■スポンサードリンク


ニューカルマ



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
【この小説が収録されている参考書籍】
ニューカルマ
ニューカルマ (集英社文庫)

ニューカルマの評価: 3.94/5点 レビュー 32件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.94pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全32件 1~20 1/2ページ
12>>
No.32:
(2pt)

西尾潤の「マルチの子」の方が数段

ネットフリックスで地面師たちを見てから読みました

この手の知能犯的な裏社会ものがお得意なんでしょうね。
ただし、マルチに関しては西尾潤の「マルチの子」の方が数段上。西尾は自らマルチにハマっていた過去があるので、リアリティが全く違う。

奇しくも、「地面師たち」が受けたのは積水のリアリティがあったからですよね。
ニューカルマ (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:ニューカルマ (集英社文庫)より
4087458318
No.31:
(3pt)

食わなければ食われる

ネットワークビジネスでも何でも親にならない限り総て組織の末端の雑魚は結局食い物にされる他無い。それに開眼する迄散々食い物にされる一部始終を修行時代として仄仄と描いた一篇。
そもそも年金逃げ切り問題を見れば分かる通り、そもそもこの社会自体が巨大な鼠講に過ぎず、大人が自分たちの年金のために、頑張れば成長できる、何でもできるという幻想を子供や若者に刷り込み、安値で労働活動させることで経済や社会は維持されている。そんな幻想をもとに、我々は己に鞭打ち、競争や労働をしてきた。もし、若くして幻想を持たなければ、誰も無理して働かない社会ができてしまうのでネズミ講スキームが維持できず、大人たちは自分たちの年金が危なくなってしまう。この仕組み自体が一つの類としてのカルマ構造として現前している。
主人公はその構造に取り込まれ、周りに踊らされ、何度も食い物にされてもされても立ち上がり、一発逆転を目指して会社辞めたりの奇行に走るがそれは総て只々カルマのなせる業と俯瞰され、平たく言えば食わなければ食われるという普遍的な淘汰の掟の中で生きる他なく、それは巨大な鼠講とは気付かせず他人をマニピュレーションできると信じて政治家になる友人も同罪であり、故に友人の説教など聞いてられない主人公の姿勢が正当なものとして活きている。
ニューカルマ (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:ニューカルマ (集英社文庫)より
4087458318
No.30:
(5pt)

めちゃくちゃわかる

綺麗事だけじゃないオチ。
楽して稼げる方法は向こうから転がっては来ません。
誰も教えたがらないところを知った人は、黙ってそれを踏襲します。
皆さんも旨味の果実を見つけましょうね。
ニューカルマ (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:ニューカルマ (集英社文庫)より
4087458318
No.29:
(4pt)

本質

竹田自身の成功(したかのように見える)へのプロセスがほとんど描かれていないことが、このビジネス、そして取り込まれる人たちの空虚さをその本質として強調しているように感じた
ニューカルマ (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:ニューカルマ (集英社文庫)より
4087458318
No.28:
(4pt)

誘われて考えた人も多いはず。。。

主人公が勤めている会社の業績悪化によるリストラに端を発した不安から、
誘われていたネットワークビジネスに手を染め始め、失敗と成功を繰り返し、
最終的には自らが首謀してネットワークビジネスを始める話。

正直、仕事環境に不安がある時に、他の収入の道として考えた事もあるので、
人生というか、生活状況が順調じゃない方は、身につまされるかもしれません。

狭小邸宅、ニューカルマと読んでみて、新庄耕作品に惹き付けられました。
ニューカルマ (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:ニューカルマ (集英社文庫)より
4087458318
No.27:
(5pt)

気が重くなったが読んで良かった

この作者さんの話は毎回後味が悪く、予想して読んでいましたが最後はやはり気が重くなりました。考えさせられる内容だと思います。
ニューカルマ (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:ニューカルマ (集英社文庫)より
4087458318
No.26:
(4pt)

ネットワークビジネスとは人間関係を現金化する商売である

新庄耕氏による作品。
2016年1月10日第1刷発行。
初出は「小説すばる」2015年8月号~10月号。
カバー写真の被写体は、モデルの鶴田裕也さん。

1983年9月25日生まれ。京都府京都市出身。
2浪して慶應義塾大学環境情報学部卒業、
その後リクルートに2008年に入社するも1年で退社。
ITベンチャーや肉体労働など職を転々とし、
沖縄でヒモ生活を送りながら2012年、デビュー作「狭小邸宅」を書き上げた異色の経歴。
「狭小邸宅」で第36回すばる文学賞を受賞
本作ニューカルマが2冊目の単行本となる。

