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言語化するための小説思考

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評判

言語化するための小説思考の評価:

4.04/5点 レビュー 54件。 B ランク

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平均点4.04pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全54件 1〜20 1/3ページ
No.54
(5pt)

なぜ私は小説が書けないのかが、よ~く分かりました

小説『君のクイズ』が非常に面白かったこと、そして、多くの小説家たちから高い評価を得ている本という2つの理由で、『言語化するための小説思考』(小川哲著、講談社)を手にしました。

読み終えて、小説を書く暇があったら一冊でも多くの本を読みたという私のような読書人間と、小説を書いて生計を立てているプロ作家との間の大きな落差を感じました。

そんな私にも、印象に残ったことが、いくつかあります。

●小説家は、抽象化と個別化を通じて、知らない世界について書く。この抽象化と個別化がうまく働くと、『ペスト』や『一九八四年』や『カラマーゾフの兄弟』のように「普遍性」を獲得することができる。読者が「この小説は私について書かれている」と感じるとき、小説家はあなたのことを知っているわけではなくて、小説家自身のことしかわからない――わからないのだが、自分の体験を抽象化し、抽象化した構造を個別化する作業に成功しているのだ。

●僕の基準はシンプルで、どの作品が一番面白いか、という点に尽きる。じゃあその「面白い」ってなんだよ、小説の「面白さ」ってなんだよ、という議論はしていきたい。というか、僕が本書で明らかにしたいと思っていることの一つでもある。で、今回はその「面白さ」が読者の中で生まれていく過程で、かならず発生する問題について考える――作者と読者の関係性の問題だ。

●小説とは一種のコミュニケーションだ。著者は読者に向けて何かを語り、読者は語られた内容を読んで著者が伝えたいことを理解しようとする。コミュニケーションがうまくいくためには、語り手が聞き手に対して適切に情報を与えなければならない。加えて言えば、この「適切な情報」は(伝わる内容が同じであれば)端的であるほどいい。

●「主張」や「設定」は後から考えるべきで、最初に考えるべきなのは「書いてみたいこと」や「考えてみたいこと」だと思う。自分が小説という手段を通じて「書いてみたいこと」や「考えてみたいこと」は何なのかを考える。言い換えれば、大事なのは「答え」ではなく「問い」だ。それ自体は陳腐で構わない。その時点で自信がなくてもいいと思う。小説の面白さは、執筆の過程でかならず生まれてくる。創作をする上で気をつけなければならないのは、過程で生まれてきたディテールに宿る「面白さ」の種を逃さないことだ。

●小説のアイデアに必要なのは、いわゆる発想力などではなく、偶然目の前に転がってきたアイデアをしっかりと摘みあげる能力なのではないか、と僕は考えている。一人の人間が机の上で考えることには限界があるけれど、執筆の過程にはさまざまな偶然が待ち受けていて、その偶然をきちんと拾いあげれば「一人の人間の脳内」という限界を超えることができる。

●アイデアは生みだすものではなく、見つけるもの――すなわち「視力」である、と僕は考えている。

落差を感じたとか言いながら、印象に残ったことが随分あるではないか!
言語化するための小説思考 Amazon書評・レビュー: 言語化するための小説思考より
4065410436
No.53
(1pt)

風流や粋を言葉にすると!

①技術論ではなく、文章読本でもない、ひたすら言葉を生み出すための思考回路を問いかける。「風流」、「粋」をどうすれば小説の言葉になるか?イメージでは分かっていても、言葉にするのは難しい。例えば、「キザな男」、「カッコいい」、「かわいい」は、どうすれば小説としての読者に伝わる言葉になるのか?
これは大変だ。
②読者に伝わる=共感しうる言葉を生み出す苦しみ、あるいは喜びは、小説家でなければ分からない。これこそプロだ。著者の作品がそれを証明している。
作品を読んでみたいと思う。
作家の頭の中を知るのに最適な本だ。
お勧めの一冊だ。
言語化するための小説思考 Amazon書評・レビュー: 言語化するための小説思考より
4065410436
No.52
(1pt)

