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季節のない街
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【この小説が収録されている参考書籍】
季節のない街の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.55pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全47件 21~40 2/3ページ
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短編集はあまり好きじゃない。でも周五郎さんのは、時に強烈な言葉がある。 貧民街はどういうわけか自然とできる。そして、そこに住む人たちは、むき出しの人間を見せる。 そこは、余裕のある人びとが見栄を張ったり、着飾ったりする虚飾とは無縁の世界である。 しかし、だからこそ人間本来の姿を如実に映すのだ。 虚飾あふれる人生と、感情むき出しの哀愁漂うどこか滑稽な人生 僕なら後者を選びたい。 | ||||
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貧しい街に住む、貧しい住人達のお話です。そこの暮らしから抜け出したくても抜け出せない住人や事情があって一時的にそこに暮らしている住人、あえてそこでの暮らしを選んでいる住人など背景は色々ですがそこの住人に一環していることは、他人の目を気にしているような余裕なんて無いほど、惨めだけど必死に毎日を暮らしている、ということです。 この本を読んだ後に元気がでるとか明るい前向きな気持ちになる、という事はありませんが、世の中不公平な事ばかりで人生何1つ思うように行かないけれども、それでもこの街の住人のようにご飯を食べて寝て起きて、そうやって毎日を暮らしていく(いくしかない)んだ、と改めて思い知らされる、そんな本です。そして、それこそが人生なのだと気づかされる本です。 Facebookやブログやなんだかんだで、他人の華やかさ(もしくは見栄)ばかりの見えてくるこんな時代だからこそ、私はこの本を読んで良かったと思いました。人にどう思われるか、を気にしてしまう若い世代の方にお勧めです。 それぞれ主人公の違った短編ですが、何年たっても心の中にぼんやりと残ってふっとしたときに、「こんな人の話、どっかで聞いたなぁ」と思い出しそうな話ばかりです。同じ街の住民の話なので意外なところでつながっていたり、後でまた別の話に出てきたりするところも面白かったです。 私は小説の最後の終わりの1段落に大きな衝撃を受けました。読み終わった今も、何度も何度もその1段落を読み返して心に染み込ませています。非常に人間くさい1冊でした。 | ||||
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大好きな作家です。 色々読みましたが、この作品は気が滅入ります。考えることが多く、記憶のふかーい所でずーっとおもーい何かが残ったままです。 この表紙を見かけるたびに読まなければよかった・・・と後悔しています。でも読んでおくべきだ!とも考えます。 昭和の子供時代、下町のどうにも貧困から抜け出せないでいた人たち(大人たち)を思いだし、子供ながらの 疑問が解けた思いでした。 | ||||
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40年も前、学生のころ山本周五郎の作品をたくさん読みました。 「プールのある家」が心に刻まれて今でも気にかかっています。 思えば今の日本の姿のような気がしないでもありません。 山本周五郎は太宰治を評価していたようですね。 | ||||
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旦那さんが、黒沢監督のどですかでんの話をしていたので、話について行こうと思い、調べてみたら山本周五郎先生の季節のない街が元になってるということで購入しました。昭和の貧しい時代背景の中で、満足な教育を受けることなくて、小さな世界で生きてく人々が描かれています。こんな世界があったって知らない年代の人もフィクションじゃなく、リアルにあったって知ってほしい一冊です。 | ||||
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短編集で入りやすい。 ひとつひとつの物語はとても短いが、最終的にはそれぞれに違った衝撃を受けてしまう。 主にコミカルなキャスティングかと思いきや、時として恐ろしいほどのシリアスな状況に衝撃を受ける。 現代では少なくなった光景かも知れませんが、確かにこんな時代があって、ありえないようなというか、あってほしくない展開に、しかし何故かリアルに想像出来てしまう不思議が、これらの短編集にはあります。 旧い日本の、庶民的な酸いや甘いを感じさせてくれる作品だと思います。 何故か今を頑張ろうと思わせてくれる作品です。 | ||||
