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うつくしい子ども
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うつくしい子どもの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.07pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全107件 41~60 3/6ページ
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ストーリーは一人の中学生が小学生を殺害するという衝撃的な事件が軸となっているのだが、殺人事件を起こした犯人の兄という内側と新聞記者、警察、地域社会という外側からの両面から見事に描き出している。 IWGPシリーズで著者が見せた軽快な一人称と山崎という新聞記者を中心とした三人称がうまく絡み合い、今の日本の一方通行の報道、メディアに対する著者の批判と苛立ちが痛切に胸にしみた。 話の中心は少年犯罪だが、弟の事件を通して成長する兄とその仲間の青春物語が盛り込まれているのも石田さんらしい。少年犯罪をこういう形で表現できる石田さんはやはり素晴らしい。 | ||||
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「早い時点で犯人がわかる」のにもかかわらず とても先が気になる内容でした。 被害者。加害者。マスコミ。家族。友達。警察。 全ての登場人物がうまい具合に絡み合って、 とても上手に作り上げられてて関心します。 ですが、正直ラストで落胆しました。 ココまで「現実問題」をからめて話が進んでいたのに ラストの警察署長の場面でいっきに「棒読み」な文章に 変わってしまったように感じました。 | ||||
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緑豊かなニュータウンで衝撃の事件が起こる。 まさか・・・13歳の弟カズシが犯人であった。 ごくありふれた家庭の中に育ったカズシ。何がカズシを殺人犯に変貌させてしまったのか・・・ 14歳の兄ミキオは弟カズシの心の奥深くまた真実を目をそらさずに調査を開始する。 「この事件からぼくは、逃げれない。」 兄ミキオの決意は固く着実に実行してゆく。 周囲は冷たい視線と報道は過剰にも掻き立てる。 そんな中ミキオの力になってくれるクラスメイトが現れる。ミキオに勇気を与えてくれる。調査に係わり友情は更に深まりミキオは成長していく。 「夜の王子」の操り人形になっていったカズシ 「夜の王子」はいったい誰なのか・・・ 背筋がゾッとするような局面も効果的に表現されている。 山崎という記者・・・記者として記事をいかに作り上げていくか。しかしミキオの真っ直ぐな心に触れ何が正しいのか疑問を持ち始める。記者としての内面の葛藤。報道のあり方。 ミキオやその友人たちの主観的描写と山崎の記者という客観的描写を用いたことにより効果的にテンポ良く重々しい重厚な苦しい立場のミキオたちを際立たせているように思われる。 モチーフは 酒鬼薔薇聖斗事件だが ミステリーというよりも、現代の豹変した事件や少年犯罪の残酷な事件。その背景に潜む心の虚しさ空虚感・目標を見失った少年たちの犯罪心理を扱った作品である。 そして報道のあり方や少年の更正法などを作者は読者に意図的に考えさせるように、また社会に問いかけるように作品化したもののように感じる。 作者はこのままの社会が続けば酒鬼薔薇聖斗事件のような恐ろしい事件が『これが最期ではない』と言いたいのであろう。健全な心を育む大切さを考えさせる作品だ。 | ||||
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作品のテーマは重たいものです。 題材というかテーマは少年犯罪と神戸の事件だと思います。 ある日自分の弟が殺人者となり、、さらに弟に背後に隠れている人物。。 少年から青年という微妙で研ぎ澄まされた時期の人物像を上手く表現していると思います。 とても悲しく、そして許すコトのできな物語ですが、実に深く描ききれていると思います。 | ||||
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読みやすく飽きることはないんですが神戸の某事件を思い出してしまいました。 最近の少年犯罪でも猟奇殺人的な物が増えてきてる気がします。 この作品ではその加害者の周囲の人間のこともリアルに書かれていると思います。 | ||||
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少年犯罪、幼児殺害、余りに偏ったマスコミ報道… ここ最近、日本にはこうした事件が数知れず発生しています。 この小説はそんな問題をダイレクトに扱っています。主人公は犯人の家族。重々しいテーマではありますが、しっかりと事件を見つめ、前向きに進もうとしています。 もし自分が…といった話はナンセンスですが、 少なくとも、こうした事件の被害者は直接的な被害者だけでなく、被害者の家族は勿論、犯人の家族、更には地域社会そのものも被害者であるという事がまざまざと分かります。 改めて、そういう暗い事件を無くしていく為の何かが自分なりに出来ればと思いました。 | ||||
