■スポンサードリンク


東京の子



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
東京の子 (角川文庫)

東京の子の評価: 3.65/5点 レビュー 17件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.65pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全17件 1~17 1/1ページ
No.17:
(3pt)

藤井太洋の驚きの世界はない

ジーン・マッパー、オービタル・クラウド、アンダーグラウンド・マーケット、...これまで藤井太洋が描いてみせた驚きの世界は、この作品にはない。エンターテイメントSF小説家藤井大洋ではなく、現代に対する警鐘家、啓蒙家として創作したのか?藤井太洋でなければ描けないという世界を期待すると満たされないまま読了する事になる。★★★はこの観点での評価です。
東京の子 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:東京の子 (角川文庫)より
4041118751
No.16:
(5pt)

映画化されないかな。

人物や街などの躍動感のある描写、建物などの静寂と冷たさを感じる表現など、映像で見たらきっと面白いに違いない。現代社会における問題をSFに載せているように感じる。
東京の子 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:東京の子 (角川文庫)より
4041118751
No.15:
(4pt)

社会への絶望と希望が緻密に描かれている

「新たなタイプの大学で人身売買」というキャッチフレーズに、どのような話が展開されるのかと読んでみた。

近未来の東京を舞台にマンモス大学・東京デュアルが開校され、大学での学びと実社会での仕事が融合された社会がリアルに構築され描かれていく。

社会で必要とされることと大学生の学生生活に乖離が存在するように思われる現代日本の弱点を克服し、サポート企業からの支援で奨学金も得られるという点が、うまく成立しているのかと思いきや、職業選択の自由を奪う「人身売買」だと糾弾される。社会全体が変化し、人権意識が変化すれば、「人身売買」の定義も変化するのだろう。振り返って考えると、東京デュアルの話と現実の社会が同じように思えてくる。

ダークファンタジーとも言える作品世界は、ナッツ・ゼロという動画で過去に示されたこともあるパルクールのアクション(身体性)や様々な背景や思惑で蠢いている人々のテンポの良い会話(精神性)で展開されていく。アニメか実写で描かれた映画でこの作品を楽しんでみたいが、一部の登場人物にもう少し深みが欲しいところもあった。
東京の子 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:東京の子 (角川文庫)より
4041118751
No.14:
(3pt)

自分たちの足でこれからを駆け抜けていく様

パルクールを織り交ぜた物語。
織り交ぜ方がやや強引だった気がする。人身売買の話からいきなりパルクール教えてください!って言ったり。

良かった点
東京2020後の不安な未来を、若者が自分達の足で駆け抜けていく姿が印象で、それがパルクールに重なっている気がした。
三橋は最初硬派なイメージがあったが、物語を進むにつれちょっとドジな人に見えてきた。
ストレージ戦略科は笑った。

イマイチな点
ファムの意図がよくわからなかった。
終盤の勝鬨橋でのランがイメージしづらい(アーチ橋の高い所から飛んだり回ったりする姿とか)。
東京の子 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:東京の子 (角川文庫)より
4041118751
No.13:
(5pt)

近い将来このような世の中になる。

一気読みしました。こんなに引き込まれる小説は久しぶりです。ほんと面白いので騙されたと思って皆さん読んでみてください。
東京の子 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:東京の子 (角川文庫)より
4041118751
No.12:
(5pt)

面白い

新しい視点で、本の世界に没入して一気に読んでしまいました。
藤井さん、面白いなー。
東京の子 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:東京の子 (角川文庫)より
4041118751
No.11:
(1pt)

金稼ぎのためだけの駄文

この手の駄文を小説といっていいのか疑問におもう。
面白さが理解できない。だらだらと現実で使われている言葉を並べているだけ。
こんなのでリアリティや文学的面白さを感じるとされるコアな読者の気がしれない。

理由は以下の通り:
現実に流通している単語を連ねただけ。
登場人物全部が監督の脚本を棒読みしている。
幼稚で知識不足の権力への抵抗の精神がみられる。

こういった本をありがたがるユーザは減っていくだろうからこういった本もなくなっていくだろう。
東京の子 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:東京の子 (角川文庫)より
4041118751
No.10:
(4pt)

