■スポンサードリンク
ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.33pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全112件 101~112 6/6ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
最近いろいろな変化球が多い中、正統的な謎解きミステリーに仕上がっています。こうした謎解きミステリーでは、あまり自分でいろいろと先が見えてしまったり事件の大筋に拘わるような行動力を示したりしない進行役と少し癖があるけれども鋭い謎解き役が協同して事件の解決に当たっていくというのが、いわば最も正統的でかつ読者にとっても分かりやすくて楽しめる構成で、言うまでもなくシャーロック・ホームズもので確立され、その後多くの作家がアレンジしながらも踏襲してきた作法です。この物語でも、進行役の真世が被害者の一人娘であること、探偵役の武史が被害者の弟でしかも以前有名な手品師だったいうアレンジ以外はこうした正統路線を踏襲しています。 もう一つが複数の物語を絡まるように進行させるというやり方で、これはハードボイルドなどで用いられる手法ですね。ここはハードボイルド論を述べる場ではないので論じませんが、この物語でいえば真世が婚約者との間に明らかにされないわだかまりを抱えていることです。主筋の謎がとける時点でスルリと絡まっていた謎がとける、またもっと見事なのが一見脇役の謎に思われていたような方が解けると主筋の謎の解決にも繋がっていくというもので、チャンドラーの『The long good-bye』などがどうしてあれ程の名作かというと、この後者に当たるからですね。ところが本作品では主筋の謎が解かれたことが、真世の抱えるもう一つの謎の解決の出発点になっていることで、読者はちょっと戸惑います。真世が持ち前の冷静さでこの問題に正面から向き合う場を武史が設定したのだから、問題は解決するだろうという暗示なのか、それともこの物語には続編が書かれる予定なのか、読者は戸惑うのではないでしょうか。この神尾武史という探偵役、これからもいろいろと活躍できそうなキャラですので、もしかすると作者はシリーズものを考えているのかも知れません。 とにかくさすがの安定感が感じられる小説です。時間のある方は手に取ってご覧になることをお勧めします。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
元マジシャンの叔父が、姪の父、つまり自分の兄が殺害された謎に挑む。ヒロインの真世と叔父のやりとりが軽妙で愉快なのだが、殺害されたのが身内であるからもっと深刻になるはずだ。その辺りを認めることができるかどうかでこの作品の評価は変わってくると思う。 探偵役が元マジシャンなので、相手の気をそらしたり感情を読み取ったりするすべに長けている。ジェフリー・ディーヴァーのキャサリン・ダンスのように。ただ、アメリカで成功したはずの叔父がなぜ日本でバーを経営しているのか、また、警察の行動や思考に詳しいのはなぜなのか、という疑問には答えてくれない。シリーズ化されるのならば別だが、そうでないのならこのまま消化不良に終わることになる。その点でマイナス1ポイント。それでも、新しい探偵像を提示した作者には敬意を表したい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
東野作品にしては平々凡々。かなり序盤で「そういうことになるでしょうね」という結末が予想できてしまいますが、それでも気づけば楽しく読み進めている自分がいましたし、コロナ禍の設定も身近に感じ、謎解きも十分に楽しめました。作中の作品「幻脳ラビリンス」の方が東野圭吾版「三体」みたいで、読んでみたくなってしまいました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
コロナ騒動で町おこしが頓挫した田舎で、引退したもと教師が殺された。 娘の真世は叔父の武史と共に事件の謎に立ち向かう。 マジシャン上がりの武史が使う騙しや誘導尋問の技は、なかなか興味深い。 狭い田舎町の人間模様を掘り起こしていく過程は、いかにも東野作品らしく読みごたえがある。 が、強烈な引きに比べて解決があまりにショボい。 こんな動機で人を殺すか?世間に公表したら、非難されるどころか話題性が上がるのでは。 プライベートな謎解きは平凡だし、作中作はとても面白いと思えない。 コロナで閉塞した社会が背景だけど、設定が生かされていない。探偵役のキャラはちょっと面白いけど、ストーリーに工夫がなさすぎる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
殺人は1件しか起こらず、派手などんでん返しもありません。キャラのたった主人公たちが町の人間関係を掘り下げていくことで真相に到達する流れです。主人公たちが出しゃばらず警察に任せても、解決できたのでは?と思われる真相でした。 この事件の動機を知り、私は東野圭吾の加賀恭一郎シリーズ「○○(ネタバレになるので題名は伏せる)」を思いだしました。単純に言語化できない人間心理の機微を見事に描き出したミステリで、地味ながら東野作品のベスト3に入る出来栄えでした。 残念ながら、同じベクトルの作品として今作(ブラック・ショーマン)ははるかに質が落ちるものだと言わざるをえません。もちろん楽しめる要素は多いのですが、エンタテイメントに寄せすぎです。明らかに映像化・シリーズ化が意識されています。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
