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未明の砦
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未明の砦の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.42pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全31件 1~20 1/2ページ
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作家 太田愛の力なき者、声を出せぬ者への熱い想いと冷たい、無を強要する社会の現実の対比の描き方が非常に秀逸でした。 どこにでもいそうな若者が生きるという事を真剣に考える始まりから、社会を変えるためにできる事をやり尽くそうとする姿に涙なくしては読めない作品です。 読んでいると自身を責められているような生々しい社会の描き方が、物語の緊張感と自分の人生への投影を何倍にも増幅してくれています。 傑作でした、必読の一冊です。 | ||||
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過労死や派遣労働を扱ったミステリ小説は既に幾つかありました。しかし、巧みな(設定に一部やや無理なところも感じましたが)構成と運びで、労働問題をめぐる歴史や構造、そして終局的に問わなければならない打開の在り方まで読ませてしまうものは無かったように思います。「愚直」というと失礼になるかもしれませんが、そうした強い意志を感じさせる貴重な作品であり、より多くの方に読まれることを願っています。 | ||||
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総合的にはとても面白かったです。 最後の証拠を手に入れた辺りは、そんな偶然があるのかと思いましたが、良かったです。 途中の図書室での労働の説明は、長くてキツかった。でも読み飛ばしたくないので頑張りました。それがあるので、何とか辻褄が合うと思います。 でもやっぱり、面白さとしては、犯罪者、幻の夏、天井の葦、には及ばないかな。 | ||||
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何冊目かの太田愛。 相変わらずの社会派ミステリー。 唯一の難点は、600ページというボリュームだが、 内容は大著に見合い、飽きさせない。 今回は労働問題、特に非正規雇用をテーマにしつつ、共謀罪を絡ませる筋立て。 ある夏、非正規雇用の工場労働者の青年4人組が 喜びを味わい、学び、立ち上がる。 小説の読後感は良いのだが、日本社会の現実に暗澹たる思いにもなる。 先日の鹿児島県警の内部告発に絡む「闇」も含め、 この小説は現実を描いているのだとも感じる。 「いい労働者ってのは、ただ一生懸命働くだけじゃないんだ。 隣に困っている労働者がいたら、その労働者のために闘う。 つまり自分たちのために闘うのが、いい労働者なんだ」(602頁) は名言。 新聞の連載が初出とのことだが、夏休みの一冊に最適かも。 | ||||
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傑作。 そして「必要作」・・・誰に?・・・今の日本の住民に。 県立図書館には購入されていなくて、幾つもある市立図書館には1冊しか用意されていなくて、 2か月以上待ってから借りた。 私の後にも「借りる予約申し込み」している人が数名。 公立図書館が購入を渋るのは「自主規制」のような「圧力」が? と疑ってしまうのは、この書の影響か。 | ||||
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愛の作品は全て 目を通している この作品も例に漏れず読み応えのある内容だった ドラマ相棒の客を動かして有名な著者 相棒での社会的なイシューを扱っている回の脚本は著者であることが多い 自分の権利を意識することなく 盲目的に会社に尽くしている社畜は一度この本を読んで目を覚ました方が良い | ||||
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4人の若き非正規工員が声をあげた。 それは”生きやすい世界”を求めて、新しくユニオンを。 人の命が軽んじられる世の中で、”俺たちは人間だ”と叫ぶ。 会社に従順な労組の実態。 あらゆる手段を使い阻止・妨害行為が。 私利私欲に走る社会の構図を探っていく。 ”怒りは希望である”と。 | ||||
