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二進法の犬
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二進法の犬の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全24件 21~24 2/2ページ
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私はこの作品が萬月の作品の中でも1番好きです。眠り猫や山崎シリーズでも一貫している、自分が許したものに対する慈悲にも似た異常な程の愛情とそれ以外に向ける感情が欠落しているほどの冷徹。それが二進法というPC時代の絶対法則としてこの作品に息づいていると思います。鷲津と倫子の幼いが真っ直ぐな愛。そこに萬月特有の肩の抜けた読む楽しさの部分もあり、ただの暴力小説とは一線を画している所です。信念が弱い主人公に、鋼のような信念でもって全てを動かし自分をも動かす乾。相容れないような2人がPCによってお互いに融合していく。人間て本当にわからないものですね。とにかく萬月ファンでもそうでない人でもぜひ読んでいただきたい1冊です。 | ||||
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組長・乾をはじめとするヤクザ達の二進法的世界観の痛烈な光が、主人公の鷲津だけでなく、読むものの心象を投影する。私は、主人公と共に、自分自身の情けなく悲しい影絵におののいてしまった。こんなに格好悪い主人公に同一化してストーリーに巻きこまれてしまったのは初めての経験だ。物語の後半にかけて彼がまともになっていくような様子があるが、むしろ違和感を感じる。情けなく腰砕けする彼やいぎたなく性に固執する彼にこそ共感する。その共鳴の中で、いつもは隠蔽している自分自身の赤裸々な姿を妙に素直に見出すことができる。彼と一緒になって、歓喜躍動しそして恥じ入り落ち込む。エンディングで彼と並んで坂をスキップしながら、その先に奈落を感じたとき、スーッと落下していくような快感すら感じた。決して難しい話ではない。優れたエンターテーメントと思う。ガンガン読める。そして、その中で、自然と、いつもは正視できない自分自身の影と気持ち良く正対できる。読後は、スッキリ爽やか。でも、おいしいラーメンを食べた時のようなジーンとした後味が残る。 | ||||
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主婦にパソコンを教える事で生計をたてている京大卒の家庭教師と、その家庭教師に勉強を教わる事になった女子高生。その女子高生の父親で博徒一家の親分である男もパソコンを教わる事に。家庭教師のやや醒めている様でありながらも小市民的でしかない世界と、博徒一家の親分の白か黒であるまさに2進法の世界。その博徒一家の娘として育った女子高生、その博徒一家の構成員である男。そこに花村 萬月さんの独特な世界観。この5種の世界が融合して読む者を引き込む世界が作り上げられています。 | ||||
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主人公の鷲津が、ゼロか1かの博徒の世界に引きつけられていく話です。この作品にもやはり花村氏特有の暴力と性が描かれていますが、それだけでなく氏の思想、思索がしっかり入っていると思う。この作品を読だ人は極道をかっこいいと思うでしょう。敬語を使いたくなります。 | ||||
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