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(短編小説)
海と毒薬
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海と毒薬の評価:
| 書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.31pt | ||||||||
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全96件 61~80 4/5ページ
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| 他の本でこの事件のことは読んだことがありますが、 この作品はその当時医学部助手だった医師が戦後2年の懲役の罰を 受け、老医師となり片田舎で開業しているところから物語が始まります。 (神を持たない日本人とっての罪の意識とは何か?)と解説に書かれてありました。 | ||||
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| 事実としてあった事件をベースにして、自分のテーマに都合よくある部分を都合よく改編し、一定の主義主張を問いかける作業。これが宇宙のどこかの星での出来事なら問題ないが、われわれ日本人の歴史の中でやられるのは我慢できない。現状、日本貶めに利用されてるだけ。すべての読者のこの作品が事実ではないと明記すべき。 | ||||
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| 逝く前にもう一度読みたいと、取って置いた本がKINDLEで買えるようになり読みやすくなりました。 昔読んだのですが矢張り忘れてました。 こんなバカなことをして居た時代があったのかと改めて読みました。 731部隊もそうですが戦争と言うのはこんな事が出来るんですね。誠に恐ろしい事です。 二度とこんな時代が来ないことを、少なくとも日本で、願ってます。 | ||||
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| 息子の学校の課題図書として購入しましたが、結果読まずじまいだったようです。残念です。 | ||||
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| 昭和や大正時代などの、今でも読みつがれている有名作家さんの本はたまに読むので、こちらも実際に起きた事件を元にした小説と言う事で、読みました。 事件の経緯を辿った、米軍捕虜の生体解剖を主にした小説かと思いきや、その残酷な生体解剖の内容は詳しくは描かれておりません。 その残酷な解剖に立ち会った医師や看護師などの、その時の「心理」的なものが、この著作の主な内容になっています。 事件に関わった医師等の心理や、戦争真っ只中の時代背景は、よく伝わってきます。 【読み進める間、暗いイメージが常についてまわり、事件に関わった人物数人の視点から描かれていて、実際の解剖事件に関する箇所はさらっと?終わり、先にも書きましたが、内心・心理が主でした。読後、結局何が伝えたかったのか?……と思う感じもありました。】 実際に起きた事件を題材にした、戦争末期最大の事件、の割りには、その点にはあまり触れていない感じがありました。 お薦め度としては、星2つにしました。 しかし有名作家さんですし、もう一作「沈黙」も読んでみようと思います。 | ||||
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| 粗筋はレビュー・解説にあるので省略します。 捕虜となった米兵の人体実験に足を踏み入れた勝呂医師。割り切った同僚の戸田医師に比べ 葛藤を抱えながらも加担する。 彼の魂の売り先は悪魔ではなく、学内の立場であり、社会のポジショニングにか過ぎない。 普通のだからこそ、形を変えこそすれ、現代の私達にも降りかかる事象であり、勝呂医師と 自信を重ねて物語に引き込まれてしまうー。 文章は平易で読み易いですが、非常に重たくて考えさせられるテーマです。 お薦めの一冊です。 | ||||
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| この事件を知っており、舞台となった大学に縁があるため物語には非常に惹き込まれていった。が、事件そのもの以外はほぼほぼフィクションであるということで非常に冷めた。 フィクションとしては文章構成以外は特記すべきほどでもない。戸田の回想録が独特で印象的だったくらいか。 | ||||
