忌館 ホラー作家の棲む家

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忌館 ホラー作家の棲む家の評価:

3.68/5点 レビュー 22件。 D ランク

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Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全35件 1〜20 1/2ページ
No.35
(5pt)

すべて実際にあったことではないかと思わせるうまさ

異形コレクション・シリーズに発表された短編→「禍家」→「のぞきめ」→「赫眼」→「凶宅」→「蛇棺葬」そしてこの「忌館」と読んできました。なのでこの範囲内での感想です。
短編は民俗学的土着的な怪奇小説好きの自分にはぴったりツボだったのですが、なぜか長編はどれもいまひとつピンとこず・・ひょっとして相性悪い?結局好みじゃなかったのかも・・と思い始めていたところでした。
が、すでに買ってあったこの本まではと思いとりあえず読んでみたところ、意外、今までで1番おもしろかったです。まさかデビュー作が最高だとは思いもしませんでした。とても第1作目とは思えないほどの出来でした。

ホラー・ジャンルの編集者である三津田信三氏ご本人が主人公で登場します。担当していた怪奇ホラーのムック本やシリーズものを出版するまでの経緯などは実際にあったことのようで、そんなエピソードが混じるので、あとに続く話のあれもこれも実話なのか?と思わせる臨場感があります。
たとえば、新人作家コンテストの審査をしている友人から、三津田信三の名前を騙って作品が応募されていることを知らされたり、とある同人誌に怪奇小説の連載を依頼され書き始めるところとか、郊外の緑の多いところに家探しをしていた著者が武蔵野方面で竹林に隠れた洋館をみつけ、その怪奇な雰囲気に魅かれて借りることにした話、などが並行して進みます。
不動産屋の不審な態度からその家のことを調べるうちに、家は英国から移築されたことがわかり、しかも過去には忌まわしい一家惨殺事件が何度も起きていました。日本に持ってきた日本人建築家の一家までが同じ目にあっていましたが、ただ1人生き残ったという息子は行方がわからないままです。

三津田氏が同人誌に連載している小説の内容と、家で起きる出来事、屋根裏でみつけた精巧な家のドールハウスの中に見えることが連動し、どこからどこまでが実際にあったことなのか、現実と創作(または妄想か怪奇現象か)の境目が混沌としだんだんと曖昧になっていきます。三津田氏の頭がおかしくなっているのか?それとも・・?
よくこれだけ複雑な構成を考えたなと思いました。過去の惨殺事件の不気味さも見事に印象付けられています。古典的なドールハウス怪談としても秀逸です。

読後、思わずいろんなことを調べたくなります。投稿したという同人誌は実在しているのか?あとがきを書いておられる笹川吉晴氏が実際に武蔵小金井に行ってその家を探したということは・・その家は実在している?今もそこにあって、誰か新しい借主が現れるのを待っているのかも・・などと考えてしまいました。
忌館 ホラー作家の棲む家 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 忌館 ホラー作家の棲む家 (講談社文庫)より
406276105X
No.34
(5pt)

すべて実際にあったことではないかと思わせるうまさ

異形コレクション・シリーズに発表された短編→「禍家」→「のぞきめ」→「赫眼」→「凶宅」→「蛇棺葬」そしてこの「忌館」と読んできました。なのでこの範囲内での感想です。
短編は民俗学的土着的な怪奇小説好きの自分にはぴったりツボだったのですが、なぜか長編はどれもいまひとつピンとこず・・ひょっとして相性悪い?結局好みじゃなかったのかも・・と思い始めていたところでした。
が、すでに買ってあったこの本まではと思いとりあえず読んでみたところ、意外、今までで1番おもしろかったです。まさかデビュー作が最高だとは思いもしませんでした。とても第1作目とは思えないほどの出来でした。

ホラー・ジャンルの編集者である三津田信三氏ご本人が主人公で登場します。担当していた怪奇ホラーのムック本やシリーズものを出版するまでの経緯などは実際にあったことのようで、そんなエピソードが混じるので、あとに続く話のあれもこれも実話なのか?と思わせる臨場感があります。
たとえば、新人作家コンテストの審査をしている友人から、三津田信三の名前を騙って作品が応募されていることを知らされたり、とある同人誌に怪奇小説の連載を依頼され書き始めるところとか、郊外の緑の多いところに家探しをしていた著者が武蔵野方面で竹林に隠れた洋館をみつけ、その怪奇な雰囲気に魅かれて借りることにした話、などが並行して進みます。
不動産屋の不審な態度からその家のことを調べるうちに、家は英国から移築されたことがわかり、しかも過去には忌まわしい一家惨殺事件が何度も起きていました。日本に持ってきた日本人建築家の一家までが同じ目にあっていましたが、ただ1人生き残ったという息子は行方がわからないままです。

