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(短編集)

深追い



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【この小説が収録されている参考書籍】
深追い
深追い (ジョイ・ノベルズ)
深追い (新潮文庫)

深追いの評価: 4.12/5点 レビュー 67件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.12pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全67件 61~67 4/4ページ
No.7:
(4pt)

瑕瑾(?)を気にせずにいられないハイレベル

とある警察署を舞台にした連作中短編集。それぞれの主人公をつとめるのは交通課主任、警務課係長、刑事課盗犯係主任、生活安全課員、署次長、会計課長で、共通して登場するのが全くの端役にすぎない署長だけというのもいい。例によってどれも密度の濃い仕上がりで、一気に読ませる。ユーモアとかお色気とか、おかど違いな期待をしない限り、満足できることは請け合いだ。あまりハイレベルなので、重箱の墨をつつくような疑問をひとつ。この警察署は少なくとも七つの課から成り、管内に九つの交番を持つということでまずまず規模の大きい署だと思うのだが、そうした署の次長の階級が警部ということがあり得るのだろうか。「仕返し」の主人公を警視と決め込んで読んでいて、途中、数年後に警視昇任が期待できるという文章に大いに引っかかってしまった。
深追いAmazon書評・レビュー:深追いより
4408534307
No.6:
(5pt)

深い!

警察小説といっても、人間ドラマをしっかりと書き上げてくれています!なんて、巧みな心理描写なんでしょう。
深追いAmazon書評・レビュー:深追いより
4408534307
No.5:
(4pt)

横山作品に凡作なし

警察小説と言えば横山秀夫、横山秀夫と言えば警察小説。すっかりお馴染みとなり、ややもすればワンパターンと言われる懸念もあると思うのですが、そんな周囲を黙らせる、衰え知らずの高品質ぶりには、ただただ舌を巻くのみです。警察という閉ざされた世界が生み出した、戒律と自己免疫機能。人間としての警察官が持つ欲望。この両者の間に生まれる軋轢と葛藤がベースであり、この組織の海を必死に泳ぐ警察官の人間臭さが絶妙のスパイスです。快適さと不自由さが同居するものの、この絶対安全な警察組織の檻から抜け出してもいい、そう決断させるまでの物語が実に巧みで、どれも納得できるものです。警察官としてではなく、人としての決断に読者も共感とカタルシスを得ることができます。本作は、ミステリーよりもストーリー重視で、エンディングも読者の想像力に委ねる余韻を持たせた作りとなっています。生意気ですが、人情味あふれる本作には良い選択だったのではないでしょうか。とある雑誌に、一番起きて欲しくない事件、特に社会的な死に追い詰められる事件を主人公に与える。(うろ覚えですが)という主旨のことを横山氏は書かれていました。そうして作品に緊張感を持たせ、更に読みやすい文章でスピード感を持たせているので、グイグイと引き込まれていくのでしょう。星四つの理由は、横山作品の中に本作を上回るものがある為です。
深追いAmazon書評・レビュー:深追いより
4408534307
No.4:
(4pt)

人間の心理。

日常の中で、ついこれはっと深入りしたくなるのが人間の真相。それを、警察の人間として、真実を追ったことからこのタイトルになったのだと思います。読みながら、日常でありえることをそのまま小説にしたところに共感しました。
深追いAmazon書評・レビュー:深追いより
4408534307
No.3:
(4pt)

警察官という毎日って・・・

子供の頃、警察官=かっこいい正義の味方。お巡りさん。十代の頃、警察官=石原軍団、大門軍団、腕利き刑事に憧れる。二十代は、警察官=うるさい、石頭、無能、迷惑、嫌な者。横山の小説(この短編集)を読み終えると警察官=競争と自己防衛、事なかれ主義と傍観主義、たてまえと体裁をどれも極めなければならないある意味「極め道」。でも警察小説って仕入れ、売り掛け、返品、倒産、資金繰りなんて一切無縁なところが羨ましいなあ。でも数字で競えないからこそ上下や年齢、年功をひっくり返せないつらさもあるんだろうなあ。警察官という生活、この作品で覗いてみませんか?
深追いAmazon書評・レビュー:深追いより
4408534307
No.2:
(4pt)

地方都市においての警察の活躍を描いてます。

『第三の時効』は最前線で活躍する刑事たちの熱きドラマだったが、本作は舞台が地方都市でもう少し環境的にほのぼのしてる感がする。登場人物等もそんなにリンクしておらず(署長だけかな?)1編1編普通の短編集として読むことが出来るかなあ。内容的にはバラエティーに富んでいて、最終編の「人ごと」においては警察官以外の人物が主人公となってます。舞台は地方都市の三ツ鐘署。敷地内に庁舎、独身寮、家族官舎などがあり職員のあいだでは“三ツ鐘村”と揶揄されておる所。県警との関係を上手く織り交ぜつつ、所轄署ならではのネタの選択は舌を巻くものがある。登場人物も交通課,鑑識係,盗犯係,警務課,生活安全課,次長,遺失物係,と言った様々な部署が取上げられていて,多彩です。1編!1編主人公の過去にまつわる話や軋轢が盛り込まれていて『第三の時効』より人情的な話としては楽しめそうな気がします。どの短編も甲乙つけがたいですが、あえて1編選ぶとすれば、「訳あり」かな。それにしても各タイトル名も文章と同じく小気味がいいです。
深追いAmazon書評・レビュー:深追いより
4408534307
No.1:
(4pt)

「半落ち」がおもしろすぎたかも

山秀夫著の「深追い」読み終わりました。前作の「半落ち」があまりにもおもしろかったためにちょっと期待をしすぎました。ある警察署を舞台にその警察署に人たちを主人公にした短編集です。彼の本で私がいいなぁと思うのは、善人ばかりではない所ですかね。人間ってやっぱりどうしてもどんなにいい人でも他人には言えない心の闇があるのではないかと思う。それはもちろん警察でも同じこと。(最近では警察の方が良心はないみたいですが)その心の闇をうまく描く作品が多いということですね。この作品も例外ではありません。私は「仕返し」と「人ごと」という作品がお気に入りです。「仕返し」はいじめられていた思っていた自分の息子が実はいつからかいじめっ子になっていたことに気付く父親。父親は社会組織、いわゆる警察内では世間体と出世を気にして隠蔽工作をしてしまうのですが、息子のことに気付いたときは潔くそして父親として真摯に息子に向き合おうとします。その姿はいいのですが、どうして家族のことだと誠実になれるのに、組織の中だと人は嘘をつくのでしょうか。その人間の弱さも伝わります。
深追いAmazon書評・レビュー:深追いより
4408534307

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