リアルワールド

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評判

リアルワールドの評価:

3.63/5点 レビュー 59件。 C ランク

Amazon書評・レビュー点数毎のグラフです

平均点3.63pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全35件 1〜20 1/2ページ
No.35
(3pt)

微妙リアル

「リアルワールド」の住人達には、私の過ごした高校生という時間には微妙になかった価値観が存在している。時代が人を変えるのか、人が時代を変えていくのか、未だもって流されている私には判らないが、共通している部分は多分きっと変わらない。
人との繋がりは、どの世代にもある。その表現方法が違うだけで、誰かを思ったり、疎ましく感じたり、孤独をおぼえたり...感じる心はみな同じだと思う。
だけどきっと鎧はどんどん強化されている気がする。無防備に人と接せられないという強迫観念を、物心付く前から与えられて育つ時代は苦しいですね。
こんなのあり得ない、でももしかして...そんな風に感じた一冊。自分とは違う、だから受け入れないではなく、こんな表し方もあるんだなぁと、自分と友人との関係を振り返ってみたりもした。
だけど、自分を細かく分析された上での友情ってのは、物悲しくもある次第です。
リアルワールド (集英社文庫(日本)) Amazon書評・レビュー: リアルワールド (集英社文庫(日本))より
408746010X
No.34
(2pt)

これがリアルワールド?

キャラ構成がしっかりできていないと思いました。心理描写も曖昧。題名に惹かれて買ったけれどさほど面白くなかったです。

リアルワールドというからにはもっとリアルな内容のほうがよかったです。

一応最後まで読みましたが話の続きが知りたくてたまらないというような熱さはなかったです。
リアルワールド (集英社文庫(日本)) Amazon書評・レビュー: リアルワールド (集英社文庫(日本))より
408746010X
No.33
(3pt)

自分の過去を振り返りつつ。

友人との関係。それは太宰治も指摘したよう懐にナイフを隠した危ういガラスの関係性のようなものだろう。無論本書はフィクションのデフォルメなのだが、個々人の内奥の「決して理解しあえない断絶」のようなものは私自身の中学・高校時代を振り返っても確実にあったし、きっと今でも形をかえつつも存在する。生きるとは確かにやっかいな事だ。やれやれ。~しかし、5年前連載時点で著者は既に50歳。10代の心理を描くには少し解離ある年齢ではないか、と感じられる「観念的に構築した人物像」といった印象も否めず、かつ、母を殺すミミズという少年が殺人後、超人的変貌を遂げるあたりが村上龍氏の人物造形に類似した思考・行動特性が目につき、今ひとつ「桐野節」への仕上がりが甘い印象もある。内奥と暗澹とした情念、断絶を描くに関しては充分著者のエッセンスが含まれているが、これまで「大人」を描いてきた著者の新たな切り口としてはまだ、習作レベルではないか。もう数本、この年代を主人公とした作品で完成度をあげたものを読んで見たい気が残ったのが残念だった。
リアルワールド (集英社文庫(日本)) Amazon書評・レビュー: リアルワールド (集英社文庫(日本))より
408746010X
No.32
(3pt)

微妙リアル

「リアルワールド」の住人達には、私の過ごした高校生という時間には微妙になかった価値観が存在している。時代が人を変えるのか、人が時代を変えていくのか、未だもって流されている私には判らないが、共通している部分は多分きっと変わらない。
人との繋がりは、どの世代にもある。その表現方法が違うだけで、誰かを思ったり、疎ましく感じたり、孤独をおぼえたり...感じる心はみな同じだと思う。
だけどきっと鎧はどんどん強化されている気がする。無防備に人と接せられないという強迫観念を、物心付く前から与えられて育つ時代は苦しいですね。
こんなのあり得ない、でももしかして...そんな風に感じた一冊。自分とは違う、だから受け入れないではなく、こんな表し方もあるんだなぁと、自分と友人との関係を振り返ってみたりもした。
だけど、自分を細かく分析された上での友情ってのは、物悲しくもある次第です。
リアルワールド Amazon書評・レビュー: リアルワールドより
4087746194
No.31
(2pt)

これがリアルワールド?

