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四ツ山鬼談
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四ツ山鬼談の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.44pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全14件 1~14 1/1ページ
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全てに解決がつくようなフィクションでないところが怖い。 祟りはどうしようもないのか、という問いかけのままに終わるようだ。 実際にこんな土地に住んでいたらどうしよう。 最後の話のヒロインだけが、どうしてなのか、1人で怪異に立ち向かおうという姿勢を見せていて、他の話のように怯えて逃げるだけでなかったのが、読んでいて慰められるというのか、心つよくなれる気がした。 ただ怖いだけ、逃げてかろうじて逃げ延びるだけ、という話ばかりだと辛かったかもしれない。 露悪的でも煽りでもなく、静かに穏やかに綴られる怪談。 怖かった。 | ||||
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作者はこの小説を書くにあたり怪談を集める際、怪談は少なく体験談を聞いたという事を後書きで書かれている。私は前書きを含めほぼ完全な創作だろうと思いつつ読み切ったが、この後書きでひっくり返された気になった。 歴史の影に隠れた命を落とした方々の姿が話中の黒い人影として、この話を読んでしまった者に教訓と今を生きる覚悟を迫ってくる気がした。 | ||||
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「夜行堂奇譚」は未読だが実話怪談の趣で面白かった。作者は歴史学を学んでいたそうなので、地元の考証もしっかりした手触り。 特別ショッキングな描写こそないものの、いくら拭いても煤ける桐箪笥や幼児が目撃した「でんちゃ」の正体など、しみじみした怖さが感じられた。一話目の左官の話は艶めかしさと恐ろしさが同居していて好み。鬼の角の謎解きもミステリー仕立てで楽しめた。 一点難を述べるなら誤字の多さ。祖母が「有ちゃん」と呼び掛けていた青年の名前が「夕一」表記だったり、両親・姉・弟の四人家族の就寝を「川の字で寝る」とたとえたり。 いや、四人で川の字って……? 言いたいことはわかるが所々比喩がチグハグで、些細な違和感を感じる。 作者の地元の怪談を集めた性質上、地名や一部登場人物がリンクしているのが面白い。姉と反りが合わない男は賢治の将来図? 防空壕の話で姉と不仲と書かれたが伏線が回収されず疑問だったが、後の話で同一人物と仄めかすためだったのか。仮名を使っているので想像が働く。 最後の話は主人公と母親の相性の悪さが強調されたものの、然程本筋に絡んでこなくて拍子抜け。実は叔母が産んだ娘とかってオチじゃないのか。 しかしこれは言いがかりや難癖かもしれない、実話怪談の方向性で行くなら伏線を全部回収する義務もないわけだし消化不良を残してなんぼか。 ところでこの話は、小野不由美の「残穢」と絡んで来るのだろうか?アレに出てきた怪異と根を同じくするように思えてならないのだが、だとしたらどんだけ凶悪な怨霊だよ。祟り拡散しすぎだろ。 | ||||
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ホラー系が苦手な人にはオススメしない。 日本の伝統的な怪談をベースにしつつ、現代的な視点で再解釈されたストーリーが展開される。 著者の筆致は、静かな恐怖をじわじわと描き出す点が秀逸。 彼の描写は非常に緻密で、風景や人物の心理描写が巧みに織り込まれており、読者はあたかもその場にいるかのような臨場感を味わうことができる。 また、日本の伝統文化や風習を背景にした物語は、読者にとって新鮮でありながらも懐かしさを感じさせる。 「四ツ山鬼談」は、ホラーファンのみならず、日本文化に興味がある読者にもおすすめの一冊。 著者の緻密な描写と独自のストーリーテリングにより、恐怖と謎に満ちた独特の世界観が広がる本作は、読後もその余韻が長く心に残る。 | ||||
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ろくすっぽ知識のない私でもありありと情景を想像でき何か薄寒くしかし、恐怖のみでは片付けられない感情に一瞬で読んでしまいました。 さすがです。 | ||||
