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柩の中の猫
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柩の中の猫の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.54pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全11件 1~11 1/1ページ
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30年くらい前、10代の頃に読んで、最近思い出してまた読みたくなりAmazonで見つけて購入した。新潮社で文庫化されて、2004年(20年前!)に集英社からも文庫化で出るなんてすごい。 設定は1955年と古いが面白くて惹きこまれた。桃子とララ。 自分も猫を飼っているので、猫の描写がよく書けていて感心した。 何となく湊かなえさんのミステリーっぽい、読後感の悪さがある。それも忘れられなかった。 ネタバレになるが、後に桃子が精神を病んで23歳で亡くなったのは、真実を知ってしまったからではないかと推測した。 悲しいのに美しい、そんな小説だった。 | ||||
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何故か、冬になると読みたくなります。 赤いフードの桃子とララ。 桃子に心酔する主人公(語り手?)のように、読み返す毎に桃子を好きになっていきました。 孤独で孤高で、繊細で残酷な少女。 景色や、お部屋の様子や、空気まで全ての描写が素晴らしく 文字が頭の中で映像になる。 美しい映画がこの一冊のページを捲った時に始まる、そんな作品です。 | ||||
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「猫」という文字に惹かれて手に取りました。 涙、涙、、、。 猫好きさんにはオススメできません。 | ||||
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小池真理子さんの本が大好きで、片っぱしから読んでいます。 このお話はとても切なく、悲しくもありますが、私のなかではかなりのお気に入りです。 先が気になって一気に読んでしまったほど、話にどんどん引き込まれていきました! 小池真理子さんはすごいですね。 どーやってこんな小説が書けるのでしょうか。 | ||||
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小池真理子さんご本人が後書きで書いておられますが、作風を変えようと決心されてから、「無伴奏」、それからこの「柩の中の猫」、そして「恋」の順で書かれたそうです。「猫」は「恋」の雛形のようで2つの作品はよく似ていると思います。訴えたいことは同じ質のものだと思うのですが、さすがに直木賞を受賞した「恋」の方がスケールが大きいです。ただ、自分はたまたま先に「恋」を読んでしまったのですが、この「猫」を先に読んでいたら「恋」の印象があれほど鮮烈ではなかったかもしれません。 どちらの作品も生活臭がないのは同じで、「恋」は学園紛争時代だけれど舞台は夏の軽井沢や東京のセレブ社会、「猫」は戦後の貧しい日本だけれど、アメリカ進駐軍居住地の近くで同じようにリッチなアメリカ風の生活をしている家族の話。そんな川久保家のある東京郊外の描写が美しいです。雑木林や麦畑、緑の芝生が広がり、花が咲き乱れる中に、まるでアメリカそのもののような白いペンキを塗ったおしゃれな川久保家があります。 小池さんは別の本の後書きで、「政治とか経済などには全然興味がない、私は本質的なことしか興味がない、だから愛とエロスとタナトスを書こうと思った。」と書いておられましたが、社会問題的なことが小説中にまったく出てこないのはそういうわけなのでしょう。 「恋」もこの「猫」も、自分が永遠に属していたいと思っていた美しい世界、それを破壊してしまうであろう侵入者が現れ、許容できず抵抗、抹殺を謀る物語です。その美しい世界が「恋」では片瀬夫妻だったとしたら、ここでは、主人公の女性が家庭教師に入った川久保父娘との生活。侵入者が「恋」では男性的な若者でしたが、「猫」では川久保父の恋人であるまるでバービー人形のように美しい女性。 三島由紀夫の「午後の曳航」やサガン著「悲しみよ、こんにちは」を思い出しました。若くもろい精神が、理想を汚すものを排除しようとする衝動は、いつの時代でもどこでも同じということでしょうか。文学の範疇に入る作品だと思いますが、心理ミステリとしても読めると思います。あらすじや設定に多少、少女漫画的な甘さがありますが、美しい作品です。 | ||||