買わない方が良い。

他の☆1個を付けた人の言う通りでした。
ひと言でいうと、「酔っ払いのたわごと」を羅列した本でした。
買わなきゃよかったです。
何か組織的な購買が絡んで、売れているように仕組まれているのかと邪推します
☆1個でなく、ゼロ個の評価です。
買うまえに、評価をよく観ておくべきでした。
言語化するための小説思考 Amazon書評・レビュー: 言語化するための小説思考より
4065410436
No.51
(5pt)

面白いしとっても好きなタイプの作家さん

だけど、魂は揺さぶられない。まるで辻褄合わせされたような完成度高いの小説を書く人だなあとおもっていたけれど、なによりまず辻褄を合わせに行っているということがわかりなんだか腑に落ちた。この人が今手にしているのがたまたま小説なだけで、他のものでもそうやって面白いものを作るんだろうなあ とか思った。
言語化するための小説思考 Amazon書評・レビュー: 言語化するための小説思考より
4065410436
No.50
(2pt)

合う合わないは人によるけど、私にはややこしい

まず他のレビュー、なんなら著者も言っていますが、作家志望の方が「小説の書き方」「物語の作り方」的なものを求めると、まず途中で挫折すると思います。
著者はとても頭がよく、論理と感情を巧みに横断しながら文章を書かれる方なのはわかります。
ただ、文章構造が複雑でどこが結論なのかわかりにくかったり、なんなら結論がはっきりせず、投げっぱなしになる話もあります(私の理解力の問題と言われればそれまでですが……)。
「小説はコミュニケーション」「読む人の視点」というワードが出てくる割には、妙にわかりづらい構成にしてるので、著者の小説は未読ながらも、難解そうだなあ、とこの流れで読む気にはなれなかったです。
この本的には「私の小説法と著者の小説法は違う」となるんでしょうが、上手いパワーワードを考えたなあと思います。
正直、「これがわかる人とわからない人」的な区分けがされそうな本なので、私には合いませんでした。
言語化するための小説思考 Amazon書評・レビュー: 言語化するための小説思考より
4065410436
No.49
(3pt)

派手な帯とタイトルに引き寄せられて・・・

Amazon週刊売り上げランキング第1位!という黄色い帯と興味深いタイトルに引き寄せられて、思わず手に取った。180ページあまりと比較的薄い本なので読破に時間はかからなかったが、この本はどういうジャンルの読み物なんだろう?と感じた。小説ではないし、小説の書き方を分かりやすく指南してくれるわけではないからハウツー本でもない。ノンフィクションと呼ぶのも違う気がする。結局、著者が小説を書く際に頭の中で起こっていたり意識的にやっていたりする作業について書き連ねたもの、と言うしかないだろう。「小説家って別にたいしたことないんだなと思ってもらえたらこの上ない喜び」と書かれたまえがきを素直に受け止めるなら、著者の期待どおりにはなっていない気がする。少なくとも私は、「小説家って面倒くさい生き物なんだなあ」と感じてしまった。
言語化するための小説思考 Amazon書評・レビュー: 言語化するための小説思考より
4065410436
No.48
(4pt)

小説の技法で言語化力を磨く

芥川賞作家・小川哲が、小説執筆の思考プロセスを応用して「言葉にする力」をいかに高めるかを解説。論理だけでなく物語的な発想が、日常のコミュニケーションや自己表現にどう活きるかを探求する一冊。
言語化するための小説思考 Amazon書評・レビュー: 言語化するための小説思考より
4065410436
No.47
(5pt)

本は、定期的に読まないとね・・・

書評がよかったので買ってみました。まだ読み始めた仮なので、読後感が楽しみです。
言語化するための小説思考 Amazon書評・レビュー: 言語化するための小説思考より
4065410436
No.46
(4pt)

物書きの思考。。。

小説家の頭の中が分かる良書です。

物書きが、いかにいろんなことを考えて書いているかが分かりました。

読み手を想像する力こそ、小説家の本質だと理解しました。
言語化するための小説思考 Amazon書評・レビュー: 言語化するための小説思考より
4065410436
No.45
(5pt)

小説を書く事の意味

この作品を読んで、小説を書く事の意味を、何度も何度も、問い直せました。
言語化するための小説思考 Amazon書評・レビュー: 言語化するための小説思考より
4065410436
No.44
(5pt)