キャラ構成がしっかりできていないと思いました。心理描写も曖昧。題名に惹かれて買ったけれどさほど面白くなかったです。

リアルワールドというからにはもっとリアルな内容のほうがよかったです。

一応最後まで読みましたが話の続きが知りたくてたまらないというような熱さはなかったです。
リアルワールド Amazon書評・レビュー: リアルワールドより
4087746194
No.30
(3pt)

自分の過去を振り返りつつ。

友人との関係。それは太宰治も指摘したよう懐にナイフを隠した危ういガラスの関係性のようなものだろう。無論本書はフィクションのデフォルメなのだが、個々人の内奥の「決して理解しあえない断絶」のようなものは私自身の中学・高校時代を振り返っても確実にあったし、きっと今でも形をかえつつも存在する。生きるとは確かにやっかいな事だ。やれやれ。~しかし、5年前連載時点で著者は既に50歳。10代の心理を描くには少し解離ある年齢ではないか、と感じられる「観念的に構築した人物像」といった印象も否めず、かつ、母を殺すミミズという少年が殺人後、超人的変貌を遂げるあたりが村上龍氏の人物造形に類似した思考・行動特性が目につき、今ひとつ「桐野節」への仕上がりが甘い印象もある。内奥と暗澹とした情念、断絶を描くに関しては充分著者のエッセンスが含まれているが、これまで「大人」を描いてきた著者の新たな切り口としてはまだ、習作レベルではないか。もう数本、この年代を主人公とした作品で完成度をあげたものを読んで見たい気が残ったのが残念だった。
リアルワールド Amazon書評・レビュー: リアルワールドより
4087746194
No.29
(2pt)

この本の内容のどこがリアルなの?

購入した当時の私は、作者である桐野夏生のことを全く知らなかった。
読み終わった後で調べたところ、結構な冊数を出している女性作家であり、江戸川乱歩賞や日本推理作家協会賞を受賞した本格派で、年に直木賞も受賞していることを知った。
他にも数々の文学賞を受賞しており、紫綬褒章も受章していた。
……まあ、賞の受賞がその作家の実力を完全に示しているわけでもないし、受賞すれば本の内容が面白くなるわけでもない。

前置きが長くなったが、以下が『リアルワールド』に対する私の感想である。
普通に諸々をネタバレするのでご注意を。

可もなく不可もなく――どちらかと言えば、不可かな、といったところである。
内容そのものは、一昔前に流行った携帯小説と類似している。
意識高い系の女子高生か女子大生が考え付きそうなこの内容は、深夜にやっている低予算ドラマの原作に打ってつけであろう。
一般人よりは多少は顔が良いだけで、演技は学芸会レベルの芸能人(新人で若いことだけが取り柄で、数年後には跡形もなく消えているようなやつら)を揃えてドラマ化すれば、小説の雰囲気はバッチリ再現できるだろう。
褒められるのは、作者の桐野夏生は複数の文学賞を受賞しているだけあって、文章自体は稚拙ではなく妙な癖もなかったので読みやすかったということだけである。
つまり、文章が悪くなかったから最後まで読めたのであって、内容だけで評するならば、まあ駄作だよ。
これが新人賞の応募作だったなら、確実に二次選考までで落ちている。

あらすじはこうである。

時期は夏休み。
主人公の女子高生(トシ)が塾の夏期講習に行こうと準備していた時、隣家で殺人事件が起きた。
殺されたのはその家に住む女性で、犯人はその女性の息子である高校生(ミミズ)。
ミミズが、トシの自転車(かごには携帯電話を置き忘れている)を盗んで逃亡したことで、トシとその三人の友達(全員同じ学校の女子高生)に繋がりができてしまう。
その結果、友達の一人がミミズと接触して行動を共にしたことで事故に遭って死んでしまい、その死の原因を作ったことに責任を感じた別の友達が自殺してしまう。
自殺した友達はトシ宛てに遺書を残していて、事故死した友達の元カレからも手紙が届き、それらを読んだトシは、ちゃんと現実と向き合うようになりましたとさ。

