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地下鉄道
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地下鉄道の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.81pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全36件 21~36 2/2ページ
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本書は、アメリカで絶大な影響力を誇るオプラ・ウィンフリーが2016年の夏に紹介し、大ベストセラーになったそうです。 主人公は黒人の少女です。強い心を持っていますが、ありえないほどの精神的・肉体的虐待に合います。逃げ続ける彼女が見るのはディストピアに次ぐディストピア。 ファンタジー的な要素もあります。納屋の地下にやってくるのは… 是非手に取って確かめて下さい。 | ||||
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すみずみまで丹精で精緻さのみなぎる文章は、時折ハッとするほど美しかったり、唸らされる哲学的な機知に富んでいて、数ページに一度は美しい名文を摂取させてくれる稀有な作品。 だけど自分は、逃げた奴隷とそれを追う賞金稼ぎとのチェイスを期待しちゃって(だって地下鉄道(アンダーグラウンド・レイルロード)をめぐるロードノヴェルで、奴隷ハンターなんてものも出てくるんですよ!)、文学というよりも映画的なサスペンスドラマとしての期待感を寄せて読んでしまったので、その意味では食い足りなさもあった。あと翻訳の問題ではないと思うのだけれど、あと一言、置いておいてほしい言葉を置いてくれない、がためにリーダビリティが損なわれるという面がしばしばあった。例えば、登場人物のそれぞれが、白人なのか黒人なのか、という点。追跡者のリッジウェイは? 屋根裏に主人公を匿う夫妻は? 旅すがらで出会う人々は? きっちりと読んでいけば描写があるのかと思うが、たびたびあれどっちだっけ?とわからなくなり、それってけっこう明文化しておいてほしいところなので困った。そのあたりを暈かすところに著者の文学的な意図があったのかもしれないが、私にとっては妨げになってしまった。 とはいえ、文章は素晴らしいです。アメリカの裏面史、隠蔽されがちな真実を抉りだす鋭さや強度も申しぶんない。 こうした作品がピュリッツアー賞を受賞するというところが、アメリカという国の真の強靭さを裏打ちしているのだと思う。トランプの時代に文学が浴びせるカウンター、素晴らしく知的でクリティカルで、尊い。 | ||||
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評価が素晴らしいので図書館で借りて読み進めると、本編は9ページからスタートし31ページで私は挫折。始まりから31ページで登場人物を数えると【24人】になり、処理能力のない私はパンク状態へ陥り、残りのページをパラパラ捲ると、名前がたくさん。返します。同時に図書館から『ギレアド』も借りて来ましたが、また名前の羅列が、、、。通常登場人物を本の最初の方にありますが、無い。新潮クレスト関連も注意を。 | ||||
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黒人奴隷少女の悲惨であり力強い逃走劇だが、当時は存在しなかった地下鉄がそこにあったのなら、、、 とても読み応えがあり色々と人間のあり方について考えてしまいます。 ただ、翻訳がとても読みづらい。正直、翻訳がもっと現代的な解釈を持って分かりやすく訳されていれば数倍面白い作品となったのではないかと感じました。別の人の翻訳で改めて読んでみたいと切に感じました。 | ||||
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こんな理不尽が許される時代があったのかと衝撃でした。 また、自分に直接関係がないのにその理不尽に立ち向かう人もいた。 当たり前のように思える平和。ちょっとしたことで失われてしまうかもしれない脆いもの。 多くの犠牲の上に生かされている自分なんだとしみじみ思いました。 後半部分は物語としてうまくまとめたなと思います。最後の3台の馬車の意味はなんだろう。 | ||||
