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うつくしい子ども
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うつくしい子どもの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.07pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全85件 1~20 1/5ページ
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石田先生の作品の内、一番初めに読んだのがこの小説でした。 大変、読み易かったです。 すぐに、作品の中に引き込まれていきました。 もう、十数年前ですがね・・・。 最後のどんでん返しは、お見事でした。 石田先生の作品は、いい意味でタイムリーな作品が多いですね。 | ||||
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読むのがこわいけど時間ある時にゆっくり読みたい。 | ||||
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期待以上におもしろい作品 | ||||
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中学生の「ぼく」の視点と「世間」の視点の書き分けが秀逸。 辛いこと・楽しいこと・怖いことも中学生というフィルターを通すことで、 ある種の青春、清々しさのようなものを感じた。 殺人犯の家族というレッテルに葛藤する主人公と、 誰しもが持つ世間にはいえない様々な悩みを「夜の王子」と称し描かれている。 見事な文体で、他社視点・俯瞰的に描かれる様は 単なるいじめ克服物語、子どもの成長物語を凌駕する。 是非一度ご覧いただきたい。 | ||||
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シビアな内容の中にとても美しいものがある。 それが石田衣良さんの作風な気がします。 この作品もそうです。 登場人物それぞれが美しいです。 | ||||
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この作者の本は初めてだったので、余り期待せずに読んだのだが、予想外におもしろかった。文章は読みやすく、けれど内容は濃く深い。 実際にあった事件がモデルなので、際物扱いされるかもしれないけれど、訴えていることはごく正当だと思う。凡百の評論より、小説というフォーマットの方が本質を捉えることもあると得心。 ミステリーとしてもよく出来ている。結末も、少しご都合主義的とはいえ意外なものだった。最初から最後まで、自分が14歳だった頃の濁りのない正義感を思い出しながら読むことができた。 | ||||
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古本屋で購入、石田作品を初めて読んでのレビューです。ネタバレなし、若干のキャラバレあり?となってます。 この作品は現実味とフィクションがいいバランスで混ざっているなという印象を持ちました。メッセージ性のある作品ですが、「人を理解する」というメッセージも込められているように感じました。 以下、枝葉部分にはなりますが、自分が気に入った点を挙げます。 ・加害者への糾弾 この話には殺人事件が起こったあとのマスコミと一般人による、加害者家族への糾弾の姿が描かれています。 芸能ニュースや週刊誌があまり得意でない私には加害者家族への糾弾という描写は、読んでてつらいものがありました。ただその描写は決して大袈裟でも偏向的でもなく、現実で十分起こりうる現象が淡々と描かれていました。 ・マイノリティ 主人公の友人として「ひどい下ネタを言う女性」と「女装子(じょそこ)」が出てきます。 下ネタっ娘は、世の中に対する不満を下ネタという観点から吐き出します。女性器を臆せず口にする、某ろくでなしな人と気が合いそうなキャラです。 もう一人、女装子(検索時注意)とは女装願望を持つ男性のことです。この話では日常のストレス発散として休日に女装する男性が描写されています。 私はこの二人の下りで思わず発刊年を確認してしまいました。言葉尻からは著者の偏見が一切見られなくて、一体どこからこんな正確な情報を仕入れたんだろうと思ってしまいました。 '99年にこれだけ進んだ理解を示せる石田衣良さんに驚きました。 ただ、星を一つ減らしたのは、主人公勢が中学生でありながら、あまりにも精神的に成熟しすぎていた点が、若干ご都合っぽく感じられたためです。 物語の進行上仕方なかったのかなと理解していますが、「こんな子供はいない」と突っ込まれる隙があるのは勿体ないです。子供として見るとその整った思想や人柄はファンタジーに見えますが、「こんな子供はいな」くても「こんな大人はい」ます。 視点を切り替えて読む必要があるかもしれません。 | ||||
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事件の後、引っ越していかなければならないときの、町に別れを告げる言葉がすきです。 事件そのものよりも細部の表現に魅かれて読みました。 | ||||
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評価に迷いました。 読んで楽しい話だとは言えない部分があったと思います。 自分の家族がこうなったらやり切れません。 そこまで書かなくても良いでしょ、と思う部分もありました。 しかし、現実に起こり得る話だとも思いました。 その意味で目をそむけてはいけない問題を提起して下さった良作だと感じました。 | ||||