最後の部分には私の解釈も混じっているが、『リアルワールド』は、こんな話である。

以下、登場人物の紹介。

《山中十四子》
友達からは“トシ”と呼ばれている。この話の主人公で、私立の女子高に通う高校三年生。“女子高生”という存在(ブランド)に対して向けられる世間からの悪意(煩わしさ)から心身を守るために、外で名乗る時には“ホリニンナ”という偽名を使っている。いくつか離れた駅にある塾で夏期講習を受けていて、自宅から最寄り駅まで自転車で行っている。駅前に停めておいた自転車を、前かごに置き忘れた携帯電話ごと、犯行直後のミミズに盗まれた。トシが携帯電話ごと自転車をミミズに盗まれたのを警察に話さなかったことが、後に起こってしまった事柄の発端であるとも言える。四人(トシ、ユウザン、キラリン、テラウチ)の中で最も凡庸であり、ゆえに読者側に一番近いとも言える。

《貝原清美》
有名なグルメ漫画のキャラをもじって、友達からは“ユウザン”と呼ばれている。トシの自転車と携帯電話を取り返す代わりに、自分の自転車と携帯電話をミミズに貸して、彼の逃亡を積極的に手助けした。同性愛者(レズビアン)である。劇中以前の夏に、性的マイノリティが集まる街に入り浸っていた過去があり、その時にオカマに殴打されなどの目に遭ったために、同性愛者である自分に対しての自信(肯定感)を喪失している。同性愛者であることを本人は隠しているつもりだったが、実は他の三人にはバレていた。どうやら、ユウザンはテラウチのことが好きだったようだ。母親は病死していて、父親との折り合いも悪い。卵巣癌だった母親は、闘病中に酷く情緒不安定になっていて、その時期が、自分が同性愛者であることに悩んでいたユウザンの中学生時代と重なっていた。当てつけのように母親の死に目に会わなかったことをずっと後悔している。

《東山きらり》
友達からは“キラリン”と呼ばれている。可愛らしくて綺麗な容姿をした少女で、裏表のない無邪気で陽気な性格をしているので、トシからの評価が高い。だが、実際には全て演技であり、付き合う相手(友達)によって顔を使い分けていて、したたかな考え方をしている――ユウザンとテラウチは薄々勘づいている。四人の中で唯一処女ではない――初体験は中二の時だったが、その時の相手(男子高校生)が原因で、男を見下すようになった。出会い系サイトで男を釣って弄んでいるが、元カレのワタルには本気だったようで多大な未練がある。興味本位でミミズに会いに行き、なりゆきで行動を共にすることになり、ミミズがワタルに脅迫電話をかけるように仕向けた。ミミズと一緒にいるところを警察に見つかって追われて自暴自棄になり、ミミズとセックスをする。逃げるためにミミズと共にタクシーをハイジャックしたが、運転手が抵抗したために車が対向車と衝突し、車外に放り出されて死亡した。

《寺内和子》
友達には“テラウチ”と呼ばれている。「あーだー」と変わった挨拶をする。頭が良く、要領も良い。私立の小学校に通っていたので小学生の時から電車通学をしていたのだが、高学年になった頃から盛んに痴漢の被害に遭うようになった。馬鹿みたいにへらへら笑うことで痴漢を怯ませて撃退するようになったが、それはテラウチの心から大事な物を失わせる行動でしかなかった。また、母親が浮気をしており、その証拠を揃えて突き付けたが、母親は誤魔化すばかりで浮気をやめず、自分も母親を捨てられないので受け入れる(屈服する)しかなかった。ミミズとキラリンが潜伏している場所を察し、それを警察に通報した。キラリンが警察に追われて死亡したことを母親から知らされ、「あんたのせいだよ」と責任を擦り付けてしまったことを酷く恥じ、「取り返しの付かないこと」をしてしまったのを清算するために投身自殺をした。実はトシのことを一番の理解者であり友達だと思っていて、それゆえに、彼女だけに宛てた遺書を残した。