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文章は淡々として美しく、翻訳もよい。静謐な文章で凄惨な暴力が語られるのは、黒原敏行―コーマック・マッカーシーを思わせる痛快さ。 文体のリズムが良く、翻訳文学ならではの過度にローカライズしすぎないひねりのきいた味わいがある。この訳者にぜひ同じ作者のほかの作品も手掛けてほしい。 特に印象に残った一文を引用します。 「奴隷使役者たちが畑の畝に植えるよう命じたのは海島綿だが、その種のあいだには暴力と死の種も蒔かれ、この作物の成長は早かった。」 あと単なる好みですが、個人的に「洗い熊」という表記を選ぶのがなんだか奇妙でセンスある!と思いました。 | ||||
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書評が良かったので期待して読み始めたが、とにかく読み辛い。 あまりに読みづらく、本当に高評価なのか、このアマゾンのレビューを確認したところ、他にも同様の意見を発見して、少し安心(?)した。 | ||||
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19世紀前半のアメリカ、ジョージア。10歳ごろ、脱走により母を失った奴隷の少女コーラは、新入りの青年奴隷から地下鉄道を使った逃亡計画を持ちかけられる。一旦は断った彼女だが、農場主がより残忍なテランスに代わったため、彼と同行することを決意する。ところが農園を出て間もなく、同じ年頃の少女ラヴィ―が後をついてきた。やむなく3人で行動することになったが、野豚刈りの猟師たちに出くわしてしまう。ラヴィ―はさらわれ、コーラは青年の頭に石を叩きつけて逃げた。すぐに悪名高い奴隷狩り人リッジウェイが後を追い始める。二人は、「駅」へと案内してくれるフレッチャーの元へとたどり着き、「地下鉄道」の列車に乗る。 自由を求めて逃亡する少女と、それを助ける人々、妨げる人々の姿を通じ、真の自由とは、混乱の世界の中で人のあるべき姿とは、を問いかける。 奴隷逃亡を手助けする組織を表す「地下鉄道」を実在のものと仮定して描かれたフィクション。 独特の文体で、一文が短く接続詞も少ない。 また、登場人物が多いにもかかわらず人物紹介欄がない。登場してから15ページ以上後になって少しずつ説明される人物もあり、慣れるまで苦労した。 事実をもとに書かれたものらしく、残虐な場面が多い。「地下鉄道」に本当に列車が走る場面では、史実を基にしたフィクションから一気にファンタジーの世界に入ってしまった。 事実も多く含まれているのであろうが、特にリッジウエイとの攻防などでは、かなりのエンターテイメント要素を感じ、史実の重みが損なわれているように感じる。 これが白人作家であれば、微妙な立場に立たされていたかも知れないと思うのは、私だけであろうか? 中学生以上のおススメ本の候補になるかと読んでみましたが、これは大人向けの本です。 | ||||
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19世紀初めころのアメリカ南部を舞台に15歳の黒人奴隷少女による農園からの脱出を描いた物語である。奴隷たちは日々暴力にさらされ、人間以下の扱いを受けており、逃げ出せば見せしめに殺害されていた。それでも逃亡を企てる奴隷はあとを絶たなかた。当時、逃亡奴隷をかくまって北部へ移送する秘密組織があったが、その史実を作者は奴隷救出のための地下鉄道が存在したとの大胆なフィクションに変換した。本書は歴史的事実を下敷きに、類まれなる想像力を駆使して、奴隷少女の逃亡を描いた大スペクタクルの長編小説である。人種問題が再燃するアメリカ、いや世界中で、いま最も注目される作品となっている。 息をのむような凄惨な場面がふんだんに出てくる。奴隷の命は家畜よりも軽い。どれだけ暴力で抑えつけられてもコーラは自由を求めて北へ逃げる道を選んだ。絶望的な状況から心を奮い立たせて、人間の愛を信じ、自由への脱出を敢行する姿は強く美しい。