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結局の所は流行の事象を題材にした作品群から抜け出す程の物にはなっていない。 一つ一つの要素がなぁ・・・どうも上手く組み合わさってない。大人から見た子供への妄想の域を越える事が出来てないのが残念。 IWGPのように「自力」である程度の強さを身に付ける事が出来た人、、という年齢層の話ではない為かどうしてもリアリティの面で届かない。 構成はありきたりだけど殺人現場のニュータウンで繰り広げられるテンポのいい話はサクサクと読める。でも重要な「子供」というファクターが浅いせいで無味乾燥なお話に。 | ||||
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この著者の作品を初めて読んだが、わりと良かったと思う。 この作品の舞台が(おそらくは)私の出身地だったこともあって すんなり読んでいくことができた。 そんなに重い内容ではないので、作品としてはおもしろい。ミ ステリーと言うよりはエンターテイメント的な小説だと思うが。 読書が嫌いな人にもお勧めできる作品だ。 一番印象に残った著者からのメッセージは、殺人者自体は確か に罪を犯したが、それを取り囲む人々はけして悪い人々であった わけではないということだ。 よくマスコミが犯罪者の両親や家庭環境について必要以上に掘 り下げて報道したり、「すみません」と泣きながら謝ることしか できない犯罪者の母親をまるで生け贄のようにブラウン管に流し たりしているが、あらゆる重犯罪はそんなに簡単なものではない し、誰かを責めたところで、被害者が生き返るわけでも、その傷 が癒されるわけでもない。 著者の問題提起とは異なるテーマではあるが、私はこの作品を 読んでそのように見方が変わった。 「娼年」よりもこちらの方がおすすめ。 | ||||
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神戸少年事件を題材にしている。いわゆる「事件物」は、桐野の「グロテスク」然り、高村の「レディージョーカー」然り、実際にあった事件にどこまで著者の言いたいことをどこに、だれに仮託しているのか、しきれているのか、が賭金になる。大人社会の衆愚が、実は子供たちを成長させるというのが、「池袋・・・」にも通じる著者のテーマなのかもしれない。主人公の成長譚が軸に座ることによって、「事件」は周縁化される。疎外された存在ではなく、自己を統合(成長)させていく存在が話の中心に座ることで、話が拡散ではなく収斂の傾向を強める。つまり予定調和があり、読者に安定感と安心感を与えてしまうきらいがある。これは著者の弱点なのだろうか、長所なのだろうか。勝手な決めつけだが、これは「企業社会」を内側から批判するのか、外側から批判するの違いだと思う。著者は内側からであり、それは十分意義があるとおもう。著者の、抑圧される子供へのまなざしはとても共感できる。凡百の「少年事件」評論よりも、ずっとよかった。 | ||||
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妹の友達を殺してしまった弟を持つ兄と、事件を取材する記者の二つの視点から描かれています。酒鬼薔薇事件がベースになっていて、加害者の家族に対する報道、嫌がらせ等々、小説の中では、さらりとしすぎているように思いますが、弟を最後まで信じ、なんとか弟の気持ちに近づこうとする主人公。強さ=うつくしいを教えてくれる小説です。 | ||||
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読みました。石田さんらしく、重い題材を扱っておきながらも、さらっと読むことが出来ました。しかし、なんだろう。主人公のジャガは、少し強すぎる、ような気もした。中学生という多感な時期、こんなに強くやれるのかと思った。私だったら無理だと思う。自分が弱いのかもしれないけれど、この時期って結構、もっと繊細で傷つきやすいんじゃないかと思う。殺人の動機・心理面や他の中学生達も含めて、あまりこの年頃の子達を描ききれていないように感じてしまいました。 | ||||
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私のとっての著者は女性作家の宮部みゆきと似ている。とても分かりやすく、面白い、そして各作品にある程度のメッセージ性がこめられている。 まあ要するに本を読んでみて、そう簡単にはずれの作品にあたらないので、暇つぶしにはなるということだ。しかしはずれがない分、大当たりもないというのが今のところの評価だ。そんな作者だが今のところこの作品が一番気に入っている。ちなみに宮部みゆきの本の中では「クロスファイア」が一番好きだ。 ・・・どうやら私は勧善懲悪のハッピーエンドは好まない傾向にあるらしい。 | ||||
