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バサラ将軍(室町花伝)
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バサラ将軍(室町花伝)の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.60pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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安部氏の初期の短編集です。 プロデビュー作と、まだ作家デビュー前の公務員時代に書いた第一作が収められています。 気に入った作家を読んでいると、最初はどうだったんだろうかという興味が沸きます。 司馬遼太郎氏しかり、有名な作家の第一歩は結構マニアックなところから始まるんだなと、これはこれで面白いです。 あとがきに氏本人から、なぜここから取り上げたのか説明があり、人生の不思議さを感じます。 最近の調査で足利尊氏の肖像画とされていたものが、実はその参謀だった高師直ではないかということになり、 その高師直に興味があって読み始めたのですが、意外と面白かったのが「アーリアが来た」でした。 早い話、象の話なのですが、初めて象やダチョウなどが南蛮から京都に来たときの実話が元になっています。 この裏には権力闘争があり、無事に象を京都まで運ぶことができるか、運ぶ方と阻止する方の戦いの道中記です。 こんなテーマを取り上げるところが安部氏らしいところで、実に面白い人です。 | ||||
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短編を一冊に纏めた本。 『兄の横顔』は足利兄弟の話。直義の兄・尊氏に対する屈折した感情と、尊氏の掴み処のない不気味さが描かれていて面白い。 『師直の恋』は、高師直の塩谷判官の妻に対する横恋慕。 『狼藉なり』は、土岐頼遠の光厳院に対する狼藉事件。師直が頼遠を庇い続ける姿が、悪役一辺倒のイメージと異なり新鮮だった。 『知謀の淵』は、新田義貞の子、義興を多摩川で奸計によって討った竹沢右京亮の話。主人公がどんどん不幸な境遇に陥っていく様が物悲しい。 『バサラ将軍』は足利義満と後円融帝の寵姫との不義事件を題材としながら、義満の帝に対する劣等感を描き出した話。 『アーリアが来た』は足利義持の時代にスマトラ島から贈られた象の話。 『兄の横顔』と『知謀の淵』は短編ながらも秀逸な作品だと思います。『知謀の淵』を本タイトルにすれば良かったのにと思うほど。『バサラ将軍』は本のタイトルになっているにも関わらず、さほど大した作品でないのが残念。義満をいろんな意味でもっとアクの強い人物に書いた方が面白いと思う。(短編ではコレが限界…?)『アーリアが来た』に関しては、他の作品と世界観が違う(時代は室町期で違和感無いが)ので、この本に纏めて欲しくなかった。 | ||||
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