しかし、農園主はすぐに奴隷狩人を雇って彼女を追跡させる。コーラは力を振り絞って何度も危機を乗り越えていく。聡明さと勇気が状況を切り開いていく。逃亡奴隷を助ければ命がないことを知りながら支援する白人がいる。そして密告によって犠牲者が幾人も出てくる。安住の地を見つけたと思えば、たちまち姿を現す奴隷狩人。どこまで逃げればコーラは助かるのか。この暴力とスピード感あふれる展開は上質のサスペンスであり、文体には文学の香りがただよう。 「盗まれた土地で盗まれた人が働かされている」 「アメリカこそが、もっともおおきな幻想である。白人種の人は信じているーこの土地を手に入れることが彼らの権利だと心の底から信じているのだ。インディアンを殺すことが。戦争を起こすことが。その兄弟を奴隷とすることが」 登場人物が発する上記の言葉は著者の声だろう。アメリカはヨーロッパ人がネイティブ・アメリカンを殺戮して奪った土地にネイティブ・アメリカンと黒人奴隷を使役してつくられた暴力の国であると告発するのだ。虐げられ、殺された幾千万人の代弁者として著者コルソン・ホワイトヘッドは本書を著したのである。 本書はピューリッツアー賞、全米図書賞、アーサー・C・クラーク賞などめぼしい文学賞を総なめしている。この受賞歴が現在のアメリカの置かれている状況を象徴しているはずだ。正にいま読むべき第一級の書である。同時にホワイトヘッドも参考にしたという「ある奴隷少女に起こった出来事」(ハリエット・ジェイコブス、大和書房)も併せてお勧めしたい。こちらは実在した黒人女性の手記である。 | ||||
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翻訳がいまいち。形容詞や関係詞の位置を変えるだけで、もう少し読みやすくなるのだが。それ以上に、内容がハードで読み進めるのが辛かった。。革新的で賞を取るのは納得ではあるが、それにつられた高評価になっている感じは否めない。 | ||||
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翻訳が今ひとつ。とても読み難かった。解説で補足し内容を理解した。 | ||||
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奴隷制度と関わる形での“地下鉄道”のことは知っていたので、読み進めながら少々首をかしげることが多かった(「訳者あとがき」を読んで納得した)。ただ、1800年代の前半、アメリカにおける奴隷制度、白人と黒人の考え方、“インディアン”に対する考え方などは、リアルなものだろうと感じられた。 農園で奴隷として働くコーラは、仲間のシーザーから誘われて、逃亡を決意する。その道は、母メイベルも辿ったはずの道だ。逃亡は上手くいったかに思えたが、奴隷狩り人リッジウェイはコーラを執念深く追い続ける。逃亡の途中で様々な人物に出会い、彼らの持つ黒人に対する考え方を知ることによって、コーラは少しずつ変わっていく… 奴隷制度、逃亡奴隷を助ける“地下鉄道”、アメリカが黒人や“インディアン”に対して行ってきた残虐行為など、いくつかの史実を背景に、著者は奔放な想像力を駆使して、コーラの逃亡をドラマチックに描いていく。「訳者あとがき」にあるように、先行作品や様々なモデルを巧みに織り込むことで、最後までスリリングだ。 個人的にはリッジウェイが印象に残る。血も涙もない「奴隷狩り人」だが、農園主テランス・ランドルや黒人へのリンチで差別意識をむき出しにする白人たちの“黒人差別”とは違う側面が感じられる。もちろん彼の行為は許されるものではないが、何かが明らかに違っている。ある意味で、彼の存在こそがこの物語を支えているような気がする。 | ||||