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小池真理子さんの小説にはよく井戸が登場します。 自身も家の傍に井戸があり、幼少期によく怖いもの見たさで棒を片手に覗き込み、その底無し沼を思わせる暗く冷たい奥底を想像して夢にうなされた覚えがあります。 この物語も、静かな日常に潜む些細な歪のようなものがそこかしこに点在しており、何時起爆装置のスイッチが入ってしまうか分からないような緊張感と戦慄をひしひしと感じました。事を起こしてしまう人物の心の歪み等が全編に漂い、急速に終焉に向かって走り出してしまうまでの布石も上手い。猫の死により引き起こされる悲劇はそこには留まらず、さらに暗く深い闇に到達します。 風景描写が素晴らしく、森の梢や井戸の上に柔らかく降り積もる純白の雪の感触や、辺り一面に広がる田園風景など一読するだけで目の前に思い描けるほど美しい。 純粋さと狂気とは紙一重であるがゆえに、純粋すぎるものとは時として罪深いほどの存在となるのだと痛感しました。トリュフフォー監督の【アデルの恋の物語】を髣髴とさせる静かな狂気の物語。 | ||||
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小池真理子の本で、最初に読むことをお勧めします。 絵描きを目指す女性 美術大学の先生 その娘 娘の飼っている猫 ララ ララは、ママの役割を果たしていた。 描写は丁寧で、華美にはなりすぎず、 直木賞を取られた「恋」よりは、分かりやすいので、 最初に読むのに適していると思われます。 話の構成、筋書き、すれ違い、嘘、思いやり。 人生のいろいろな構成要素を持っている。 途中、猫好きでないと分からない描写の部分があるかもしれません。 猫好きの人なら、きっと、自然にわかると思います。 | ||||
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小池真理子の本で、最初に読むことをお勧めします。 絵描きを目指す女性 美術大学の先生 その娘 娘の飼っている猫 ララ ララは、ママの役割を果たしていた。 描写は丁寧で、華美にはなりすぎず、 直木賞を取られた「恋」よりは、分かりやすいので、 最初に読むのに適していると思われます。 話の構成、筋書き、すれ違い、嘘、思いやり。 人生のいろいろな構成要素を持っている。 途中、猫好きでないと分からない描写の部分があるかもしれません。 猫好きの人なら、きっと、自然にわかると思います。 | ||||
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最初、この作品に期待はしてませんでしたが、小池真理子さんの作品という事で、何気に詠み始めてみました。 結局、皆さんはこの作品を見落としていたんです。ドラマ化して欲しいと思っています。 | ||||
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20歳の雅代は、美大で油絵を教える川久保悟郎の家に、娘の桃子の家庭教師を条件に住み込むことになる。桃子はララという名の猫にだけ心を開く孤独な少女だった。微妙な緊張を抱きながらも良いバランスを保つ三人の生活はそれなりに平穏だったが、その均衡を悟郎の恋人の登場で失うこととなり、そこから事件が発生します。30年の時を経て語られる悲劇的な事件の真相とは…。人々の心の動きが怖いほどリアルです。結末が気になって、一気に読めました。 | ||||
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さまざまな複雑な背景を持った登場人物たちがお互いに、淡い恋心を抱いてはいるもののすれ違う。そのすれ違いはとても丁寧に構成されていて、これこそ芸術の領域に達しているといえるだろう。サガンや綿矢りさを思い出させる繊細な心理風景が、ララ(途中ママと関連付けられる)という猫や、殺人の舞台となる雪の麦畠と古井戸、そして、主人公たちが生活する過度にアメリカ的な雰囲気の住居などを舞台に展開される。小説には二つの殺害があり、そのどちらも怪しいまでに人間の心の真相に迫っている。幼い孤独な少女に芽生えた殺意を美しく描写した物語としては、世界文学のレベルに達しているだろう。 | ||||
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