新庄耕 略歴
1983   京都市生まれ
世田谷、広島市を経て、川崎市へ
1994 少年サッカーの神奈川県代表として全国大会に出場
1999 渋谷・新宿のクラブに入り浸る
中華料理店、ガソリンスタンド、造園、居酒屋でアルバイト
2002 新宿ゴールデン街に通い始める
2004 慶應義塾大学環境情報学部入学
当時付き合っていた女性にネットワークビジネスに勧誘される
2008 リクルート入社 リクナビの法人営業に
2009 リクルート退社 ITベンチャー、集配センター、翻訳会社など、職を転々とする
2010 沖縄で「狭小邸宅」執筆
2012 「狭小邸宅」ですばる文学賞受賞

本書はいわゆるマルチ商法に関して取り上げた本だ。
ネットワークビジネスと称しているけれどもピラミッド型の組織を
つくり子会員を作る形はどれも似たようなものだ。
ねずみ講とは違い違法では無いと説明があるが本質的な所は
ほぼ同じではないだろうか。

主人公竹田優希は友人からの誘い、また地元仙台での同級生タケシへの
劣等感など様々な要因でネットワークビジネスに入る。
当初は全く相手にされず友人関係、会社の人間関係を失っていく様は
典型的な所ではある。
ただ前作狭小住宅でもそうだが、どん底からの成功というパターンは
新庄耕作品の特徴なのだろうか。
今回はそれが2度起こるのが特徴。
どの業界もそうだけどだいたい同じ業界って狭いもんやねと。
本当にそれほどいい商品なら普通に販売してみてはどうなのかと。
ドンキホーテやスーパー、百貨店でも販売すれば良い。
今ならネット通販もあるAmazonでも売れば良い。
それが無いというのはやはり違和感を覚えずにはいられない。
また豊かになる為には働く必要がある。
しかしリストラやパラーハラスメントに苦しみ続けながら
働くのとこのネットワークビジネスである種のフリーのように
働くのでは同じ時間でもストレスに雲泥の差があるのは事実だ。
難しい問題ではある。

印象に残った部分を紹介してみると
「すごいんだよっ、すごいの。俺の話なんか聞かなくていいから、
明日ちょっとだけ時間もらえない? ネットワークビジネスの話とか一切なし。
アメリカからすごい人が来てて、会えることになったんだよ。ね、すごいの本当に」

「今の会社の給料とは別に、百万円入ってきたらいいと思いませんか」

「前回のブームが四年前だったんですけど、そのブームにうまく乗っかった人は、
今では月に百万円ほどの収入を得ています。今がチャンスなんですよ。
今しかないんです、来年じゃもう遅いんです」

「いや、マルチって言っちゃうと胡散臭く聞こえるんだけど、
それはマスコミが勝手にレッテル貼りして印象操作してるだけで、
ウルトリアっていうちゃんとした世界的な大会社の会員だから、実際は」

「もう決めたんだよ、俺は。これで行くっていう覚悟を。
誰がどう思うかなんて、どうだっていい。気にしないし、問題じゃない。
そのせいで、俺から離れるような奴は離れてくれていい」

「結局、サラリーマン的な働き方って、労働力という形で
時間をお金に換えているだけなので、定年という縛りがある以上、
生涯賃金って増えっこないんですよ。給料あげたくても、そう簡単にあがらないですよね。
それどころか残業代減らされたり、ボーナスがなくなったりすることも場合によってはある」

「まあ、昔よりは商品もまともになってきてるのかもしれないし、
ネットワークビジネスなんて知らない世代も出てきてるから、
大きなグループ作れるのかもしれないけど。でも、俺はもういいな。
あれやって……かなり人間関係ぎくしゃくしたし、実際、何人か友達もなくしたしな」

「いい、コピービジネスなの、ネットワークビジネスって。
アップを真似て、自分の分身をどんどんつくる。難しいことしようとしちゃ駄目、
下の人が真似できないから。

サラリーマンの生涯賃金って、昔は三億とかって言われてたんですけど、
今は一部の大企業をのぞいて大体2億ぐらいしかありません。ところが、
老後の資金に必要なのは、仮に65歳で定年を迎えて80歳まで生きるとして
これだけかかると言われています。→4000万円。

