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米澤屋書店
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米澤屋書店の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.83pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全6件 1~6 1/1ページ
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図書館で借りて読み始めた。面白いが中身が充実してい返還日までに読み切れそうにない。ゆっくり読みたくて探したら古本に安い美本の広告があったので疑いながら注文をした。広告通りの品で満足しているが読み進めていない。読んだところまでは面白いが後半がっかりするかも仁れないので☆一つ減。 | ||||
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【米澤屋書店】 「さよなら妖精」「王とサーカス」「真実の10メートル手前」の3冊に 太刀洗万智が女性記者として書かれている。 同じ響きなので福岡県大刀洗町で講演が有ったというのが面白い。 また 「黒牢城」も福岡黒田藩と繋がって、縁起がいい 福岡に住んでいる者としては、チョッピリ嬉しい | ||||
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ミステリ愛読者のための贈り物ともいうべき内容でした。米澤穂信さんの読書歴ですし、読んだ本のレビュー集の趣きでしたが、その膨大な読書量にまず圧倒されました。 また、当たり前ですが、力量ある作家なので、それぞれのミステリ評が的確で、読みたくなるような筆力を至る所で感じました。 本書で取り上げられた作品名と作家名が巻末に索引として掲載されています。米澤さんの好みも伝わりますが、洋の東西を問わず、素敵な読書遍歴だということが分かるラインナップでした。幼少期から今日まで多くの作品と出会ってきたことがつぶさに書かれています。 本書掲載の作品は名作と呼ばれるものが多く、それだけ多くの読者に影響を与え、またその人気が世評となって愛読者を増やしていくという循環作用をもたらしているようです。古典的名作と言われる本もかなり収められており、半世紀ぶりに懐かしい名作を読んでみたい気分に包まれています。 なお、過去に発表されたものを1冊にまとめてあるので、紹介本の重複は当然あります。 北村薫『六の宮の姫君』なんて5回登場しているほどですから。当方も好きな作品なので異論はありません。 本、特にミステリに関連した文章の編纂物ですが、「地獄と作家と京都旅(140p)」のように旅行エッセイの趣きがある文章も掲載されていますので、幅広い読者を満足させることでしょう。旅のエッセイも読ませます。 何よりも米澤さんのお蔭で、これから読みたい本の多くのリストが作成できたのも効用です。未読の本なのに読みたいと思わせるレビューでした。プロの力量の凄みを感じました。 | ||||
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『米澤屋書店』(米澤穂信著、文藝春秋)は、本が好きで堪らない街の書店主が、客に自分の好きな本について語りかけている感じの本です。 厖大な書物が登場するが、とりわけ印象に残ったのは、この3冊です。 ●『六の宮の姫君』(北村薫著)―― 「私はこの本を、大学四年の春、古城の一角で、ちょうどいい大きさの石に腰かけて読みました。・・・当時私は物語を作って生きていこうと決意していましたが、ミステリを書き続けるかどうかは、少しだけ迷っていました。いまにしてみるとおこがましいことではありますが、もしかしてミステリにはあまり先がないのではないか、と思っていたのです。あらゆるトリックが出尽くしたので、もうミステリは出涸らしでしかあり得ない・・・という、時々見かける言説に与していたのではありません。・・・嬉しかった。