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ニワトリは一度だけ飛べる



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【この小説が収録されている参考書籍】
ニワトリは一度だけ飛べる (朝日文庫)

ニワトリは一度だけ飛べるの評価: 3.60/5点 レビュー 20件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.60pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全10件 1~10 1/1ページ
No.10:
(5pt)

一気読み!

前半の複雑な重苦しさと見えない不幸の「重松節」から、後半のスリリングな展開が楽しめて、本当に面白かった。寝る間を惜しんで一気読みしたのは久しぶりです。是非々々、ご一読下さい!
ニワトリは一度だけ飛べる (朝日文庫)Amazon書評・レビュー:ニワトリは一度だけ飛べる (朝日文庫)より
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No.9:
(5pt)

追い出し部屋に放り込まれた男に届いた、「ニワトリは一度だけ飛べる」という不可解なメール

『ニワトリは一度だけ飛べる』(重松清著、朝日文庫)は、追い出し部屋に送り込まれた社員たちに、「ニワトリは一度だけ飛べる!」とエールを送る小説です。

業務用の冷凍食品の製造から卸までを手がける三杉産業の39歳の営業二課係長・酒井裕介は、突然、イノベーション・ルームという名の追い出し部屋に放り込まれてしまいます。時を同じくして、酒井と同期の出世頭、37歳で商品開発部の部次長に抜擢された羽村史夫も、社長を巡る派閥争いに巻き込まれ、イノベーション・ルームに送り込まれてきます。

もう一人、イノベーション・ルームにやって来た男がいます。大阪支社から移ってきた入社10年目の中川政夫だが、彼は自らこの部署への異動を希望したというのです。

「イノ(ベーション)部屋の一日は、ほんとうに長かった。与えられた仕事は、会社の改革案のレポート作成――どんなに分厚いレポートを提出しても読んでもらえないことくらい、見当はつく。それでも、(定年間近の)江崎(三郎室長)の許可なしに社外に出ると、たちまち怠業の口実を会社側に与えてしまうことになる。ほとんど軟禁状態と言ってもいい。来客はない。電話も鳴らない。ファックスも来ない。ときどき思いだしたように入ってくるメールも、営業の仕事の引き継ぎにかんすることばかりで、内容を鎌田(統括営業本部長)にチェックされることを警戒してか、文面はどれも通りいっぺんで、そっけなかった」。

酒井に、「ニワトリは一度だけ飛べる」という件名のメールが届きます。「メールは社外から送信されていた。差出人のアドレスに心当たりはない。意味があるのかないのか、アルファベットと数字を適当に組み合わせただけのようにしか見えなかった。『ニワトリは一度だけ飛べる』――件名も、さっぱりわけがわからない。・・・<酒井裕介様>。メールの一行目に、はっきりと名前が記されていた。ニ行目からは、差出人の名前抜きで、すぐに本文に入る。<ほんとうか嘘かは知りません。たぶん嘘だと思います。でも、もしもほんとうだったとしたら、ちょっと素敵なお話です>。そんな一文で始まる、長いメールだった。・・・返事は出さなかった。だが、このまま削除するのもためらわれて、受信トレイに置いたままだ。<信じられるかどうかではなく、たいせつなことは、信じるかどうか、だと思います>。その一言が、妙に心に残っていた」。

「ニワトリは一度だけ飛べる」のメールを送り付けてきたのは、いったい誰なんでしょう。酒井に再び届いたメールには、<つらいときには『オズの魔法使い』を読みましょう。L・F・ボームの書いた『オズの魔法使い』には、わたしたちが生きるために必要なことがすべて書かれています。そして、わたしたちの誰もが、『オズの魔法使い』に出てくる登場人物(『人物』といっても人間はヒロインのドロシーだけですが)の誰かにあてはまります>と書かれているではありませんか。

えげつない手をいろいろ使って追い出しを仕掛けてくる鎌田一派に、酒井らは、遂に、反撃――ゲリラ戦――を開始します。

本書の冒頭に、「この物語は、平成の半ば頃、とある冷凍食品会社で起きた内部告発事件をめぐる、ささやかなゲリラ戦の記録である――。筆者はこの物語を事件の直後、二〇〇二年から翌年にかけて、いったん週刊誌連載で発表したものの、諸般の『事情』があって(小説と銘打ち、戦記というよりむしろ寓話に仕立てあげたつもりでも、やはり少なからぬ関係筋を刺激することになってしまったのだ)、単行本化は見送った。しかし、平成が終わろうとする頃になって状況が大きく変わった。事件に深く関わり、有形無形さまざまな『事情』を押しつけて単行本化を拒んできた関係筋の中で、最も強硬な姿勢だった人物が亡くなったのである」という文言が添えられています。

