残虐記

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残虐記の評価:

3.40/5点 レビュー 99件。 D ランク

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平均点3.40pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全84件 1〜20 1/5ページ
No.84
(5pt)

無限大の謎

少女誘拐監禁事件を扱った作品であるが、読み進むに従って、物語は謎が謎を呼ぶ。
冒頭で示される手紙の中で、何故「私も先生を許さない」と書かれているのかが当初の大きな謎だ。
そして、謎が一つ増え、また一つ増え、最終的には、謎が謎を呼び、無限大の想像が可能となる。

「先生を許さない」という言葉の意味すら、幾通りもの解釈が成り立つ。
本文中でも、この事に対する解釈が示されているが、それすら、想像の域を出ていない。

一般の推理小説とは逆のパターンの作品だ。
推理小説は、最終的には謎が解明されるのであるが、本作品は、謎が深まるばかりだ。

しかし、被害者となった少女の「他人は信じられない」という姿勢は一貫していて、
その上、他人の心を読む能力は卓越しているので、真実を語ろうとしなかったので、さらに謎は深まる。
その心理描写の深さには、唸らされるばかりだ。

作品中で被害者は、自らを性的人間と語るが、この意図も曖昧模糊としている。
この事に対しても、読み進むに従って、謎がさらに深くなる。

謎が無限大である本作品。
小説という表現手段の、一つの境地が追求されている。
残虐記 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 残虐記 (新潮文庫)より
4101306354
No.83
(5pt)

衆人環視のなかの弧絶感と想像することの毒

私には、これが特定の猟奇的な事件の深層に迫ろうと試みた作品とは思えませんでした。

むしろ、センセーショナルな事件等の当事者として他人の興味本位の想像の対象となるということがどういうことか、を描いた作品だと思いました。

猟奇的な事件などがおきると、当事者に対しては他人の好奇の目と勝手な憶測という毒が集中します。例えば、なんらかの事件について、被害者に同情することも加害者に憤慨することも、無関係な他人が当事者の心情を一方的に想像しつつ正義感を楽しんでいるのであり、要するにセンセーショナリズムという商品を消費しているに過ぎないのです。当事者にとっては当然「毒」の一つにすぎないでしょう。

そんなセンセーショナリズムを中心として渦巻く他人の好奇の目と勝手な想像の暴風雨、そこから弧絶した当事者の心の奥底という台風の目、両者の相容れなさが見事に描かれています。

センセーショナルな事件の当事者として、他人の想像の対象となるという運命を生きてしまった人の弧絶感と想像することの毒性を、洞察力を稲妻のように走らせつつ描いた、力のある作品だと思います。

なお、具体的な事件の被害者の心情に対する配慮が足りないという趣旨のこの作品に対する批判も、その具体的な事件に関連していえば「勝手な想像の毒」の一種だと思います、なんていったら良識ある方に怒られちゃうかな?
残虐記 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 残虐記 (新潮文庫)より
4101306354
No.82
(5pt)

無限大の謎

少女誘拐監禁事件を扱った作品であるが、読み進むに従って、物語は謎が謎を呼ぶ。
冒頭で示される手紙の中で、何故「私も先生を許さない」と書かれているのかが当初の大きな謎だ。
そして、謎が一つ増え、また一つ増え、最終的には、謎が謎を呼び、無限大の想像が可能となる。

「先生を許さない」という言葉の意味すら、幾通りもの解釈が成り立つ。
本文中でも、この事に対する解釈が示されているが、それすら、想像の域を出ていない。

一般の推理小説とは逆のパターンの作品だ。
推理小説は、最終的には謎が解明されるのであるが、本作品は、謎が深まるばかりだ。

しかし、被害者となった少女の「他人は信じられない」という姿勢は一貫していて、
その上、他人の心を読む能力は卓越しているので、真実を語ろうとしなかったので、さらに謎は深まる。
その心理描写の深さには、唸らされるばかりだ。