『六の宮の姫君』で書かれていたのは、明らかに、文学の冒険です。それていて、間違いなくミステリだった。これが何を意味するか。――学問はミステリになり得る、ということです。学問というと高踏的ですが、私が言いたいのは要するに、好奇心の事です。知りたいという欲求と知るための方法を体系化したものが学問で、それがミステリになるならば、人間が何かを知りたいと思う時、それは凡そミステリたり得るということになる。つまり、『六の宮の姫君』は、ミステリに描けないものは何もないということを証明したのです。読み終えた文庫本を閉じて、私は、ミステリを書こうと決めました」。米澤穂信の作家人生を決定づけた本を読まずに済ませられるでしょうか。 ●『シャム双子の謎』(エラリー・クイーン著)―― 「ミステリは何よりも知と理の世界なのです。たとえ状況がどれほど切迫していても、解決が行われるならば皆がそれを聞く。この意味で最も典型的なのは『シャム双子の謎』でしょう。誰もがつっこんだはずです、『いやいや、いまそんな場合じゃないでしょ』と。しかしたとえ燃えさかる山火事が足元まで迫っていても、提示された謎の解明は果たされなければならないのです。ミステリでは火なんか怖くない。すべてが明らかになるまで業火はその場に留まり銃火は逸れて、噴火もちょっとだけ待ってくれます。たとえすべてを把握した名探偵がそれを語る前に死んでしまったとしても、どうぞご心配なく。あれが最後の名探偵とは思えない。謎が残っている限り、第二第三の名探偵が現れるだろう。かくして犯人が明かされるや『屁理屈捏ねやがって』というあの強烈無比なる思考停止に黙殺されることなく、たとえ作中に於いて裁かれないとしても読者の心中に於いて、事件は解決するのです。私にとってミステリを愛するというのは、必ずしもトリックやロジックを愛することと同値ではありません。本質的には、それは知と理が優越する空間を愛するということなのだろうと思うのです」。米澤がミステリを愛する理由は、私も共有しているものです。 ●『九マイルは遠すぎる』(ハリイ・ケメルマン著)―― 「文庫のあらすじに『本格ミステリのエッセンス』とある。まさにそういう一冊です。エッセンス、つまり精髄ですね。ミステリの骨組みを見るような感じがします。・・・(最初の一文からすべてが始まっているという)素晴らしさが頂点に達したのはどこか。私は、この本に入っている『エンド・プレイ』か『おしゃべり湯沸かし』だと思っています。読めば、『最初に出ているじゃないか。これは気づいてもよかったな・・・』と悔しくなる。そこがたまりません。つまり『九マイルは遠すぎる』という本には、この型の嚆矢と代表例の両方が含まれている。私はそう思います」。こういうアドヴァイスは、本当にありがたい。なお、この「嚆矢」は、表題作の『九マイルは遠すぎる』を指しています。 早速、この3冊を「読むべき本」リストに加えました。 | ||||
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なんて素敵な一冊なんでしょう! この一冊の中に、著者・米澤穂信(よねざわ ほのぶ)氏が愛してやまないミステリへの思い、敬愛する作家への愛、本にまつわる色んな思いの丈(たけ)があふれんばかりに詰まっていて、同じくミステリが、そして本が昔から大好きな私、もう、わくわくしながらページをめくっていきました。そしてこの一冊、魅力的なミステリやら小説やらのブックガイドとしても有効なので、読んでみたくなる本があれよあれよと増え、積み重なっていくのには参りました。 著者とミステリをはじめとする小説、何よりも本との揺るぎなき信頼関係、その密度の濃い読書体験、ミステリ愛を同じくする作家との対談など、本書のメイン・ディッシュは、うっとりするくらい美味だった。 そして、のめり込むようにしてぐいぐい読み耽ってしまったのが、本体の巻頭と巻末に置かれた文章。著者が愛してやまないミステリ作品を取り上げ、その魅力を語っていく文章には、ぐっときましたねぇ。何か素敵な夢でも見ているみたいな。そんな気持ちになりましたよ。 本文の下、小さな文字で記された註釈欄の文章も、気が利いてて有り難かったっす。