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私は昭和30年代の初めに筑豊で生まれ、炭住で育ちました。 当時私が通っていた小学校は在校児童2000名のマンモス校でしたが、閉山とともに児童数も徐々に減り、現在は校名すら残っておりません。 そんな私がこの本を目にしたのは全くの偶然で、よもや昔の炭鉱町が舞台となった怪談だとは知りもせず読み出して、いやこれは偶然などではなく私にとって必然だったのだと思い至りました。 折尾駅のホームでいつも見ていた鹿児島本線荒尾行きの列車。 当時の私は自分自身が炭住の子でありながら、荒尾という町が同じ炭鉱町であることも、三池炭鉱の悲惨な事故のことも、定かには知らない無知な子どもでした。 故郷を遠く離れ、古希近くになってこの本に巡り合い、改めて自分が生まれ育った町についてもっと詳しく知りたいという思いを強くしました。 また、地名や方言をリアルに知っているがために、作品に現実を侵食されるような底知れぬ怖さ、同時に泣きたくなるような懐かしさを覚え、どうにもこうにもたまらず、こうやって初めてレビューなるものを書いています。 文章の巧さは超一流です。巧い文章って平易な言葉で綴られているものですね。この方の作品をもっと読んでみたいです。 | ||||
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派手なホラーのようなクライマックス感がないです。 なので、人によっては物足りなさを感じるかも。 だから何?結局なに?どういうこと?といったような。 ただ、じんわりと伝わってくる恐怖?不安感?や 嫌な気持ちになるまでの進め方、語り口調が好きです。 | ||||
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こわ不可解なことも、おきるものなのた。そうはか | ||||
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一話一話が独立して味わえるお話ですが、繋がりも漂ってくる。まるで眼前で怪異を体感しているように室内の気温や匂いが変化していくようで、情景に身を置いているような不思議さです。文章を読んでいるのか空間に引き込まれているのか曖昧にできる…文才とはこういうことかしら、と思いました。 怖いだけ、ではない。怪異を体感できる。 唯一無二のまさに鬼談です。 | ||||
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正統派な怪談でとてもいい。 ホラーを読んで怖いという感覚を覚えることはないけれど、そんな自分でも一瞬だけ背筋を走るぞくっとした冷たい感覚がとてもいい。 本当に正統派の「怖い話」だった。 「鬼」の話というけれど、これは「鬼〈オニ〉」ではなく「鬼〈キ〉」の話であり、巡り巡って人という「鬼〈オニ〉」かもしれない話。 | ||||
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かつての栄華に忌避され隠されていた者たちが掘り起こされ、今もなおそこにある恐怖。 母の実家が大牟田市にあり、毎年夏は大牟田で過ごしていた。三池炭鉱の話は耳にしていたが、陰惨な過去があったことを知ったのは大人になってからだった。 物語の舞台となっている街を少しは知っていたので、登場人物たちの恐怖が地続きに感じられ、これ以上読むと「繋がってしまう」と何度も本を閉じてしまう。 経験していないはずのノスタルジーや、空気感まで体感できる秀逸な筆致に楽しませてもらいました。 著者の別の著作も読みたいと思いました。 | ||||
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発売日から2週間かけて、少しずつ読みました。 私の知らない土地に纏わる、その場所のお話。 生死は表裏で存在してると思いがちだけど、互いに侵食しあっての存在なのかも知れません。 嗣人さんが書かれる物語には、共通してそんな感じを受けます。 次は地図を片手に再読したい。 | ||||
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夜行堂奇譚でファンになった者です。 読みやすくテンポのいい文章で、じわじわとくる恐ろしさが綴られているこの感じ、まさに嗣人さんの文章だ…!今作も、とても好みの雰囲気で面白かったです。 今、新刊をとても楽しみにしている作家さんの1人です! | ||||
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実在の土地にまつわっている事、どの話も導入が良く結末の切り方も良い事、幼稚でグロテスクな幽霊や怪物が出てこない事。この著者の本を初めて読みましたが、とても面白かったです。おすすめします。 | ||||
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