パルクール的な生き方

読書会の課題本として、東京オリンピック近いのでこれにしようと決めた本。
パルクールを題材にしている本って初めてだけど、実は今の20代ってパルクール的な生き方を強いられているような気がした。
何言ってるのかって感じだけど、つまり「いまある現状を受け入れつつ最大限の速度で駆け抜ける判断力」っていうのが、求められているってことかな。
まあ、良くも悪くも、衰退する日本って舞台の中でどうやって「上手くやるか」というのは、凄くパルクール的だなと思う。あんまりパルクール知らないんだけども。
しかしまあ、謎解きって感じがあんまりしなくて物語的にはイマイチ感だけど、学生のデモのとことかリアリティあって良かった。
東京の子 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:東京の子 (角川文庫)より
4041118751
No.9:
(2pt)

(2019年―第98冊)近未来労働争議小説

オリンピック・パラリンピックが終った3年後の2023年の東京が舞台。23歳の舟津怜は小学生時代に天才パルクール少年として名を馳せたユーチューバーだった。だが今は親から逃れるために他人の戸籍を買って仮部諌牟と名乗り、増え続ける外国人労働者が勤務先の飲食店にやってこなくなると彼らを見つけて連れ戻す「何でも屋」的な仕事で糊口をしのいでいる。
 ある日、ベトナム人留学生ファム・チ・リンを探すように依頼を受け、彼女が通う東京人材開発大学校(東京デュアル)へと向かう。この大学校はスポンサー企業と提携して運営される特異な教育施設だった…。

---------------------------
 2023年の東京では、交通機関が深夜も未明も運行されるようになっていて、「ユーチューバー」は死語となっていて「プロパフォーマー」という言葉にとってかわられています。
 そんな世界の東京デュアルは奨学金制度が充実していて、しかも提携企業に就職すれば奨学金が減免されるのですから、実にうらやましくなるような教育機関だ――と思いたくなるところですが、実はさにあらず。現実世界の日本の「奨学金」が英語のscholarshipではなくstudent loan、つまり「学生による借金」に過ぎないという、多くの日本人が勘違いさせられている言葉のトリックの実情が、この小説では白日の下に晒されていくのです。そして借金を理由に就職先の選択を制限するからくりは「人身売買」に過ぎないと学生たちはシュプレヒコールを上げながらデモ行進へと突き進みます。ごく目と鼻の先に控えた近未来を舞台に、労働争議問題を掬いあげる、独特の世界観をもった長編小説です。

 その小説的発想は興味深いものですが、後半で展開される学生と東京デュアル経営者との労働交渉の進展ぶりや、学生デモの収束への道筋は、少々強引すぎると言わざるを得ません。サラリーマン生活を30年以上も続けてきて労働争議とはもっと地道で地味で時間のかかるものだと身をもって知る私には、この小説の展開はあまりにも短兵急な話で、荒唐無稽に感じられるのです。

 他人の名義で生きてきた主人公が事の顛末の末に、本来の自己を取り戻そうとする点は見るべきものがあると感じましたが、全体的には納得がいかない点の多い物語でした。

------------------------

*7頁:「一週間に送っている迷惑メールは週に二十億通に達するはずだ」とありますが、「一週間に送っている」のですから「週に」と言うと屋上屋になります。

*175頁:「ファームは頭をテーブルにつけた」とありますが、「ファム」の名前が「ファーム」と誤記されています。

.
東京の子 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:東京の子 (角川文庫)より
4041118751
No.8:
(2pt)

著者こそ東京の「子供」

2023年の東京が舞台、近未来小説である。背景には、移民問題、特区における労基法問題等々、現代の様々な問題が出てきているが、その1番のテーマは奨学金問題かもしれない。ヒロインは言う。『借金をたてにして働かせるのは人身売買よ』。これらの設定に興味を持って紐解いた。

