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うつくしい子ども
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うつくしい子どもの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.07pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
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テーマが重いために主人公の少年の純粋さが際立つ、そういう効果を狙ったのかもしれないが この少年の考え方がきれいごとすぎて、むしろ不気味に感じてしまった。 こんな子ども、本当にいるんだろうかという両極端にいる二人。 両極端すぎて「善」側であっても共感は難しい。 | ||||
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心に空白を持つ13才の少年が殺人を犯し、その心境を理解しようと兄が友達とともに世間の風当たりに屈することなく探求していく物語です。 14才の兄の口調で語られることが多いので、深刻な状況や残酷な出来事でも大したことないちょっと大変な出来事くらいに伝わってきます。そこがこの辛い事件を語るにあたって良い点でも残念な点でもあると思います。加害者の兄である主人公が被害者のように語られる点や、加害者に重点を起き、被害者家族の少年法によるやりきれなさをあまり伝えない部分がどうしても気になってしまいました。被害者家族の心情の量を増やすと伝えたいことが伝わらなくなったりするので仕方ないことだとは思うのですが。 主人公のジャガはとても勇敢で真が通った性格です。けれど、私は同級生の松浦や弟のカズシの心の闇の方をもっとキツイ表現で読みたかったという想いはあります。ジャガの目線がとても純粋だったのでその反動かもしれませんが。 犯罪によって当事者以外の被害者がたくさんの出てしまいます。どこからを被害者と扱うのかわかりませんが、加害者だけでなく、加害者に関わる人もずっと償いの応えを探さないといけないということでしょうか?難しいです。 うつくしい子どもというのは、出てくる子ども全員のこと?それとも13才の弟のこと?主人公のこと? 私には、わからなかったです。 | ||||
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中一の弟が犯した殺人事件に立ち向かうため、 その動機を究明しようとする兄と仲間達の物語。 ミステリー小説としてのエンターテイメント性は押さえつつも、 多感な思春期青年の心理描写も、精緻に美しく描いており、 純文学のような丁寧さも感じる作品でした。 舞台は、学園都市のニュータウン。 そこに住む住民はフィルターで濾過された、似たもの同士。 混じり気のなく清潔に思える家庭や学校。 そんな無菌室と思える社会で、突然殺人事件が起こり、 加害者家族となる主人公が、殺人者となった弟との関係に悩み、 マスコミ報道に耐えながらも、真の友人を発見していきます。 設定は(恐らくは執筆当時も)ありふれています。 しかし、主人公のキャラクタ選択は面白かったです。 植物学者のような、観察眼に優れた物静かな主人公を活躍させ、 ニュータウンに残る自然描写に心象表現を重ね合わせさせることで、 彼のうつくしい精神が良く表現されていました。特に前半。 物語後半になってくると、事件の真相に迫ってくるため、 テンポががらりと変わってしまいます。 それまでの加害者家族の苦悩やら、様々な問題については、後回しとなります。 この展開により、一貫性が失われたように感じてしまったため、星3。 | ||||
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石田衣良の作品は読んだことがなかったので、何か読んでみるか…そんな軽い気持ちで手に取った一冊。 正直なところあまり期待せずに読み始めたわけだが、思っていた以上に、楽しく読めた一冊であった。 物語は、主人公・通称ジャガ14歳の弟・カズシ13歳が、9歳の少女を殺害して補導されるという内容。「なぜ、弟は少女を殺害したのか?」その理由を探そうと立ち上がるのが、主人公・ジャガ。 内容からすると、社会派的な作品なのかと思うのだが、単なる社会派とはちょっと違う。ミステリー的な要素も入っている。さらに、主人公が14歳ということもあり、青春物の要素もある。盛りだくさんで、なかなか楽しめる一冊ではある。 しかしながら、個人的には、ちょっと軽すぎやしないか?という印象である。題材が題材なだけに、もう少し重く仕上げても良かったような気もする。まぁ、趣味の問題かもしれませんが。 | ||||