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登場人物のキャラクターがとにかく多彩だ。 物乞いをしながら空想に生きる親子。いびつな関係の夫婦。倹約を生き甲斐にする家族。 吹きだまりのような貧しい街で、誰もが自分を飾る余裕がないからなのか。 それぞれの人間の本性、素質が取り繕うことなくさらけ出される。 それは最初、極端なキャラクター設定のように思える。 しかし読み進めていくうちに、「こんな人いるなぁ」と思えてくる。 そして、登場人物を通して、これまで気づかなかった自分自身の素質まで発見する。 人間の本性、素質を分かりやすく、面白く描ききった傑作である。 | ||||
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少し心が滅入っている時に読むと、涙が止まらなくなる。その涙はまるで漢方薬のように穏やかに効いて 「さて、生きてみるか」といった気になる。掌で守ってやりたい小雀のような連作である。 黒沢明が映像化したけれど、映像では具体的に目に見え過ぎたものが小説ではぼーっとかげろうのようになって、 心を落ち着かせてくれる。 「どですかでんの六ちゃんは、自分があたまが弱いくせに、仏壇の前で毎晩『母ちゃんのあたまが良くなりますように』と祈っている」 | ||||
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本書を初めて読んだのは、私が10代始めのころであった。 今回、約30年ぶりに読み返してみたのだが、当時理解していた本書の内容と40代の私が読み直した内容とに、ずいぶん大きな開きがあることに気がついた。 山本周五郎は、本物である。 観念のお遊びだけで執筆された彼の作品を、私は知らない。 山周翁自身が直接見聞きし、感じ、考えたことしか書いていないように思う。 飛躍して聞こえるかもしれないが、それゆえに山周翁の作品には普遍性があるのだと思う。某有名日本人売れっ子作家の駄作などよりも、この作品を翻訳し、海外の人々にも読んでもらいたい。日本人だけの財産にしておくのは、むしろ、冒涜ですらあろう。 「季節のない街」を読んだうえで、なんの感動も覚えることができないような人とは、友達になりたくないものである。 | ||||
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本書を初めて読んだのは、私が10代始めのころであった。 今回、約30年ぶりに読み返してみたのだが、当時理解していた本書の内容と40代の私が読み直した内容とに、ずいぶん大きな開きがあることに気がついた。 山本周五郎は、本物である。 観念のお遊びだけで執筆された彼の作品を、私は知らない。 山周翁自身が直接見聞きし、感じ、考えたことしか書いていないように思う。 飛躍して聞こえるかもしれないが、それゆえに山周翁の作品には普遍性があるのだと思う。某有名日本人売れっ子作家の駄作などよりも、この作品を翻訳し、海外の人々にも読んでもらいたい。日本人だけの財産にしておくのは、むしろ、冒涜ですらあろう。 「季節のない街」を読んだうえで、なんの感動も覚えることができないような人とは、友達になりたくないものである。 | ||||
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平成21年第51版。 いろいろとゴタクを述べさせてもらうなら、本作はムイシュキンが登場する『じゃりんこチエ』である。 黒澤明が本作を原作に『どですかでん』を映画化したが、世界のクロサワの原作ではおそらく周五郎が最も多いのではないか。 生きることは誰しも辛いが、それでも、それでも、夢なんて見なくても今日を何とか生き延びることだけが人間の偉さなんだということがわかる。万人が読むべき1冊!!! | ||||
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平成21年第51版。 いろいろとゴタクを述べさせてもらうなら、本作はムイシュキンが登場する『じゃりんこチエ』である。 黒澤明が本作を原作に『どですかでん』を映画化したが、世界のクロサワの原作ではおそらく周五郎が最も多いのではないか。 生きることは誰しも辛いが、それでも、それでも、夢なんて見なくても今日を何とか生き延びることだけが人間の偉さなんだということがわかる。万人が読むべき1冊!!! | ||||
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ボンヤリとテレビを見ていたら、漫画家の西原理恵子さんが、 「漫画を描いてみようというきっかけになった本」と紹介していたので読んでみました。 底の抜けたバケツのような、貧しい街の隅々で繰り広げられる、凸凹(デコボコ)した人々の一日一日が、一話一話、目線を低く抑えた丁寧な文体で、愛しくあぶり出されていて… 忘れかけていた思いが、深〜く沁み入りました。 『苦しみつつ、なおはたらけ、安住を求めるな、この世は巡礼である。』 →開高健のあとがきも、とても気に入りました。 | ||||