オリンピック有明会場跡地の巨大なポリテクセンターで、偽戸籍の子仮部は、行方不明になったベトナム女性を探し始める。

最後まで読んで、作中でいろいろ匂わせている「ホントらしさ」は、信頼出来ないものになった。決定的なのは、政府が三橋社長に示したある「約束」とその後の三橋の対応である。あの約束が実現するような社会ならば、デモがあんなに大きくなるような事はなかっただろう。三橋の言うことは、小説の中だけのファンタジーである。作者は承知でウソを書いたのか、それともそう言うファンタジーを信じているのか。どうも後者のような気がする。作者自身が東京の「子供」のように感じる。どこかの経営者に丸め込まれたような理屈が、最後まで大手を振るっているのだ。始末に負えない。

その他、オリンピックからたった2-3年で此処までの異世界が出来上がるとか矛盾もたくさんある。また、「首都青年ユニオン」という胡散臭い団体が出てくるが、現存していて地道に頑張ってきて「派遣切り」「ブラック企業」という言葉を社会的認知まで持ってきた立役者である「首都圏青年ユニオン」を揶揄する命名は許せない。
東京の子 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:東京の子 (角川文庫)より
4041118751
No.7:
(2pt)

キャッチは飾りでしかなく、哲学などない駄本。

登場人物が良い人ばかりだった『ハロー・ワールド』の後の作品がこれとは...。たしかに『ハロー・ワールド』もその時は面白かったのですが、サッパリ筋や論点が思い出せません。本作は、アクションはあるものの、中身は空。「東京オリンピックの後」「デュアルは、学生を人身売買」「社会派エンターテイメント」というキャッチは、どれも飾りでしかなく、そこに哲学などありません。スーパーマンを望むファシズムがどこか感じられました。

 著者の底が知れた気がしました。残念です。
東京の子 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:東京の子 (角川文庫)より
4041118751
No.6:
(5pt)

作者の知識と深い洞察を背景にリアルなヒーローが活躍する近未来小説

藤井太洋氏の最新刊『東京の子』の英語タイトルはTOKYO NIPPER。Nipperは「小さな子」を意味する俗語で、この小説の主人公の舟津怜が子どもの頃にYouTubeでパルクールパフォーマンスを行っていたときに外国のファンから呼ばれていた愛称がTokyo Nipper(東京のちっちゃな子)だった。冷めた視線で軽々と驚くべきパルクールを行う小柄な子どもの怜は多くの視聴者を集めていたが、15歳で引退し、ある事情から戸籍を買って別人として生きるようになる。

この小説の舞台は、オリンピックが終わった後の東京だ。外国人労働者が増えた東京で、外国人の雇用に関わる何でも屋のような仕事を引き受けている主人公は、ある小さな仕事からオリンピック跡地を利用した新しい形の大学校の問題に関わるようになる。『デュアル』はインターンをしながら学び、雇用も約束されるという理想的な大学校のように見えたが、「人身売買をしている」というのだ。

この小説は、近未来を描いているがSFというより現代小説的である。そして、真相を追いつつも正義感を決して振り回さない主人公の青年は、ハードボイルド的だ。そして、パルクールで東京を駆け抜ける彼の姿はまるでアクション映画のようにかっこいい。そのうえ、現代の日本の若者たちが抱えている学歴と雇用問題についても白黒ではなくニュアンスを持っていて奥が深い。途中でパルクールのYouTubeを観たりして楽しみながらも読後にあれこれ考えさせられる読み応えある小説だった。
東京の子 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:東京の子 (角川文庫)より
4041118751
No.5:
(3pt)

現実はどうなるのか

時代は東京オリンピック・パラリンピックの3年後で、東京デュアルという働きながら学ぶという大学校が主な舞台。元パルクールパフォーマーの仮部とベトナム人女学生が、巨悪な組織立ち向かうストーリーかと勝手に予想しましたが全く違いました。

働き方改革や外国人労働者受入など、今日本が直面している社会問題が採り上げられていて、小説としての盛り上がりはやや控えめ。そしてそれに絡むうち、訳あって過去を隠していた青年の仮部が新たな一歩を踏み出すという成長物語がメインかと思います。
東京の子 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:東京の子 (角川文庫)より
4041118751
No.4:
(4pt)