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この小説には、社会性にあふれていたように思われます。 主人公の弟が女子児童を虐殺したことで、その家族までも過激な報道にさらされるようになる。 こういうケースには、よくなるのではないでしょうか? 当然、その過激な報道に、主人公もさらされてしまいます。 挙句の果てには学校でいやがらせに遭う始末。 ですがそれにもめげず、事実を追求しようとする主人公の姿勢、 過ちを犯した弟への思いやり、それに逆境の中で被害者の墓に花を供える優しさには、 とても共感できました。 社会性だけではなく、人情味にもあふれています。 特に、とても太刀打ちできないような相手(ネタバレ防止のため、具体的には書けないが)に立ち向かうだけの意志に、とても心を打たれます。 ですが、序盤から中盤にかけて、報道の無情さを鋭く描いていたのに、 終盤近くであまり重点を置かれなくなったことや、 かなり引き立てることができたはずなのに、 物語があっさりと終わったことには、ちょっと疑問に思いました。 星三つにするか四つにするか迷ったのですが、 きちんと感動を味わえたことや、登場人物たちの生き生きとした描写が加点できるので、 星四つとします。 | ||||
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新興住宅地の中で起きる女児殺害事件。 ≪夜の王子≫を名乗る犯人は自分の弟だった。 中学生のジャガは一緒に暮らしていた弟が、 凶行に駆り立てられた原因を知りたくて弟の周辺を調べ始める。 文章が淡々としていて、怖がらせようとしていないんだけど、 それがすごく日常感というか、現実っぽさを感じさせるので逆に怖くなりました。 現実にも児童による児童への殺傷事件って多いですよね。 しかも動機が理解できないというか、命が軽く見られ過ぎてる気がします。 そういう事も思って、ものすごく恐怖感に煽られながら読んでいたのですが、 主人公・ジャガの前向きな性格と、 家族やまわりの人々の中に少しづつの希望を見出せるような、 石田衣良さんの文章に救われた気がします。 テーマは重いけど、とても良い作品でした。 | ||||
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子どもが凄惨な事件を起こす現代をテーマにしたミステリーのような小説です。 もともと子どもの思想は残酷なものにも清らかなものにもなりえます。 筆者は殺人を犯した家族に訪れる悲劇と行き過ぎる報道合戦を痛快に書き上げています。 石田さんらしい読みやすい描き方でぐんぐん読み進めてしまいます。 題材が題材なだけにハッピーエンドは望めませんが(?)主人公の成長が面白い小説です。 子どもは親や周りの大人に染め上げ上げられる存在なのでしょうか。 読んだあと考えさせられます。 | ||||
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9歳の少女殺人事件の犯人は、割と前半で明かされます。 なぜならこの物語は、加害者の家族がその後どう事件と関わっていくかを描き、 かつ事件の背景を探っていくところに主題があるからです。 犯人がだれかは本の背表紙のあらすじにも出てますが、それでも知りたくない人は 背表紙や、帯を見ないようにして本編を読み始めてください。 主人公の三村幹生は、たいした奴だなあと思います。こいつの腹の据わり方は格好いい。 山の上での集会はすがすがしくて好きなシーンです。 一方Mのキャラクター造形はコテコテ過ぎたのが唯一気になった点かなぁ。 | ||||
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少年犯罪を扱った小説です。 無理矢理ジャンル分けすると、ミステリーになるのかな。 本書の読みどころは、 ・少年探偵団の活躍 ・犯罪者とその家族に対する報道姿勢のあり方 だと思います。 少年の犯罪心理については突っ込みが浅い気がしますし(特に親子関係)、少年法の問題点や教育現場の崩壊ぶりも、本書では刺身のツマ程度の扱いです。 まあ、そこまで書き込んでしまうと冗長なストーリーになると思いますので、これくらいがバランスが取れていていいのかな。 マスコミのゆき過ぎた報道と人権問題については、考えさせられるところ大です。 石田さんならではの軽快なタッチで読みやすいですし、中高生にもお勧めできる作品です。 | ||||
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ごく平凡な生活を営む『僕』。だが、ある日、自分の弟が女児を殺害してしまう。そんな事件が起きたあとも、その街で生き続けなくてはならない僕は……、 というようなことが表紙裏のあらすじのところに書いてある。解説でも言及していたが、なんとこの小説、オビと表紙で犯人バラしちゃってるのだ。あらら。普通のミステリーではない、ということがもうこの時点でわかる。でも、ミステリーではなくて純文なのかというとそうでもない。ちゃんとしたミステリーで、読み解かせる部分を持っているのだ。 石田さんは結構いろんな引き出しを持っている作家だと思う。けっこう軽快な語り口をウリにした作品が目立つけど、背後に敷かれたプロットは堅牢なものだ。イキナリ犯人をバラすミステリーが書ける作家であることは間違いない。ラスト50ページはあっという間の、衝撃的な作品。 | ||||