悪くはないんですが、期待が大きすぎたせいか少しがっかりしています。 それにしても、結局、名もなき町ってどこなんだろう。 東京から新幹線で1時間、そこから特急に乗り換えて・・・だったか。 紀伊半島か? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
期待しすぎた。 叔父のキャラクターは良い。主人公の女性に魅力がない。結局かなり小さい規模の話だった。続編を書くなら叔父は登場しても姪は出さないかな。真相も予想外では全くなかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
父親を殺された娘が、叔父と一緒に真犯人を見つけるミステリー。 ミステリーとはいえ、元マジシャンの叔父の活躍がすごすぎて謎の解決が次々簡単に出来過ぎてストリー的には推理以前にマジックに頼り過ぎ。 それでも主人公2人のキャラは魅力的に描かれているし、周辺人物の心理描写は著者らしいしっかりした設定となっているのでラストまであっという間に読ませる。 親が死んだ後なのにあっさりしていたり、殺人に至る過程には首をかしげる点などもあるけど、軽めのエンタメとしてなら及第点かな。 もしかしたら、この2人でシリーズ化するかもしれない。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
東野圭吾さんは一番好きな作家さんで期待し過ぎたのもあるが、 推理がすべて出来過ぎているので残念。 こんな能力ある人いないし被害者がやたら皆から慕われているけどそのような人物像は浮かんでこなかった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
読み物としては一気読み出来て面白かったです。 でもこの作品には致命的な欠陥があります。 教養も分別もある元国語教師。 あるものを「発見」して、どうしてこんな世間知らずな能天気な発想をしたのだろう…。 普通、まったく違った見解を持つはず。 あと、謎を解く元魔術師。 このキャラにもうちょっと男の魅力が加わったらいいのに、と思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
東野圭吾さんの小説の半分以上は読んでいる読者ですが、この小説は、ガリレオシリーズの中でも 『容疑者Xの献身』であったり、『新参者』などの加賀恭一郎シリーズ全般の系譜を継ぎ、 単なる謎解きではなく、そこに至る過程で、なぜそのような事件が起こったのか、起きてしまった のかという人間心理を巧みにかつ丁寧に描いた、私の中では、これぞ「東野圭吾の真骨頂!」と いうべきものでした。 ネタバレにならないようぼかしたレビューになりますが、舞台回しは被害者の娘が担っています。 ですが、この本の真の主人公は、元マジシャンである被害者の弟で、彼が繰り出す「会話のテク ニック」に驚き、魅了されること間違いありません。 そのままを引用するのは避けますが、たとえば見知らぬ若い女性を褒めるときに、「犬(猫)が 好きだそうですね」であったり、「料理が得意だそうですね」と言えば、当たる確率は高いし、 もし違ったとしてそう言われて悪い気がする人はいない、というような、なるほど!と膝を打つ ような描写がたくさん出てきます。 また、謎解きを進めるこの真の主人公以外に、東野さん独特の世界観である、登場人物ごとの 慎ましやかな世界の中で起こっている出来事。それはコロナ禍における在宅勤務でお互いの神経を すり減らすことになってしまった夫婦の話、売れっ子漫画家とその親友だった男の子の友情物語、 何より、物語の進行役である被害者の娘と婚約者の心のすれ違い様など、人間はこんな些細な 一歩が足りないだけで悲劇を生んでしまうんだな、確かにそんなことってあるよなと、思わず 感情移入してしまうストーリーがいくつも描かれています。 真の主人公である被害者の弟は、「俺がしているのは推理じゃなくて人間の行動パターンを追って いるだけだ」と謙遜しますが、洞察力に富む人のすごみや、人間心理の機微をわかることの大切さを つくづく感じる本でした。 小難しいことを書きましたが、読後感はいいです。 東野圭吾さんの本流を知りたい方にはお勧めの本です! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
コロナ禍でリモートワークが当たり前になった状況がうまく作品シチュエーションに反映されていて面白い。 リモートワークにより、都会での社会生活を持ちながら、密を避けて地元に生活の拠点を置くことが可能になったので、 地元の人間関係と都会での社会生活を両立させることができるような時代になった。 そんな時代特有の人間関係で成り立つシチュエーションが秀逸。 神尾武史のアクの強いキャラクターも良い。続編が出たら是非読みたい。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!