より良い社会とは何か

腹立たしいことに、現在のこの国の教育制度は「ビジネス(いかにお金を回すか)」に成り下がってしまっていると思う。特に大学運営における「経営化」という姿勢。国は借金まみれでお金がなく、税金の配分が教育に回ってこないので致し方ない姿勢とも言えるが、それはまるでつけを回すように連鎖したあげくに尻拭いさせられるのは、年々高額になってきている学費を支払っていかなければならないこれから学ぼうとしている学生とその家族だ。

親が学費を全額負担できるかといえば、富裕層を除けばそれは年々難しくなって来ているだろう。よって学生は「奨学金」という名の借金を未来の自分から借りなければならないはめになる。

「そこまでして専門的に学びたい、勉学に励みたい理由があるのか」という問いはここでは置いておく。人それぞれであって、その分野を究めてみたい人もいれば、その問いを都合よく曖昧にさせたままに「お受験、学習塾ビジネス」に焚き付けられただけの人もいるだろうから。

本書は東京オリンピック終了後の近未来の東京で構築された「教育制度の一モデル」を小説という形で提示していて面白い。ただ面白いだけではなく、増加する外国人労働者の受け入れ方、奨学金の返済方法を絡めた新しい雇用の形を含めて、ひょっとしたら実現可能(もちろんハードルは相当に高い)なのではないかと思えてしまうリアリティがあった。

また、そういった制度からは自由である人物達(主人公はそのひとり)の視点、育ち、協力関係、行為で物語が進行し、描かれていくことによって「より良い社会とは何か」という「もう一回り大きいスケール」の問いに対しての「ある一つのありかた」も提示されているようにも思えた。



小説でパルクールを描くのはことに難しいと思います。確かな疾走感があり、その動作で右、左と表記される度に、その起点を読み返して探していると、頭の中ではスローモーションのように展開していくことがあります。しかし正確な実像は結べずに(確かめようがない)読みづらく感じてしまい、ある程度はスルーしてしまいました。

「?」という記述が何箇所かありました(初版)。
p.161 「Webブサイト」→「Webサイト」では
p.175 「ファーム」→「ファム」では
・東雲→この地名は「しののめ」とルビを振ったほうが親切だと思います。
東京の子 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:東京の子 (角川文庫)より
4041118751
No.3:
(5pt)

藤井太洋の描く2023年の東京

パルクールというものを知らなかったのでYoutubeで検索をした。
街を自由に走る様は、混沌とした時代の変化、変わりゆく世相からも自由になるような爽快さがあった。
東京の子 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:東京の子 (角川文庫)より
4041118751
No.2:
(5pt)

東京オリンピックのあとに働き方

いつものいまの技術でちょっと未来を考えてみるというスタイルとは一味違った藤井さんのSF。

東京オリンピック後の東京を舞台に、法律の変化を起点とした人の「働き方」の変化について、
少し未来を考えてみるという作品でした。

増加する外国人労働者、そしてその影響で労働力としての価値が低くなる日本人の働き方の変化。
そのさきにある若い人たちの働き方の変化。

これらの要素をまとめあげて、展開していくストーリーはあっという間に読み終えるものでした。

いまさまざまな法律が作られていく中で、ともすると傍観してしまいがちですが、自分たちの未来への影響について、1つの可能性を感じる上で、読んでみるのはありかなと思います。
東京の子 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:東京の子 (角川文庫)より
4041118751
No.1:
(4pt)

近未来をリアルに記述しながらも、希望も示している。

2019年4月からの外国人の受け入れや、
東京オリンピック後の東京湾岸地域の
あり様、学業をしながらのインターンシップや
雇用をリアルに描いている。

他方で、そこで活動している若者は、
なんとも前向きでまっとうな人間たちだ。
未来への希望を感じさせる一冊だと思う。
東京の子 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:東京の子 (角川文庫)より
4041118751

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!