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作者名を見て迷わず購入。期待にたがわずとても面白く、夢中になって一気読み。 主人公たちのことは本当に応援したくなり、うまく行きますようにと願いながら読んだ。 とにかく小説としてとても面白かったので大満足です。 多少説明がくどいところもあるけれど、説明しないわけにもいかないだろうし、やむを得ない。そのあたりは読者の判断で斜め読みすれば良い。作者が誘導したい方向に誘導されるかも読者が自分で決めれば良い。 ただ、作者がメッセージを届けたいであろう若い世代の非正規雇用の人たちの中ではこんな長編小説を読む人は、というかそもそも小説にお金を払う人は少数派だろうな。 | ||||
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時宜を得た著作だ | ||||
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経営者、社員・労働者、顧客 3方良しを実現できる経営者が理想だ。 会社は適切な利益を上げ、社員は働くことに生きがいを感じ、顧客はその会社の製品(サービス)に満足する そういう会社こそ繁栄して欲しい | ||||
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読んでよかった!この一言。労働とは、経営とは、労働者の権利とは、、色々考えた。天上の葦がすごく好きだったけど、並ぶ傑作。この国民不在の政治がまかり通る現代に、自分なら何が出来るかをすごい考えさせられた。大きなものに流され、せめても、と自分のことだけ考えて生きている自覚がある分、耳が痛い表現も沢山あった。労働者の権利獲得の各国の歴史にも触れることが出来て、追加自分でも色々調べてみようと思ったり、、この本だけにとどまらない影響力を持った一冊だと思う。 | ||||
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●権勢の座にある者たちの理不尽な策に抗う非正規労働者たち。まさにアリが巨象に挑む姿を彷彿と させます。そのまま踏み潰されるか、それとも一矢を報いることが出来るのか?最後まで緊張感が持 続しました。若者よ声をあげろ!抗え!権利は自分で勝ち取れ・・・と背中を押されている(大阪の 言葉ではどやされる)思いです。 ところどころ社会・経済学入門書を読まされているようで、かなりしんどかった。最近ではドラマなどを 2倍速で観ている人が増えているそう。そんな中で流石に600ページは長かった。 | ||||
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力作!!今の日本で多くの人に読んでいただきたい本。社会派の真摯なメッセージがありしかも面白い。 ここ数年読んだ小説の中では一番印象に残った。(蛇足:連合の会長も読んでほしいもんだ。) | ||||
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レビュータイトルの通り、まず出て来る四人の主要キャラクターが非常に魅力的です。 全員の共通点は非正規雇用という部分のみで、それ以外は生い立ちも性格もてんでバラバラ、そんな四人があるひと夏の出来事をキッカケに自分たちの置かれている"非正規雇用"のあまりにも弱い立場に疑問を抱き始め、そして現状を変えようと動き出す物語です。太田愛先生お得意の警察や政治家の思惑、大企業からの献金問題等が絡まり非常にエンターテイメント性と緊張感溢れる展開となっており夢中でページを捲ってしまいます。 そして本書に多く記されている通り、日本は"人権(Human rights)"という言葉を使いながらその本質や理解していない企業や人間が非常に多い国ですが、またそれを当たり前として甘んじて受け入れてしまっている人間が多く、そのあたりが痛烈に批判されています。しかしそれと同時にその話題を入れたいがために十数ページにも渡りほぼ参考書籍詳細の説明に割かれている章、説明臭くなりすぎている台詞が多いと感じたのも事実です。まあ正直このあたりは他作品のようにさり気なく説明を導入すること自体が難しい問題なので、先生もそのあたりを割り切るしかなかったのかなと思います。それだけ、日本の穴だらけな法律や企業体質を読者に記憶してほしいという思惑もあったのかもしれません。 以下、偉そうに星を一つ減らした理由を記載することをお許しください。 一つはこの時代において無視できないSNSの存在感が作中であまりにも小さかったこと。SNSで、更に匿名で上げる声がいかに小さく消極的方法なのかは作中でも触れられておりますし私も同意するところですが、それでも昨今の状況を見るにその影響力は無視できないものではないでしょうか。 そしてもう一つは、こういった日本の酷い企業体質の問題に触れる際に必ず欧州の"素晴らしい"労働条件が引き合いに出されますが、その裏で使いつぶされている移民達の問題はまるで欧州に移民が存在しないかの如く一切触れられていなかったことです。 欧州を手本とすべき部分は本当に沢山あるのが実情ですが、それでもまるで全てが正しいかのように印象付ける引用ばかりが目立つ書き方はいかがなものかと思う面がありました。 しかし上記の星を減らした点を考慮しても、物語として大変面白い小説だったと思います。流石の太田愛先生でした。 | ||||