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リアルじゃないと思う。 九歳の少女を残虐なやり方で殺した十三歳の少年。その家族のさらされる痛み、苦悩、恐怖はこんなものじゃないだろう。 次々と起きる新たな事件に、どんな出来事も世間はすぐに忘れていくけれど、只中にある時の攻撃力は、地元に留まっていることを絶対に許さないくらいのものではあるはず。まあ、残ってないと話が展開しないから仕方ないんだけど。 加害者兄の友人たちも、理解がありすぎて優しすぎて、ほんとに?と違和感を感じてしまう。 結末のつけ方にいたっては、マンガのよう。こういう展開はありえないとは言わないが、もっと深みのある、人間の存在やあり方に真に迫る内容にしてほしかった。これじゃ、あまりにつくりものすぎる。どっかでひろってきたオチでしかなく、作者の「これが書きたかった。訴えたかった」というような確固としたものを感じない。 なぜ人は人を殺すのか。 染色体に異常があるわけじゃない、親に虐待されたわけじゃない、深刻なトラウマがあるわけじゃない、ただ、人を殺すのが好きだという人間がこの世にはいる。それを私たちはどう捉えればいいのか。 少年の猟奇的犯罪を描くのなら、多少なりとも何かを考えさせられる内容がほしい。 | ||||
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石田衣良という作者に興味があって読んだ。『4ティーン』に続いて二作目。こちらのほうが面白かった。 なぜこの作者に興味があったかというと、朝日新聞で『いじめられている君へ』という文章を読んだからだ。石田氏は、いじめられている子どもに対して何もしてあげられないと言う。(個人的にそんなことはないと思った。ペンと発表の機会と読者を持つ、影響力の大きい人だから)しかし自殺することは禁ずると書いていた。一体何を考えてそんな残酷なことを書くのか全く理解できなかったので、『4ティーン』を読んだんだが、『うつくしい子ども』のほうが作者の人となりがよく分かった。分かったというのは、「こういう人なのか」という漠然とした感じで、共感を感じたということではない。 大変面白いと思いながら読み進んだが、最後のほうではガッカリした。あ、なんだ、『デスノート』みたいなものでしたか。みたいな。 深く考えさせてくれそうな予感を与えつつ、やはりそうでもありませんでした、という本では松岡圭祐の『カウンセラー』を思わせた。なにが物足りなかったのか。異常心理の深みかな。 | ||||
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カズシや夜の王子←現実にこんな子供が大きくなったら..そんな大人が増えたら..と考えると少し恐ろしくなります。 主人公(ジャガ)やその仲間はずいぶんしっかりした中学生だと思いました。 神戸の事件を題材に事件・事象を捉えるときにはマスディアの情報を鵜呑みにするだけではなく自分の頭で考えて複数の視点で見るべきだとのメッセージがこめられていると思います。 中高生なんか特に読んで欲しいと思います。 | ||||
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読みやすかった。 ずんずん読めた。その感じはすごくいい。 子供たちの描写部分もなんだかありがちなんだけど続きが世みたい感じにさせてくれる。 でもどうして殺人を行うことになったのか、その理由の部分が急にファンタジー路線?みたいになって えー、こうなるわけー・・という感じ。 いっそのこと児童ファンタジーにすればいいのに。 なんだかラストがあまりに現実離れしていて、 そこいらの少年誌の漫画みたいな展開だったので、 それならば新聞記者の存在、いらないんじゃないか?と思いました。 完全に「おとぎ話」として作ってしまえばよかったのに。と。 あばた面の主人公のキャラ設定は非常にうまくできており、 見た目はよくなくても心の綺麗な少年というのをひしひしと感じる作り。それも無理なく。そしてリアルに。 でもそんな少年がラストに向かって急に眼光鋭くキレるようになるようなシーンは なんだか無理があるような気もする。 とはいえ、最後までよみとげられて、「コレを読んだ」という意識が残るということは、読んで損のない作品だと思う。 主人公の心の綺麗さが私の心を打った。 | ||||
