。主人公の成長を読者が感じ始めたところで、主人公は緑と結ばれ、直子が死ぬ。
「直子が死んで」第11章はこの出だしで始まる。前章までで直子は死んでいないので、唐突な印象を受ける。この後、唐突な印象を埋めるように文章が続いていくので、読者は直子が死ぬ経緯を補完できるが、それならこの出だしで11章が始まる必要はない。つまり、この出だしは意図して書かれている。何かが抜けた印象を、読者に与えようとしているのだ。
何が抜けたのかは、しばらく置く。この後ワタナベは放浪し、東京に戻ってレイコとセックスをする。このシーンを最も美しいという人がいるが、恋愛感情がない限り、年増の不美人とのセックスは、男の劣等感や罪悪感を表すものである。男の負の感情によるセックスを主題にしたものとして、桐野夏生の「グロテスク」がある。「グロテスク」では、男が年増の不美人とのセックスに耽溺した後、その女性に殺意を持ち、実行する。どんなに綺麗に描いても、そのセックスは健康的なものではない。
それではワタナベには、どんな劣等感、または罪悪感があるのか。ここで10章の最後を見てみよう。直子の退院を待っていたワタナベは、緑の告白により、緑を愛するようになる。ワタナベは混乱し、手紙でレイコに相談する。その時直子は療養所を離れ、別の施設で治療を受けていた。そしてレイコは、とりあえず直子には緑とのことを黙っているようにとワタナベに伝え、11章に続く。
ここで、何が抜けたかが見えてくる。つまりワタナベが緑を愛するようになったのが、直子に伝わったのである。そしてそれが直子の自殺の原因ではないか?
ワタナベとレイコのセックスを、レイコが直子に代わり約束を守ったという解説者もいたが、ワタナベは直子を待っていないので、約束が果たされる必要はない。しかしワタナベが緑に心変りしたことが直子の自殺の原因なら、このセックスは従来の解説とは全く違った様相となる。
レイコは直子の服を着てワタナベに会いにいく。なぜレイコは直子の服を持っていたのか?それが直子の唯一の遺言だからである。なぜ直子がそんな遺言をしたのか?死んだ後に服を譲れば、レイコは直子の服を着て、ワタナベに会いにいくのが分かっていたからである。なぜレイコは、直子の服を着て、ワタナベに会いに行ったのか?それはワタナベへの贖罪、つまりワタナベが緑を愛するようになったのを、直子に知らせたことの償いだが、この償いはワタナベを共犯者にする含みがある。そしてそれが直子の本当のもくろみである。直子はレイコさんを身代わりに、約束を果たしていないワタナベに抱かれることにより、ワタナベに負い目を抱かせたのである。
「私のこと、忘れないでね…」この言葉通り、ワタナベにとって直子は、罪悪感により一生忘れられない女となったのだ。
「今どこにいるの?」
レイコとのセックスの後、緑に電話したワタナベに、緑が問いかける。
ーー僕はどこにいるんだ?
ワタナベは、自分がどこにいるのかわからない。ワタナベは緑の名前を呼び続ける。緑の名を呼ぶのは、緑を愛しているからではない。ワタナベは助けを求めているのである。
ワタナベは、死の世界にも似た。、罪悪感に満たされた世界にいるのである。押し寄せる罪悪感と、自己正当化に消耗する世界。「今どこにいるの?」と尋ねた時点で、既に緑は、ワタナベを救えないことを感じている・・・
ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫)より
4061848933
No.1214
(4pt)

きれい

買って良かった。リサイクルは充分可能な本でした。これからも、あればリサイクル本を購入します。
ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫)より
4061848933
No.1213
(4pt)

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ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈下〉 (講談社文庫)より
4061848933
No.1212
(4pt)

あとがき

本書の単行本には、「僕は原則的にあとがきをつけることを好まないが、おそらくこの小説はそれを必要とするだろうと思う。(←たぶん、過去に書かれた短編小説がそのままこの小説の一部になっていることなどだと思うのですが)」と最初にことわって書かれた、短い著者のあとがきがあります。

『・・・
・・・
僕という人間が好まれたり好まれなかったりするように、この小説もやはり好まれたり好まれなかったりするだろうと思う。僕としてはこの作品が僕という人間の質を陵駕して存続することを希望するだけである。
・・・・』

芥川龍之介の『人生は一行のボードレールにも若(し)かない』という言葉は割と有名だと思うのですが、同じようなことを言っているように思います。
河合隼雄さんとの対談本で著者は、「自分は伝えたいメッセージがあるから小説を書くのではなく、メッセージを探すために小説を書いているような気がする」というようなことを言っているのですが、これらのことを読んでいつしか、メッセージが伝えたくて小説を書くというのは邪道なのだ、ということが分かるようになったような気がします。
こういうことをする人は、もう自分が人に伝えるべきことを知っている、と、ある意味思いあがっているのだということが。
ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: ノルウェイの森〈上〉 (講談社文庫)より
4061848925