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(短編集)

深追い



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【この小説が収録されている参考書籍】
深追い
深追い (ジョイ・ノベルズ)
深追い (新潮文庫)

深追いの評価: 4.12/5点 レビュー 67件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.12pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全6件 1~6 1/1ページ
No.6:
(3pt)

緊張感ではなく「既視感」のある作品集

横山秀夫らしいひねりの効いた短編集。どの短編も架空の「三ッ鐘署」という
地方警察所を舞台としている。登場する警察官は、実務に長けた現場警察官であ
り、いわゆるエリート(国家公務員試験合格者)の物語ではなく、物語も「泥く
さい」もの。

 7編が収載されているが、かなり錬られている物語が多い。読みやすい文体な
ので、すっとストーリーの中に入っていくことができ、スピーディーに展開し、
最後には意外な形で終わる。
 職人の熟練の手捌きを見ているようで、気持ちよく小説の中に入ることができ
た。あまり複雑ではないように作品が構成されていて、どこの短編からでも読む
ことができる。

 1編は30ページから長いもので50ページほど。気の張る本を読んでいると
きに読んでもいいだろうし、暇な時間にパラパラめくって読むのも楽しい。実に
「手軽」に読むことができる。
 最近は横山秀夫のような、各短編の水準が高い作品を書ける作家が少なくなっ
たように思える。その意味では「貴重」な作家であろうか。

「深追い」。文字通り自分で勝手に深追いしてしまう警官のいささか「哀しい」
 物語。はっとするストーリーだった。ストリーテラーとしての横山の筆が冴え
 る。
「引き継ぎ」。細かな点で、ストーリーに無理があるカ所もある。少々奇をてら
 いすぎか。
「又聞き」。ストーリーが尻切れになっていて、すっきりした結末ではないが、
 哀しみの漂う情緒がある。
「訳あり」。この短い作品で、様々な警官としての人生の断面を見せてくれる。
「締め出し」。物語のリアリティがいま一つ。
「仕返し」。一番長い作品。本書の作品でどうにも高く評価できない作品。展開
 の面白さもなく、途中で「だれる」、最後もとってつけたよう。
「人ごと」。これも何を描きたかったかがはっきりしない。後味も薄い。

 さほど出来のよい作品集はないが、「暇つぶし」には十分。だが、二度読むこ
とがないであろう短編集。
 2002年に単行本として刊行されていて、すでに20年を超えている。
 署内で酒を飲むシーンなどは、今では絶対にありえない。ポケベル(と書いて
も分からない人も多いのでは)など小道具も古びている。ただ小説としてはさほ
ど古びた感じはなく、現在に読みかえてもいいような内容だ。

 前述したが、「暇つぶし」には格好だろう。
深追い (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:深追い (新潮文庫)より
4101316716
No.5:
(3pt)

所轄舞台ならではの生活感

著者の人気作品の県警シリーズとは異なり、より地域に密着した所轄を舞台にする事で、管轄地域に於ける出来事や人間模様を描く事で、ほのぼのとした気持ちにさせてくれる短編集です。
深追い (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:深追い (新潮文庫)より
4101316716
No.4:
(3pt)

ちょっと残念

横山秀夫作品は好きですが短編ということもあって、ちっと物足りない感じでした。今度は長編を読みます・・・
深追い (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:深追い (新潮文庫)より
4101316716
No.3:
(3pt)

知らない世界を垣間見る。

「深追い」「引き継ぎ」「又聞き」「訳あり」「締め出し」「仕返し」「人ごと」。
三ツ鐘警察署を基点とした警察モノ小説。知らない世界を垣間見る。
「既届盗犯等検挙推進月間」は,署が窃盗犯罪の検挙数を競う,年に一度の刑事コンクールだそうだ。そんなこともあるのか…・。
小説の創り方には力を感るが,対象が対象だけに興味はいまひとつ。
深追い (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:深追い (新潮文庫)より
4101316716
No.2:
(3pt)

訳あり

横山秀夫さんの短編集はどれも最高級のものばかりで大好きです。
今回の中では訳ありが一番面白かったです。読後感も良かったです。
しかし作者の他の作品よりは少し落ちますね。それでもハイレベルなのは確かですが、期待が大きかっただけに星3つにさせていただきました。
作者の他の作品にハマったのならば、こちらも必読なのは間違いないです。
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4101316716
No.1:
(3pt)

はずれがない作家

最近では、一番好きな作者かもしれない。
好きというかはずれがない作者、買っても後で後悔しない作者。
この「深追い」は短編集で7つの話が収められていて、どの話も臨場感があり面白い。
私が一番面白かったのは、「仕返し」。警察官舎で同じ年の子供を持つ上司と部下の子供が最初は部下の子供が上司の子供をいじめていたのに、おやじが上司に絶対服従(警察の縦社会では普通の事)を見て、だんだん卑屈になり最終的には体力では相当勝っているにもかかわらず、おやじの上司の息子にあごで使われている息子を見た親の復讐。
これ以外の話も相当面白く、私は東京出張の間この本で済ますはずが、行きの飛行機で読んでしまったので、また何か文庫本を買わなければならない事態になった。
この横山さん、長編も短編も相当面白い。こんな作家はあまりいないのでは?
私が好きな宮部みゆきさんは、長編はもう神の領域だが、短編や時代劇は全然面白くなくて全く買う気がしないもんなぁ。
東野圭吾のような作家とどこが違うのだろうと考えて見ると、やはり新聞記者でサツ回りをしていたという現場力と筆のセンスなのだろう。東野圭吾の「手紙」は読んでいても全く作り話で気持ちも移入しなかったが、この短編集のすべての主人公の気持ちが手に取るようにわかった。
本当に貴重な作家だと思う。
深追い (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:深追い (新潮文庫)より
4101316716

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