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| 終戦間際の昭和20年6月、九州帝国大学(現九州大学)で行われた米軍捕虜の生体解剖事件を描いた小説。東京郊外の開発途上の住宅地に住む「私」は、気胸治療に通う近所の医院の医師が、米軍捕虜の生体解剖実験に関わったことを知る。物語は事件に関わった人々の内面に移り、それぞれの人の過去が生体解剖事件に繋がるまでを描くが、事件が発生した直後に此の小説は突然終了する。 どうにも未完成の感を否めない。勝呂医師の過去を暴露した以降は全く展開に関与しない導入部の「私」の部分。また恐らく「起こした罪と下される罰」というテーマを強く意識して描き、罪の意識に苛まれる勝呂と、生来罪悪感を持たない戸田との対比を描きながらも、結末は事件の断罪に触れない儘終わる事など、どうにもすっきりしない読後感が残る。 題に関しても、随所に登場する暗い陰鬱な海は、様々な過去を持つ人々の感傷を全て鉛色に塗り潰し、深く呑み込んでいく印象を与える事に効果的に使われつつも、結局は咎人たちに下される「罰」を描かずに終わらせた事は、未完成作品としか言えない。。特に戸田に下される罰と、それを巡る心情を描かない儘物語を終わらせてしまっては、咎人達の罪までをも海は呑み込み、終戦による時間の彼方へ消えたとも解釈出来るのである。史実そうではない。解剖に携わった医師達はGHQに逮捕され裁かれている(有名な人肉食事件はGHQによる偽作であり、裁判でもこれは証明されている)。 しかし著者の描く世界の重厚さや暗鬱さは、初期のこの作品から発揮されている。「海」は戦争末期になり皆死にゆき、滅びゆく現実を呑み込む存在として象徴されている。人々の罪も記憶も営みも、時間の流れと共に深海へと呑まれ後には太古より変わらぬ、無限に寄せては引く海だけが残り、人の世や争いの儚さを暗示する様に思える。「毒薬」はその海に垂らされる人の罪であり、一滴の罪も無限の海の中に溶け込まれて消えて行く事を云うのだろうか。 その中で勝呂医師は、全て暗い時代と共に暗黒の海に埋没してゆく運命であったものが、戦争が終わり、罪を犯しながら生き残った者として、いつまでもいつまでも、罪を垂らした海から打ち寄せる波の様な罪悪感に苛まれる者の代表者として位置付けられたものであろう。いずれにしろ、続編を描かなければいけない作品であった。 | ||||
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| 面白かった。私にとっては昔々のお話ですが、、生々しく読んでいて時代背景や、人物像が手に取るように理解でき深く引き付けられました。 | ||||
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| 以前購入した本が行方不明になり、再度購入しました。新たな発見がいろいろありました。 | ||||
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| 久しぶりに読み返しました。きっかけは映画の沈黙を見たことです。以前はただ暗いと思うところが多かったのですが、どの人物に対してもそういう風に思えないことはない気がしました。 勝呂さんは正直だったのでしょうし、戸田さんも人生の中での選択だったのでしょう。彼の子供時代のエピソードについても納得できる気がしたのは年をとったせいかしら…。 みんなに死んでしまうこの時代だからこその狂気であったろうと信じたいところですr。 | ||||
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| 九州大学の生体解剖事件を描いた中編小説です。どよーんとした生理的な不快さが全体を包み通しています。誰がみても不条理で重大な犯罪なのに、大学の医学部の派閥とか陸軍との関係とか、敗戦前の投げやりな雰囲気もあるのか、誰も止めようとはしない。 ひたすら小さな日常の出来事の延長線の細かな出来事だ、と参加者たちが思い込もうとしています。もちろん、そんなのウソってわかっていながら、無理に信じようとする小心者たち。一人ひとりの過去の姿も挿入されていますが、特に悪い奴がいるわけではありません。団体行動の中に自分の責任を忘れ込もうとする行動が典型的な悪い形で表れています。企業の不祥事などによくあるパターンですね。 気持ちの悪さの表現が随所にあふれています。例えば、「煙草特有の紙臭い臭いがたちこめ、それが炭火の臭気とまざって勝呂の胸をムカムカさせた。」など。 | ||||
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| 個人の気持ちの中にある良心もややもすれば、流されてしまいそうになるが、踏みとどまりたい時もある。 | ||||
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| 小説ではあるが、リアルな昭和史の一片として読み進めた。あの時代を生きた人たちの多くが口には出来ない体験がトラウマになっているのではないかと勘ぐってしまう。 | ||||
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| 週末の2日間で読み終えた。遠藤周作さんの小説は今までに読んだことがなかったのだが、案外読みやすい文章だった。 小説を読んでいて、現在の私に何かしらのテーゼというか問いかけを感じる作品だった。また、物語の進め方が凝ってあり、読み応えがあった。エンターテイメントとして読むよりは、大きなテーマに向かって自問自答を繰り返しながらの読書でした。 | ||||
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| 罰とは社会的または具体的な刑であって、それを免れれば無罪放免だと思ってしまう。罪を犯しても良心の呵責に苛まれない自分を不気味だと思ってしまうことは、罪の大小はあれ誰にでもあるのではないかと思います。 日本人の残虐性は神を持たないからなのでしょうか。神を持たないから戦争中のような洗脳を受け入れてしまうのでしょうか。 自分の心の中を美化しない人たちの告白が良かった。 | ||||