最高だった

まず内容云々以前に文章を読んでるだけで楽しい

この文章のあまりのうまさが内容の説得力をエグいほど担保してる

小説とは何かを考え抜いた者の当座の答え

文章を書く行為の認識をアップデートさせてくれる珠玉の一冊
言語化するための小説思考 Amazon書評・レビュー: 言語化するための小説思考より
4065410436
No.43
(5pt)

奇跡は起こせる……と錯覚する。

面白い小説を読む。あー俺もこんなの書きてえなぁと思う。だから作家のインタビューなどを漁って創作の秘訣を知る。なるほど!理解して(した気になって)、ほなやってみっか!と思い立つ。PCの前。あれ、指が動かない。頭ではわかっているのに、何から始めていいかわからない。

こんなことを繰り返してきた人生。そこに一筋の光が差し込んだ…ような本だった。そこには高解像度の「例」があるから。ある1つの理論を、実際に再現するにはどうしたらいいのか?意外に実例を出すって難しい行為な気がするのだが、小川さんが作成した例文がどれも非常にわかりやすく、精密で、面白い。
たとえば抽象化して個別化する、くだりのベンチャーの話や、小説の初手アイデアを考えるための桃太郎の話とか。奇跡の種明かしを間近でみている時の恍惚、おそれみたいなものを感じた。

巻末短編は、その本を総括するかのような内容で、小説の推敲過程が良い。本当に読みやすくおもしろくなっていく。他者アドバイスの咀嚼と再出力はこうやるのか、と勉強になる。3回目の手直しが描かれないところも良い。何か読者にバトンが渡されるというか、次は君が、このように、小説を考えて、その過程の中で君の「視力」を使い、物語を新たな境地へ連れて行くのだと、言われてるようにも感じた。

いやー良かった。ここまで面白い作品への道のりが具体的に明示されていたら、俺だって書けるのではないか?と思えてきた。だってもう頂上までのおおよその距離と、そこまでの階段の場所は教えてもらえてるのだから。
と、なったところで、小川さんがのぼっている階段の、1段あたりのすさまじい高さに気づく。この本のさまざまなところでそれを感じることはできるが、「七十人の翻訳者たち」の発想過程を読んだりすると、彼がひょいひょいと階段をのぼっていけるのは、現実から「面白い」を認知し、それを自らの中で精査し、さまざまに組み合わせ、出力する力がチート級に高いからだとわかる。常人にはこの1段がのぼれない。だから結局、凡人である俺なんかは、彼が言ったことを見よう見まねで作品に投影しながら試行錯誤し、「彼がひょいとのぼる1段」を攻略するため、さらに細かい階段を自らの中で構築していくしかないのだ。

と、錯覚から覚めた俺は思った。
言語化するための小説思考 Amazon書評・レビュー: 言語化するための小説思考より
4065410436
No.42
(5pt)

なかなか面白い内容

読むべし
言語化するための小説思考 Amazon書評・レビュー: 言語化するための小説思考より
4065410436
No.41
(4pt)

ラジカルな本音?でしょうか⁈

小説を評価する基準は読書(他者)が面白いと感じるかどうか。自分の物差し(価値観)を読者も同じように持っているか?
自分の物差しだけを頼りに書いていれば、当然商業出版には至らない。
売れるか売れないかは読書の物差しで決まってしまう。
作者の私は「自分の価値観」物差しを捨てて読書のレベルに合わせる。
紋切り型(クリシェ)の表現ばかりで構成されたペラペラの小説Aが売れ、本物の表現で書き切った傑作Bが売れない。

先日の朝日新聞の書評には婉曲的に書いてありましたが....書き手が横綱・大関とは言わないまでも幕内力士の実力なら、読む側も十両クラスじゃないとね...って事でしょうか⁈ 遠回しな例えですが読者も“読む力を身に付けてください”という事...私はそう感じました。
言語化するための小説思考 Amazon書評・レビュー: 言語化するための小説思考より
4065410436
No.40
(5pt)

ここまで考えて執筆しているのかと圧倒される。

最近立て続けに著者の作品を読んでいるのですが、本当にものすごい才能と頭の良さを持った小説家だなと思います。本書はそんな著者が小説と向き合う際の思考を言語化した本。小説の読み方の指南書でもあり、小説を書く際の文章術でもあり、著者という人間を知るための本でもあります。ここまで考えて執筆しているのかと圧倒され、凡人には到底無理だと無力感すら覚えました。