作品中で被害者は、自らを性的人間と語るが、この意図も曖昧模糊としている。
この事に対しても、読み進むに従って、謎がさらに深くなる。

謎が無限大である本作品。
小説という表現手段の、一つの境地が追求されている。
残虐記 Amazon書評・レビュー: 残虐記より
4104667013
No.81
(5pt)

衆人環視のなかの弧絶感と想像することの毒

私には、これが特定の猟奇的な事件の深層に迫ろうと試みた作品とは思えませんでした。

むしろ、センセーショナルな事件等の当事者として他人の興味本位の想像の対象となるということがどういうことか、を描いた作品だと思いました。

猟奇的な事件などがおきると、当事者に対しては他人の好奇の目と勝手な憶測という毒が集中します。例えば、なんらかの事件について、被害者に同情することも加害者に憤慨することも、無関係な他人が当事者の心情を一方的に想像しつつ正義感を楽しんでいるのであり、要するにセンセーショナリズムという商品を消費しているに過ぎないのです。当事者にとっては当然「毒」の一つにすぎないでしょう。

そんなセンセーショナリズムを中心として渦巻く他人の好奇の目と勝手な想像の暴風雨、そこから弧絶した当事者の心の奥底という台風の目、両者の相容れなさが見事に描かれています。

センセーショナルな事件の当事者として、他人の想像の対象となるという運命を生きてしまった人の弧絶感と想像することの毒性を、洞察力を稲妻のように走らせつつ描いた、力のある作品だと思います。

なお、具体的な事件の被害者の心情に対する配慮が足りないという趣旨のこの作品に対する批判も、その具体的な事件に関連していえば「勝手な想像の毒」の一種だと思います、なんていったら良識ある方に怒られちゃうかな?
残虐記 Amazon書評・レビュー: 残虐記より
4104667013
No.80
(4pt)

他者の欲望。

誘拐事件をきっかけとした「想像された現実」の記録。被害者は監禁されているときには想像で時間を潰し、解放されてからは周辺の好奇の視線に晒され、そして多様な想像の焦点となった。想像はきっかけとなる「種」があれば際限なく膨張するからには、当局に対して「本当は何が起こっていたのか」について口を噤むことはすなわちそのような想像の「種」を渡さない賢明な行為だったと言える。だが一方で、「種」を保持したままでいることにより、自分自身の内部で想像の膨張が始まるのだ。その想像とは「欲望とは他者の欲望である」というラカンの言葉を地で行くような内容と化してゆく。「他者の欲望」とは言葉のことである。『残虐記』そのものが言葉によって、言葉でしか織り上げられていないのだから、本書は二重の意味で「他者の欲望」が充満しているのだ。
残虐記 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 残虐記 (新潮文庫)より
4101306354
No.79
(4pt)

他者の欲望。

誘拐事件をきっかけとした「想像された現実」の記録。被害者は監禁されているときには想像で時間を潰し、解放されてからは周辺の好奇の視線に晒され、そして多様な想像の焦点となった。想像はきっかけとなる「種」があれば際限なく膨張するからには、当局に対して「本当は何が起こっていたのか」について口を噤むことはすなわちそのような想像の「種」を渡さない賢明な行為だったと言える。だが一方で、「種」を保持したままでいることにより、自分自身の内部で想像の膨張が始まるのだ。その想像とは「欲望とは他者の欲望である」というラカンの言葉を地で行くような内容と化してゆく。「他者の欲望」とは言葉のことである。『残虐記』そのものが言葉によって、言葉でしか織り上げられていないのだから、本書は二重の意味で「他者の欲望」が充満しているのだ。
残虐記 Amazon書評・レビュー: 残虐記より
4104667013
No.78
(5pt)

