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誘拐: P分署捜査班



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【この小説が収録されている参考書籍】
誘拐 (創元推理文庫 M テ 19-2 P分署捜査班)

誘拐: P分署捜査班の評価: 3.82/5点 レビュー 11件。 Aランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.82pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全11件 1~11 1/1ページ
No.11:
(4pt)

最後が気に食わない

Kindleで読んだので最後の数ページが何らかのエラーで見れないのかと思うほどの、読者の想像力に任せる手法とは違う腑に落ちない終わりかたです。どんな結末にせよ、過程を散々見てきた読者にもう少し読後の余韻を持たせる描き方をして欲しかった。物語が収まってません。
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No.10:
(3pt)

原題はブイオ「闇」

結構調子よく前作から繋いでると思ったんだが、最後の結末は何なの?毛布を抱きしめ…だから子供はそこにいないの?すっきりしない。
イタリア物は大好きだから翻訳が続いて欲しい。英語からじゃなくイタリア語から翻訳してほしい。
架空の美術館や教会なのか、実際にあるのか後書きで触れて欲しい。出てくる建造物や場所が見つからないから時間かけて調べてしまった。
まあ、それなりに楽しめた。ラストだけ不満。
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No.9:
(5pt)

おもしろかったが、結末が納得いかない。

結末が納得いかなかったので二度読みしました。どうしてこうなる?
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No.8:
(2pt)

ミステリーとしては稚拙

レビューを読むと本当に皆様ミステリ好きな方々で、オマージュとなっている元作品を熟読されておられることもよくわかるのですが、これを単体で読んだときの評価は低いです。
一言で言うと、謎解き以外の部分に手を広げすぎ。
最近の傾向として、刑事も一人の人間であり、例えば離婚、親との確執、子供の親権問題、病気、親の介護、恋愛、そういう仕事以外の部分で抱える苦悩について幅広く描く傾向にあると思いますが、この作品では、ほぼすべての登場人物にそれをするため、とにかく話が脱線しがち。
そのため、柱となる誘拐事件と窃盗事件についての部分がぼやけてしまい、犯人像の描き方にも不満が残りました。
シリーズ全てを通して読めば、それぞれの個性がもっとよくわかるのでしょうけれど、テレビドラマ化を狙ってそういう手法を採るのは、この本を単体で読んだ者としては内輪受けとしか思えず残念です。
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No.7:
(3pt)

「87分署」シリーズを目指しているのだろうが、それにしては犯人側の計画姓や事件解決のアイデアを欠いた評判倒れの凡作

「P分署捜査班」シリーズの第二作。私は世評の高い本作を読むためにまず初作の「集結」を読んだが、不満足な出来だった。本作で扱う事件は資産家の祖父を持つドドと言う少年の「誘拐」事件と夫婦仲の悪い家で起こったとされる奇妙な盗難事件。私が初作に対して抱いた不満の1つは北欧ミステリが如く刑事達のプライベートに踏み込み過ぎていて物語の進行を妨げている点で、本作でもその悪癖は続いているが、主人公のロヤコーノとチ-ムの母親役であるオッタヴィアの心情に関しては上手い題材だと思った。ロヤコーノに関してはせっかく同居出来た娘のマリネッラを失う畏れと重畳させているし、オッタヴィアに関してはもっと切実で、普段は母性の強い優しい女性を演じているが、実は自閉症の息子を抱えて疲弊していて家から逃げ出したいとの願望を持っているオッタヴィアの良心と真向から向き合っているからである。

しかし、幾ら不鮮明な監視画像とは言え、ドドを連れ去ったドドの元ベビーシッターのレーナの事を両親(ちなみに母親は愛人と同棲しており、疎遠な祖父のお金で生活している)共に認識出来ないというのは如何にも不自然(ミス・リードかも知れないが、何れにしても作者には誘拐犯(正確には3人組の内の2人で、残りは雇った外国人)を読者に隠す意図は無いという創りは如何なものか)。また、挿入基準が一定でない挿入章を幾つか設けている悪癖も初作のままで、ロヤコーノに想いを寄せる女性検事補が裁判所の許可を経ずに被害者宅を盗聴してしまうのもご都合主義が過ぎる。そして、当初の予想通りだが、盗難事件は全くの付け足しという雰囲気で何の工夫も無い。更に、盗聴しているのだから、3人組の動向を把握出来るのは当たり前で、3人組を操っている黒幕の正体も自然に浮かび上がってしまう。

作者が刑事達をやや上手く扱い始めたという点が唯一の取り柄。北欧ミステリが如く刑事達のプライベートに踏み込んで"人間(愛憎)模様"を描くのは悪くは無いが、それならオッタヴィアの心情にもっと深く踏み込むべきだったと思う。初作の冒頭でエド・マクベインに献辞を捧げている事から、「87分署」シリーズを目指しているのだろうが、それにしては犯人側の計画姓や事件解決のアイデアを欠いた評判倒れの凡作だと思った。
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No.6:
(5pt)