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この作品でいう“うつくしい”とは何だろう? 主人公たち3人組の姿勢 主人公の妹の容姿 いわゆる「伝説の天才」 “うつくしい”には色んな意味が込められているのだろう。 それは時に称賛であったり、皮肉であったりする。 ただ文章にひらがなが多いのは、中学生っぽさを出すため? もしそこまで考えて書いているなら、素晴らしいでしょう・・・ | ||||
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少年犯罪をテーマにしているということもあり、その結末はどう転んでも、もどかしい思いをぬぐい去ることはできません。本書もそういった印象でした。しかし犯罪にまきこまれた被害者と、その周辺にいる人、また犯罪者と、その家族などの心理描写、舞台設定は見事で、現実に起きたある事件を受けて執筆されたという事実を裏付けるようでもあります。 本書は石田氏の他のどのシリーズ(池袋ウエストゲートパークなど)とも違い、小気味の良いテンポ、若々しいリズムなどはあまり感じられませんでした。東野圭吾氏の作品のような、程よいテンポとリズムと重厚さの調和が、読んでいて心地いいようでもあり、その世界に感化されて気分が重くなるようでもあり、読者の捉え方によっては様々な印象をうけるのではないかと思いました。 やはり石田氏の作品ははずれがない。そういった意味で私にとって安心して、本を新たに開くことのできる小説家であると言えます。本書も多分に漏れず、違ったテイストではありましたがとてもおもしろかった。 | ||||
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夢見が丘中学校に通う主人公は14歳。子供らしい日々を送る中学校生活の中、8歳の女の子が行方不明になるという事件が発生。その後、女の子は絞殺死体として発見される。街中が大騒ぎになる中、なんと犯人として主人公の13歳の弟が逮捕される。 (どうして弟は、こんな事件を起こしてしまったのか?) 葛藤の渦中に投げ込まれた主人公が、迫害と無遠慮な嫌がらせに耐えながら、文字通り必死で深層に迫っていく。 紋切り型、の理解を拒否して、新しい視点を投げかけつつ、ドラマは重苦しさを残して終わる。ちょうど、人生がそうであるように。心の深みという点では惜しい面もあるように感じるけれども、文学作品として、真摯にきちんと書かれた本であると思う。 諦めちゃいけない。ぼくは決心したはずだ。 いつか灰色の港に着く日まで、あの灰色の海を力の限り漕ぎ続けると。 ―石田衣良、『うつくしい子ども』 灰色の海は、僕らもまた生きているこの世界だ。 主人公の少年に触発されて「僕もまた力いっぱい生きよう」と考えるのは浅薄に過ぎるだろうけれど、灰色の海に対する態度、を自分なりに決めるということが、この作品への敬意になるような気がする。 タイトル「うつくしい子ども」は文中で描写される子ども達への、美しさの視点の転換を迫る象徴的なフレーズ。一読すれば分かると思いますが、念のため。 | ||||
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女児を殺した犯人は「ぼく」の弟であったと内容が紹介されているように,この作品は犯人を探すことを主旨としているのではなく,なぜ弟が犯罪を犯したのか突き止めていくという一味違ったミステリーとなっています。ジャガというあだ名の「ぼく」は弟の心の闇と向き合うため,自分なりのやり方で事件を紐解いていきます。そして物語が進むにつれて弟がなぜ犯罪を犯したのか,その背景に「誰が」という影がちらつき,その人物こそが弟の闇を代弁する形になっています。 物語は一人称で語られるジャガの視点と,三人称で語られる山崎という新聞記者を中心とした視点の二つが交互に描かれており,それがより一層物語の内容を立体的にしています。山崎は報道関係者側でありながらも,このような事件を書き立てることに批判的な立場として描かれており,自分なりの記者としてのあり方を模索している姿がジャガの事件に立ち向かう姿と重なります。「自分なりの」という個性が覆われてしまう現代,彼らの在り方が清々しかったです。 加害者家族であるジャガの立場はかなり辛いものですが,それでも仲の良い友人との会話や,彼の素朴な人柄が話を全体的に暗いままにせず良かったです。ただもう少し弟の心の闇について詳しく描いてほしかったです。人と人とが繋がることについて考えさせられる作品でした。 | ||||
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山の中で少女が殺害された。 猟奇殺人犯は13歳の弟だった! 本書が出版されたのは1999年。 あの「酒鬼薔薇事件」(1997年)に触発されて書かれた少年犯罪モノだといえます。 なぜ弟は殺人を犯したのか?弟の心の闇を兄は理解してあげることができるのか? そうした問いかけが本書の大きなテーマとなっています。 とは言っても、実際には青春推理モノとして書かれており、内容の重さに対してかなり軽めの文体でサクサク読めるようになっています。 謎解きの要素もふんだんに含まれていて、小説として飽きさせない作りになっているのは、さすがは石田衣良といったところでしょう。 その一方で、メインテーマである少年犯罪に関しても、他の作品に比べより冷静にその本質を描き出すことに成功していると思います。 ただ最近は多様な犯罪の低年齢化が進み、「少年犯罪」という言葉の持つインパクトもだんだん薄れてきてしまっていますね。 そういう意味では、今読むのにはちょっと向いていない本かもしれません。 (むしろ高齢者同士での事件が増えてきていることの方が問題だし・・・) | ||||
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