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王国記
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王国記の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.41pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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殺人を犯し、少年の頃暮らしていた修道院兼教護院に身を隠す青年 朧が主役の連作短編集。 著者の作品には、グロテスクともいえる暴力やあからさまな性的描写が多く見られる。そんな中にも、著者なりの美学があるのだが、本作品集にはどうにもそれを感じとることができない。 本作品集に通底するのは、欺瞞に対する沸々とした憤懣だろうか。読み進めると、朧の自己中心的な正義(?)にゲンナリしてしまう。ただ、こういう露悪的なものにも惹かれるのは事実であり、それは、自分の暗黒面をくすぐるからなのだろうと思う。 嫌悪感と文学的な面白さが同居する作品集だ。 | ||||
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カトリックの更正施設を舞台に、宗教の欺瞞を若者の性と暴力で暴くことを主題にした小説。荒々しいロックを奏でているような調子が、全体を纏う筆力は確かなものだが、とげとげしく粋さを感じない。また、古今東西堕落していない宗教を探す方が難しいと思うが、司祭の説教より拳や喘ぎ声の方がリアルだというような主張に意味があるかどうかはわからない。 個人的な思春期の体験や思想を綴ったような小説で、意味深長なようなで、なにか安っぽい空虚なものを感じた。 | ||||
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頭脳明晰だが暴力的な少年が殺人を犯し、警察の手の届かない修道院へ戻ってくるところから始まる。 修道院という世俗的には聖なる場所とされるところで本来考えられない、暴力、セックス、同性愛というものを生々しく描き、 神聖なるものの欺瞞を暴いているといえるだろう。 花村氏の暴力やエロスの描き方は生々しく、特に暴力に関しては描写といより、空気感のようなものを伝える力が優れている ように感じる。 そういったグロテスクな恐怖に触れたくない人は本書は読まない方がよいだろう。 | ||||
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読み終わった瞬間の正直な感想は「だったら村上龍の方がいいな。」思い浮かべたのは『限りなく透明に近いブルー』。こちらも芥川賞受賞作。小説に何を求めるかによって感じ方は変わってくると思うが、エンターテインメントや何か救いのようなもの、ハートウォーミング的なものをお求めの方にはまったくお奨めしない。石原慎太郎が「最近の芥川賞作品に面白いものがない」って言っていたのをちょっと思い出した。インパクトはかなりなものだけれど、教会の施設でシスターを犯したり、子持ちの豚の腹を裂いて胎児を並べてみたりというようなのが続くとちょっときもくない? | ||||
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前作「ゲルマニウムの夜」に続く続編だが、「王国記」は、前作よりも若者向けの過激な性・暴力など、花村萬月独特の味付けが少し押さえつけられているが、前作と同じく物語がとても面白く解りやすい比喩表現で文体を飾っているので一気に読み終えた。 | ||||
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