《ミミズ》
姓は不明だが、名は“リョウ”のようである(回想の中で彼の母親がそう呼んでいた)。トシの隣家に住む高校三年生の男子。“ミミズ”というのは、その外見と雰囲気からトシが内心で付けていたあだ名である(要は小馬鹿にしていた)。父親が医者(勤務医)で、有名な進学校に通っているが、成績は底辺。隣家の奥さんの下着を盗もうとしたことがバレて、その時に住んでいたマンションから家族ごとトシの隣家に引っ越してきたが、そこでもトシが入浴しているのを覗いていた。己が優秀な人間ではないことを自覚し始めていたが、折り合いが付けられず、そうなった原因を母親に押し付けて金属バットで殴り殺した。殺人を犯したことでハイになっており、独りよがりな妄想をすることでその状態を維持している(昔の映像で見た日本兵になった気分でいる、など)。実際には母親に依存していたのと同じように、四人にも依存して巻き込み、キラリンを死なせた元凶であるが、その実態は性欲を持て余して性癖を拗らせただけの単なるスケベなガキである。事故によってキラリンは死んだが、こいつは大怪我をしただけでちゃっかりと生きていて、逮捕されて身柄を拘束された後は警察病院に入院している。

《坂谷渉》
キラリンが“ワタル”と呼んでいた元カレ。早稲田大学法学部の学生。別の女子高生と浮気していたらしく、それが原因でキラリンとは別れていた。ミミズから脅迫電話を受けた後、「元カノ」というワードでキラリンのことを思い出し、心配になって彼女の携帯に電話をかけた。これ――キラリンが死ぬ直前に電話をかけていたことが原因で、キラリンの死後に警察から事情聴取を受けた。キラリンの死に罪悪感を抱いており、似た境遇となっているであろうトシの心情を慮って手紙を書いた。「人は負い目と共に生きていくしかない」というこの物語のテーマを手紙という形で読者に分かりやすく伝えるためのキャラでしかなく、登場させなくても構わなかった野暮な存在であると言える。

『リアルワールド』の内容は上に書いたものが全てである。
これを読めば、本の方をわざわざ読む必要はないだろう。
文章自体は悪くないから、読んでもそこまで損をするとも思わないが、他者に勧めるような本でないことは確かである。
リアルワールド (集英社文庫(日本)) Amazon書評・レビュー: リアルワールド (集英社文庫(日本))より
408746010X
No.28
(2pt)

この本の内容のどこがリアルなの?

購入した当時の私は、作者である桐野夏生のことを全く知らなかった。
読み終わった後で調べたところ、結構な冊数を出している女性作家であり、江戸川乱歩賞や日本推理作家協会賞を受賞した本格派で、年に直木賞も受賞していることを知った。
他にも数々の文学賞を受賞しており、紫綬褒章も受章していた。
……まあ、賞の受賞がその作家の実力を完全に示しているわけでもないし、受賞すれば本の内容が面白くなるわけでもない。

前置きが長くなったが、以下が『リアルワールド』に対する私の感想である。
普通に諸々をネタバレするのでご注意を。

可もなく不可もなく――どちらかと言えば、不可かな、といったところである。
内容そのものは、一昔前に流行った携帯小説と類似している。
意識高い系の女子高生か女子大生が考え付きそうなこの内容は、深夜にやっている低予算ドラマの原作に打ってつけであろう。
一般人よりは多少は顔が良いだけで、演技は学芸会レベルの芸能人(新人で若いことだけが取り柄で、数年後には跡形もなく消えているようなやつら)を揃えてドラマ化すれば、小説の雰囲気はバッチリ再現できるだろう。
褒められるのは、作者の桐野夏生は複数の文学賞を受賞しているだけあって、文章自体は稚拙ではなく妙な癖もなかったので読みやすかったということだけである。
つまり、文章が悪くなかったから最後まで読めたのであって、内容だけで評するならば、まあ駄作だよ。
これが新人賞の応募作だったなら、確実に二次選考までで落ちている。

あらすじはこうである。

時期は夏休み。
主人公の女子高生(トシ)が塾の夏期講習に行こうと準備していた時、隣家で殺人事件が起きた。
殺されたのはその家に住む女性で、犯人はその女性の息子である高校生(ミミズ)。
ミミズが、トシの自転車(かごには携帯電話を置き忘れている)を盗んで逃亡したことで、トシとその三人の友達(全員同じ学校の女子高生)に繋がりができてしまう。
その結果、友達の一人がミミズと接触して行動を共にしたことで事故に遭って死んでしまい、その死の原因を作ったことに責任を感じた別の友達が自殺してしまう。
自殺した友達はトシ宛てに遺書を残していて、事故死した友達の元カレからも手紙が届き、それらを読んだトシは、ちゃんと現実と向き合うようになりましたとさ。

