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聖夜の嘘
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聖夜の嘘の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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アンドリュー・クラヴァンの作品は初めてであり、 ミステリー作品もここ最近ご無沙汰であったが、非常に面白く読了した。 ミステリーの謎解きはもちろんのこと、 クリスマスの情景や家族の温かさ、 主人公キャメロン・ウィンターのイケメンでちょっと謎めいたキャラクターも大いなる魅力である。 ミステリーで、しかも翻訳物だといささかハードルが高くなりがちな自分でも、 スムーズに物語に没入できた翻訳の素晴らしさもお薦めポイントの一つとして挙げておきたい。 キャメロン・ウィンター・シリーズの次作が待ち遠しいです。 | ||||
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切れ味の良い上質なミステリー。舞台は雪景色の湖畔の町、スイート・ヘブン。クリスマスの季節を迎えて素朴な街並みが電飾で彩られ、一年の中で一番活気あるこの時期に起こった殺人事件。加害者は退役軍人のヒーロー、被害者は誰からも好かれる図書館司書の女性。お互いが熱烈な恋仲であったにもかかわらず、なぜか殺人の動かぬ証拠は全て揃っている。 金髪でハンサム、頭脳明晰な英文学教授キャメロンが解明に駆り出される。彼の特技は見聞きした情報を繋ぎ合わせて、自分があたかもその場にいたかのように頭の中で再現映像化するというもの。読者はキャメロンが創り出す再現映像を辿りながら謎に迫っていく。同時にキャメロン自身が抱えている意外な鬱屈と闇の一面が独白で明らかにされ、リアルな人間像を感じさせる。キャメロンは「過去に撃たれ、刺され、外国の町の通りに瀕死の状態で放置された」と独白しているが、その謎だけはこの作品で明かされない。シリーズ二作目もぜひ読みたい。 | ||||
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原書タイトルからクリスマスが来るのか来ないのか、また和訳タイトルの何が「嘘」なのか気になりながら読み進めました。登場人物の心の葛藤も多く描かれていますが穏やかに読み進め、小気味よいシーン展開が気持ち良いです。歳を取ると涙もろくなるせいかも知れませんがウルウルでチリ紙を何枚も手にし、読了後の余韻がとても心地よい作品でした。 キャメロン・ウインター教授シリーズの第1作とのことで、次作も楽しみにしています。 | ||||
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アンドリュー・クラヴァンの作品が翻訳されるのは本当に久しぶりのことだと思います。新しい<キャメロン・ウィンター>シリーズ、第一作。 クリスマス間近。主人公、ワシントンDCで英文学の教授をしているキャメロン・ウィンターは、教え子のヴィクトリアから連絡を貰います。弁護士、ヴィクトリアが弁護する被告、トラヴィス・ブレイクが自白しているにも関わらず彼が犯人だとは思えないという内容でした。彼は陸軍基地の軍人たちが住む町、スイート・ヘブンへとやってきます。そして、ここでは三つの物語がまるで相互補完するように語られていきます。 1。元軍人のトラヴィスが小学校の司書、ジェニファーを残虐にも殺害した事件。 2。ウィンターがサイコセラピストに語る過去の不思議な物語。 3。そして、犯人・トラヴィスと被害者ジェニファーの物語を事実と想像力によって丹念に織り直していくユニークな物語。 それらが渾然一体となって、味わい深いラストへと向かいます。 世界には、クリスマスが何故必要なのか?ゴシック・ロマンとクライム・ノヴェルは融合するのか? 冒頭、L.P.ハートレイの著作からの一文が引用されています。「過去は外国だ」 ハートレイと言えばジョゼフ・ロージーが監督した映画「恋 "The Go-between"」の原作者ですね。1970年代、私が未熟な読者であるにも関わらず懸命に読んだ小説の一つでした。その作品世界のエッセンスがこの「聖夜の嘘」へも取り込まれているような気がします。スリラーであるが故に全てを遠回しに言うことしかできないことをお許しください。 これほど褒めているにも関わらず評点が⭐︎一つ分低い理由は、主人公キャメロンのキャラクター造形にあります。 知的で、元海軍特殊部隊員で、金髪でハンサムな彼には加えて「一風変わった思考の習慣」とも呼ぶべき特殊な才能が与えられています。それはあまりに完璧すぎるのではないだろうか?それらのどれひとつも持つことのない私はただひたすら嘆くことになります。よって、「過去は外国」であり、私は醜い嫉妬心を持った一人のエイリアンとしてこの聖夜の物語に没頭しながら、少し呆然としています。 ◾️「聖夜の嘘 "When Christmas Comes"」(アンドリュー・クラヴァン 早川書房) 2024/11/8。 | ||||
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