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(短編集)

深追い



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【この小説が収録されている参考書籍】
深追い
深追い (ジョイ・ノベルズ)
深追い (新潮文庫)

深追いの評価: 4.12/5点 レビュー 67件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.12pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全67件 41~60 3/4ページ
No.27:
(5pt)

一つの生活場としての警察署で

横山秀夫は正直、長編よりも短編、と言うか、本作品のように、何らか一つの共通の場、例えば本作では
三ツ鐘署、を舞台にした連作のような形式に、最もその真骨頂が現われるのではないだろうか。
いち警察署にも、交通係、鑑識係、少年係、あるいは会計課や次長等、様々な部所で様々な警察官、事務
官が働いている。当然同じ警察署内のことだから話は発散せず、別の話から、前の、後の話の舞台も見え
隠れする。
だから、それぞれの話は短い短編で、もちろん完結した物語だけど、一方で全体として言わば三ツ鐘警察
署物語とでも言うような構成の物語とも言えるものになっている。
とても重層的で、しかも個々は秀作の短編で構成されているので非常に読みやすくなっていて興味深い。
なお、甘いと言われるかも知れないけど、本作では、どの話も読後どこかホッとする、救われた気分にな
るところが嬉しかった。
深追い (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:深追い (新潮文庫)より
4101316716
No.26:
(5pt)

”巧い”

 どんな人にも葛藤や悩みがある。
例えば、電車内で無邪気にはしゃぐ子供にも、人には想像できない葛藤や悩みがあると思う。そんな誰にでもある葛藤や悩みを描かせたら巧いのが、昔で言えば山本周五郎や松本清張ではないかと思うが、同時代で真っ先に思い浮かぶのは、本著「深追い」の横山秀夫ではないかと思う。
 
本著「深追い」では、地方都市のその又はずれにある”三ツ鐘署”を舞台にした連作短編小説集である。惚れ惚れするぐらいに7つの短編すべてが葛藤や悩みを”巧く”描いている。
 山本周五郎・松本清張の後を継ぐのは、やっぱり、横山秀夫なんだろう(そういえば、松本清張賞を受賞している)。
深追い (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:深追い (新潮文庫)より
4101316716
No.25:
(4pt)

警察官を主人公とした短編7部のヒューマンドラマ

警察官という職業の中には、色々な職務(交通事故係、鑑識係、泥棒刑事、少年係、会計課長)がある。
三ツ鐘署という警察署の裏に官舎がある職住一体の警察署に勤務するそれぞれの職務の警察官の人間ドラマを描いている短編7部作である。
推理小説ではなくヒューマンドラマ系の作品です。
テンポ良く、読みやすい小説です。
深追い (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:深追い (新潮文庫)より
4101316716
No.24:
(3pt)

はずれがない作家

最近では、一番好きな作者かもしれない。
好きというかはずれがない作者、買っても後で後悔しない作者。
この「深追い」は短編集で7つの話が収められていて、どの話も臨場感があり面白い。
私が一番面白かったのは、「仕返し」。警察官舎で同じ年の子供を持つ上司と部下の子供が最初は部下の子供が上司の子供をいじめていたのに、おやじが上司に絶対服従(警察の縦社会では普通の事)を見て、だんだん卑屈になり最終的には体力では相当勝っているにもかかわらず、おやじの上司の息子にあごで使われている息子を見た親の復讐。
これ以外の話も相当面白く、私は東京出張の間この本で済ますはずが、行きの飛行機で読んでしまったので、また何か文庫本を買わなければならない事態になった。
この横山さん、長編も短編も相当面白い。こんな作家はあまりいないのでは?
私が好きな宮部みゆきさんは、長編はもう神の領域だが、短編や時代劇は全然面白くなくて全く買う気がしないもんなぁ。
東野圭吾のような作家とどこが違うのだろうと考えて見ると、やはり新聞記者でサツ回りをしていたという現場力と筆のセンスなのだろう。東野圭吾の「手紙」は読んでいても全く作り話で気持ちも移入しなかったが、この短編集のすべての主人公の気持ちが手に取るようにわかった。
本当に貴重な作家だと思う。
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4101316716
No.23:
(4pt)

苦い滋味

息詰まる緻密な心理描写が横山秀夫の特徴であり持ち味だが、この短編集でもそれはいかんなく発揮されていた。
ただ「真相」に見られたような救いのない息苦しさはなく、舌の上で苦い滋味を転がすような味わいのある作品集だった。
それは、どの作品にも、現場警察官のやるせない悲哀や苦悩を余すところなく描かれているにもかかわらず、ラストでは心の深いところで納得できるすがしさを感じることができたからだと思う。
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4101316716
No.22:
(4pt)