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| 私は韓国人の小説家が書いた「マルタ」という本を読んだことがある。この本のメインテーマは日本陸軍731部隊が満州で行った生体実験であった。この作品は実話に基づいてはいるが、フィクションであるため事実とは異なる部分が多いと思い、私は実際どのような実験が行われたか調べてみた。彼らは1936年から1945年にかけ、中国・朝鮮人3000人ほどを対象に言葉では表現できないほどの残酷な実験を行っていた。しかし、「海と毒薬」をよむまで、このようなことは植民地であるため行うことができたと思っていた。 この本は戦中九州で行われた人体実験をもとに書かれたフィクションである。作中では帝国大学ではなく、F市の大学病院が作品の主な舞台である。作者はこの惨状をおもに三人の登場人物の内面描写、彼らの視線から見る他の登場人物の姿、考えを想像することで生々しく描いている。GHQから解放されて間もない1957年にこの小説は書かれた。今でも日本は自己の歴史を明らかにすることを好まない事実を踏まえてみると、戦後間もないこの時期に戦前・戦中の日本に向かってこのように批判的な眼差しをもったということ自体もとても評価すべき点ではないだろうか。 主な登場人物は人体実験に参加はしているが人道的な罪責感にとらわれてしまう勝呂、幼年時代から多くの悪事を行いながら一度も罰を受けたことのない、罪責感など抱いたことのない戸田、満州移住労働者と結婚をしたが失敗し、再びF市の大学病院にもでってきた上田看護婦である。各々違う価値観を持つ彼らがこの実験の惨状を、当時の日本人の過ちを生々しく伝える。その表現一つ一つがとても斬新で奇抜なものであり、何度も思わず感嘆してしまった。私が一番斬新だと思った部分は勝呂が生体実験に嫌悪感を覚えるが、一個の医学生にすぎない自分無力感を感じ、挫折する場面を描写して部分である。「(生体実験を行っている手術室の中で)できることなら手を上げて前に並んでいる将校たちの肩を突き飛ばしたかった。親父の助骨刀を奪いたかった。だが目を開けた彼の前には将校たちのいかつい肩ががっしりと幅広く並んでいた。その腰に下げた軍刀も鉛色に鈍く光っていた。」軍人のがっつりした肩をどうしようもない自分の弱さを表現するための手段として使ったところが非常に新鮮な描写だと思った。また、話を語る人物が変わるごとに文章の雰囲気が変わり、暗鬱な雰囲気をそのまま我々読者に伝えてくれる。 夏目漱石が国民作家として認められる理由は単に優れた文章力、あるいは素晴らしい文を構成する能力を持っていたからではないと思う。彼は当時の日本を国際的な目線で鋭く批判した。いい作品とは、文章・内容がいいだけでなく社会・政治的に大きな意味を持ってからこそ生まれるのではないだろうか。私はこの作品を迷わず傑作だと言いたい。 | ||||
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| 一度は読んでおくべき小説かと思いますが、心が元気なときに読んでください。なかなか辛い、重い内容でした。考えさせられました。 | ||||
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| 遠藤周作の作品は狐狸庵閑話など、一連の軽めの作品を読破した後に本作、「沈黙」等の他のキリスト教関連の 小説に進まれるのがよろしいかと思います。いきなり、「海と毒薬」や「沈黙」から入門すると難解に思われる かもしれません。私の場合、ちょうど大学病院での入院生活を経験した直後に出会ったので、年代の格差はありますが 自分が勝呂医師になった気持ちで入り込めました。 重いけれど、遠藤的な良質の作品です。 | ||||
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| 一言で言うと難しかった作品。文章が古く難解だとか、専門的な用語を多用しているだとか、別にそういうことではありません。ただ面白いとか面白くないとか、そういう物差しで図るタイプの作品ではなく、その物差しで図れる小説を求めていた私にはまったくもって守備範囲外の作品でした。 読了後に気付きましたが実際の事件を下敷きにしたお話だったようで。人体実験というテーマ上、常に薄暗く陰鬱な空気が漂っており読んでいて鬱々となりました。終わり方もけして晴れ晴れとしたものではありませんね。 物語を通して読み手に問いかけることに比重を置いた小説は個人的にとても苦手で、正直読み終わったあとはこれがどういう話なのかよくわかりませんでした。人様のレビューを拝見してようやく「ああ、そういう話だったのか」と思ったくらいです。 なので他の方のように自分の中にある善悪に基づいた論理的な感想は書けません。ただ面白いか面白くないかで言うなら面白くはなかったし多分すぐ忘れてしまうと思います。かなり古い時代に執筆された作品ということで私の深い部分に刺さるには時代が流れすぎたかな…。☆2。 | ||||
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