寒気がしてくる‥

ケンジと誘拐された景子、そしてみっちゃんの真実とは?
ヤタベさんの怖さ
まぁこの小説の構成そのものが景子による"毒の夢"を綴ったもの
誘拐された景子が救出(解放?)されて後に想像した事柄
しかし監禁していたケンジとの短い「交換日記」を隠蔽の為と装いつつも大切に持っている事やケンジからの拙い手紙が本当だとしたら‥

ケンジくんとみっちゃんの痛々しいラブストーリーとも
凄くいい意味で、桐野夏生氏の真骨頂かと☆
残虐記 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 残虐記 (新潮文庫)より
4101306354
No.77
(5pt)

寒気がしてくる‥

ケンジと誘拐された景子、そしてみっちゃんの真実とは?
ヤタベさんの怖さ
まぁこの小説の構成そのものが景子による"毒の夢"を綴ったもの
誘拐された景子が救出(解放?)されて後に想像した事柄
しかし監禁していたケンジとの短い「交換日記」を隠蔽の為と装いつつも大切に持っている事やケンジからの拙い手紙が本当だとしたら‥

ケンジくんとみっちゃんの痛々しいラブストーリーとも
凄くいい意味で、桐野夏生氏の真骨頂かと☆
残虐記 Amazon書評・レビュー: 残虐記より
4104667013
No.76
(5pt)

ショッキングな1冊

一筋縄ではないこの作家の凄さ、一気に読む!
残虐記 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 残虐記 (新潮文庫)より
4101306354
No.75
(5pt)

ショッキングな1冊

一筋縄ではないこの作家の凄さ、一気に読む!
残虐記 Amazon書評・レビュー: 残虐記より
4104667013
No.74
(5pt)

女の「現実」

異様で、不可解な欲動に晒された少女

彼は、なぜ私を抱かなかったのか
それだけは、誰にもいえなかった
女は強姦の屈辱を恐れない。強姦の栄誉を恐れているのだ
不可解なのは男の欲望だけではなく、自分の心なのだから

彼の欲望を希求した性的な妄想は同性愛に行き着く
妄想は結局、自分の頭の中だけのことで、少女の心性の内部に留まることは間違いがない
結局、景子は妄執の中に入ったのではなく、彼女の妄執の中に出たのだった。

それが、現実を失う、ということである。自分が自分を瞞すというトリックである。これ程セキュリティの高いシステムもない
他者に、自身に、呼吸をするように欺瞞を続ける女にとって、何が夢で何が現実かという境界は非常に難しい
小説は不可解を、もう一つ大きな不可解のシールド覆うことで結末する。それは、強かで、軽蔑されるべきこの女にふさわしいラストといえる
残虐記 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 残虐記 (新潮文庫)より
4101306354
No.73
(5pt)

女の「現実」

異様で、不可解な欲動に晒された少女

彼は、なぜ私を抱かなかったのか
それだけは、誰にもいえなかった
女は強姦の屈辱を恐れない。強姦の栄誉を恐れているのだ
不可解なのは男の欲望だけではなく、自分の心なのだから

彼の欲望を希求した性的な妄想は同性愛に行き着く
妄想は結局、自分の頭の中だけのことで、少女の心性の内部に留まることは間違いがない
結局、景子は妄執の中に入ったのではなく、彼女の妄執の中に出たのだった。

それが、現実を失う、ということである。自分が自分を瞞すというトリックである。これ程セキュリティの高いシステムもない
他者に、自身に、呼吸をするように欺瞞を続ける女にとって、何が夢で何が現実かという境界は非常に難しい
小説は不可解を、もう一つ大きな不可解のシールド覆うことで結末する。それは、強かで、軽蔑されるべきこの女にふさわしいラストといえる
残虐記 Amazon書評・レビュー: 残虐記より
4104667013
No.72
(4pt)