三津田氏が同人誌に連載している小説の内容と、家で起きる出来事、屋根裏でみつけた精巧な家のドールハウスの中に見えることが連動し、どこからどこまでが実際にあったことなのか、現実と創作(または妄想か怪奇現象か)の境目が混沌としだんだんと曖昧になっていきます。三津田氏の頭がおかしくなっているのか?それとも・・?
よくこれだけ複雑な構成を考えたなと思いました。過去の惨殺事件の不気味さも見事に印象付けられています。古典的なドールハウス怪談としても秀逸です。

読後、思わずいろんなことを調べたくなります。投稿したという同人誌は実在しているのか?あとがきを書いておられる笹川吉晴氏が実際に武蔵小金井に行ってその家を探したということは・・その家は実在している?今もそこにあって、誰か新しい借主が現れるのを待っているのかも・・などと考えてしまいました。
ホラー作家の棲む家 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: ホラー作家の棲む家 (講談社ノベルス)より
4061822004
No.33
(2pt)

怖いか怖くないかと言えばあまり怖くなかった

著者のデビュー作ということで覚悟していましたが
優に2/3はあるかとすら思われる
本筋に関係ない描写や蘊蓄には読んでいて苦笑してしまいました。

本筋にどっぷり浸かりたい派の自分にとってはちょっと合わなかったです。

ホラーとしても実際の怪異に見舞われるのは本当に終盤です。
ただ追い詰められる描写はこの頃から健在で読んでてハラハラしました。流石。

著者のホラー描写を純粋に楽しみたいなら短編集や単発のお話の方がおすすめかも。
忌館 ホラー作家の棲む家 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 忌館 ホラー作家の棲む家 (講談社文庫)より
406276105X
No.32
(2pt)

怖いか怖くないかと言えばあまり怖くなかった

著者のデビュー作ということで覚悟していましたが
優に2/3はあるかとすら思われる
本筋に関係ない描写や蘊蓄には読んでいて苦笑してしまいました。

本筋にどっぷり浸かりたい派の自分にとってはちょっと合わなかったです。

ホラーとしても実際の怪異に見舞われるのは本当に終盤です。
ただ追い詰められる描写はこの頃から健在で読んでてハラハラしました。流石。

著者のホラー描写を純粋に楽しみたいなら短編集や単発のお話の方がおすすめかも。
ホラー作家の棲む家 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: ホラー作家の棲む家 (講談社ノベルス)より
4061822004
No.31
(3pt)

刀城言耶シリーズから読み始めた身としては

刀城言耶シリーズから読み始めた身としては、残念ながら合いませんでした。
先に、蛇棺葬、百蛇堂を読んでしまったため、穿った見方となり、読む順番を間違えたのもあるかと思います。
ただし、上記2作品よりはデビュー作のこちらの方が精度が高いと感じました。

他の方も書いてますが、編集者ならではの忙しい業界の話、他の作家の作品の話やホラー映画の話など興味のある人には面白い蘊蓄が多い。
そのため、ひたすら物語のみを追っていきたい人としては主筋から外れてしまう部分は読むのが辛くなるのでは?と思いました。
蘊蓄にお腹いっぱいで、自分はそういった部分は飛ばし読みしてしまいました。
作者自身の名前や体験などで物語が進む、という興味深い設定であるのに、その作者の蘊蓄が多いため別口で司馬遼太郎さんのようにエッセイを書いたほうがいいのでは?とも感じました。

怖さで言ったら【のぞきめ】、秀逸さで言ったら【水魑の如き沈むもの】の2冊が好きな自分としては、蛇棺葬、百蛇堂と同じく再読はしませんが、三津田ファンで未読の方は、デビュー作品ですので一度は読んでもいいと思います。
忌館 ホラー作家の棲む家 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 忌館 ホラー作家の棲む家 (講談社文庫)より
406276105X
No.30
(3pt)