美しい謎

「三ツ鐘警察署」を舞臺にした、連作短篇集。
横山秀夫の得意とする警察小説だ。
表題作の「深追い」以下、「又聞き」「引き繼ぎ」「譯あり」「締め出し」「仕返し」「人ごと」の計7作が收録されてゐる。
いづれの短篇も、それぞれに個性的で、美しい謎に彩られてゐる。
「深追い」:男が女に寄せる思ひ。
「又聞き」:子供の頃に經驗した事故の眞相。
「引き繼ぎ」:ユーモアを感じさせる結末。
「譯あり」:組織の中の個人のありよう。
「締め出し」:氣弱だつた少年時代との決別。
「仕返し」:父として子供に正義を教へるには。
「人ごと」:花を育てる心とは。
警察といふ特殊な組織を舞臺にしてゐるが、この作品で描かれる人間の姿は普遍的なものだ。
1つの作品を讀み了へるたびに、心の中に殘るものがある。
なかでも私が好きな作品は、表題作の「深追い」。
男とは切ないものだ。
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4408504475
No.21:
(5pt)

いい短編を書くなぁ

どの短編をとっても、一級品。
どれも甲乙つけがたい出来である。
「真相」では、出来不出来が激しかったが、本作は短編のお手本といっていい作品ばかりである。
横山秀夫の本を手に取ったことがない方にぜひ薦めたい。
この本が出された2002年は、横山秀夫がまさに脂ののったときであろう。
こういう作者と同時代を生きている喜びをかみ締めている。
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4101316716
No.20:
(4pt)

心理描写が見事!

7編とも、作者の巧さが光る。特に印象に残ったのは、表題作の
「深追い」だった。追い詰めるつもりなどなかったのに、結果的には
追い詰めることになってしまった好意の行動。その皮肉さが何とも
言えなかった。心にやましさがあると人は判断を誤ってしまうのか。
そのほかの作品も、心理描写が見事だった。登場人物の揺れ動く内面が、
しっかりと読み手に伝わってくる。人は強くもあり、弱くもあり・・・。
切なさも感じる、読み応えのある作品だった。
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4101316716
No.19:
(4pt)

人間としての警察官

庁舎、官舎、独身寮が郊外の同一敷地内にある為、三つ鐘村と呼ばれる鐘警察署を舞台にした七つの短編が収録されています。
スリルはありませんが、警察官の環境、苦悩を題材にしたストーリーです。
自分自身の生活に思い至るような部分もありストーリー自体が身近に感じられる題材もあります。
気軽に楽しめる一冊です。
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4101316716
No.18:
(5pt)

警察官も一人の人間。

警察官も一人の人間ということですね。
警察署内におけるさまざまな部署の人間の、苦悩・葛藤が見事に描かれています。
読んでいてスカッとするというよりは、ちょっと切なくなることが多いですが、
何度も読み返してじっくりと味わいたくなる連作短編集です!
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4101316716
No.17:
(4pt)

横山秀夫が描く

三ツ鐘警察署という同じ警察署で立場も年齢も違う7名の主人公の7つのお話。
一つひとつ味があり、面白い。ストーリー完結型ではなく、その後どうなるのか読者に想像させるというスタイルを7話とおして踏襲。独特の後味は残るが、魅力的な1冊。
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4101316716
No.16:
(4pt)

切ない

警察官といっても定年のある公務員で、上下関係の中での生活を強いられている。理想と現実の狭間で生きているのだろう。これが消防士や自衛官だったらどうだろう。消防士なら迫力のある現場と普段の緊張感が描かれるのか?自衛官は機密が多すぎるかもしれない。
結末の描き方がいつも見事で、読み込ませる作品だ。
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4101316716
No.15:
(4pt)

7つの読後感

郊外の敷地に、庁舎、署長・次長官舎、署員宿舎、独身寮のすべてが揃って並ぶ三ツ鐘警察署。職住一体の息苦しさから「三ツ鐘村」と揶揄され、赴任先として嫌われるこの所轄署を舞台にした七篇が収められている。
私事だが、警察の署員宿舎の近くに住んでいたことがある。「三ツ鐘村」ほどではないにせよ、洗濯物の干し方、自転車の並べ方ひとつにも気を遣うような雰囲気があったのを覚えている。しかしこの短篇集は、そうした息苦しい特殊な環境のみに題材を求めることなく、その設定を時折ぴりりと効かせつつ、多彩な物語展開で楽しませてくれる。著者の他の短編より緊迫感が抑え気味で、派手さもないが、その分、肩の力を抜いて読める一冊だと思う。
ほろ苦さを含みつつも、それぞれに異なる読後感を残すことも印象深い。読む人によって、「好きな一篇」が分かれそうだ。
深追い (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:深追い (新潮文庫)より
4101316716
No.14:
(5pt)

短編ならではの面白さ

警察小説というと捜査第一課の刑事が殺人事件を追うみたいなイメージがあったのですが、

この短編集の主人公たちは、交通課の制服警官だったり、

あるいは生活安全課や会計課に勤務しているおまわりさんたちです。

それぞれの現場の視点から事件にかかわり、意外な真相を暴いていく過程が面白く、一気に読みました。

事件とかかわる中で主人公自身が自分の人生に向かいあうストーリーは

読んでいてある種のカタルシスが味わえます。

個人的には、「又聞き」が好きです。

主人公は幼いころに海で溺れ、助けてくれた大学生が水死してしまったという過去を持っています。

鬱屈した意識を抱えて成長した彼は鑑識課の刑事となり、その職業眼で事件の隠された背景を突き止めるのですが

主人公の心の変化や、死んだ大学生の母親の心情など、くどくどと説明されていないのに痛切に伝わってきて

さすが短編の名手だと改めて思いました。

長編も良いけれど、短編小説には短編小説ならではの面白さというものがある・・・と感じられる1冊だと思います
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4101316716
No.13:
(5pt)