ぜひ、続編を読みたい

時折、挿入される美文調が鼻につくことがありますが、それ以外はお値段以上に楽しめるエンターテイメントです。
ストーリー、キャラクター、挿入されるエピソードなど分かりやすく書かれていますが、視点人物の切り替えによる場面転換や、単純化したキャラクターを逆手に取って分かりやすいものの直接的な描写を控えた隠喩などの技巧により、分かりやすいながらも奥行きの深い物語という、なかなかできそうで出来ない作品に仕上がっています。
この本を読み終えた読者のほとんど全員が、「すぐに続編を読ませてくれ!」と望むのではないでしょうか。私もその一人なので、ぜひ続編も出版していただきたいと思います。
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No.5:
(3pt)

まとめて3-4作品読めれば★★★★★

21世紀の87分署。そんなシリーズが始まって二年目。最初の頃の本家87分署シリーズは、確か年間に三作ほどのハイピッチで出版もスタートしていたが、徐々に年二作となり年一作となってゆく。しかしページの厚みは時代の流れとともに増して行った。生活スタイルの推移や、世相や思想の変化などが、取り扱う事件にも徐々に変容を強いてきた感がある。

 でも人間の罪業に、きっとあまり変化はないのだ。愛、嫉妬、憎悪、物欲、激情、その他。人間の愚かさも誠実さもひっくるめて、都市に営まれる悲喜こもごもの愚かな人間たちのやりとりも誠実な人間の人生も、そんなには変わらないのだ、きっと。

 無論、捜査手法には科学技術の進歩が影響やスピードを与え、昔よりもずっとDNA分析やIT技術による電子的足跡の追尾など、様々な現代的側面が与えられている。

 しかし本書を読む限り、捜査側も犯罪者側も根本的には相も変わらず、人間的な弱さやら個性やらを振りまきながら、日々、街に起こる大小の犯罪と向かい合い、ギリシャ文化以来変わることのない様々な人間的悲喜劇と向かい合っているようである。本書の刑事たちもそれぞれの人生を与えられ、仕事とプライベイトと、心情と弱さを持ち合わせつつ、事件に対峙してゆく。その辺りは、87分署の原典とあまり変わらない。

 むしろそうしたディテールに拘って書き進めてゆこうという、作者のシリーズに対する姿勢が垣間見える辺りに、87分署シリーズとその偉大なる作家エド・マクベインへの強く深いオマージュを感じさせてくれる。

 犯罪者側にも、その愚かさと止められない悪意、強欲、追いつめられてゆくこで消耗してゆく人間性、などなど、実にヒューマンな要素がたっぷり詰め込まれている。多くの人間を代わる代わる手を変え品を変え描いてゆくことで、本シリーズに魅力を加味するのだと言わんばかりである。

 シリーズ第二作の本書は、マクベインの87分署でも傑作と名高い『キングの身代金』を彷彿とさせる<誘拐>を主たる犯罪テーマとして描いている。もちろん件の名作とは全く異なる内容なのだが、シリーズ二作目にしてこうしたテーマに挑もうとする作者のチャレンジ精神には敬意を表したく思う。

 ネタバレになるのであまり言いたくないのだが、本書はいくつかの事件にとっては経過的ポジションに当たるので、本当は5作くらい翻訳本が出てから一気に連続して読んだほうが味わいがあるように思う。キャラたちも未だシリーズが浅い間は、記憶に根付かない。シリーズの群像小説は、連続性が途切れるのがちと辛い。

 87分署シリーズの方は、ぼくは一気に30年分くらいの作品を連続して読んだので、あの時期のことは、マクベインとお会いできた追想、その後マクベインの死を聞いたときの悲しみも含め忘れ難い。そうした87分署体験をしているだけに、本書にも長いスパンでのシリーズ傑作として、世界を代表する警察小説に成熟してほしいと思う。次作を待ち焦がれます。
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No.4:
(5pt)

キャラが立っていて非常に面白い

ハヤカワ文庫の「パリ警視庁迷宮捜査班」より数倍面白い作品。

本国で10作目までシリーズが続いていることがよくわかる本です。

1作目と同様、今作も2つの事件の同時並行。誘拐事件と強盗事件に対して、P分署の問題児達はどう立ち向かうのか。

そして、自殺を誘発する犯人との闘い、主人公ロヤコーノの女模様の行方も楽しみです。
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No.3:
(4pt)

