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カンナ 天草の神兵



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カンナ 天草の神兵の評価: 3.00/5点 レビュー 12件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全5件 1~5 1/1ページ
No.5:
(3pt)

軽く読むには最適

第2弾。天草四郎についてです。
歴史については詳しくないし、そこまで興味もないのですが、難しいことは出てこないので、豆知識や都市伝説的に楽しく読めました。
ミステリについては最初から期待していなかったので、そんなものかな…という感じです。
カンナ 天草の神兵 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:カンナ 天草の神兵 (講談社ノベルス)より
4061826336
No.4:
(3pt)

ミステリの部分は成功していませんが、なぜか心に残る「天草」の地への思い入れ

このシリーズは、神社の跡取りで忍びの血をひく主人公が、某文書を持って行方不明になった諒司を追いかける、というロードノベルの体裁をとっています。
 行く先々の土地での歴史と、そしてそれに遠因を持つ、あるいは響き合うような現代の事件に出会う、という趣向。
 のんびりした主人公と今回の相手役柏木竜之介、毎回それに同行する才媛の学生巫女の貴湖、三人の道中はQEDシリーズを思わせますが、謎解きがうまく三人に分散しているところが、桑原タタルのひとり解説より、ストーリーに溶け込んでいて読みやすいかなと思います。
 ただ今回は本の厚みも薄く、ミステリ部分がやはり脆弱な感じがします。
 
 エキゾチックさを漂わせる現地の教会や孤児院をめぐる殺人、そして容疑者と目された三人の男性の失踪は、天草四郎の謎を追う主人公たちとうまく絡み合うかに見えますが、後半での謎解きはあっけなく、ラストのオチも少し作りすぎで、ひと昔前の少女マンガのようです。
 しかしながら、その薄さと非現実性も、カタコンベに閉じ込められた忍者の子孫ふたりの、天草四郎の正体の謎解きのシーンなどと重ねあわせられると、その重層性のむこうに当時の一揆の悲壮さの叫喚が聞こえてくるようで、天草の風土の描写とともに、なぜか心に焼きつけられます。

 QEDシリーズもですが、著者にとって、現実のドラマ部分は、歴史のぶあつい闇と謎の上の薄皮のようなもので、その皮一枚下の時空間こそ語りたいものなのだろうと思います。このシリーズ、小説としてのバランスはQEDよりは良く、より大きな謎の枠の中で人を探すという設定もあって先を読みたくさせますが、それでもやはり彼らの行く先々の風土の物語こそが作者の真骨頂であり、(殺人事件はともあれ)歴史ドラマの深淵が人間の情念・怨念をはらみつつ現代にせりあがる迫力、それが魅力なのだと感じました。
 またQEDシリーズが現代と、記紀神話にも通じる古代、の二層構造だったのに対し、このシリーズは中間にお庭番というか忍者の伝統という中間ラインも入っていますので、さらなる(三層構造の)楽しみも加わります。

 ミステリとは別に、著者のファンとしては、やはりこの先も読みつづけてしまうだろうと思います。


カンナ 天草の神兵 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:カンナ 天草の神兵 (講談社ノベルス)より
4061826336
No.3:
(3pt)

ミステリ部分は弱いが、天草の歴史が印象的

このシリーズは、神社の跡取りで忍びの血をひく主人公が、某文書を持って行方不明になった諒司を追いかける、というロードノベルの体裁をとっています。
 行く先々の土地での歴史と、そしてそれに遠因を持つ、あるいは響き合うような現代の事件に出会う、という趣向。
 のんびりした主人公と今回の相手役柏木竜之介、毎回それに同行する才媛の学生巫女の貴湖、三人の道中はQEDシリーズを思わせますが、謎解きがうまく三人に分散しているところが、桑原タタルのひとり解説より、ストーリーに溶け込んでいて読みやすいかなと思います。
 ただ今回は本の厚みも薄く、ミステリ部分がやはり脆弱な感じがします。
 
 エキゾチックさを漂わせる現地の教会や孤児院をめぐる殺人、そして容疑者と目された三人の男性の失踪は、天草四郎の謎を追う主人公たちとうまく絡み合うかに見えますが、後半での謎解きはあっけなく、ラストのオチも少し作りすぎで、ひと昔前の少女マンガのようです。
 しかしながら、その薄さと非現実性も、カタコンベに閉じ込められた忍者の子孫ふたりの、天草四郎の正体の謎解きのシーンなどと重ねあわせられると、その重層性のむこうに当時の一揆の悲壮さの叫喚が聞こえてくるようで、天草の風土の描写とともに、なぜか心に焼きつけられます。

 QEDシリーズもですが、著者にとって、現実のドラマ部分は、歴史のぶあつい闇と謎をおおう被膜のようなもので、その皮一枚下の時空間こそ語りたいものなのだろうと思います。このシリーズ、小説としてのバランスはQEDよりは良く、より大きな謎の枠の中で人を探すという設定もあって先を読みたくさせますが、それでもやはり彼らの行く先々の風土の物語こそが作者の書きたいことであり、(殺人事件はともあれ)歴史ドラマの深淵が人間の情念・怨念をはらみつつ現代にせりあがる迫力、それが魅力なのだと感じました。
 またQEDシリーズが現代と、記紀神話にも通じる古代、の二層構造だったのに対し、このシリーズは中間にお庭番というか忍者の伝統という中間ラインも入っていますので、さらなる(三層構造の)楽しみも加わります。

 ミステリとは別に、著者のファンとしては、やはりこの先も読みつづけてしまうだろうと思います。
カンナ 天草の神兵 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:カンナ 天草の神兵 (講談社ノベルス)より
4061826336
No.2:
(3pt)

これからかも

QEDシリーズもそうですが、連作の場合「どうなんだろう、これは」という作品にぶつかります。カンナの2作目はそんな感じです。あいかわらず面白いですし、一気に読めますが、初作「飛鳥の・・・」ほどの読後充実感に欠けました。推測するに、今回は登場人物のストリーへのコミットが甘い、浅い、唐突だったからではないでしょうか。ただ、QEDシリーズの薀蓄の嵐には辟易する・・という方にはやはり面白い作品だと思います。しかし、私はどうしても東大在学中の才媛、貴湖の存在が鼻についてちょっと嫌になります。(友人の中には彼女のファンも既にいるのですが)
カンナ 天草の神兵 (講談社ノベルス)Amazon書評・レビュー:カンナ 天草の神兵 (講談社ノベルス)より
4061826336
No.1:
(3pt)

これからかも

QEDシリーズもそうですが、連作の場合「どうなんだろう、これは」という作品にぶつかります。カンナの2作目はそんな感じです。あいかわらず面白いですし、一気に読めますが、初作「飛鳥の・・・」ほどの読後充実感に欠けました。推測するに、今回は登場人物のストリーへのコミットが甘い、浅い、唐突だったからではないでしょうか。ただ、QEDシリーズの薀蓄の嵐には辟易する・・という方にはやはり面白い作品だと思います。しかし、私はどうしても東大在学中の才媛、貴湖の存在が鼻についてちょっと嫌になります。(友人の中には彼女のファンも既にいるのですが)
カンナ 天草の神兵 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:カンナ 天草の神兵 (講談社文庫)より
4062772353

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