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小説の小説の評価: 4.00/5点 レビュー 6件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全6件 1~6 1/1ページ
No.6:
(5pt)

似鳥鶏の実験小説、恐るべし

短篇集『小説の小説』(似鳥鶏著、KADOKAWA)に収められている『無小説』には、茫然自失!!!!!!!

なぜならば、この小説は、「親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている」と、どこかで読んだような文章で始まるや否や、「わからなくなったからここで筆を置く。勝手なものである」と終わるまで、次から次へと怒濤の如く、夏目漱石の『坊っちゃん』、『草枕』、『夢十夜』、『こころ』、梶井基次郎の『檸檬』、『冬の日』、太宰治の『清貧譚』、『乞食学生』、『走れメロス』、『帰去来』、『禁酒の心』、『東京八景』、『女生徒』、『人間失格』、『グッド・バイ』、芥川龍之介の『羅生門』、『偸盗』、『首が落ちた話』、『売文問答』、堀辰雄の『大和路・信濃路』、『心の仕事を』、エドガー・アラン・ポーの『しめしあわせ』、『黒猫』、『モルグ街の殺人事件』、『アッシャー家の崩壊』、中里介山の『大菩薩峠』、坂口安吾の『復員殺人事件』、『不連続殺人事件』、『余はベンメイす』、『茶番に寄せて』、『作者の言分』、原民喜の『溺死・火事・スプーン』、大下宇陀児の『金魚は死んでいた』、宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』、『オツベルと象』、ヴィクトル・ユゴーの『レ・ミゼラブル』、江戸川乱歩の『心理試験』、『夢遊病者の死』、『二銭銅貨』、『孤島の鬼』、『鏡地獄』、『サーカスの怪人』、『鉄塔の怪人』、『夜光人間』、『青銅の魔人』、山本周五郎の『ひとごろし』、『泥棒と若殿』、小栗虫太郎の『黒死館殺人事件』、『地虫』、ロマン・ロランの『ジャン・クリストフ』、中島敦の『山月記』、牧野信一の『悪筆』、豊島与志雄の『死ね!』、小熊秀雄の『殴る』、夢野久作の『どろぼう猫』、下村千秋の『あたまでっかち』、グリム兄弟の『うまい商売』、山本宣治の『猿の演説』、モーリス・ルヴェルの『無駄骨』、三遊亭園朝の『吝嗇家』、森鴎外の『妄想』、小川未明の『作家としての問題』、岸田國士の『空地利用』、『もうひと息』、竹内浩三の『よく生きてきたと思う』、萩原朔太郎の『感謝』――からの引用だけで成り立っているからです。似鳥鶏本人の文章は一文字もありません。

似鳥鶏の実験小説、恐るべし。
小説の小説Amazon書評・レビュー:小説の小説より
4041117356
No.5:
(1pt)

何がなんだか。。。

これは迂闊だった。
この著者の作品は「レジまでの推理」を読んだことがあってまぁまぁおもしろかったなという印象があったのだけど、、、
実験的な作品とでも言えばいいんですかね。
買わなきゃ良かった。途中で読むの諦めた。
小説の小説Amazon書評・レビュー:小説の小説より
4041117356
No.4:
(5pt)

素晴らしい!

とても満足しています。
ありがとうございました。
小説の小説Amazon書評・レビュー:小説の小説より
4041117356
No.3:
(4pt)

新鮮かつ刺激的な読み心地を満喫しました。「帯」の仕掛けも楽しいっすね!

なんや、あれこれ刺激的かつスリリングで、面白かったです。単行本の「帯」(こういう「帯」は、初めて見た)を開いた裏側に印刷された二つの短篇からして、規格外の試みて感じで、わくわくしました。

本体の単行本には、四つの短篇が収録されています。それぞれ、簡単なコメントを書いてみます。

「立体的な藪」──ミステリー小説の殺人事件の真相が、どんどん、藪の中に入っていきます。真相だと思っていた文章が、ぱたんぱたんとひっくり返されていきます。で、ルビのところの仕掛けは、老眼進行中のおっさんには、かなりキツかったです。でもこれ、文庫化されたらどうなるんだろう。いや、そもそも、本書の文庫化とか無理じゃないか。

「文化が違う」──本短篇集で、一番楽しめた作品。本文中、二箇所で思い切り噴いてしまった。《小柄で可憐な白衣の少女》の名前が、《マッスル●●ラ=■ン■ナゲル》だと知った時と、主人公の〈俺〉が繰り出す技の名前に《オッパイ》とルビが振られているのを見た時。他にもあれこれ、名前から来るイメージとのギャップ、キテレツ感が物凄く、「作者、ネーミングで絶対遊んでるよな」て思いました。

「無小説」──全文、他の小説の文章から取ってきて、切り貼りした作品。〈ここの文章は、どの小説から持ってきたか〉って※印の欄外註が、なかなか凄いことになってます。
ごめんなさい。この短篇は読む気になれず、スルーしましたこと、お断りしておきます。

「日本最後の小説」──この作品も、登場人物、いや、登場鳥人? の名前が凝ってますね。それはさておき、ここから二つ三つ隣にあるかもしれない異世界の日本で、表現の自由がどんどんなくなってゆき、世の中がヤバイことになってゆく様子には、薄ら寒いものを覚えました。全く荒唐無稽なこととも思えず、なんだか思い当たるふしもあり、ゾクゾクッとなった作品です。
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4041117356
No.2:
(5pt)

メタフィクションを最大限楽しめる作品

売り文句通り、立派なメタフィクション小説であり、文章表現の決まり事を逆手にとった無茶苦茶(良い意味で)な部分は思わずニヤニヤしてしまい、楽しめた。
個人的に、第3話の「無小説」という「全ての文章を青空文庫からの引用のみで構成された小説」が、話の筋はきちんと通っており、著者の努力に思わず感動。
各話のストーリー自体はやや薄味だが、そのおかげ(?)でメタフィクション表現を楽しむこと注力できた。その著者の技術と心遣いがありがたい。
小説の小説Amazon書評・レビュー:小説の小説より
4041117356
No.1:
(4pt)

いずれもオチにキレがないが第4話に敬服

第1話。ミステリーとしてはダミー推理を4回否定したあげくに、この終わり方ではちょっとずっこけてしまう。ミステリーじゃないんだ、ということなんだろうが。
第2話。特に長いだけに、それでオシマイ?感を禁じ得なかったが、異世界ものへのからかいと思って読めばまた違う味わいなのかも。
第3話。大労作。終盤の怒涛のツイストは感心したが、全体として面白いかというと疑問。
第4話。どちらかというとライトな作風で知られる氏が、こういうものを書く勇気には最大限の敬意を表したい。作中でも明記されているが、レッテル貼りされるリスクを顧みずなのだ。しかも全体にギャグタッチであり、それが悲壮感を高めている。首相が、名前こそ自分に似せているが、それ以外はあからさまにあの人(声が大きい、というのは違うかな)なのも凄い。刊行と入れ違いで過去の人になってしまいましたが。ただ、やはりラストが弱い。日本の「日」の字を作字している意図はよくわからなかった。
小説の小説Amazon書評・レビュー:小説の小説より
4041117356

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