著者が、本文(過去の自分の文章)に対してツッコミを入れるところなんざ、思わずクスリ、にやりとしてしまったりね。 好きな小説のことを語る著者の、熱意にあふれ、一生懸命で、心から楽しんでいる様子。その作品の魅力をひもとく言葉の、センスにあふれているところ(ページをめくっていきながら思わず、「ほうほう。面白そうだな」「へえっ。そりゃ、手にとって読んでみたいぞ」などと、何度も心の中で声をあげてましたもん)。 ちなみに、巻末の【索引 作品名】【索引 作家名】をもとに、本書の中で複数取り上げられている作品と作家を多い順に挙げてみましょう。 ■本書で言及されている【作品】の多い順(ただし、米澤穂信氏の作品は除く) 『六の宮の姫君』 5回 『明治断頭台』 4回 『魔都』 4回 『ウサギ料理は殺しの味』 3回 『火刑法廷』 3回 「椛山訪雪図」 3回 『煙の殺意』 3回 『三国志』 3回 『しあわせの書』 3回 『十角館の殺人』 3回 『第二の銃声』 3回 『短篇小説日和』 3回 『乱れからくり』 3回 『迷宮課事件簿』 3回 ■本書で言及されている【作家】の多い順 泡坂妻夫 15回 山田風太郎 11回 アガサ・クリスティー 8回 江戸川乱歩 8回 北村薫 8回 連城三紀彦 8回 芥川龍之介 6回 綾辻行人 6回 ジョン・ディクスン・カー 6回 アントニイ・バークリー 6回 久生十蘭 6回 一点だけ。これは私の勘違いによるものですが、ここに記しておきます。 本書の41ページ。著者の好きな短篇のひとつとして、南條範夫「無惨や二郎信康」という作品が紹介されています。その下の註釈欄に、南條範夫『廃城奇譚(はいじょうきたん)』て短篇集の名前があって、先述した短篇がここに収録されてるのかと思って図書館から借りてきたんだけど、載ってなかった。あれれ?と思って、双葉文庫の表紙カバーの折り込まれてるところを見てみたらそこに、南條範夫作品のひとつとして『無惨や二郎信康』が挙がってました。つまり、米澤穂信氏が取り上げている一篇は、同じ題名の短篇集に収録されているんですね。いやあ、ついミスリードされてしまった‥‥なんてね。私の早とちりなんですけど。 【米澤屋書店】のおかげで購入した本は、次のとおり。だって、面白そうなんだもん! ★ロバート・ファン・ヒューリック『沙蘭(さらん)の迷路』(ハヤカワ・ミステリ) ★ラッセル・ブラッドン『ウィンブルドン』(創元推理文庫) ★ヘレン・マクロイ『歌うダイアモンド』(創元推理文庫) ★ロード・ダンセイニ『二壜の調味料』(ハヤカワ・ミステリ文庫) ★紀田順一郎 編『書物愛[海外篇]』(晶文社) ★久生十蘭(ひさお じゅうらん)『魔都』(創元推理文庫) ★宮内悠介『超動く家にて』(創元SF文庫) ★幡(ばん) 大介『猫間(ねこま)地獄のわらべ歌』(講談社文庫) いずれにせよ、色んな、面白そうなミステリ作品をこれからあれこれ読んでいこうと考えている方。この魅力的な一冊を手にとらないのは、実にもったいないですよ。ぜひ手にとって、ご賞味あらんことを。 | ||||
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ミステリが好きで,結構読んでいるつもりだったのですが,本書を読んで,いかに自分が,たくさんの素晴らしい作品を読み落としているかということを思い知らされました。 ミステリに対する愛情に溢れた本書には,いたるところになるほどと思いたくなる記述が見つかるのですが,特に印象に残ったのは,六の宮の姫君に関連して,「それ(学問)がミステリになるならば,人間が何かを知りたいと思う時,それは凡そミステリたり得ることになる。」(34頁)というくだりです。私自身,六の宮の姫君を読んで,学問はミステリなんだと強く感じた経験があるので,筆者の記述に共感するとともに,折れた竜骨や黒牢城のような異色の作品が生まれた背景にも,そのような考えがあるのだろうなと感じました。 常に机の脇に置いておき,折に触れて開いては,面白そうな作品を探したくなる・・・そんな一冊です。そして,面白そうな作品が見つかったら,また,ミステリを買いに行こう! | ||||
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