最後の部分には私の解釈も混じっているが、『リアルワールド』は、こんな話である。

以下、登場人物の紹介。

《山中十四子》
友達からは“トシ”と呼ばれている。この話の主人公で、私立の女子高に通う高校三年生。“女子高生”という存在(ブランド)に対して向けられる世間からの悪意(煩わしさ)から心身を守るために、外で名乗る時には“ホリニンナ”という偽名を使っている。いくつか離れた駅にある塾で夏期講習を受けていて、自宅から最寄り駅まで自転車で行っている。駅前に停めておいた自転車を、前かごに置き忘れた携帯電話ごと、犯行直後のミミズに盗まれた。トシが携帯電話ごと自転車をミミズに盗まれたのを警察に話さなかったことが、後に起こってしまった事柄の発端であるとも言える。四人(トシ、ユウザン、キラリン、テラウチ)の中で最も凡庸であり、ゆえに読者側に一番近いとも言える。

《貝原清美》
有名なグルメ漫画のキャラをもじって、友達からは“ユウザン”と呼ばれている。トシの自転車と携帯電話を取り返す代わりに、自分の自転車と携帯電話をミミズに貸して、彼の逃亡を積極的に手助けした。同性愛者(レズビアン)である。劇中以前の夏に、性的マイノリティが集まる街に入り浸っていた過去があり、その時にオカマに殴打されなどの目に遭ったために、同性愛者である自分に対しての自信(肯定感)を喪失している。同性愛者であることを本人は隠しているつもりだったが、実は他の三人にはバレていた。どうやら、ユウザンはテラウチのことが好きだったようだ。母親は病死していて、父親との折り合いも悪い。卵巣癌だった母親は、闘病中に酷く情緒不安定になっていて、その時期が、自分が同性愛者であることに悩んでいたユウザンの中学生時代と重なっていた。当てつけのように母親の死に目に会わなかったことをずっと後悔している。

《東山きらり》
友達からは“キラリン”と呼ばれている。可愛らしくて綺麗な容姿をした少女で、裏表のない無邪気で陽気な性格をしているので、トシからの評価が高い。だが、実際には全て演技であり、付き合う相手(友達)によって顔を使い分けていて、したたかな考え方をしている――ユウザンとテラウチは薄々勘づいている。四人の中で唯一処女ではない――初体験は中二の時だったが、その時の相手(男子高校生)が原因で、男を見下すようになった。出会い系サイトで男を釣って弄んでいるが、元カレのワタルには本気だったようで多大な未練がある。興味本位でミミズに会いに行き、なりゆきで行動を共にすることになり、ミミズがワタルに脅迫電話をかけるように仕向けた。ミミズと一緒にいるところを警察に見つかって追われて自暴自棄になり、ミミズとセックスをする。逃げるためにミミズと共にタクシーをハイジャックしたが、運転手が抵抗したために車が対向車と衝突し、車外に放り出されて死亡した。

《寺内和子》
友達には“テラウチ”と呼ばれている。「あーだー」と変わった挨拶をする。頭が良く、要領も良い。私立の小学校に通っていたので小学生の時から電車通学をしていたのだが、高学年になった頃から盛んに痴漢の被害に遭うようになった。馬鹿みたいにへらへら笑うことで痴漢を怯ませて撃退するようになったが、それはテラウチの心から大事な物を失わせる行動でしかなかった。また、母親が浮気をしており、その証拠を揃えて突き付けたが、母親は誤魔化すばかりで浮気をやめず、自分も母親を捨てられないので受け入れる(屈服する)しかなかった。ミミズとキラリンが潜伏している場所を察し、それを警察に通報した。キラリンが警察に追われて死亡したことを母親から知らされ、「あんたのせいだよ」と責任を擦り付けてしまったことを酷く恥じ、「取り返しの付かないこと」をしてしまったのを清算するために投身自殺をした。実はトシのことを一番の理解者であり友達だと思っていて、それゆえに、彼女だけに宛てた遺書を残した。

