(短編小説)

海と毒薬



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    初公開日(参考)2011年04月
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    短編小説

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    新装版 海と毒薬 (講談社文庫)

    2011年04月15日 新装版 海と毒薬 (講談社文庫)

    生きたままの人間を解剖する――戦争末期、九州大学附属病院で実際に起こった米軍捕虜に対する残虐行為に参加したのは、医学部助手の小心な青年だった。彼に人間としての良心はなかったのか? 神を持たない日本人にとっての<罪の意識><倫理>とはなにかを根源的に問いかける不朽の長編。(「BOOK」データベースより)




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    No.101:
    (5pt)

    善く生きるために

    この小説の後半は、承諾しながらも最後に生体解剖から逃げた医師の勝呂、理屈をつけて犯罪の苦しみを和らげようとする同じく医師の戸田、子どもを産めなくなり夫に捨てられた看護婦の上田という三人の視点で進んでいく。違法な手術に立ち合った三人の態度はまちまちだが、その違いは性格によるものではなく、それまでの人生で生じた理性の強弱の差だと思う。戸田や勝呂はなぜ苦しんだのか。良心に対する罰を、つまり心のどこかで神のような存在を信じていたからではないか。そう考えると、私は信仰を身近に感じる。不遇から捨鉢になったり周りの圧力に押し流されそうになったりしても、踏み留まらせてくれるのが理性であり、それを強く意識させてくれるのが信仰だと思うからだ。日本人は自分の理性に従って孤立するよりむしろ民衆の一人になる安心感を選択しがちで、個の人間として未熟な気がする。信仰は特別なことではなく、善く生きようと思えばいずれたどり着く行為だと思った。
    新装版 海と毒薬 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:新装版 海と毒薬 (講談社文庫)より
    4062769255
    No.100:
    (5pt)

    読み終わると言いようのない疲労感に襲われた

    本当にいい作品だ。一貫とした雰囲気は終始漂っている。長編ながら一気に読み切った。
    新装版 海と毒薬 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:新装版 海と毒薬 (講談社文庫)より
    4062769255
    No.99:
    (4pt)

    倫理観や葛藤、人間の弱さ

    遠藤周作さんがカトリック信者だから、キリスト教にからめて、日本人の倫理観と西洋人の倫理観という書評を読んだことありますが、この作品に宗教の要素は強くないです(深層にはあるかもしれませんが)。
    これは昔、流行した日本人論の文化人類学に当てはめた書評だと思います。

    遠藤さん自身は他の作品でカトリック信仰について、合わないものを着せられている違和感を感じたり、やめたいと思ったことがあるし、カトリックの信仰感と日本的な宗教間との間で悩んだりしたことを述べています。
    よく知らない人で遠藤さんのことをたまに西洋かぶれでカトリック優位の作家と勘違いしている人がいますが、違います。

    生体解剖に関与する医師の葛藤だけでなく、医局の対立、堕胎したことがある看護婦、人妻と不倫した男など、人間の弱さや醜さが描かれています。
    いかに悪いことをしてきたかが記されるのを読むと、陰鬱な気分になりそうです。

    直接的に宗教に触れていませんが、人間の業みたいなものを描き、それが宗教に通じるのかもしれません。
    新装版 海と毒薬 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:新装版 海と毒薬 (講談社文庫)より
    4062769255
    No.98:
    (5pt)

    面白い

    少しサスペンス要素の強い作品を読みたくて、海外旅行のお供に持っていきました。第二次大戦下、旧日本軍が、人体実験をしたことは知っていましたが、この事件のことは知りませんでした。事実をベースに、研究医である主人公勝呂(すぐろ)が倫理感に苛まれながら人体実験にかかわる様を描いてゆきます。戦争自体が倫理観がぶっ壊れた世界なので、日常生活にこれまでの倫理観を求めるのはナンセンスとも言えます。戦争とは直接関係のない、人体実験という事象を通して、強烈に反戦を訴える。素晴らしい小説でした。表面的な正義感では太刀打ちできない、人間の極限状態における人間の心理に迫るストーリーは、自分ならどうする、を突き付けられるので、とても好きです。沈黙も好きですが、文体も読みやすく、改めて、読んでいきたいですね。
    新装版 海と毒薬 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:新装版 海と毒薬 (講談社文庫)より
    4062769255
    No.97:
    (5pt)

    良心の呵責より優先するもの

    先にDVDを見ました。ストーリーが若干違います。遠藤周作氏の「海と毒薬」というタイトルだけは,ずっと前から知っていましたが,読んだことありませんでした。最近ある新聞記事を目にしました。解剖に関わった医師がアメリカ兵の肝臓を食べたということで戦犯になり,巣鴨プリズンに収監されたとのこと。そのとき,医師が獄中で描いたスケッチが保存されていて遺族に返されたということです。この事件は「九大生体解剖事件」または「相川事件」とも呼ばれているそうです。この事件については,全く知りませんでした。これを題材に書かれたのが「海と毒薬」です。題名からは想像も出来ないようなストーリーです。結局,獄中の医師は,無実となって釈放されたそうです。しかし,実際に「実験手術」は行われ,多くが戦犯として裁きを受けました。映画で医師たちは,誰ひとりとして「やめましょう」とは言いません。軍部の言われるまま,もはや善悪の判断が出来ません。極限状況になったとき,人は思わぬ行動に出てしまうことが分かります。
    新装版 海と毒薬 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:新装版 海と毒薬 (講談社文庫)より
    4062769255



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