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燃えた花嫁
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燃えた花嫁の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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ハードロジックパズラーや心理的切れ味の鋭いミステリを読んだあとに、山村美紗の小説を読むと、思わず脱力してしまう。それぐらいゆるゆるな内容なのだが、ではどうしてこんなにもテレビドラマ化され、もてはやされているのだろうか。その理由が、本書を読めばよくわかる。 とにかく山村美紗はトリックメーカーなのだ。有栖川有栖は「タコの入らないタコ焼きを売りたくなかった」と山村美紗を評した。つまり「トリックの入らないミステリを書きたくなかった」と。まったくその通りだと思う、トリックの良否はさておき。かなり出来不出来の差は激しいし、「これはとても実現不可能だろう」というようなものもあるが、とにかくたくさん作ったことは確か。長篇にはそれが惜しげもなく盛り込まれている。 残念なのは、それを繋いでいくプロットにあまり工夫がなく、謎を解き明かす論理構成も迷走しがちで、正直そもそもの文章がとてもうまいとはいえないこと。でもテレビの世界では、この中からトリックだけ抜き出して、ストーリーや演出を好き勝手に改変してしまえばいいわけだ。「タコ」だけ盗んで、あとはいかようにも好きな具や新しいメリケン粉を投入すればいい。映像的に換骨奪胎しやすい作家、なのである。 「燃えた花嫁」も、とてもこのままじゃ映像化できないだろうなと思うが、魅力的なトリックはいくつか出てくる。真犯人は何だか取って付けたようだし、証拠のちりばめ方やミスリードの仕方も実にイージーだが、トリックだけは面白いことを考えたなと感心する部分がある。トリックメーカーと称したい所以である。 | ||||
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