《ミミズ》
姓は不明だが、名は“リョウ”のようである(回想の中で彼の母親がそう呼んでいた)。トシの隣家に住む高校三年生の男子。“ミミズ”というのは、その外見と雰囲気からトシが内心で付けていたあだ名である(要は小馬鹿にしていた)。父親が医者(勤務医)で、有名な進学校に通っているが、成績は底辺。隣家の奥さんの下着を盗もうとしたことがバレて、その時に住んでいたマンションから家族ごとトシの隣家に引っ越してきたが、そこでもトシが入浴しているのを覗いていた。己が優秀な人間ではないことを自覚し始めていたが、折り合いが付けられず、そうなった原因を母親に押し付けて金属バットで殴り殺した。殺人を犯したことでハイになっており、独りよがりな妄想をすることでその状態を維持している(昔の映像で見た日本兵になった気分でいる、など)。実際には母親に依存していたのと同じように、四人にも依存して巻き込み、キラリンを死なせた元凶であるが、その実態は性欲を持て余して性癖を拗らせただけの単なるスケベなガキである。事故によってキラリンは死んだが、こいつは大怪我をしただけでちゃっかりと生きていて、逮捕されて身柄を拘束された後は警察病院に入院している。

《坂谷渉》
キラリンが“ワタル”と呼んでいた元カレ。早稲田大学法学部の学生。別の女子高生と浮気していたらしく、それが原因でキラリンとは別れていた。ミミズから脅迫電話を受けた後、「元カノ」というワードでキラリンのことを思い出し、心配になって彼女の携帯に電話をかけた。これ――キラリンが死ぬ直前に電話をかけていたことが原因で、キラリンの死後に警察から事情聴取を受けた。キラリンの死に罪悪感を抱いており、似た境遇となっているであろうトシの心情を慮って手紙を書いた。「人は負い目と共に生きていくしかない」というこの物語のテーマを手紙という形で読者に分かりやすく伝えるためのキャラでしかなく、登場させなくても構わなかった野暮な存在であると言える。

『リアルワールド』の内容は上に書いたものが全てである。
これを読めば、本の方をわざわざ読む必要はないだろう。
文章自体は悪くないから、読んでもそこまで損をするとも思わないが、他者に勧めるような本でないことは確かである。
リアルワールド Amazon書評・レビュー: リアルワールドより
4087746194
No.27
(3pt)

フィクションワールド

実家にあったのでふと読んでみました。桐野さんらしい人間の内面と外面のギャップに切り込んだ点はさすがのおもしろさ。ただ、登場人物の造形が「大人」からみた「高校生」感が抜けないというか、キャラクターがリアルなようでリアルではない。高校生というより中学生っぽいと思うような言動もちらほら。そのあたりに作品としてのおさまりの悪さを感じました。
リアルワールド (集英社文庫(日本)) Amazon書評・レビュー: リアルワールド (集英社文庫(日本))より
408746010X
No.26
(3pt)

フィクションワールド

実家にあったのでふと読んでみました。桐野さんらしい人間の内面と外面のギャップに切り込んだ点はさすがのおもしろさ。ただ、登場人物の造形が「大人」からみた「高校生」感が抜けないというか、キャラクターがリアルなようでリアルではない。高校生というより中学生っぽいと思うような言動もちらほら。そのあたりに作品としてのおさまりの悪さを感じました。
リアルワールド Amazon書評・レビュー: リアルワールドより
4087746194
No.25
(1pt)

時間を無駄にした

面白くなるんだろうと思ったらずーとつまらんかった キャラがそれぞれたってないから誰が誰かわからん 犯人だって魅力もなにもない。出てくる人全員つまらない。
リアルワールド (集英社文庫(日本)) Amazon書評・レビュー: リアルワールド (集英社文庫(日本))より
408746010X
No.24
(1pt)

時間を無駄にした

面白くなるんだろうと思ったらずーとつまらんかった キャラがそれぞれたってないから誰が誰かわからん 犯人だって魅力もなにもない。出てくる人全員つまらない。
リアルワールド Amazon書評・レビュー: リアルワールドより
4087746194
No.23
(3pt)

好奇心の恐ろしさを考えさせられるという意味では一読の価値ある良い作品でした!