「昔は、そこら辺のしょうもないマットとか布団とかべらぼうな値段で
売りつけるってのが当たり前のようにあったけど、今は、会員が無理なく
継続的にビジネスができるように、商品なんかも単価の高い耐久消費財じゃなくて、
健康食品とか化粧品とか、日用消費財でやるってのがセオリーになってきたりすんのよ。
現にここ十年ぐらい、生活センターの苦情件数も半減している」
→これは確かに実感する。
かつて青木雄二氏の漫画ナニワ金融道でタイヤを売るマルチ商法を
取り上げていた。(時代設定はバブル崩壊後)
そういったものから最近見るのは確かに健康食品、化粧品の類だ。
ただそれでも人間関係を現金化する商売という本質は変わっていないと感じる。
ニューカルマ (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:ニューカルマ (集英社文庫)より
4087458318
No.25:
(4pt)

人間存在をモラルの観点から追求した佳作

※本感想はネタバレを含みます

(おもな登場人物・組織)
●ユウキ(竹田優希)
一人称の語り手。大手総合電機メーカーの子会社で、
電子部品の製造を主力とする某メーカーに勤務していたが、
ネットワークビジネス
(口コミによって健康食品等の商品を流通させる会員制の製造販売業)業界に転身する。
●タケシ
生まれつき片腕を欠損している障害を持つユウキの幼馴染。東大卒業後、
市議会議員を経て市長へと昇りつめた人物。
正義感が強くユウキをネットワークビジネスから引き離そうとする。
●ウルトリア
全世界に展開する米国資本のネットワークビジネスの組織。
途上国等に対して病院建設等の為の巨額の経済的供与を継続的に行っている旨を
パンフレットで謳っている。
●石黒
ウルトリアに於けるユウキの上司。金村良子をユウキに紹介した。
●金村良子
オーナー企業の社長夫人。ユウキの直下の子会員となって大規模な拡販に成功し、
ユウキに大きな利益をもたらした。
嗜虐的な性的嗜好を持ち、のちにユウキに縄を用いた性行為を強要した。
その後同業他社の引き抜きによってウルトリアから離脱した。
●ニューカルマ
ウルトリアを辞めた後にユウキが会員となったネットワークビジネスの組織の名称。
子供の貧困を解決するために設立されたNPOに資金供与。
社長をはじめ会員の多くがNPOを通じボランティアに参加。
●木村社長
ニューカルマの経営者。

(あらすじ)
業績不振に喘ぐメーカー勤務の職を捨ててネットワークビジネスに転身したユウキは、
一時的に成功するものの、強引な勧誘活動等によって債務者に転落し、ウルトリアを辞める。
その後、派遣の仕事を経て参加したニューカルマに於いて、傘下の会員数を急拡大させ、
社長から重用されるほどに出世する。
しかし、商品の一つである美容液がアレルギー被害を発生させた不祥事に関し、
会員に向けて独断で全面謝罪を行った事が原因で、ニューカルマを追放される。
更にその一年後、自身を代表としたネットワークビジネスの組織を起ち上げる。

(感想)
本作は、時流に沿った題材を扱いつつも、大元に据えられたテーマは
「モラル」(倫理・道徳)であると言えるのかもしれない。
それも、
社会的モラル・法的な意味合いにおける狭義の善悪を問題にしているというよりはむしろ、
「一個の人間存在としていかに善く生きるか」
という、よりパーソナルな視点に立って書き上げられた小説であるように読めた。

過去の所業が現世の運命に影響を及ぼすとした
「カルマ」という仏教概念をタイトルに冠したのは示唆的だ。
カルマ(業)には善も悪も両方含まれとされるが、
それが清濁併せ持つネットワークビジネスの業態と被っている感じがする。

語り手が、最初に参加したネットワークビジネスの組織を辞めた後に、
性懲りもなく同業他社に参加する流れはリアルで、
また、物語に厚みを与えていると思う。

終盤、木村社長が自社の詐欺的商法について
「奇麗事じゃ人なんて救えない」とユウキに対して詭弁を弄する。
倒錯した理屈だが、行動が伴っている為ある種の迫力がある。
悪事に手を染めつつも稚気も併せ持つこの男の人物造形には、
やや類型的ながら面白みを感じた。

「身体的なハンデ」を題材の一つとして取り上げている点についても興味深く読んだ。
ネットワークビジネスでユウキの上司であった石黒は、美容整形を
施すことによって手に入れた奇麗な外見を会員獲得のための武器にする。
このこと自体は「ありがち」な挿話にも映るが、
タケシが腕の欠損を自身の社会的な弱点であるとは捉えずに、敢えて義手を隠すこともせず、
結果論的には腕の欠損を市長選に勝ち抜くための強みとさせた(そのことをタケシ本人ではなく
ネットワークビジネスの会員に言及させている)
という別の物語とを『「ハンディキャップ」という共通のキーワードによって生み出された二人の強者』
を扱った一対のエピソードとして見れば、
これらが本書にある種の重みを与えていることは確かなことだろうと思う。