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~ 神戸で起きた、あの殺人事件がモチーフになっているのでしょうが、犯人が誰かとか、捜査する側から見た小説ではなくて、犯人の少年の兄の視点から書かれています。 突然殺人犯の兄になってしまった少年。変わっていく環境。昨日までの平穏な日々が失われていく。そんな中で彼は、弟を凶行に駆り立てたものが何なのか、自分なりに探ろうとする。 ~~ともすれば重くなりがちなテーマを、いやな重みや暗さを感じさせずに最後まで読ませるのはさすがです。大人の視点から書くと、どうしても”社会問題”のような固い表現になってしまい、面白みに欠けるけれど、この世界に違和感なく入っていけるのは、彼の純粋な「どうしてなんだろう」という気持ちに共感できるからかな、と思う。 もしも自分の身内が、~~世間でニュースになるような大事件を起こしたとしたら、だれでもまず「どうしてなんだ?」と思うに違いない。なんで?昨日まで普通に暮らしてたのに。どこでどう間違ってしまったんだ?と自問自答するでしょう。 友達もみんな変わってしまう。そんなとき、自分はどうするだろう。この主人公のように、強くいられるかな。マスコミの攻撃に否応無しにさら~~されて、まともな精神状態を保つだけでも大変だろうな。 この小説を読んで、いろんなことを考えた。事件が一つ起きれば、直接の被害者以外にもたくさん傷つく人たちがいるんだってこと。何にも悪くない人たちが、たくさん傷つけられている。 内容は濃い。だけど、読みやすい。読んだ後にも、いろいろ考えられる小説です。~ | ||||
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題材は酒鬼薔薇聖斗事件を想像させるものを扱っていますが、殺人を犯してしまった本人ではなく、殺人者の兄と、事件を取材する記者(比重は前者に置かれていますが)という二つの視点から描かれています。この二つの視点から浮かび上がってくるのは、不気味だけど我々の周囲で往々にして見られる現代社会の様相です。酒鬼薔薇のような子供がうまれてしまったのは、決して親の子育てのせいだけではないと思わされます。読みやすく決して重厚な文体ではないのですが、ラストシーン間近、殺人を犯して施設に入っている弟カズシが兄・幹生とかわした言葉にはゾクッときます。恐いです。 | ||||
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石田衣良の作品の中で一番好きな本です。この人は人の成長を描くのがうまい作家だと思います。そういう意味で池袋ウエストゲートパークの1作品目と似ていると思います。主人公が「その人のためにできること」を考える。この主人公はこの物語の後もきっと弟のためにできること、を考えていくのだろうと思います。 | ||||
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今までの石田衣良作品の中の最高傑作。「弟はなぜ殺したのか」物語を読む前から犯人はわかっている。という、珍しい形態で始まる物語。自分の容姿にコンプレックスを持っている主人公の少年。そして彼を手伝う誰にもいえなかった秘密を持つ少年と少女。酒鬼薔薇から始まった一連の事件に対して、彼らと同世代を生きている自分にとって、こういった事件の「動機」を重視するというのは、結局「大人」の考えだと思います。しかし、そういったあの一連の事件を元にこういった視点からここまで完成度の高い物語をくみ上げ、また石田衣良らしい一人ひとりの登場人物の個性があわさるとここまですごい物語ができるのかと思いました。 | ||||
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石田衣良の作品の中で自分の一番のお気に入りです少年犯罪と家族・兄弟の愛について深く考えさせる作品です池袋ウエストゲートパークのような作品を期待されているかたにはお勧めではないですがこの作品のほうがいい作品だと私は思います石田 衣良作品を語る上で うつくしい子ども ははずせません必読でっす | ||||
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完成度の高い情景描写と子供への愛が詰まった作品です。少年犯罪の裏には一体何があるのか??間違ってるかもしれませんが、自分なりの結論を出すことができました。全ての環境要因は催眠術になりうるということ。受け手が催眠術にかかるかどうかは、受けての歩み寄りしだいだということ。そしてその作用は、受けての心の隙間の程度と質によって違うということ。下手な犯罪心理学者のじーさんの論理より、この一冊のほうが何千万倍もリアルに心に響いてきました。 | ||||
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あると思った。石田さんの持ち味というべきか、やはりIWGPで見せたようなガキの攻撃的、自己防衛やらうんたらかんたらを、独自のかたちでえがいている。石田さんの癖にハマってる人には、読んだあとに鼻から息が抜ける感じの作品であった。 | ||||
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石田衣良の本はほとんど読破。とにかく読みやすいし、東京のイマを学べる気がする。若い子との付き合い方とか彼らの考えとか・・・なぜか私にとっては教科書的要素がある。ま、明るい話ではないけれど考えさせられる一冊です。 | ||||
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