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読みやすく飽きることはないんですが神戸の某事件を思い出してしまいました。 最近の少年犯罪でも猟奇殺人的な物が増えてきてる気がします。 この作品ではその加害者の周囲の人間のこともリアルに書かれていると思います。 | ||||
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結局の所は流行の事象を題材にした作品群から抜け出す程の物にはなっていない。 一つ一つの要素がなぁ・・・どうも上手く組み合わさってない。大人から見た子供への妄想の域を越える事が出来てないのが残念。 IWGPのように「自力」である程度の強さを身に付ける事が出来た人、、という年齢層の話ではない為かどうしてもリアリティの面で届かない。 構成はありきたりだけど殺人現場のニュータウンで繰り広げられるテンポのいい話はサクサクと読める。でも重要な「子供」というファクターが浅いせいで無味乾燥なお話に。 | ||||
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少年犯罪という問題の渦中に放り込まれた、加害者の家族としての主人公から見た一連の事件顛末というか。テーマの割に、ドロドロ感や心苦しくなるような切実さは感じませんでした。良くも悪くも。主人公の感性が現代的で、文体が独特ながら軽妙で読みやすいのは著者の持ち味ですね。ただなんとなくきれいごとめいていて作品として線が細い印象。これも著者らしいといえばそうかも。ラストあれでいいんだろうか。少年犯罪という重たいテーマを踏まえて読むとちょっと物足りない、浅いと正直思いましたが、話としてはまあ楽しめたし石田衣良らしい筆致の作品でした。 | ||||
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どこかしら心のバランスが保てなくなり(という表現が適切かは?ですが)事件を起こすに至る子供の心情や過程が読みとれるかと期待して読みました。そこから作者の表現したかったものとは違ったのかなと思いますが。。。子供の心がなぜ残忍な事件を起こすに至ったのか?弟の心情を辿っていく経緯で明らかになるかと思いきや外的要因へと話が向かっていく。ではその外的要因の心情の経緯が読み取れたかというと正直深くは読み取れませんでした。弟の人格形成に何かしらの関わりがあったであろう両親の心の葛藤もあまり見えてこなかった。私自身が現実の事件とダブらせすぎたのか、読後は少し不完全燃焼な感じでした。 | ||||
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有名進学中学に兄弟が通う。彼等が住む高級住宅街は豊かな自然に囲まれている。彼等にはCMのモデルをやるようなかわいい妹がいる。その妹と同年の9才の女の子が殺される。犯人は13歳の弟だった。 家族の生活は大きく変わる。夫婦は離婚する。夫は会社に辞表をだすも遺留され独身寮に住み込み会社に通う。妻は子供二人を引き取りアパートを借りパートの仕事を始める。兄は心を強く持ち、これまでの中学に虐めに耐えながら通う。妹は学校を変える。兄は弟が犯罪者になっても自分の弟であることに変わりはないと思いを定め、弟の気持ちをなんとか理解しようと、調査を始める。一種の探偵ごっこを始める。 弟の犯罪は犯罪ではなく、13歳の少年は犯罪を犯すことができないので触法行為でしかない。弟は兄と同学の松浦の教唆から女の子を殺した。そして、松浦を追い詰めた兄は松浦の父の申し出を受け入れ、松浦父子の無理心中というシナリオを認めて事件は終息する。 この作品は酒鬼薔薇少年事件をモデルにした小説である。少年がなぜそのような事件を起こしたのか。その問いに石田なりに取り組んだ作品である。ファシズム心理の低年齢化、それが彼の答えである。自分の精神的不充足感を癒すために、誰か超人の命令のままに行動しようとして弟は殺人を犯してしまったのだ。 | ||||
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