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時系列を錯綜させたプロット、起こりえなさそうだけど何故かリアリティを感じる展開等、「幻夏」にも通じるものがあって、この作家のいいところが全面に出ている感じ。選んだテーマも出色なんだけど、なかなかタイムリーでもある。 参考文献がたくさん記載されているように、かなり勉強されて記載されたんでしょうね。ちょっと制度や法律の解説っぽくなっていて冗長に感じるところがあります。 それと、描写に凝っているのには工夫を感じつつも、ちょっとしつこくて読んでいてノッキングすることがある。 | ||||
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新聞の書評を読んで、初めての作家だったけれどふと読んで見ようかと。結果四晩で一気に読み抜いた。久しぶりだった。主人公の3人はスーパーマンでもなくヒーローでもない自動車工場で希望もなく働いている派遣、季節工員だけれどあるきっかけで自分たちの置かれた立場を知りたった3人の労働組合を作り闘い始める。彼らを支える決して多くはない人、そして表立っては支持を表明できない人彼等の要求に自分達自身の希望を自覚する人たち。厳しい現実の中に希望を育てる。そんな読み応えのある小説を久しぶりで読んだと思います。 | ||||
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目的達成のためのよく考えられた計画を推進していく若者の姿にのめり込みました。読むに従って各仲間の人生模様が浮き彫りにされていくのを感じ、太田愛らしい作品だと思いました。 | ||||
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国会で共謀罪が成立した際のことを思い出し、興味深く読ませていただきました。内容的には重かったですが、改めて共謀罪の適用について考えさせられました。 | ||||
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大手自動車メーカーの若い非正規工員の四人が警察の公安部に監視されているところから物語が始まっていくが、序盤からおもしろくて一気に読んだ。 なぜ4人が警察に監視される事態になったのかは中盤以降まで分からず、それでも不当な労働に苦しむ様子や、職場の仲間が見殺しにされる状況を放っておけず、様々な行動を起こしていく。 警視庁警備局、公安部、所轄の刑事に加え、大手自動車メーカーの幹部、政治家、労働組合の相談員など多くの登場人物を巻き込んでいく展開はとても楽しめた。 労働法がどう遷移していったのか、なぜ派遣社員や期間工は契約期間が短いのかなどを学び知識をつけた4人が、言い合いや仲たがいしながらも、労働者の要求を実現するため、自ら考え、行動し、教えを請いながら立ち向かっていく姿に胸を打たれた。 はるかぜユニオンの岸本さんの言葉が印象に残っている。 「私たちは事の善し悪しよりも、波風を立てず和を守ることが大切だとしつけられてきた。今ある状況をまずは受け入れる。それが不当な状況であっても、とにかく我慢して辛抱して頑張ることが大事だと教えられてきました。同時に、抵抗しても何ひとつ変わりはしないと叩き込まれてきた。 しかし、おかしいことにおかしいと声をあげるのは、間違ったことでも恥ずかしいことでもない。声をあげることで私たちを不当に扱う側を押し返すこともできる。少なくとも、もうこうは言わせない。『誰も何も言わないのだから、今のままで何の問題もないんだ』とは。声をあげる人が増えれば、こうも言えなくなる。『みんなが黙って我慢しているのだからあなたも我慢しろ』とは。 力のある人とその近くにいる人だけがより豊かになるのではなく、大勢の普通の人たちが生きやすい世界へ変えていくためには、力を持たない私たちが声をあげるところから始めるほかない。 | ||||
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素晴らしい作品だった。扱っているテーマは重く、ともすればアンタッチャブルな、まさに今世間を賑わせている「J」ともリンクするような、大きくなりすぎて権力を持ちすぎた会社と戦うことになった小さな小さな男たちの話。 今の日本の本当に憂うべき側面を、当然小説という特性上かなりビビッドに描いてはいるが、そんなに大げさには感じない。 本当に若い労働者の方にも読んでもらいたいし、日本人はこのままどこにも影響を与えない小さな愚痴をこぼしながら日常を消費していくと、本当に大変な世の中になるだろうという、近い未来への絶望を示唆しているのと同時に、我々がこの作品の若者たちのほんの何分の一でも勇気を持って立ち上がることができれば、まだ間に合うかもしれないというわずかな希望を感じることができる熱い作品だった。 | ||||
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