実話としても、小説としても読み応えのある作品であるが、私は個人的に特別な感慨を覚えました。私が長年勤めた、ある製薬企業の経営陣を巡る派閥争いに巻き込まれて失脚し、数年間、窓際族生活を余儀なくされたことを思い出したからです。
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No.8:
(4pt)

その後みんな幸せになれたか

気になります。ガンガン派手などんでん返しではないけどホッとはしました。
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No.7:
(5pt)

久しぶりにいい本にであえました。

作者がすきで読み始めましたが、読み始めはあまり面白いないのかなと思いました。
しか、段々と読み進んでいくと、意外な展開に無我夢中になり読み進んでいました。
読みながら、本のタイトルを何故そんな名称にしたのか、最後に少し理解出来たみたな気がします。
私生活でも、この本の内容を生かしていきたいと考えています。
久しぶりにいい本にであえたなと思いました。
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No.6:
(5pt)

ここで平成の事件を振り返って令和でいかす

冷凍食品会社で実際に起きた内部告発事件をもとにして書かれた本です。
平成の半ばにそのような事件があったことをすっかり忘れていましたが、このような勇気ある行動のおかげで今の食の安全が成り立っている(と思う)のだと感謝せざるを得ません。
もちろん、その一件で今でもご苦労を重ねている方々がいると思うと、正義ってなんだろうなと考えてしまいます。

リストラ部屋への移動の際、怒る者、落ち込む者、自由な時間だと喜ぶ者。仕事に対する考え方も三者三様で「働き方改革」が叫ばれる今だから参考になりそうな言葉もたくさんあり、興味深かったです。

登場人物に感情移入しながら読むのもいいし、ドラマ化された時を想像しながら読むのも楽しいと思います。
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No.5:
(5pt)

一気読みする面白さ

派閥争いや好き嫌いで理不尽に閑職に追いやられる人もいる。大企業であっても。大人の集まりの筈なのに、子供のイジメよりタチが悪い。当事者になった時 生活の為に自分を殺して会社に残るか、外に出るか。この本のリストラ部屋に送られた3人は中川を助けるために行動を起こす!意外な人が仲間に加わりもう一気読み必至です!
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No.4:
(5pt)

おもしろかったです

重松氏のユーモアからはじまる本書です。緊迫感あり、感動ありで先が気になってあっという間に読み終えてしまいました。
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No.3:
(5pt)

勇気かな?

「とんび」で感動し、本のタイトルに引き込まれ購入した。読み進めるうちに爽やかな気持ちがめばえた。
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No.2:
(5pt)

さすがです!!!

さすが、重松さん...という構成です。
 タイトルにある、"空飛ぶ鶏"..."オズ御魔法使い"を伏線にしながら、続くはずだった
日常が断たれたサラリーマンの悲哀から再生までを、それぞれのすれ違いとわかり合い
を絡めて、進めてくれます。終盤は、スリリングで大胆な展開になっていくのですが、
丁寧に淡々と進める筆の力が違和感を感じさせません。ラストのシーンは、登場人物の
動作や表情まで、はっきりと目に浮かびます。さすがです。
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No.1:
(5pt)

ラストに向かっての盛り上がりがよかった。

バブルの頃に数年はおいしい思いをしたことがあるよっていう世代には大いに共感されるというか、楽しめると思われるお話でした。
概ね40歳以上ぐらいの、バブル味わってみたかったなーという世代にも、面白いだろうと思います。
「会社が嫌いだけど仕事は好き」、「会社はお金をもらうだけのところ」など、働くことの定義を問う内容なども盛り込まれていて、考えるネタになりました。
オズの魔法使いのお話と、現代の会社という場所が、かぶってくるという展開になってきたあたりから、続きが気になって、途中でやめられず、結局一日で読破してしまいました。
ラストに向かって、あの人がこんな風に?のように、ドドドと盛り上がっていくところがとても良かったです。
最後ハッピーでもアンハッピーでもない、ちょうどいい感じで終わって、納得できたところもあるし、なんだか、自分も「日常をがんばろう~」って気分になりました。
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