桐野夏生さんの本に初挑戦しました

私は桐野夏生さんの本を初めて読んだのが残虐記だったのですが、今まで読んだ小説の中でダントツに面白い!と思っていたんです。でも他の方のレビューを見てみるとまだまだこの方の素晴らしい作品があることを知り生きる楽しみが増えたと同時に誰かにこの思いを伝えたい、もっと読んでもらいたいと思いました。拙い文章失礼しました、とってもこの本が好きです。
残虐記 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 残虐記 (新潮文庫)より
4101306354
No.71
(5pt)

異常なまでに異常な世界、隠れた名作

本書は、主人公の景子がまだ10歳・小4の時、工員のケンジに拉致・監禁されたところから始まる。景子はケンジの住む部屋に監禁され、監禁生活は1年余りに及ぶ。ケンジの隣室にはヤタベというケンジと同じ鉄工所に勤める男が住んでおり、景子はヤタベに助けを求めようとするが…という物語である。

この小説は2000年に報道された新潟県に少女監禁事件に触発されて執筆されたらしいが、監禁された期間も犯人の年齢・境遇もまるで違うので、実際の少女監禁事件とは全く別個の小説と考えた方が良いと思う。
ケンジの部屋とヤタベの部屋という隣り合った二部屋という狭い空間で、主人公の少女と監禁したケンジと隣人ヤタベの三つ巴(あるいは宮坂検事を含む四つ巴)の性的関係、どこまでが事実でどこまでが想像だかわからない性的関係は、非常にアブノーマルでディープでグロテスクでアグリーだ。異常なまでに異常だ。
解説(筆=精神科医 斎藤環)では、谷崎潤一郎『鍵』との類似に言及されているが、評者に言わせると谷崎『鍵』の方がよほど健全で理解可能だ。
本書は桐野さんの多くの作品の中ではあまり目立たないと思うが、隠れた名作というべき存在と言える。
残虐記 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 残虐記 (新潮文庫)より
4101306354
No.70
(4pt)

桐野夏生さんの本に初挑戦しました

私は桐野夏生さんの本を初めて読んだのが残虐記だったのですが、今まで読んだ小説の中でダントツに面白い!と思っていたんです。でも他の方のレビューを見てみるとまだまだこの方の素晴らしい作品があることを知り生きる楽しみが増えたと同時に誰かにこの思いを伝えたい、もっと読んでもらいたいと思いました。拙い文章失礼しました、とってもこの本が好きです。
残虐記 Amazon書評・レビュー: 残虐記より
4104667013
No.69
(5pt)

異常なまでに異常な世界、隠れた名作

本書は、主人公の景子がまだ10歳・小4の時、工員のケンジに拉致・監禁されたところから始まる。景子はケンジの住む部屋に監禁され、監禁生活は1年余りに及ぶ。ケンジの隣室にはヤタベというケンジと同じ鉄工所に勤める男が住んでおり、景子はヤタベに助けを求めようとするが…という物語である。

この小説は2000年に報道された新潟県に少女監禁事件に触発されて執筆されたらしいが、監禁された期間も犯人の年齢・境遇もまるで違うので、実際の少女監禁事件とは全く別個の小説と考えた方が良いと思う。
ケンジの部屋とヤタベの部屋という隣り合った二部屋という狭い空間で、主人公の少女と監禁したケンジと隣人ヤタベの三つ巴(あるいは宮坂検事を含む四つ巴)の性的関係、どこまでが事実でどこまでが想像だかわからない性的関係は、非常にアブノーマルでディープでグロテスクでアグリーだ。異常なまでに異常だ。
解説(筆=精神科医 斎藤環)では、谷崎潤一郎『鍵』との類似に言及されているが、評者に言わせると谷崎『鍵』の方がよほど健全で理解可能だ。
本書は桐野さんの多くの作品の中ではあまり目立たないと思うが、隠れた名作というべき存在と言える。
残虐記 Amazon書評・レビュー: 残虐記より
4104667013
No.68
(4pt)

