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東京の子



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【この小説が収録されている参考書籍】
東京の子 (角川文庫)

東京の子の評価: 3.65/5点 レビュー 17件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.65pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全4件 1~4 1/1ページ
No.4:
(1pt)

金稼ぎのためだけの駄文

この手の駄文を小説といっていいのか疑問におもう。
面白さが理解できない。だらだらと現実で使われている言葉を並べているだけ。
こんなのでリアリティや文学的面白さを感じるとされるコアな読者の気がしれない。

理由は以下の通り:
現実に流通している単語を連ねただけ。
登場人物全部が監督の脚本を棒読みしている。
幼稚で知識不足の権力への抵抗の精神がみられる。

こういった本をありがたがるユーザは減っていくだろうからこういった本もなくなっていくだろう。
東京の子 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:東京の子 (角川文庫)より
4041118751
No.3:
(2pt)

(2019年―第98冊)近未来労働争議小説

オリンピック・パラリンピックが終った3年後の2023年の東京が舞台。23歳の舟津怜は小学生時代に天才パルクール少年として名を馳せたユーチューバーだった。だが今は親から逃れるために他人の戸籍を買って仮部諌牟と名乗り、増え続ける外国人労働者が勤務先の飲食店にやってこなくなると彼らを見つけて連れ戻す「何でも屋」的な仕事で糊口をしのいでいる。
 ある日、ベトナム人留学生ファム・チ・リンを探すように依頼を受け、彼女が通う東京人材開発大学校(東京デュアル)へと向かう。この大学校はスポンサー企業と提携して運営される特異な教育施設だった…。

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 2023年の東京では、交通機関が深夜も未明も運行されるようになっていて、「ユーチューバー」は死語となっていて「プロパフォーマー」という言葉にとってかわられています。
 そんな世界の東京デュアルは奨学金制度が充実していて、しかも提携企業に就職すれば奨学金が減免されるのですから、実にうらやましくなるような教育機関だ――と思いたくなるところですが、実はさにあらず。現実世界の日本の「奨学金」が英語のscholarshipではなくstudent loan、つまり「学生による借金」に過ぎないという、多くの日本人が勘違いさせられている言葉のトリックの実情が、この小説では白日の下に晒されていくのです。そして借金を理由に就職先の選択を制限するからくりは「人身売買」に過ぎないと学生たちはシュプレヒコールを上げながらデモ行進へと突き進みます。ごく目と鼻の先に控えた近未来を舞台に、労働争議問題を掬いあげる、独特の世界観をもった長編小説です。

 その小説的発想は興味深いものですが、後半で展開される学生と東京デュアル経営者との労働交渉の進展ぶりや、学生デモの収束への道筋は、少々強引すぎると言わざるを得ません。サラリーマン生活を30年以上も続けてきて労働争議とはもっと地道で地味で時間のかかるものだと身をもって知る私には、この小説の展開はあまりにも短兵急な話で、荒唐無稽に感じられるのです。

 他人の名義で生きてきた主人公が事の顛末の末に、本来の自己を取り戻そうとする点は見るべきものがあると感じましたが、全体的には納得がいかない点の多い物語でした。

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*7頁:「一週間に送っている迷惑メールは週に二十億通に達するはずだ」とありますが、「一週間に送っている」のですから「週に」と言うと屋上屋になります。

*175頁:「ファームは頭をテーブルにつけた」とありますが、「ファム」の名前が「ファーム」と誤記されています。

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東京の子 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:東京の子 (角川文庫)より
4041118751
No.2:
(2pt)

著者こそ東京の「子供」

2023年の東京が舞台、近未来小説である。背景には、移民問題、特区における労基法問題等々、現代の様々な問題が出てきているが、その1番のテーマは奨学金問題かもしれない。ヒロインは言う。『借金をたてにして働かせるのは人身売買よ』。これらの設定に興味を持って紐解いた。

オリンピック有明会場跡地の巨大なポリテクセンターで、偽戸籍の子仮部は、行方不明になったベトナム女性を探し始める。

最後まで読んで、作中でいろいろ匂わせている「ホントらしさ」は、信頼出来ないものになった。決定的なのは、政府が三橋社長に示したある「約束」とその後の三橋の対応である。あの約束が実現するような社会ならば、デモがあんなに大きくなるような事はなかっただろう。三橋の言うことは、小説の中だけのファンタジーである。作者は承知でウソを書いたのか、それともそう言うファンタジーを信じているのか。どうも後者のような気がする。作者自身が東京の「子供」のように感じる。どこかの経営者に丸め込まれたような理屈が、最後まで大手を振るっているのだ。始末に負えない。

その他、オリンピックからたった2-3年で此処までの異世界が出来上がるとか矛盾もたくさんある。また、「首都青年ユニオン」という胡散臭い団体が出てくるが、現存していて地道に頑張ってきて「派遣切り」「ブラック企業」という言葉を社会的認知まで持ってきた立役者である「首都圏青年ユニオン」を揶揄する命名は許せない。
東京の子 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:東京の子 (角川文庫)より
4041118751
No.1:
(2pt)

キャッチは飾りでしかなく、哲学などない駄本。

登場人物が良い人ばかりだった『ハロー・ワールド』の後の作品がこれとは...。たしかに『ハロー・ワールド』もその時は面白かったのですが、サッパリ筋や論点が思い出せません。本作は、アクションはあるものの、中身は空。「東京オリンピックの後」「デュアルは、学生を人身売買」「社会派エンターテイメント」というキャッチは、どれも飾りでしかなく、そこに哲学などありません。スーパーマンを望むファシズムがどこか感じられました。

 著者の底が知れた気がしました。残念です。
東京の子 (角川文庫)Amazon書評・レビュー:東京の子 (角川文庫)より
4041118751

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