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出口のない海
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出口のない海の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.21pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全95件 41~60 3/5ページ
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海の特攻隊で散って行った若者の心の葛藤がよく表れていて、感動しました。改めて平和に感謝。 | ||||
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夢の為にではなく、ただ死ぬために生きて行く 特攻兵の無念を思うと、イジメが辛いとかで自殺しては絶対にいけない 命の大切さを考えて今を大切に生きようと思う | ||||
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あまりに哀しいはずなのに、読み終わった後には何故か爽快感が残った。 それは、主人公・並木浩二がどんなに過酷な運命の下にあろうとも常に青春に生きているからだ。 舞台の描写は筆者の綿密な取材によって非常にリアルであるが、その一方で主要人物たちは皆これでもかというくらいのフィクションの産物となっている。 事実とフィクションが程よいバランスで入り合わされていて、一種のファンタジー物を読んでいるかのような不思議な感覚に陥った。 だが、それで良い。 これは、一人の男の青春の物語なのだ。 | ||||
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内容ばらしてはなんなので簡単に書きますが、泣かされました。 人によって泣くポイントが少しづつ違うかと思いますが自分は親子の別れのシーンでした。くぅ~ | ||||
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横山秀夫と言えば警察小説をイメージするのだが、戦争小説もすごい。すご過ぎる。死を覚悟した若者達の葛藤、生き残ったことの哀しみに包まれた物語。 若者の輝かしい未来を奪った戦争、人間魚雷『回天』… 戦争という人間の狂気は、二度とこの世にあってはならない。 百田尚樹の『永遠の0』と共に多くの日本人が読むべき小説だ。 | ||||
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人間魚雷特攻という石垣の一つになることを運命付けられた若者の葛藤が物語の主題です。 死を目前にした時の心の動きはひとりひとり違うのでしょう。 結局人間は死ぬまで自分自身であり続ける。 と同時に、人間という「関係」を離れて人間が存在することはない。 特攻という「人柱」の一つになる時でさえ、色や形は他と同じということはありえない。 生まれ持った素養、環境、人からの影響、様々な要因が各々の境地へ至る。 生まれた時から人並みの資質を持ち、周囲から外れることなく育った者は人並みに苦しみ、人並みに覚悟し、人並みに死んでいく。 生きる素質に優れ、感受性の豊かな並木は人並み以上に悩み、苦しみ、傷つき、それでもなお生を掘り下げ生を愛す。 並木は紆余曲折の末、美奈子に宛てた手紙の心境に至る。その答えに是も否もないが、自分は共感した。 | ||||
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熱い男達の集団を書かせると横山秀夫は本当にうまい。 有名な神風特攻隊が零戦であれば、海では公にはあまり知られていないかも知れませんが、人間魚雷特攻の回天が存在する。 戦争小説なんだから本当は暗い世界なんだけど自分が人間魚雷「回転」に乗っている気がしてしまう。 お国のため戦争、誰のための戦争?戦争に巻き込まれた人々が当時の運命に翻弄されていく何かを丁寧に書き込んで行っています。 人間魚雷に乗る主人公は最後どうなるのか?人間魚雷に乗り込んで発進すれば行き着く果ては必ず「死」である。神風特攻隊は一人で体当たりしていくが、人間魚雷は潜水艦から発進するので仲間たちがそれを見送ることになる。あいつは見事に相手に一撃くらわせたという事になるが、それは同時に自分の死でもあるのだ。 死ぬのか生き残るのか?仲間たちは・・・。ぜひご一読ください。おすすめの一冊!! | ||||
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8月の暑い一日、山口県の大津島にある「回天特攻基地」の記念館を訪ね、感動的な資料を心ゆくまで観て、感じて、泣いて帰りました。横山秀夫著「出口のない海」を読み、この本のモデルとなった島を訪ねたくて、しかも、巡礼の旅に出るような思いをもっての出発でした。横山秀夫の小説は、記録資料から史実を正確に読み取って書かれたことがよく分り、小説の中の人物一人一人が、大津島の基地に蘇ってきました。戦時中に生きて、回天を知っている世代には、胸を抉られるほどの辛い感動を与えられますし、戦争を知らない世代の人たちには、自分と同じ日本人が、このような体験をして生き、死んでいったのかと、平和な現在に生きる意味を見出すことでしょう。全ての日本人の必見の一冊です。 | ||||