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19世紀前半のアメリカ南部には、奴隷たちを秘密裏に、命がけで北部に逃がす組織が存在した。地下鉄道、と呼ばれるその組織を、本作では本当に地下に鉄道が走っていたものとして描いている。 設定はフィクションなのだが、伝わってくる黒人奴隷たちの苦しみは本物で、読んでいてとても息苦しかった。 主人公のコーラは、アメリカ南部ジョージア州の農園から逃亡し、地下鉄道に乗って北へと進む。一緒に逃げた2人のうちの1人は殺され、しかしコーラも捕らえに来た人を1人殺してしまう。殺人犯で、逃亡奴隷。 サウス・カロライナからノース・カロライナへ、そしてインディアナへ。北へ北へと逃げるコーラを手助けしてくれた人の中には白人もいる。逃亡奴隷と関わっていることが知られたら処刑されるかもしれないのに、それでも奴隷たちを助けようとする白人がいたことには尊敬させられる。 重いテーマの本ですが、おすすめです! 「アメリカこそが、もっともおおきな幻想である。白人種の人は信じているーこの土地を手に入れることが彼らの権利だと心の底から信じているのだ。インディアンを殺すことが。戦争を起こすことが。その兄弟を奴隷とすることが」 「肌色だけで充分とせねばならない。この色が、われらを今夜ここに、この議論の場へ連れてきたし、また未来へも連れていくだろう。私が真実知っているのは、われらは昇り詰めるときも落ちてゆくときも一体であるということだ。白人という一家の隣に住む黒いおおきなひとつの家族として」 | ||||
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19世紀、アメリカ南部の農園で奴隷として生きる少女の逃亡劇。 当時Underground Railroadという逃げる奴隷を助ける地下組織があったそう。もしそれが本当に地下を走る鉄道だったとしたら、という設定。SFでありファンタジーであり、史実には基づかないけれど、おそらく事実よりもっと正確な真実を描いています。 例えば、物語後半、奴隷制に反対する人々による演説。 『そしてアメリカも。アメリカこそが、もっともおおきな幻想である。白人種の者たちは信じている ― この土地を手に入れることが彼らの権利だと、心の底から信じているのだ。インディアンを殺すことが。戦争を起こすことが。その兄弟を奴隷とすることが。この国は存在すべきではなかった。(中略) なぜならこの国の土台は殺人、強奪、残虐さでできているから。それでもなお、われらはここにいる。』(P360) これは本書のテーマの一部を要約していると思います。この小説が2016年度のピュリッツァー賞、全米図書賞、アーサー・C・クラーク賞を受賞し、40以上の言語に翻訳されること、それが端的に今のアメリカが直面する現実を表しています。 アメリカにおける黒人の歴史を描く本を読むと、黒人音楽の起源がよくわかります。アフリカ大陸の様々な場所から連れてこられた黒人の末裔は、母国語も英語も不自由になり、手足を枷でつながれ、お前たちは人間ではない。神に許しを請うべき下等な生き物なのだと、聖書を渡され讃美歌を聴かされる。 手足は繋がれているから、感情を発散するには、何かを表現するには、讃美歌を歌い、腰を振って踊るしかない。アフリカ各地の風俗とヨーロッパの伝統が混ざる。ソウル、ブルース、ゴスペルといった黒人音楽が生まれる。 最後に、「地下鉄道」について作中で語られる内容を引用します。 『個人的な、自分だけの秘密で、他人に打ち明ける気にはならなかった。悪い秘密ではない、でも、自分の核に深く、親密に関わっていて、わけることはできない。ひとに話したら、それは消えてしまう。(中略) 「地下鉄道はその運営者たちよりおおきい ― それはきみたちすべてなんだよ。」』(P336) | ||||
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タイトルから奇想天外な内容かと思っていたが違った。リアリティのある物語であった。読んでいて、展開はある程度、予想できるが、なんでこうなるんだ!、えぇ!などと、心を締め付けられながら一気に読み終わった。悲しく残酷なテーマだが、アメリカらしくもあり、面白い小説だ。 | ||||
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奴隷制の存在した米国南部が舞台となってはいるが、そこで描かれているのは何時の時代や場所にも当てはまるような普遍的なことばかり。続きが容易に想像できる単純なストーリーではあるものの、物語に引き込まれ、あっという間に読み終えてしまった。発売と同時にKindleで読めるのは有難い。 | ||||
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