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広重殺人事件
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広重殺人事件の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.30pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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「写楽殺人事件」、「北斎殺人事件」までは確かに読んだ記憶がありますが、今回新装された「広重殺人事件」(1989年の作品)は、未読でした。その時分、私自身が読書などしている余裕がなかった(笑)。 浮世絵研究者の津田が主人公ですが、途中からもう一人の研究者、塔馬双太郎が探偵役として後を継ぎます。 この浮世絵三部作(特に「写楽ー」は)はもはや古典の範疇に入りますので、あらすじを追ってもあまり意味がないでしょう。詳細を語るつもりはありません。 「広重」は何者だったのか?という問いへの作者の回答が虚実皮膜、怖いほど検証的に描かれています。インターネット以前のミステリであるにも関わらず、ビッグデータにマテリアルを放り込んだ果てに抽出されたデータから、ディティールを再構築してみせる高橋克彦の剛腕に唸らされます。 舞台は、山形県天童、そして「山寺」。津田も塔馬も「広重」の時代へと遡りながら、まるで「山寺」から見える眼下の風景を楽しむかのように、時代を憂う勤皇の志士たちにフォーカスします。 実は、津田とその妻、冴子の関係性にコミットできない私がいたりもするわけですが、それは「写楽殺人事件」、「北斎殺人事件」を読んでからあまりにも長い年月が流れてしまったが故なのかもしれません。傍にいなければ実感できない<悲劇>のように。 特筆すべきは76%あたり、作者が要約する「柳子新論」(山県大弍)の大義に度肝を抜かれたと言っていいでしょう。それは<国家>の体を為していないこの国の今を憂うことにつながるからかもしれません。理想は行動によって為される。 ◻︎「広重殺人事件 新装版」(高橋克彦 講談社文庫) 2025/7/22。 | ||||
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★★★☆☆ | ||||
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謎解きと事件が重なる様に起きて面白いです。 奥さんの死を序章に使ったのは無理があったね。 読みだしが重く為ってしまった。 | ||||
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浮世絵殺人事件三部作の掉尾は残念な結末になりました。 考証もお見事で、解明された事実も衝撃的で、 ミステリとしての謎の解明過程もよくできていました。 それだけに登場人物の悲しい結末にはガックリし、 前二作は時代物とミステリが好きな老母に贈りましたが、 これはとても読ませるわけにはいかないと感じてしまいました。 当時の時代背景は分かります。 あの頃は癌は死病であり、 その告知は当事者も関係者も絶望に追い込んだものでした。 なので登場人物の心の動きは分かりますが、 また、そうでもしないとその人が そんなことをするわけがない、というのもありますが、 それでも残念に感じました。 読めば辛くなるので、もう読まないと思います。 となると、作品としてもったいないと思いました。 | ||||
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高橋さんの代表作といってもいいこの「写楽殺人事件」シリーズですが 高校生の時に読んだ本です。 だいぶ昔の本ですが、それでも違和感なく楽しく読めました。 歴史や美術品に興味のある方にはおすすめの本です。 もちろん推理小説としても楽しめます。 | ||||
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高橋の小説はいろいろと読ませていただいていますが、この三部作(写楽殺人事件・北斎殺人事件とも)は初めて読みました。 前作同様現代の殺人事件と、浮世絵師の謎に迫る二重構造が無理なく語られ、浮世絵に対する蘊蓄もいやみでなく、改めて高梁市の力量に感嘆した次第。 また、この3部作の最後に主人公を自殺させてしまうという思い切った構成が、作家としてのケジメというか矜恃というか・・・。とにかく3部作を一気に読み通すことをおすすめします。 | ||||
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こんな結末になるなんて。 この3シリーズの読者は、 主人公の悲劇に、胸がつまるでしょう。 また、広重のミステリィーは、説得力もあり、 いつもながらの面白さ。 著者の視点で、 日本特有の「滅びの美学」が描かれており、 感嘆のシリーズです。 | ||||
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現代の殺人事件に関わってくる,幕末から明治にかけて生きた歌川広重の存在。 広重は,東北の仙台伊達,米沢上杉,庄内酒井、会津松平など佐幕の大藩に囲まれた 小藩,天童織田藩に,ただのような値段で,肉筆画を描いて渡していた。 仲介していたのは,天童藩江戸留守居役吉田専左衛門,広重の狂歌仲間である。 天童藩は,その絵を、献上金を差し出した豪農や,商人に与えていた。 当時、各藩はどこも財政の窮乏に苦しんでいたが,天童は特別だった、 老中水野忠邦の天保の改革によって,化粧などの贅沢が禁止され, 天童の特産である口紅の原料,紅花が売れなくなってしまったのである。 そのカネを集めるために,天童藩は広重の絵を50本ほど配った。 しかしそれは,窮乏する財政に当てるためだけだったのか。 実は,天童は勤皇の吉田家が、実権を握る藩だったのである。 しかし,上記の「史実」どこまで史実なのだろうか。 | ||||
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著者の浮世絵三部作のラスト。技術的に段々上手になっていくのが分かる。広重隠密説が説得力をもって語られてる点が良い。 浮世絵ファンも納得させる学識に感嘆する。ミステリーの方もイイ調子。 | ||||
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高橋氏による浮世絵三部作の最終作です。 前2作において中心的な役割を果たした人物の”死”という 悲しい事件で物語の幕は上がります。 本来は武士身分であったという広重の”本職”。 そして天童藩との関わりにおけるその旅の理由、そしてその死の謎。 おなじみ塔馬が鋭く迫ります。 しかしながら、その鮮やかな推理とは対照的な、あまりにもやるせない哀しいラスト。 涙なくしては読めません。 | ||||
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