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太平洋戦争の史実には興味があるが、小説はどうしても 登場人物の感情が入るから好きではなかった。 しかし、本書には涙なくしては読めなかった。 ストーリーは、学生野球で名を馳せた主人公が、 学徒出陣で出兵することになり、最終的に 海の特攻隊「回天」での出撃を命じられるまでの 軍隊生活の話である。 戦争への矛盾、恋愛、仲間、様々な感情を抱えながら、 必死に現実と向き合っていく登場人物達に心が痛む。 戦争小説にありがちな、召集・出兵への悲劇を殊更強調して 戦争に召集する側の罪に触れず、死のみを美化するような ことはなく、死が約束された「回天」の乗組員として 徐々に自らの死に折り合いを見つけていこうとする 主人公に涙せずにはいられなかった。 あくまで小説だが、あの戦争とはなんだったのか? なぜ戦わないといけなかったのか?改めて考えさせられた。 この本が好きな人は、阿川弘之著「雲の墓標」もお薦めします。 | ||||
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太平洋戦争時の人間魚雷「回天」に乗り込む主人公を描く。 野球に没頭していた主人公の一面を絡めて、不本意ながら野球や学業をあきらめて、 戦地に赴かなければならなかった時代を描く。 冷静な視点で淡々と書かれたストーリーが、より切なく感じさせる。 ひとつの小説として、強く心に残るものがある。 描かれたエピソードはフィクションだが、戦争時にこのような事が実際にあったことを忘れずに 考え続けていかなければならないだろう。 | ||||
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特攻を舞台にした作品はかなり有ります。 この作品は、直球でそれを描かずに「野球」という要素を持ち込み、それを通じて人間を描くという手法で成功しています。 登場人物は20歳そこそこの若者で、みな死ぬことだけを考えて生きていて、それに疑問を感じていません。 それを、決して国のために死ねない特攻兵器への思いを描写することで、とても強烈なメッセージを残しています。「国のために死なせてくれ」という気持ちがいかに反戦になっているかという逆説を、書ききっています。 とても重い作品でしたが、傑作であることは間違いありません。 | ||||
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大地震で原発の冷却業務に挑むレスキュー隊の姿を見て、「お国のために」ということで敵陣に突っ込んでいった特攻隊のことを思い出した そういえば、、横山秀夫の作品にも特攻隊の記事があったなと思い、再び人間魚雷「回天」の話を読み返した ただ、ただ切なくて、泪なくしては読めない 横山秀夫といえば、刑事物が多いが、それ以外にも非常にいい本を沢山出している 心理描写を書かせたら右に出る者はそういないかも | ||||
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出撃を控えた特攻隊員の心情は、端的にいえばこのように表現できるのではないでしょうか。国を守るために一命をささげるという高揚感と、ふと我に返ったときに「前途ある若い自分がなぜここで…」という落胆と。 特攻兵器の中でも、暗い海中で狭い魚雷の中に絶望的な逼塞状態となる「回天」。それに搭乗する人間の心理状態はどのようなものか。作者はそこに、甲子園の優勝投手という主人公を設定しました。選手として致命的な肘の故障にもめげずに魔球を開発するという夢を抱く明朗快活な主人公。人間はいつだって夢を見ることができるという信念を持っています。 私はふと、ヴィクトール・E・フランクルの「夜と霧」を思い起こしました。どのような限界状況に置かれても、人は豊かな想像力を働かせて、夢を見ることができることを示してくれたように思います。 トップアスリートと戦争ということでは、西竹一大佐という、これ以上はないようなドラマチックな実在のヒーローがいます。そんな中で、読者を引き付けるようなストーリー展開を生み出すのに苦労したことでしょう。しかし、期待を裏切らない秀逸な出来上がりのように思います。 同じように特攻隊員を扱った「永遠の0(ゼロ)」では最後にがっかりさせられましたが、本書ではそのようなこともありませんでした。「現在」は最小限に抑えられています。 | ||||
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この小説は、時代背景がしっかりとしています。 著者が新聞記者だったこともあって、取材が細部まで生かされていました。 戦時下の描写がリアルであるため、ストーリーに完全に引き込まれます。 また主人公やその周りの人物たちでさえも、思考や主義などが戦時下らしさに満ちていて、 現代作家が描いたのではなく、実際に戦争を体験した人が書いたのではないかと思ってしまいました。 しかし、それだけではありません。 この小説の魅力、それはテーマがしっかりとしていることです。 夢を追うことと、生死の問題、 特攻のむなしさ、自由に考えることができないことの苦しみなど…、 考えさせられることがたっぷりとあります。 今生きていることや、何不自由なく夢を追ったりすることは、 それだけで幸せなのだと、読み終わって感じました。 これだから読書は好きです。 | ||||