刀城言耶シリーズから読み始めた身としては

刀城言耶シリーズから読み始めた身としては、残念ながら合いませんでした。
先に、蛇棺葬、百蛇堂を読んでしまったため、穿った見方となり、読む順番を間違えたのもあるかと思います。
ただし、上記2作品よりはデビュー作のこちらの方が精度が高いと感じました。

他の方も書いてますが、編集者ならではの忙しい業界の話、他の作家の作品の話やホラー映画の話など興味のある人には面白い蘊蓄が多い。
そのため、ひたすら物語のみを追っていきたい人としては主筋から外れてしまう部分は読むのが辛くなるのでは?と思いました。
蘊蓄にお腹いっぱいで、自分はそういった部分は飛ばし読みしてしまいました。
作者自身の名前や体験などで物語が進む、という興味深い設定であるのに、その作者の蘊蓄が多いため別口で司馬遼太郎さんのようにエッセイを書いたほうがいいのでは?とも感じました。

怖さで言ったら【のぞきめ】、秀逸さで言ったら【水魑の如き沈むもの】の2冊が好きな自分としては、蛇棺葬、百蛇堂と同じく再読はしませんが、三津田ファンで未読の方は、デビュー作品ですので一度は読んでもいいと思います。
ホラー作家の棲む家 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: ホラー作家の棲む家 (講談社ノベルス)より
4061822004
No.29
(5pt)

個人的には大傑作

デビュー作なだけあって、三津田作品の魅力が凝縮されてる。ただミステリとホラーの融合といっても、なんだかんだ本格ミステリな刀城言耶シリーズと比べるとホラー寄り。あと民俗ネタはない。
解釈次第でホラーにもミステリにも読める点では、カーの『火刑法廷』が作風としては近いかもしれない。

前半は三津田信三の遍歴を楽しめたり、乱歩や連城三紀彦について作者と語り合っているような面白さもあったが、後半は怖すぎて何度も声が出た。そして末文まで凝ったメタ構成。大オチには全く気づかけずひっくり返った。
無駄に長い文章や無駄に複雑な構成に伏線を仕込むからタチが悪い(褒めてる)。
あと相変わらず擬音が上手い。デビュー作から擬音が満載。擬音って濫用すれば稚拙な文章に見えちゃうんだけど、バランスとオリジナリティが絶妙なんだろうな。にちゃり。
ただ相変わらず見取りがわかりにくすぎる。見取り図ありの文庫版を強く進める。『凶鳥の〜』で見取り図なしの講談社ノベルス版を買った時はあまりにも意味不明すぎて文庫版を買い直したものだ。

そんなわけで賛否別れるのもわかるが、個人的には大傑作だった。
あと何気に解説が素晴らしい。三津田作品と半村良の作品を比較した評論は初めて見た。目からウロコだった。どうして伝奇SF好きな自分が三津田信三にハマったかが教えられたようで、ちょっと感動した。
もちろんジャンル自体はミステリとSFで全く違う。
でもSFと歴史、ミステリとホラーと相反するジャンルの融合。オカルトや神話、怪奇小説や民俗学の薀蓄。現実の要素やメタ構造を使ったリアリティ演出。日常の世界から非日常の世界へするっといつの間にか移ってしまう世界……
こう比べると半村良と三津田信三は作風がそっくりなわけで、両氏がドツボなわけだ。
ホラー作家の棲む家 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: ホラー作家の棲む家 (講談社ノベルス)より
4061822004
No.28
(5pt)

個人的には大傑作

デビュー作なだけあって、三津田作品の魅力が凝縮されてる。ただミステリとホラーの融合といっても、なんだかんだ本格ミステリな刀城言耶シリーズと比べるとホラー寄り。あと民俗ネタはない。
解釈次第でホラーにもミステリにも読める点では、カーの『火刑法廷』が作風としては近いかもしれない。