☆3、5
高校生女子の仲良しグループ4人組み。

その中の女子の隣家の、同い年の少年が母親を撲殺した!
彼が女子の携帯電話と自転車を盗んで逃亡したことから、4人の女子高生は事件に巻き込まれてしまう。
警察や大人たちに真実を話せず、個々に抱える悩みを逃亡少年に照らす彼女たち。
事件をイベントのように捉えて殺人犯と関われる事を楽しく思いつつ、逃亡に巻き込まれていく彼女たちの運命は?

以上、そんな内容のサスペンス作品で、高校の中のヒエラルキーで普通に属す4人の女子たちが秘密を抱えながら殺人犯と関わる事で変わっていったり、
危険を正しく認識出来ずに巻き込まれていく様が、恐ろしくもスリリングで楽しめました!
ただ終盤に関しては、桐野さんならもっとエグい毒があるのだろうと予想してたのに案外普通の展開だったのが残念……と思いましたが、出版が2003年と知り、その時代の作品なら充分エグいなぁと考え直した次第です。
普通の人たちが犯罪者にうっかり巻き込まれるケースも状況次第では有り得るので、好奇心の恐ろしさを考えさせられるという意味では一読の価値ある良い作品でした!
リアルワールド (集英社文庫(日本)) Amazon書評・レビュー: リアルワールド (集英社文庫(日本))より
408746010X
No.22
(3pt)

好奇心の恐ろしさを考えさせられるという意味では一読の価値ある良い作品でした!

☆3、5
高校生女子の仲良しグループ4人組み。

その中の女子の隣家の、同い年の少年が母親を撲殺した!
彼が女子の携帯電話と自転車を盗んで逃亡したことから、4人の女子高生は事件に巻き込まれてしまう。
警察や大人たちに真実を話せず、個々に抱える悩みを逃亡少年に照らす彼女たち。
事件をイベントのように捉えて殺人犯と関われる事を楽しく思いつつ、逃亡に巻き込まれていく彼女たちの運命は?

以上、そんな内容のサスペンス作品で、高校の中のヒエラルキーで普通に属す4人の女子たちが秘密を抱えながら殺人犯と関わる事で変わっていったり、
危険を正しく認識出来ずに巻き込まれていく様が、恐ろしくもスリリングで楽しめました!
ただ終盤に関しては、桐野さんならもっとエグい毒があるのだろうと予想してたのに案外普通の展開だったのが残念……と思いましたが、出版が2003年と知り、その時代の作品なら充分エグいなぁと考え直した次第です。
普通の人たちが犯罪者にうっかり巻き込まれるケースも状況次第では有り得るので、好奇心の恐ろしさを考えさせられるという意味では一読の価値ある良い作品でした!
リアルワールド Amazon書評・レビュー: リアルワールドより
4087746194
No.21
(3pt)

これこそが女子高生の真実だ。

直木賞作家、桐野夏生が描く女子高生小説。

自らを「ホリニンナ」と称する山中十四子は、母親を殺害して逃げ出した隣の家の少年「ミミズ」とひょんなことから携帯で連絡を取り合うことになる。やがて、ホリニンナと仲のよかったテラウチ、ユウザン、キラリンもこの関係に加わり、図らずも少女たちはミミズの逃亡を助けることになるのだが……。

登場人物それぞれの一人称で「事実」に迫る、という桐野夏生得意の手法が光っている作品です。
よくわかっているようで、じつはよく知らないという女子高生同士の友だち関係、それはじつは女子高生に限ったことではありません。
友だちがどういう奴かなんて、所詮は思い込みでしか知らないわけで、それを突きつけてくるところに、この作家の凄みというか醍醐味があるんだろうなぁと感じます。

また、青春小説と捉えられなくもないところも面白いと思いました。事件自体は身近にはあり得ないことかもしれいけれど、ここで描かれているような思いは、たぶん、この頃の年代には当たり前のことなんだと思います。

女子高生好きなおっさんは目を覚ますためにも読まなきゃだめです。
リアルワールド Amazon書評・レビュー: リアルワールドより
4087746194
No.20
(3pt)

これこそが女子高生の真実だ。

直木賞作家、桐野夏生が描く女子高生小説。

自らを「ホリニンナ」と称する山中十四子は、母親を殺害して逃げ出した隣の家の少年「ミミズ」とひょんなことから携帯で連絡を取り合うことになる。やがて、ホリニンナと仲のよかったテラウチ、ユウザン、キラリンもこの関係に加わり、図らずも少女たちはミミズの逃亡を助けることになるのだが……。

