■スポンサードリンク


共謀捜査



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
共謀捜査 (集英社文庫)

共謀捜査の評価: 3.60/5点 レビュー 10件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.60pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(3pt)

まずまずの作品。一部、大沢在昌風味。リモート取材が奏功?

ここ2,3年、新作のすべてがオススメできない系の堂場小説だが、本作は、まずまずの出来。

ただし、ストーリーの一部がフランス、スイスで展開するからと言って刑事たちの活躍を”壮大なスケール”で描く!と煽るのもどうかと思う。そんなレベルではまったくない。ま、後半はスケールは小さいが大沢在昌風味にも思えるお話にはなっている。現時点で大沢氏は、ほぼ廃業状態なので、こういうお話のマーケットは、いま狙い目かもしれない。

肝心のストーリーだが、堂場作品にしては、珍しく終盤にどんでん返しが用意されており、読後感としては悪くはない。ただし、”どんでん”の程度は凡庸。想定内と見る読者も多かろう。

大沢風の新味が盛られていることとドンデンありであることを評価するならば及第作。

なお、本作は、あとがきにあるようにコロナ禍のため海外現地取材ができず街角や現地飲食店等の描写にフェイク/Streetview感が強く見られるが、堂場氏他作に多く見られる安っぽいストーリー展開+濃密過度な街角/飲食物描写の組み合わせに比べれば、読み手として抵抗なく円滑に読める。本作、後半の展開にスピードを感じるのはそういう理由だろう。(どうせ適当なウソでしかないエンタメ小説のワキの部分にだけなぜかリアリティを込めるのが堂場さん。何度も同じような表現やめようよ)

他、気になる記述を2つ指摘しておく。

1.成田発ジュネーブ行きの航空機で犯人を護送する際、刑事が密かに”特殊警棒”を持ち込んだ。とあるが、<密かに持ち込む>って、まさか、ありえないだろう!バカバカしくて、ドッチラケ。(p442) こんないい加減なサツカン&出国審査では、特殊警棒は犯罪者に奪われ刑事は袋叩き。ヒコーキはハイジャックされるに違いない。

2.スイスは、日本同様、タバコ産業の政治力が強力で分煙、禁煙が遅れていることが知られているが、ここ数年で”国際化”が進み、本作記述のような場所でタバコを吸える状態ではなくなっているはずでは?仮に喫煙可能だったとしても、日本から派遣の警察官のタバコ中毒ぶりにこだわった表現としていることに疑問。なぜ、このような表現が必要なのだろうか?漫画や映画の主人公が、旨そうにタバコを吸う場面を作品に入れるとJTから、お金が出てくるという話は、いまも有効なのか?
共謀捜査 (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:共謀捜査 (集英社文庫)より
4087441865

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!