前半は三津田信三の遍歴を楽しめたり、乱歩や連城三紀彦について作者と語り合っているような面白さもあったが、後半は怖すぎて何度も声が出た。そして末文まで凝ったメタ構成。大オチには全く気づかけずひっくり返った。
無駄に長い文章や無駄に複雑な構成に伏線を仕込むからタチが悪い(褒めてる)。
あと相変わらず擬音が上手い。デビュー作から擬音が満載。擬音って濫用すれば稚拙な文章に見えちゃうんだけど、バランスとオリジナリティが絶妙なんだろうな。にちゃり。
ただ相変わらず見取りがわかりにくすぎる。見取り図ありの文庫版を強く進める。『凶鳥の〜』で見取り図なしの講談社ノベルス版を買った時はあまりにも意味不明すぎて文庫版を買い直したものだ。

そんなわけで賛否別れるのもわかるが、個人的には大傑作だった。
あと何気に解説が素晴らしい。三津田作品と半村良の作品を比較した評論は初めて見た。目からウロコだった。どうして伝奇SF好きな自分が三津田信三にハマったかが教えられたようで、ちょっと感動した。
もちろんジャンル自体はミステリとSFで全く違う。
でもSFと歴史、ミステリとホラーと相反するジャンルの融合。オカルトや神話、怪奇小説や民俗学の薀蓄。現実の要素やメタ構造を使ったリアリティ演出。日常の世界から非日常の世界へするっといつの間にか移ってしまう世界……
こう比べると半村良と三津田信三は作風がそっくりなわけで、両氏がドツボなわけだ。
忌館 ホラー作家の棲む家 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 忌館 ホラー作家の棲む家 (講談社文庫)より
406276105X
No.27
(4pt)

ホラーとミステリの融合に挑み続ける三津田信三氏のデビュー作

三津田信三氏といえば、『厭魅の如き憑くもの』に始まる<刀城言耶シリーズ>に代表される、ホラーとミステリの融合に挑戦し続けているホラーミステリ作家です。しかしながら、所謂、作中に三津田信三氏の名前が登場するシリーズの長編第一作となった本書は、随所にミステリ的な要素が含まれているとはいえ、どちらかと言えばホラーをメインに据えているという印象です。

 本書において何より目を引くのが、本書の著者である三津田 信三氏の名前が、作中にそのまま"三津田 信三"として登場し、さらに著者の現実を取り巻く環境がふんだんに作中に取り込まれるなどのメタフィクショナル的な手法が採用されていることです。さらに、『忌館 ホラー作家の棲む家』の中で"三津田 信三"が「忌む家」を作中作として書き始めることで、「現実」「作中の現実」「作中作」の三階層が存在している点が何よりの特徴です。
 そして本書が秀逸なのは、「現実」を第一階層、「作中の現実」を第二階層、「作中作」を第三階層とすると、それぞれの階層の境目を意図的に曖昧にするような仕掛けが随所に仕込まれている点です。第二階層と第三階層の境目が徐々に曖昧になり、第三階層の内容が第二階層に影響を与え始め、それが加速的に一体となっていく終盤は圧巻。それと同時に、それらの境目が曖昧になることで、第一階層と第二階層の境目までもが曖昧になり、読者の「現実」にまでも影響を与え始めるのではないかと思わせるところが何とも上手いところです。

 基本的にホラーテイストな本作ですが、終盤ではミステリの要素も取り入れた――その量は決して大くはないが――三津田信三氏の出世作と言えるのではないでしょうか。
ホラー作家の棲む家 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: ホラー作家の棲む家 (講談社ノベルス)より
4061822004
No.26
(4pt)

ホラーとミステリの融合に挑み続ける三津田信三氏のデビュー作

三津田 信三氏といえば、『厭魅の如き憑くもの』に始まる<刀城言耶シリーズ>に代表される、ホラーとミステリの融合に挑戦し続けているホラーミステリ作家です。しかしながら、所謂、作中に三津田信三氏の名前が登場するシリーズの長編第一作となった本書は、随所にミステリ的な要素が含まれているとはいえ、どちらかと言えばホラーをメインに据えているという印象です。