理解することの重要さ

実在の事件をモチーフにしており、被害者がいることで、取り扱うこと自体に批判が多いようだけれど、

作者が読者に娯楽を提供するためにこの題材を選んでいるのではないことは、読めば分かります。

たとえば、被害者と加害者の間に起きたことを興味本位で知りたいだけの人がこれを読んでも、なんも面白くないと思う。

路上のXについても、女子高生が落ちていくのを見て楽しみたい性的嗜好?の人には、期待外れだと思うし。

桐野夏生さんはきっと、そういう目線の人を楽しませないように書いているし、

また、「かわいそうな話」で終わらせないように書いている。

この人凄い。めちゃくちゃかっこいい。

事件について、被害者の周囲の人が「そっとしといてやれ」って言うのは分かる。

でも社会的に見ると、被害者が無事だったり、犯人が捕まることが解決ではない。

解決するためには、そもそも理解しなければ何も始まらないと思うんだ。

桐野さんは、どこまでも理解しようとしているのが分かる。当事者自身でも気づかないようなところまで。

桐野さんは、理解するために書く人なんじゃないかなって思った。
残虐記 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 残虐記 (新潮文庫)より
4101306354
No.67
(4pt)

理解することの重要さ

実在の事件をモチーフにしており、被害者がいることで、取り扱うこと自体に批判が多いようだけれど、

作者が読者に娯楽を提供するためにこの題材を選んでいるのではないことは、読めば分かります。

たとえば、被害者と加害者の間に起きたことを興味本位で知りたいだけの人がこれを読んでも、なんも面白くないと思う。

路上のXについても、女子高生が落ちていくのを見て楽しみたい性的嗜好?の人には、期待外れだと思うし。

桐野夏生さんはきっと、そういう目線の人を楽しませないように書いているし、

また、「かわいそうな話」で終わらせないように書いている。

この人凄い。めちゃくちゃかっこいい。

事件について、被害者の周囲の人が「そっとしといてやれ」って言うのは分かる。

でも社会的に見ると、被害者が無事だったり、犯人が捕まることが解決ではない。

解決するためには、そもそも理解しなければ何も始まらないと思うんだ。

桐野さんは、どこまでも理解しようとしているのが分かる。当事者自身でも気づかないようなところまで。

桐野さんは、理解するために書く人なんじゃないかなって思った。
残虐記 Amazon書評・レビュー: 残虐記より
4104667013
No.66
(5pt)

あとがきで精神科医の斎藤環氏が書いているように、「異様で面白い小説」という評がしっくりきました。

あとがきで精神科医の斎藤環氏が書いているように、「異様で面白い小説」という評がしっくりきました。

一口に女子監禁の顛末とは言えない内容で、読み進めるにつれて登場人物どおしの関係性が徐々に見えてきますが、果たしてそれが真実かと問われれば、それはそれぞれに認識は異なるのだと思いました。

ぼくはこの小説が一つの小説として完結するのですら違和感があり、確かに、いくつかの謎は残ったままですが、それを意図して書かれたのであるとすれば、桐野夏生の独創的なリアリズムの奥深さははかり知れず少し怖いものを感じました。
残虐記 (新潮文庫) Amazon書評・レビュー: 残虐記 (新潮文庫)より
4101306354
No.65
(5pt)

あとがきで精神科医の斎藤環氏が書いているように、「異様で面白い小説」という評がしっくりきました。

あとがきで精神科医の斎藤環氏が書いているように、「異様で面白い小説」という評がしっくりきました。

一口に女子監禁の顛末とは言えない内容で、読み進めるにつれて登場人物どおしの関係性が徐々に見えてきますが、果たしてそれが真実かと問われれば、それはそれぞれに認識は異なるのだと思いました。

ぼくはこの小説が一つの小説として完結するのですら違和感があり、確かに、いくつかの謎は残ったままですが、それを意図して書かれたのであるとすれば、桐野夏生の独創的なリアリズムの奥深さははかり知れず少し怖いものを感じました。
残虐記 Amazon書評・レビュー: 残虐記より
4104667013