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ボンヤリとテレビを見ていたら、 漫画家の西原理恵子さんが、 「漫画を描いてみようというきっかけになった本」 と紹介していたので読んでみました。 底の抜けたバケツのような、貧しい街の隅々で繰り広げられる、 凸凹(デコボコ)した人々の一日一日が、 一話一話、目線を低く抑えた丁寧な文体で、 愛しくあぶり出されていて… 忘れかけていた思いが、深〜く沁み入りました。 『苦しみつつ、なおはたらけ、安住を求めるな、この世は巡礼である。』 →開高健のあとがきも、とても気に入りました。 | ||||
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季節のない街に生まれ、風のない丘に育ち、と泉谷しげるの名曲「春夏秋冬」を連想してしまうタイトル。でも中に収められている物語たちは心揺さぶる物語が多い。貧しい人たちが、心貧しくしてしまったり、貧しさに負けず、明るく生きていたり、どうしようもなく悲しかったり、悲惨な話もあるが、みんな現実を生きている。自分の生きている世界だけが現実でなく、人それぞれに現実がある。その現実に負けずに踏ん張っていたり、負けちゃったりするから生きていくことにつらくなったりする。でも逆にこんなことがあるから生きていけるのかもしれない。人間には差さない。みんな懸命に生きている。こんなことを感じた私は、本書によって生きる力をもらったようだ。 | ||||
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季節のない街に生まれ、風のない丘に育ち、と泉谷しげるの名曲「春夏秋冬」を連想してしまうタイトル。でも中に収められている物語たちは心揺さぶる物語が多い。貧しい人たちが、心貧しくしてしまったり、貧しさに負けず、明るく生きていたり、どうしようもなく悲しかったり、悲惨な話もあるが、みんな現実を生きている。自分の生きている世界だけが現実でなく、人それぞれに現実がある。その現実に負けずに踏ん張っていたり、負けちゃったりするから生きていくことにつらくなったりする。でも逆にこんなことがあるから生きていけるのかもしれない。人間には差さない。みんな懸命に生きている。こんなことを感じた私は、本書によって生きる力をもらったようだ。 | ||||
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あの有名夫人団は施与をすることによって、自分の贖罪意識と優越感を 満足させようとした。貧乏人ほどこういうことに敏感なものはない、 かれらは自分たちの貧窮が利用されたことを知って怒ったのだ。 黒い樹立から眼を上げると、空には一面に星が輝いているが、その瞬きは冷たく、 非情で、愛を囁きかけるというよりも、傍観者の嘲弄のように見える。 「良し良し眠れるうちに眠っておけ」とそれは言っているようであった。 「明日は又踏んだり蹴ったりされ、くやしなきをしなくちゃあならないんだからな」 その日の糧を得るために、いつもぎりぎりの生活に追われているから、虚飾で人の眼をごまかしたり 自分を偽ったりする暇も金もない、ありのままの自分をさらけ出している。 先生、さすがでございます。と、思った作中の文章であります。 | ||||
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あの有名夫人団は施与をすることによって、自分の贖罪意識と優越感を 満足させようとした。貧乏人ほどこういうことに敏感なものはない、 かれらは自分たちの貧窮が利用されたことを知って怒ったのだ。 黒い樹立から眼を上げると、空には一面に星が輝いているが、その瞬きは冷たく、 非情で、愛を囁きかけるというよりも、傍観者の嘲弄のように見える。 「良し良し眠れるうちに眠っておけ」とそれは言っているようであった。 「明日は又踏んだり蹴ったりされ、くやしなきをしなくちゃあならないんだからな」 その日の糧を得るために、いつもぎりぎりの生活に追われているから、虚飾で人の眼をごまかしたり 自分を偽ったりする暇も金もない、ありのままの自分をさらけ出している。 先生、さすがでございます。と、思った作中の文章であります。 | ||||
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ヘビーな内容でした。作り話では無く、著者が見聞きした題材を基にしていると 知って気持ちが重くなりました。 特に「がんもどき」はなんとも言えず悲しい気分になりました。 読み終わった後、「何かをしなければいけない」と気持ちが高ぶったのは不思議でした。 | ||||
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ヘビーな内容でした。作り話では無く、著者が見聞きした題材を基にしていると 知って気持ちが重くなりました。 特に「がんもどき」はなんとも言えず悲しい気分になりました。 読み終わった後、「何かをしなければいけない」と気持ちが高ぶったのは不思議でした。 | ||||
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