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本書は、「警察小説の旗手」、「現在のミステリー・シーンの最前線に立つ作家」といわれる横山秀雄の、畑違いとも思える戦争青春小説だ。私は、警察小説などの分野でも、横山秀雄の人並み外れた筆力の高さを見せ付けられているだけに、本書のような一般小説の分野でも、そこそこの作品は書くだろうとは思っていたのだが、本書は、そんな私の予想を遥かに上回る出来だった。本書は、間違いなく、横山秀雄の代表作の一つに入る作品だと思う。 本書は、人間魚雷「回天」の搭乗者に選ばれ、あらかじめ死を約束された青年、並木の生きざまや心の揺れなどの描写を通して、戦争というものの持つ理不尽さや、当時の時代の異常さを、読者に強烈に訴え掛けてくる。読んでいて、やり切れなくなってくるほどだ。死を約束された回天隊の中でさえも、「修正」と称して、日常的に繰り返されるリンチ。死への恐怖と、家族を、恋人を、そして国を、自分が命を捨てて守るしかないと言い聞かせる気持ちとの間で、揺れ動く並木の心。そして、出撃前の帰郷時に、恋人、美奈子とは会わないで隊に帰ると決めていた並木が、ホームで美奈子と会い、別れるシーンは、もう、たまらない。男性の読者なら我が身を並木に、女性の読者なら美奈子に置き換え、誰もが目頭を熱くするだろう。 生きて帰ってきた者に、「生きて帰って、申し訳ない。早く死にたい。死んでみんなのところへ行きたい」と、熱病に浮かされたように思わせてしまうこの時代は、異常としか思えない。しかし、平和な現代に生きる我々が、この時代においても、時代の流れに抗って、今の自分の考えを冷静に貫けると、本当に自信を持って言い切れるだろうか。本書は、ふと、立ち止まって、こうしたことを考えざるを得なくなる作品だ。同じ題材と同じプロットを使っても、誰もが読者にそのような思いを想起させられるものではない。横山秀雄の圧倒的な筆力に、ただただ、脱帽するしかない。 | ||||
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まず、映画はがっかりさせられることを嫌というほど知っているので、見ていない。 作品も、実は気が重かったのだが、何となく日本人の責務として読まなければならないような気がして手にとった。実はかなり前に、別の目的で靖国神社の資料館を訪れた際、回天の本物を見ているのだ。はっきり言って、現代の人間はまず入れまい。私は女性で平均的な体格だが、無理なような気がした。ついでに書くが、ゼロ戦も、下から石を投げても穴があきそうな感じである。 横山作品は「半落ち」に見られるように、ちょっとお涙ちょうだいな感じがしてあまり好きではないのだが、この作品は違った。悲しみにももちろん引きずられるが、私の場合はそれ以上に、こんなものを考え出した者への怒りの感情が強かった。 読後、しばらく気が晴れない。 | ||||
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映画より原作の方が面白いことは多々あるが、この作品も同様。 著者の淡々とした表現が、戦争をより身近なものといて想定させる。 特に後半が良い。空の特攻はよく知られているが、海の特攻「回天」の存在も、もっと知られていいと思う。 | ||||
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「人間魚雷・囘天」。 なんといふ、おぞましい響きの言葉だらう。 子供の頃、父から、かういふ兵器があつたとふ話を聞いた。 飛行機で敵艦に突つ込む「神風特別攻撃隊」には、子供心にも、まだ勇壯なイメージがあつた。 しかし、この「囘天」は・・・ 主人公の獨白。 「わかつてゐる。俺たちがやるしかない。體を張つて日本を守るしかない。家族を、美奈子を、俺が命を捨てて守るしかない − 。」 數年前、鹿兒島の知覽で、特攻隊の兵士達の手記を讀んだことを思ひ出す。 讀了したのは、あたかも「敗戰記念日」。 いまの平和な日本があるのは彼らのお蔭だといふことを忘れたくない。 英靈の聲なき聲に耳を傾けやう。 そして、いま私たちに出來ることは何かを考へやう。 2006年8月15日読了 | ||||
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神風特攻隊は知っていた私も、人間魚雷「回天」なるものの存在は知りませんでした。 脱出装置なしの海軍特攻隊。その操縦の難しさや、故障の多さから、実戦で効果を挙げることは少なかったようですが、そのことが一旦は「死」を覚悟した人間が本人の意思とは裏腹に生きて帰ってくることとなり、死ぬことのの意味、自分の命の使い方について深く考えるきっかけとなります。 ほんの些細な選択や、行き違いで生死が決まってしまうという展開は、まるでロシアンルーレットのゲームのようで、なぜ「並木」が…、とおもわずにはいられません。 今の時代を生きるすべての若者に読んでもらいたい書です。 | ||||
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映画は観ていないのですが、「回天」の物語ということで読みました。 あの時代にも、こんなにも人間味にあふれた物語があったのかと、 というか、あって欲しいと、フィクションと知りつつ、 その暖かさにすがってしまいたい自分を感じながら、読み進めていましたが、 主人公の最後は、「半落ち」に似たすっぽ抜け感を感じてしまいました。 あの時代って、きっとこういうものであったのだろうと、 その「空気」を感じさせてくれる小説です。 | ||||
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