 本書において何より目を引くのが、本書の著者である三津田 信三氏の名前が、作中にそのまま"三津田 信三"として登場し、さらに著者の現実を取り巻く環境がふんだんに作中に取り込まれるなどのメタフィクショナル的な手法が採用されていることです。さらに、『忌館 ホラー作家の棲む家』の中で"三津田 信三"が「忌む家」を作中作として書き始めることで、「現実」「作中の現実」「作中作」の三階層が存在している点が何よりの特徴です。
 そして本書が秀逸なのは、「現実」を第一階層、「作中の現実」を第二階層、「作中作」を第三階層とすると、それぞれの階層の境目を意図的に曖昧にするような仕掛けが随所に仕込まれている点です。第二階層と第三階層の境目が徐々に曖昧になり、第三階層の内容が第二階層に影響を与え始め、それが加速的に一体となっていく終盤は圧巻。それと同時に、それらの境目が曖昧になることで、第一階層と第二階層の境目までもが曖昧になり、読者の「現実」にまでも影響を与え始めるのではないかと思わせるところが何とも上手いところです。

 基本的にホラーテイストな本作ですが、終盤ではミステリの要素も取り入れた――その量は決して大くはないが――三津田 信三氏の出世作と言えるのではないでしょうか。
忌館 ホラー作家の棲む家 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 忌館 ホラー作家の棲む家 (講談社文庫)より
406276105X
No.25
(5pt)

実は購入したものの1ページ読んでまだ読んでいません。先、ついてくるものを購入したので家に届く前に読んでおこうと思います。
忌館 ホラー作家の棲む家 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 忌館 ホラー作家の棲む家 (講談社文庫)より
406276105X
No.24
(3pt)

作家としての“三津田信三”

今年の春、ホラー映画「のぞきめ」の公開に際して某所に全あらすじを書くことになったので、予習のために図書館で原作を借りて読んだ。
映画の方の評価は・・・まぁ置いとくとして、小説「のぞきめ」は思いのほか面白かった。
味をしめて図書館でこの作家の本を次々に借りまくり、刀城言耶シリーズや死相学探偵シリーズ、家三部作やその他の単発作品などを読破した。
(自分も長年大ファンである映画監督ダリオ・アルジェントが好きというのも嬉しく、またある作品の中で「間違っても観てはいけない」と紹介されていたB級ホラー「パジャマパーティー・マサカー 血の春休み」を試しに観てみたら妙にテイストがツボに入ってしまったりと、作家本人の人柄や趣味には個人的に好感を覚えた)
ところが、デビュー作の本書だけはなぜか図書館になかった。
これだけ作品を読めば、自分ももう一応ファンと言っていいかもしれないし、そろそろ購読しないと悪いような気がして、電子書籍でこの「忌館 ホラー作家の棲む家」を買って読んだのだが・・・今、軽く後悔している。

まず、一番残念というかイラっとしたのが、ほとんど全ての各章の最後が、盛り上がったところで尻切れトンボのように終わっていること。
これはバラエティ番組の“山場CM”や海外連続TVドラマシリーズの“クリフハンガー”など昔からTVでよく使われる手法で、何も目新しいものではないしこの作家の他の作品でもよく見かけたのだが(もちろん今までもその度にイラっとしていた)、小説という形態で、しかもここまで多用するのは芸がないというか、品がない。
デビュー作ということを差し引いても、やはりうんざりしてしまう。

そして改めて認識したのは、「この作家の作品は小説というより論文かエッセイに近い」ということだった。
この作家の一番の特徴である“ミステリとホラーの融合”という性質上、多くの作品では最後の最後まで犯人や動機が一般的なミステリ小説のようにスッキリと無駄やブレがないように解明されることはない。
全ての可能性を考慮していくつかの仮説が提示されたのち、もっとも“それらしい”説が浮かび上がるのだが、それでも腑に落ちない点が残るという結末がほとんどだ。
それに加えて、途中で作者が興味の赴くままに蘊蓄を語りに語るため、読んでる時は面白いのだが、読み終わってみると結局何が書かれていたのか記憶に残らない。
コリン・デクスターの「モース警部シリーズ」も読後の印象はこんな感じだが、モース警部の方は何度も読み返したくなるのに比べて、こちらは「一度読めばお腹いっぱい」なのが違うところだ。
(今まで読んだ作品でもう一度読み返したいのは「のぞきめ」と「水魑の如き沈むもの」)

