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空軍輸送部隊の殺人



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【この小説が収録されている参考書籍】
空軍輸送部隊の殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

空軍輸送部隊の殺人の評価: 3.75/5点 レビュー 4件。 -ランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.75pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(2pt)

ATAの女性飛行士は活躍しません

WW2下のイギリス(に限らないが)では多数の女性が戦争に従事していた。イギリス王室に興味ある人なら、軍服を着てトラックの整備をするエリザベス2世の写真を見たことがあるだろう。あれはエリザベス・ウインザーという名で補助地方義勇軍(ATS)の准大尉だったころのものだ。本書はそのATSではなく、ATAの女性隊員を主軸としたミステリ小説である。
ATA(航空輸送補助部隊。本書では何故か補助航空部隊と訳されており、輸送のTransportが入っていない)の女性隊員が殺害され、やはりATAのパイロットである主人公リジーが解決していくというストーリーだ。
と書くと、女性隊員たちが一致団結して殺人犯と対決するみたいな内容を期待してしまうが、実はそうでもない。主人公のリジーは女性だが相棒となるケンバー警部補は男性で、捜査に携わるのも男性ばかりである。冒頭ではATAの女性飛行士たちがいかにも意味ありげに紹介されるが、まるで活躍せずに殺害されるだけ。女性だけの休憩室が作られたり、女性飛行士による自動車競争のような面白そうな話もさらりと流されて終わりと、非常にもったいなかった。肝心の事件解決法も(詳しくは書かないが)大変拍子抜けである。いかにも女性飛行士の話のような売り方をして、ケンバー警部補の方が文章量が多いのは不誠実であろう。
なんというか、舞台がWW2なだけで凡百の女性主人公の小説となんら変わることがなかった。女性がきちんと活躍する日本のオタク向けアニメの方がマシというのは残念だった。

余談だが大戦中のATAは面白い組織で、操縦さえできれば片手だろうと片足だろうと片目だろうと受け入れており、当然女性パイロットの数も多く、その割合は全体の10パーセント越えで160人以上もいた。こういう魅力的なところをもっと取り入れれば良かったのに。
空軍輸送部隊の殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:空軍輸送部隊の殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4151854517

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