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猫舌男爵
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猫舌男爵の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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表題作の『猫舌男爵』は確かに完全に滑っている(山田詠美の『快楽の動詞』を思い出す、あれも滑ってる)ので評価が割れてしまうのかもしれません。しかし、『水葬楽』『太陽馬』は、多作な彼女の作品の中でも最も素晴らしい短編だと思います。どんな話か説明のしようもないストーリーなのですが、とにかく美しく、読み終わった後は打ちのめされ、呆然としてしまいます。しつこいようですが表題作は全然おもしろくありません。 | ||||
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皆川博子という作家の決して良い読者ではないのですが 幻想ミステリ系のアンソロジー収録作や2,3読んだ長編からの感想と比較すると、技巧が非常に際立つものの、内容的な印象はさほど強くない作品集だというのが正直な感想です。 一見関係のなさそうなエピソードの盛り込み方や時系列をうまく利用してパラグラフを重ねる記述など、確かにうまいのですが、こういう技巧を持った作家なら、他にもいるんじゃないかと考えてしまいます。 私のイメージする皆川博子はゆっくりとひらいた花が満開になったとたんに爆発するような、そんな鮮やかな語り口なのですが。 その印象を崩さないのは、「オムレツ少年の儀式」と「太陽馬」の2作品。とくに後者に顕著です。 他の作品も前述のように技巧としては非常にうまいので、個人的な勝手なイメージを差し引けば、その完成度を高く評価できる珠玉の短編集です。 | ||||
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某歌手の方が愛読されている作家として皆川さんを知り、ずっと興味を持っていました。数々の作品から、『猫舌男爵』を選んだのは、タイトルに惹かれたからです。 短篇集なので、様々な世界を味わうことができましたが、どの作品も濃厚で、私の理解を越えていました。特に『オムレツ少年の儀式』『太陽馬』には言葉も出ません。『猫舌男爵』は、唯一笑うことができた作品ですが、段々と笑いがひきつり気味に…。『水葬楽』で命について考え、『睡蓮』はしんみりとさせられました。(特に『睡蓮』。女性芸術家の辿った人生を、友人に重ねて見てしまいました。どの時代にも芸術家はいますが、その影でどれだけの女性が苦しんだことでしょう…)言葉が美しいのも特徴で、これだけの作品が書けるかたはなかなかいらっしゃらないと思います。 | ||||
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短編5篇を集めた本です。皆川さんというと、最近ではナチスドイツを舞台とした長編を多く出していらっしゃる印象が(個人的には)ありますが、短編集も長編に劣らず中身の詰まった、読み応えあるものです。むしろ、皆川さんの多様性を楽しめるという点では、長編よりもいいかもしれません。収録作品について水葬楽:近未来、「兄と私」が通り抜けていく生と死の諸相。ものがなくなることに慣れること。淡々とした筆致が美しい。猫舌男爵:うってかわって現代の翻訳における悲喜劇を題材としたコメディめいたもの。笑える。オムレツ少年の儀式:少年の話。睡蓮:新聞記事や手紙、日記などだけで構成された、天才画家の女性の話。太陽馬:すぐ近くまで敵の軍勢が迫っている。主人公は盲目の少尉たちと廃墟に息を潜めている。話自体の鮮烈さ、そのうえ作中作の破格の美しさで忘れがたい作品。私は一番好きです。 | ||||
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