あと気になるのは、登場人物のネーミング・センスが駄洒落すぎて脱力なのと、恐怖を感じるポイント。
人が何に対して恐怖という感情を抱くのかは、個々人の性格や経験、嗜好などに大きく影響される -そんな当たり前のことを、本作を読んで再認識させられた。
正直言って、今まで読んだ三津田作品に恐怖を感じたことはない。
主人公が作中でビビりまくって膝をガクガクさせているシーンの描写は、退屈なのでつい走り読みしてしまう。
全然怖くないのにとても面白いホラー作品、というのもある意味大変貴重な存在なのかもしれない。
ホラー作家の棲む家 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: ホラー作家の棲む家 (講談社ノベルス)より
4061822004
No.23
(3pt)

作家としての“三津田信三”

今年の春、ホラー映画「のぞきめ」の公開に際して某所に全あらすじを書くことになったので、予習のために図書館で原作を借りて読んだ。
映画の方の評価は・・・まぁ置いとくとして、小説「のぞきめ」は思いのほか面白かった。
味をしめて図書館でこの作家の本を次々に借りまくり、刀城言耶シリーズや死相学探偵シリーズ、家三部作やその他の単発作品などを読破した。
(自分も長年大ファンである映画監督ダリオ・アルジェントが好きというのも嬉しく、またある作品の中で「間違っても観てはいけない」と紹介されていたB級ホラー「パジャマパーティー・マサカー 血の春休み」を試しに観てみたら妙にテイストがツボに入ってしまったりと、作家本人の人柄や趣味には個人的に好感を覚えた)
ところが、デビュー作の本書だけはなぜか図書館になかった。
これだけ作品を読めば、自分ももう一応ファンと言っていいかもしれないし、そろそろ購読しないと悪いような気がして、電子書籍でこの「忌館 ホラー作家の棲む家」を買って読んだのだが・・・今、軽く後悔している。

まず、一番残念というかイラっとしたのが、ほとんど全ての各章の最後が、盛り上がったところで尻切れトンボのように終わっていること。
これはバラエティ番組の“山場CM”や海外連続TVドラマシリーズの“クリフハンガー”など昔からTVでよく使われる手法で、何も目新しいものではないしこの作家の他の作品でもよく見かけたのだが(もちろん今までもその度にイラっとしていた)、小説という形態で、しかもここまで多用するのは芸がないというか、品がない。
デビュー作ということを差し引いても、やはりうんざりしてしまう。

そして改めて認識したのは、「この作家の作品は小説というより論文かエッセイに近い」ということだった。
この作家の一番の特徴である“ミステリとホラーの融合”という性質上、多くの作品では最後の最後まで犯人や動機が一般的なミステリ小説のようにスッキリと無駄やブレがないように解明されることはない。
全ての可能性を考慮していくつかの仮説が提示されたのち、もっとも“それらしい”説が浮かび上がるのだが、それでも腑に落ちない点が残るという結末がほとんどだ。
それに加えて、途中で作者が興味の赴くままに蘊蓄を語りに語るため、読んでる時は面白いのだが、読み終わってみると結局何が書かれていたのか記憶に残らない。
コリン・デクスターの「モース警部シリーズ」も読後の印象はこんな感じだが、モース警部の方は何度も読み返したくなるのに比べて、こちらは「一度読めばお腹いっぱい」なのが違うところだ。
(今まで読んだ作品でもう一度読み返したいのは「のぞきめ」と「水魑の如き沈むもの」)

あと気になるのは、登場人物のネーミング・センスが駄洒落すぎて脱力なのと、恐怖を感じるポイント。
人が何に対して恐怖という感情を抱くのかは、個々人の性格や経験、嗜好などに大きく影響される -そんな当たり前のことを、本作を読んで再認識させられた。
正直言って、今まで読んだ三津田作品に恐怖を感じたことはない。
主人公が作中でビビりまくって膝をガクガクさせているシーンの描写は、退屈なのでつい走り読みしてしまう。
全然怖くないのにとても面白いホラー作品、というのもある意味大変貴重な存在なのかもしれない。
忌館 ホラー作家の棲む家 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 忌館 ホラー作家の棲む家 (講談社文庫)より
406276105X
No.22
(4pt)

ホラー作家の棲む家

作家本人が実名で現実の肩書をもって登場するだけでなく登場人物も同様で現実なのかフィクションなのかわからないゾクゾク感が楽しい。
新書版へのこだわりがありユーズド品を探して購入した。
ホラー作家の棲む家 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: ホラー作家の棲む家 (講談社ノベルス)より
4061822004
No.21
(4pt)

