■スポンサードリンク
季節のない街
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
季節のない街の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.55pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全51件 41~51 3/3ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
あの有名夫人団は施与をすることによって、自分の贖罪意識と優越感を 満足させようとした。貧乏人ほどこういうことに敏感なものはない、 かれらは自分たちの貧窮が利用されたことを知って怒ったのだ。 黒い樹立から眼を上げると、空には一面に星が輝いているが、その瞬きは冷たく、 非情で、愛を囁きかけるというよりも、傍観者の嘲弄のように見える。 「良し良し眠れるうちに眠っておけ」とそれは言っているようであった。 「明日は又踏んだり蹴ったりされ、くやしなきをしなくちゃあならないんだからな」 その日の糧を得るために、いつもぎりぎりの生活に追われているから、虚飾で人の眼をごまかしたり 自分を偽ったりする暇も金もない、ありのままの自分をさらけ出している。 先生、さすがでございます。と、思った作中の文章であります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
あの有名夫人団は施与をすることによって、自分の贖罪意識と優越感を 満足させようとした。貧乏人ほどこういうことに敏感なものはない、 かれらは自分たちの貧窮が利用されたことを知って怒ったのだ。 黒い樹立から眼を上げると、空には一面に星が輝いているが、その瞬きは冷たく、 非情で、愛を囁きかけるというよりも、傍観者の嘲弄のように見える。 「良し良し眠れるうちに眠っておけ」とそれは言っているようであった。 「明日は又踏んだり蹴ったりされ、くやしなきをしなくちゃあならないんだからな」 その日の糧を得るために、いつもぎりぎりの生活に追われているから、虚飾で人の眼をごまかしたり 自分を偽ったりする暇も金もない、ありのままの自分をさらけ出している。 先生、さすがでございます。と、思った作中の文章であります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ヘビーな内容でした。作り話では無く、著者が見聞きした題材を基にしていると 知って気持ちが重くなりました。 特に「がんもどき」はなんとも言えず悲しい気分になりました。 読み終わった後、「何かをしなければいけない」と気持ちが高ぶったのは不思議でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ヘビーな内容でした。作り話では無く、著者が見聞きした題材を基にしていると 知って気持ちが重くなりました。 特に「がんもどき」はなんとも言えず悲しい気分になりました。 読み終わった後、「何かをしなければいけない」と気持ちが高ぶったのは不思議でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「季節のない街」は「青べか物語」を元にして、小説化された作品のようです。 「街」と呼ばれる「風の吹き溜まりに塵芥が集まるように出来た貧民街」での話です。全部で15の話があり、そこに出てくる人たちは様々な個性を持っています。同じような人たちはほとんど出てきません。しかし、共通しているのは「貧しい」ということです(程度の差こそあれ)。 これを読んで思い出したのが作者は同じ山本周五郎の「寝ぼけ署長」でした。この話の中にも「貧民街」というものが出てきて、主人公の寝ぼけ署長はそこに住む人たちのことを「単純で素朴な人たち」と称して愛しています。 山本周五郎自身もまたこの「単純で素朴な人たち」を愛していたのでしょう。「季節のない街」に出てくる人たちもまた「単純で素朴」です。周五郎の人並みはずれて優しく、慈悲深い目と心がこの傑作を生み出したのでしょう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「季節のない街」は「青べか物語」を元にして、小説化された作品のようです。 「街」と呼ばれる「風の吹き溜まりに塵芥が集まるように出来た貧民街」での話です。全部で15の話があり、そこに出てくる人たちは様々な個性を持っています。同じような人たちはほとんど出てきません。しかし、共通しているのは「貧しい」ということです(程度の差こそあれ)。 これを読んで思い出したのが作者は同じ山本周五郎の「寝ぼけ署長」でした。この話の中にも「貧民街」というものが出てきて、主人公の寝ぼけ署長はそこに住む人たちのことを「単純で素朴な人たち」と称して愛しています。 山本周五郎自身もまたこの「単純で素朴な人たち」を愛していたのでしょう。「季節のない街」に出てくる人たちもまた「単純で素朴」です。周五郎の人並みはずれて優しく、慈悲深い目と心がこの傑作を生み出したのでしょう。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この作品には、15の物語がある。もっとも泣けたのが「プールのある家」だった。失意の中でかろうじて生きている父親。そばに小さく寄り添う少年。父親に愛されたくて物乞いにはしる。ひもじく、頼れるのはこの父親だけ。それでも、少年は幸せだった・・・。今、多くの日本人が置き忘れたもの。何に心が包まれたいですかと、問われている様でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この作品の中には多くの貧しき人々が出てくる。『プ-ルのある家』は今の日本人が何処かに置き忘れてきたかのような優しさに包まれていた。現実に目をそむける父親と、物乞いに走る少年。屈辱とひもじさの毎日。しかし、少年は何故か幸せそうだった・・・。心が満ちるとは何なのかを、改めて問いかける小説である。涙をたくさん流したい人はどうぞお読みになって下さい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
中学1年の国語の授業で先生が「今日はこの本を読みます。」と文中の「プールのある家」を朗読し始めた。ただ楽しさだけを選んで生活している様な年齢だったけれど、この話はとても深く心に刻まれました。20年経った今でもその余韻は残っています。その頃流れた涙も、この歳になり改めて読んでみて流れた涙も、同じ様に心の奥のほうから流れ出たような気がします。若い年代に是非読んで欲しい本、私も若い頃に出会って良かったと思う作品だからです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
物事をいろんな面から見るということはとても大切なことだと思う。正しいことも、ある面から見れば正しくないかもしれない。その中に自分の判断基準をどこに置くかが個性だ。多面から物事を見るということは、他人の視点で見ることにもつながり、それで周五郎の小説はしぜん、あたたかみを感じるのだろう。この小説は様々な人生を多面でカットしたダイヤのようにきらきらしているように、私にはみえる。 開高健の解説より・・「季節のない街は解説を必要とする作品ではありません。こころ滅びる夜にゆっくりと読まるべきものの一つですが、文章の背後のそれほど遠くない場所につつましくかくされたものを読みとる静かな眼、この世のにがさに多少なりとも訓練を受けたことのある人なら誰にでもわかる!作品と思えます。」さすが、美しい解説文でございます!でも「こころ滅びる夜」なんて、こんな荒れた現代にはぴったりかもしれない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
物事をいろんな面から見るということはとても大切なことだと思う。正しいことも、ある面から見れば正しくないかもしれない。その中に自分の判断基準をどこに置くかが個性だ。多面から物事を見るということは、他人の視点で見ることにもつながり、それで周五郎の小説はしぜん、あたたかみを感じるのだろう。この小説は様々な人生を多面でカットしたダイヤのようにきらきらしているように、私にはみえる。 開高健の解説より・・「季節のない街は解説を必要とする作品ではありません。こころ滅びる夜にゆっくりと読まるべきものの一つですが、文章の背後のそれほど遠くない場所につつましくかくされたものを読みとる静かな眼、この世のにがさに多少なりとも訓練を受けたことのある人なら誰にでもわかる!作品と思えます。」さすが、美しい解説文でございます!でも「こころ滅びる夜」なんて、こんな荒れた現代にはぴったりかもしれない。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!