以下、備忘録として個人的に印象に残った箇所です。
・その文章に価値があるかどうかを決めるのは「他者」
・世評が高いけど自分には合わない小説というのは、自分の小説法と著者の小説法が違っているから
・抽象化と個別化は、知らないことを書く上で、想像できそうもなかったことを想像する上で、重要な鍵
・人が世界を認知するときはさまざまな情報が一度にやってくるが、文章で表現するときは順番に描いていかなければならない
・視覚、聴覚、臭覚などの五感、頭の中で考えたことや過去の思い出など、すべて同じ次元でリニアに、一次元的に表現しなければならないのが小説
・「情報の順番」は小説という空間の立ち上げ方を規定する
・「読みやすさ」は「視点人物と読者の情報量の差を最小化する」ことによって感じられる
・名詞と助詞を区別させるために必要なのは読点ではなく漢字
・多くの読者を獲得する小説は、冒頭で行き先を明言し、作品の自己紹介を済ませていることが多い
・小説を読むというのは、一度も会ったことのない、顔も知らない相手の話を聞くという非日常的な行為
・小説家に必要とされる想像力とは、物語を創作するためのものよりも、顔の見えない読者を想定するためのもの
・しばしば読者は、作者が想定していなかった要素と自分の人生を結びつけ、文章の意味を過剰に読み取ってしまう
・小説と歴史の教科書は似ている。歴史という物語は、地球という空間で起こった無数の事象のうち、とりわけ象徴的で影響力の大きな出来事を恣意的に選び、まとめあげたもの
・小説とは伏線そのもので、むしろ回収されない伏線があってはいけないので、「伏線回収がすごい」は賛辞ではない
・読者は一人ひとり異なった欲望を持っていて、かつ同一人物でも時期や年代によって嗜好が変わったりもして、優れた小説一般の物差しなど存在しない
・芸術という営為は、ある情報を他者に渡し、受け取った他者が自分の認知として展開すること
・「読み返し」は現実世界には存在しないので、読み返しを要求する小説は会話の劣化版になってしまう
・芸術作品はその中身によって値段が決まるべき。製作コストによって自動的に定価が決定する小説は、本来の意味で芸術作品であることが許されていない
・小説というジャンルにおいてAIが人間に勝っていないのは、小説の勝利条件(面白い小説とは何か)がまだ誰にも分かっていないから
言語化するための小説思考 Amazon書評・レビュー: 言語化するための小説思考より
4065410436
No.39
(5pt)

考え方の勉強

書店に行く時間がないのでポチりました
年末年始の頭の整理になります
言語化するための小説思考 Amazon書評・レビュー: 言語化するための小説思考より
4065410436
No.38
(5pt)

自分の好きな小説の特徴が明確になる、魔法のような小説解説本

世界は多くの小説に溢れているが、自分が好きな小説、読みたくなる小説には一定の特徴がある。しかし、どのような「特徴」なのか、自分でもハッキリしなかった。小説の内容(粗筋)よりも、語られ方、文体が重要だと薄々思っていたのが、ついに本書によって明確な答えが見えてきた。

本書では「文体」を次のように定義している。
「文体」とは、小説世界を構成する様々な情報(情景描写や登場人物の行動、視点人物の思弁、会話や状況説明等)を文章化する際の「順番」である。世界は様々な要素が三次元的に展開されているが、それを文章というリニアな(一直線で一つずつ順番に言葉に置き換えるしかない)表現に落とし込んだのが小説なのだ。

「情報の順番」という視点で小説を見てみると、多くの発見がある。本書では例として「視点人物の主観的な思弁に寄り添った情報の順番で描かれている文」と「読者の客観的な視点に寄り添った情報の順番で描かれている文」が示されていた。

私の好みは、思弁に寄り添い、時系列ではない順番で情報が書かれている作品だ。村上春樹のように視点人物の記憶を基にした思弁が豊富に文章化されていく、ポールオースタやスティーブンミルハウザー等、欧米の純文学の作品である。