ホラー作家の棲む家

作家本人が実名で現実の肩書をもって登場するだけでなく登場人物も同様で現実なのかフィクションなのかわからないゾクゾク感が楽しい。
新書版へのこだわりがありユーズド品を探して購入した。
忌館 ホラー作家の棲む家 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 忌館 ホラー作家の棲む家 (講談社文庫)より
406276105X
No.20
(4pt)

ホラー作家の棲む家

作家本人が実名で現実の肩書をもって登場するだけでなく登場人物も同様で現実なのかフィクションなのかわからないゾクゾク感が楽しい。 新書版へのこだわりがありユーズド品を探して購入した。
ホラー作家の棲む家 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: ホラー作家の棲む家 (講談社ノベルス)より
4061822004
No.19
(3pt)

デビュー作

デビュー作としては、よく出来ている。
新人時代に書いた文章とは思えない。
その構成、表現力、非凡な才覚があると思う。

内容は、三津田信三氏と、作中の主人公作家を、交錯させ、
作中の主人公作家が書いた小説世界(=作中作)と、作中の世界を、交錯させる。
この交錯の連鎖が、読者及び三津田信三氏の居る世界と、作中の主人公が居る世界と、
そして、作中の主人公が書いた小説の世界、三つの世界を、交錯させる。

非常に緻密に考えられたものだという印象だった。

ただ、なにか決め手に欠けるような感じもした。
だらだら読んで、何となく終わった、とでもいうべきか。

「本格ミステリーとホラーの融合」ということらしいが、
特にミステリー要素は感じなかった。
というか、ミステリー要素は、無いのではないかと思う。
ホラー要素は、あるにはあるが、恐ろしいという程のものでもなく、
ちょっと怖いかなあ、というものだった。
忌館 ホラー作家の棲む家 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 忌館 ホラー作家の棲む家 (講談社文庫)より
406276105X
No.18
(3pt)

デビュー作としては、非凡ではあるが…

デビュー作としては、よく出来ている。
新人時代に書いた文章とは思えない。
その構成、表現力、非凡な才覚があると思う。

内容は、三津田信三氏と、作中の主人公作家を、交錯させ、
作中の主人公作家が書いた小説世界(=作中作)と、作中の世界を、交錯させる。
この交錯の連鎖が、読者及び三津田信三氏の居る世界と、作中の主人公が居る世界と、
そして、作中の主人公が書いた小説の世界、三つの世界を、交錯させる。

非常に緻密に考えられたものだという印象だった。

ただ、なにか決め手に欠けるような感じもした。
だらだら読んで、何となく終わった、とでもいうべきか。

「本格ミステリーとホラーの融合」ということらしいが、
特にミステリー要素は感じなかった。
というか、ミステリー要素は、無いのではないかと思う。
ホラー要素は、あるにはあるが、恐ろしいという程のものでもなく、
ちょっと怖いかなあ、というものだった。
忌館 ホラー作家の棲む家 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 忌館 ホラー作家の棲む家 (講談社文庫)より
406276105X
No.17
(3pt)

ホラーとしては殆ど怖くない

三津田氏のデビュー作で自身の身に覚えのない投稿小説が事件の発端となる、折原一のミステリーでよくあるような設定のホラー作品。
著者自身が主人公で劇中作ネタなどメタ趣向がなかなか凝っているが、それがいまいち終盤の向けて恐怖感が盛り上がるような構成になっておらず、最後まで読んでも恐怖感が殆ど感じられない。
ホラー作品としては本格推理的な謎解き要素もあり、ミステリーの蘊蓄ネタなども含まれていて、退屈せずに読めるが、読後はイマイチ印象に残らないような。
ホラー作家の棲む家 (講談社ノベルス) Amazon書評・レビュー: ホラー作家の棲む家 (講談社ノベルス)より
4061822004
No.16
(3pt)

嫌いではないけれど・・・

三津田さんの作品は、じめっとした暗さが好きで短編が特に大好き。

短編を読んでたので、こちらを購入しましたが、もっとこう・・・じめっとした怖さが欲しかったかなあ。
忌館 ホラー作家の棲む家 (講談社文庫) Amazon書評・レビュー: 忌館 ホラー作家の棲む家 (講談社文庫)より
406276105X