短編ならではの面白さ

警察小説というと捜査第一課の刑事が殺人事件を追うみたいなイメージがあったのですが、
この短編集の主人公たちは、交通課の制服警官だったり、
あるいは生活安全課や会計課に勤務しているおまわりさんたちです。
それぞれの現場の視点から事件にかかわり、意外な真相を暴いていく過程が面白く、一気に読みました。
事件とかかわる中で主人公自身が自分の人生に向かいあうストーリーは
読んでいてある種のカタルシスが味わえます。
個人的には、「又聞き」が好きです。
主人公は幼いころに海で溺れ、助けてくれた大学生が水死してしまったという過去を持っています。
鬱屈した意識を抱えて成長した彼は鑑識課の刑事となり、その職業眼で事件の隠された背景を突き止めるのですが
主人公の心の変化や、死んだ大学生の母親の心情など、くどくどと説明されていないのに痛切に伝わってきて
さすが短編の名手だと改めて思いました。
長編も良いけれど、短編小説には短編小説ならではの面白さというものがある・・・と感じられる1冊だと思います
深追い (ジョイ・ノベルズ)Amazon書評・レビュー:深追い (ジョイ・ノベルズ)より
4408504475
No.12:
(4pt)

コミック化、ドラマ化もされた良作♪

コミック化とドラマ化がされてましたねー。
表題の深追いはそれくらいにいい作品(複雑な人間ドラマ。警察は舞台装置)
ですが、他の作品も結構ツブぞろいでよいです。珠玉の作品集というのは
こういうのをいうのでしょうね♪
問答無用なおすすめ度です。
深追いAmazon書評・レビュー:深追いより
4408534307
No.11:
(4pt)

長編で読みたいなと思う作品が多かった

一つ一つの物語が厳しい警察社会を描いていて、どれも思いがけない展開が待っている。長編として描かれていても一つ一つ楽しめるのではないかなと思った。変にぐだぐだ長くなくて中身びっしりという、深追いの構成はさすがと感じたし、訳ありもは思わず苦笑いといった感じだった。逆に又聞き、締め出しなどは続きを読んでみたいなとも感じた。短編なのですごく読みやすかったです。
深追い (ジョイ・ノベルズ)Amazon書評・レビュー:深追い (ジョイ・ノベルズ)より
4408504475
No.10:
(5pt)

地方都市の警察署を舞台とした秀逸の7編

 さすがにいま旬で話題のベストセラー作家の短編集だけのことはある。文句なくおもしろく読めた。今回は地方都市のこじんまりとした警察署が舞台。ストーリーの核となる発想と着眼点が見事である。比類のない警察小説で、「こういう警察小説もあるんだ」と再認識させられた。7編収められているが、以下2作品が秀逸。 『仕返し』。警察官という厳格な階級社会の末恐ろしさを感じる。 『人ごと』。「花」がキーワード。発想が秀逸。人情噺のようなちょっとほのぼのとした結末。
深追い (ジョイ・ノベルズ)Amazon書評・レビュー:深追い (ジョイ・ノベルズ)より
4408504475
No.9:
(4pt)

間違いなし!

 あいかわらず、横山秀夫の短編は面白いです。 官舎が近接した職住一体型の地方警察署が舞台。 私は表題作の「深追い」と「仕返し」が印象に残りました。 警察世界に生きる登場人物の心の襞が丁寧に書き込まれていて、職業人として組織と個人の合間で葛藤する登場人物達に感情移入してしまいます。ほんのり暖かい作品、もの悲しい作品が並べられています。 さすが短編の名手の作品です。
深追い (ジョイ・ノベルズ)Amazon書評・レビュー:深追い (ジョイ・ノベルズ)より
4408504475
No.8:
(5pt)

良質の短編集

三鐘警察署という地方警察署を舞台にした短編集です。いずれも主人公が異なる「深追い」「又聞き」「引継ぎ」「訳あり」「締め出し」「仕返し」「人ごと」が収録されています。大がかりな仕掛けや、独創的な謎解きがあるわけではありませんが、いずれの話もよくできておりグイグイ引き込まれます。一般市民よりも厳しい「組織」の中での階級による上下関係があり、「世間体」というものを重んじなければならない、そしてそういったところからくる心の歪みが一貫して表現されています。事件を契機にした「個人」と「組織」の間での葛藤、そして、そこからの解放がこの作品のテーマのように思います。「動機」を楽しめた方にはおすすめできる一冊です。
深追い (ジョイ・ノベルズ)Amazon書評・レビュー:深追い (ジョイ・ノベルズ)より
4408504475

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