本書を読み終わった後、普段は手に取らない芥川賞受賞作「コンビニ人間」を買ってみた。読者の客観的な視点に寄り添った文章であり、読みやすそうだと思ったからである。

「コンビニ人間」では、冒頭近くに視点人物の子供の頃の様子が描かれるが、それを除くとほぼ時系列で場面、会話が描かれていく。視点人物の思弁も、描かれた場面に沿って端的に表現されている。コンビニという誰にとってもなじみ深い場所での物語であり、描写を少々読みとばすることもできる。

「コンビニ人間」は場面が目の前に浮かび、すぐにでも映像化できそうだと感じる反面、文章の深みにしっかりはまり、そのことによって心の中に規律や平穏さが生じ、意識が一つの川のように流れていく感覚は得られなかった。多少読み辛く、集中力が必要とされても、翻訳小説を読む習慣は続きそうである。
言語化するための小説思考 Amazon書評・レビュー: 言語化するための小説思考より
4065410436
No.37
(2pt)

よくわからない

読解力がある人が読んだら面白いのではないでしょうか。私にはないようで、()ばかりを使った文章がわかりづらく、読みづらく、なんでこの本を買ったのかも分からなくなってしまいました。
言語化するための小説思考 Amazon書評・レビュー: 言語化するための小説思考より
4065410436
No.36
(5pt)

ビジネスマンも必読。

めちゃくちゃ面白い。

今年、間違いなく一番面白かった本はこれ。

『君のクイズ』や『地図と拳』を書いている小川哲さんが、小説家としてどんな思考で小説を作っているのかを書いた本。
本当に「小説思考」の本ではあるが、その思考の跡は、普段の生活や「頭が良くなりたい」とか「仕事にも活かしたい」と思っている部分にも、十分学びのある内容だった。

各章おもしろい内容でスラスラ読めるが、
主に「何を書くか(戦略)」と「どう書くか(戦術)」についての話だったと思う。
そして、どちらが重要かという話ではなく、どちらも重要で、いかに無駄を削ぎ、伝わりやすくするか、そして読者に自分ごととして捉えてもらうかが大事だと説く。
だから、普段の何気ない出来事から常にテーマを見つけ、なぜそう感じたのかを徹底的に深掘りし、さらに抽象化し、また自分ごととして捉えてもらえるように、馴染むストーリーへと落とし込む。

わかりやすさと蛇足は紙一重で、
デスゲームの主催者のように偉そうに読者を置いてけぼりにしてはいけないし、説明が冗長でめんどくさくさせてもいけない。
このバランスが非常に大事。

個人的に一番よかったのは、
巻末の小説。
ここまで解いてきた内容が見事に小説に落とし込まれている。
小説家と編集者の問答を経て、より高い次元の思考に達するという話が秀逸だった。

とくに、小説の中で、その小説家が書いた小説を読むのだが、読み進める自分の感想として、感動する部分と、話が突飛でシラけてしまう部分があり、
「そんなものかな……」などと思いながらページを捲ると、編集者がまさにその通りの指摘をしており、さらにそれに対する小説家の思考や態度の変化が描かれる。
ここまで読者(俺)をスムーズに最後まで連れていってくれることに感動し、なぜか泣いてしまった。

これが読者へのおもてなしなのかな、と思った。

姿勢の話で言うと、
日々の出来事を常に深掘りし、小説(あるいはクレバーな小話)に転用できないかな、と考え続ける姿勢は意識していきたいと思った。
言語化するための小説思考 Amazon書評・レビュー: 言語化するための小説思考より
4065410436
No.35
(4pt)

行間から滲み出る皮肉。

小川さんのエッセイっぽいの大好きなんです。皮肉さや物事を斜に捉えるところとか、言葉選びとか参考になるんですよ。とはいえ、小川作品の小説は何冊かトライしてたものの、「うーん、難解。」とことごとく挫折しており、とっつきにくい印象でした。それが本書を読むことで腑に落ちたといいますか、私の読書力、文章の行間を読む能力、基礎教養の欠落によってもたらされてるんだなと。実際に直木賞や本屋大賞作品はほぼハズレなしで読めるのだけれども、岩波赤帯や、芥川賞作品でさえも「読みにくい」と感じる私にとってはその理由が理解できました。
そんな文化的素養がない下々への辛辣なメッセージが行間に込められているなと。行間を読む能力が低い私が感じた感想です。
言語化するための小説思考 Amazon書評・レビュー: 言語化するための小説思考より
4065410436