ナポリを舞台にした刑事たちの物語 第2弾

『集結』に続く邦訳第2弾である。
表題は『誘拐』となっているが、イタリア語表題の“BUIO”は「暗闇」という意味であり、英訳の表題も“Darkness”となっている。
元の表題の含意は、誘拐された少年が閉じ込められた部屋の暗闇と少年の家族を取り巻く複雑な人間関係の暗闇、さらには意表を突く結末まで先が見通せないミステリーの謎解きの暗闇をさしているというところだろうか。
第一弾同様、イタリアらしい軽妙でユーモアあふれる筆致で、ミステリーのテンポと流れもよく、一気に読ませる推進力がある。
また、近年の刑事物の定番だが、それぞれが家族関係や恋愛の問題を抱えた刑事たちの人間ドラマが、事件捜査と絡んで描かれ、物語の厚みと面白さを増している。

なお、第1弾のレビューでも書いたが、ピッツォファルコーネ署(架空)の所轄地域はサンタルチア港や卵城の近くで、ナポリ湾に面しベスビオ火山を正面に望む抜群に風光明媚な地区と、トレド通りの繁華街を含んでいる。第2弾では、誘拐された子供の家族の住居が壁一面の窓からナポリ湾が見渡せる絶景で、その豪邸ぶりが強調されている。
観光地であるナポリの街の雰囲気も、アラゴーナ刑事が日本人観光客らを押しのけて車を運転していくところなどが生き生きと描かれており、クスッと笑わせる。
イタリア好きに楽しみなシリーズである。
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No.2:
(4pt)

はやく次を出して(翻訳して)えええ

く、苦しすぎる
次巻まだですか
全巻一気に翻訳出ませんか
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No.1:
(4pt)

読んで、売れて、これからも訳されて(笑)。ボンジョルノ!

「四月は最も残酷な月だ」(T.S.エリオット「荒地」)。そして、エド・マクベインは、ある著作の中で「四月は淑女のようにやってきた」と宣い、マウリツィオ・デ・ジョバンニは四月を通り越して、五月。「五月を信用してはならない。五月はすぐに裏切る」と言ってのけます。<コロナ禍>に苦しむこの国の政治家もまた、街頭に立つ偽チケット売りのように信用できない(笑)。
 2020/5月に読んだ「集結 P分署捜査班」に続く「誘拐 P分署捜査班」(マウリツィオ・デ・ジョバンニ 東京創元社)を読み終えました。イタリア・ナポリ。キャレラの化身のような警部・ロヤコーノを筆頭に集結した<ピッツオファルコーネ署>の7人の警官たちの再登場です。
 今回は、ロヤコーノとディ・ナルド巡査長補が、金庫は破られているものの他の金目のものが何も盗まれていない「窃盗事件」を追い、その後に発生した少年ドドが美術館で連れ去られる「児童誘拐監禁事件」に巡査長ロマーノ以下P署全員が立ち向かいます。いつものようにストーリーの詳細は、お読みください(笑)。<87分署>イタリア版として名高い本シリーズですから、二つのストーリーがパラレルで語られていきます。
 パズラーとしては、前回同様少し小ぶりだと(緩いという言い方が適切か)思いながら読み進み、何せ「誘拐事件」らしくなって行くまでに5分の2が経過していますから、大丈夫かなと少し心配しました。しかしながら、後半のラッシュで挽回します。また、シンボリックな幕切れと余韻が(具体的に書けないもどかしさ(笑))、「よく間に合った」と思わせるスリラーに仕上がっています。
 そして、読ませどころは常に別の場所に存在しています。ピザネッリ、ロヤコーノ、ロマーノ他署員全員の「人生」が丁寧に、シンパシーを持って描かれています。これについても、詳細を書く事ができないのでしょう。前作に引き続き副署長・ピザネッリとその友人神父との切れのあるエピソードはスリリングに継続し、ロヤコーノ警部を挟んでのラウラ女性検事補、トラットリア女性店主・レティツィアの恋の行方にロヤコーノの15歳の娘が加わることで、私もまた今はその混乱の最中にあります(笑)。力関係が変わったと見せかけて実は・・・なのか、それもまた見せかけなのか、いずれにしろ美しい女性が3人もいる「恋の鞘当て」シチュエーションについて語るのは私にはまだまだ力不足だと思われます(笑)。
 突然ですが(笑)、「夜霧よ今夜もありがとう」の中、「一口に3年と言っても、朝が1500回、昼が1500回・・・」と裕次郎が言い、浅丘ルリ子は、その香ばしい声で「そう、夜も同じ数だけあったわ」と返します。そんな「さまざまな夜」がある人生の悲哀を凝縮させながら、イタリアらしい大らかさと描かれる大人たちの少し派手めのふるまいを存分に楽しむことができると思います。
 ということで、今回もまた大いなる余韻を残してのエンディング。
 読んで、売れて、これからも訳されて(笑)。ボンジョルノ!
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