登場人物それぞれの一人称で「事実」に迫る、という桐野夏生得意の手法が光っている作品です。
よくわかっているようで、じつはよく知らないという女子高生同士の友だち関係、それはじつは女子高生に限ったことではありません。
友だちがどういう奴かなんて、所詮は思い込みでしか知らないわけで、それを突きつけてくるところに、この作家の凄みというか醍醐味があるんだろうなぁと感じます。

また、青春小説と捉えられなくもないところも面白いと思いました。事件自体は身近にはあり得ないことかもしれいけれど、ここで描かれているような思いは、たぶん、この頃の年代には当たり前のことなんだと思います。

女子高生好きなおっさんは目を覚ますためにも読まなきゃだめです。
リアルワールド (集英社文庫(日本)) Amazon書評・レビュー: リアルワールド (集英社文庫(日本))より
408746010X
No.19
(3pt)

身に覚えのある感情

夏休みのある日、隣家の同い年の少年が母親を撲殺した。その”母親殺し”に関わるにつれて、高校生4人組のそれなりに平和で安定していた関係はかき乱される。そして、次々と仮面が剥がれてゆく。章ごとに視点が変わる一人称の物語。まあ、ストーリーは可もなく不可もなく。高校生のときの「こいつらなにもわかってない」という苛立や、人を見下して自分の世界を確立している感じがよく出ていると思った。割と若い世代が読むと、共感できる部分が多いと思う。物語全体というよりも、細部にちょっと響くものがありました。
リアルワールド Amazon書評・レビュー: リアルワールドより
4087746194
No.18
(3pt)

理解できないのは自分が年を重ねたからなのか。

桐野さんの著書は人の心の醜いところを、気持ちの良いくらい鮮やかに描いてくれていて、特に「OUT」「グロテスク」は醜くも華々しく美しい強烈な作品で、作品からほとばしるエネルギーに読後しばらく打ちのめされてしまった。しかし、この「リアルワールド」については、テイストは桐野さんの世界が全開でエネルギーを感じたが、登場人物の心理が全くといっていいほど理解できなかった。登場人物の高校生たちのふわふわと浮かんだ心模様が、そのまま着地せずにどっかに飛んでいったまま読了してしまったようで、しっかりと感じることができなかった。これは即ち、もはや自分がおじさんになってしまったということなのか。
リアルワールド Amazon書評・レビュー: リアルワールドより
4087746194
No.17
(3pt)

身に覚えのある感情

夏休みのある日、隣家の同い年の少年が母親を撲殺した。その”母親殺し”に関わるにつれて、高校生4人組のそれなりに平和で安定していた関係はかき乱される。そして、次々と仮面が剥がれてゆく。章ごとに視点が変わる一人称の物語。まあ、ストーリーは可もなく不可もなく。高校生のときの「こいつらなにもわかってない」という苛立や、人を見下して自分の世界を確立している感じがよく出ていると思った。割と若い世代が読むと、共感できる部分が多いと思う。物語全体というよりも、細部にちょっと響くものがありました。
リアルワールド (集英社文庫(日本)) Amazon書評・レビュー: リアルワールド (集英社文庫(日本))より
408746010X
No.16
(3pt)

理解できないのは自分が年を重ねたからなのか。

桐野さんの著書は人の心の醜いところを、気持ちの良いくらい鮮やかに描いてくれていて、特に「OUT」「グロテスク」は醜くも華々しく美しい強烈な作品で、作品からほとばしるエネルギーに読後しばらく打ちのめされてしまった。しかし、この「リアルワールド」については、テイストは桐野さんの世界が全開でエネルギーを感じたが、登場人物の心理が全くといっていいほど理解できなかった。登場人物の高校生たちのふわふわと浮かんだ心模様が、そのまま着地せずにどっかに飛んでいったまま読了してしまったようで、しっかりと感じることができなかった。これは即ち、もはや自分がおじさんになってしまったということなのか。
リアルワールド (集英社文庫(日本)) Amazon書評・レビュー: リアルワールド (集英社文庫(日本))より
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