容姿や身体的な差異をハンディキャップと捉えるかそうでないかの判断は
個人差が大きく、人の人生に非常に大きな影響を及ぼす。
ただ、そうした問題に対処する際の個々の主体的な判断の中身を
善悪で測ることはできない。
「善か悪か?」という二元論には決して収斂され得ないデリケートな事柄が
物語の中に入り込み、絡みついている設定に面白みを感じた。

ニューカルマでのユウキの仕事ぶりが好調過ぎる点や、
小学生時代のタケシに対するイジメに加担した記憶がフラッシュバックして
ニューカルマに於けるトラブルへの謝罪と被る場面など、
若干の違和感を覚えた箇所が幾つかあった。
また、全体的に見ると人物造形がやや類型的で、そこに若干の物足りなさを感じた。
文章に関しては、描写を始めとして丁寧であるという印象を持った。

最終的に、ユウキは中国から仕入れた「白い粉末」を販売するために自身を代表とする
ネットワークビジネスの組織を起ち上げることになるが、この事業が違法性のあるものであるのか
どうかは明らかにされない。人並の規範意識を備えた人物として描かれてきたユウキが、
最終的にどのような人間となったのかを読者に想像させる余地を敢えて残したようにも読める。
だが、逆の言い方をすれば、その点を明確に描き切らなかった事が本書の弱点であるとも言える。
ニューカルマ (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:ニューカルマ (集英社文庫)より
4087458318
No.24:
(1pt)

意味が分からない

僕の周囲にマルチ商法をやっている人があまりにも多いので、心の闇を覗いてやろうと読んだ。
しかしこの本を読む限りよく分からなかった。
主人公が、なぜ成功を収め、転落したのか、原因がはっきりしない。
読んで損した気分。
ニューカルマ (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:ニューカルマ (集英社文庫)より
4087458318
No.23:
(3pt)

誰でも陥る可能性があると思わせる

勤務先のリストラで将来の不安を感じていた主人公が、ネットワークビジネスに手を染め、葛藤を抱えながら成功と転落を繰り返す社会派小説です。この業界をしっかり取材されているのか、そのことに詳しくないものにとってはリアリティーを感じました。

マルチ商法はすごく身近ではないかもしれませんが、誰でも一度ぐらいは耳にしたりして知っているのではないでしょうか。いつかは行き詰まるような気がしますが、成功者の高い報酬や甘言に惑わされ徐々に嵌っていく恐ろしさが淡々と描かれています。
小説としては脇役の友人が主人公の対比として上手く書かれていて、また一方的に主人公を責めきれないところも、遣り切れなさが残りました。
ニューカルマ (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:ニューカルマ (集英社文庫)より
4087458318
No.22:
(2pt)

リアリティを感じない

ニューカルマの凄さと主人公の成長が描写されておらず、後半部分はストーリーにのめり込むことができなかった。
前作含めこういった社会の闇を描くストーリーなら、「闇金融ウシジマくん」の方が実例を色々調べ描かれているように感じた。
ニューカルマ (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:ニューカルマ (集英社文庫)より
4087458318
No.21:
(4pt)

おもしろいし、巧い。&充分直木賞レベル。

新庄さんの作品を読むのは、デビュー作含め二冊目になる。タイトルに結論を書いてしまったが、おもしろいし巧い。特に文章の完成度が高く、実質二作目とは思えないほどの手練れだ。
 他のレビュアーの方が内容に関して触れているので割愛するが、僕もマルチには2回執拗に誘われた事がある。僕はそんなビジネスモデルを一切信じていないので、けんもほろろに断った。だが、ネットワークビジネスには甘い罠がある。それは、上位者であればかなりのお金が手に入れられるので、止められないという禁断の密だ。新庄さんはその魅力---魔力と言ってもいい---に引き込まれていく主人公を見事に描きだしている。
だが、前半部分で描かれていた様に九割以上の参画者は大量の商品在庫を抱え、あっという間に高額の借金を抱え込み、サラ金や親族にお金を借りなければ自己破産をしなくてはならなくなる。
 マルチとはそういうもの以外の何物でもないのだ。
 話がマルチ雑談に逸れたが、新庄さんの作品の完成度は高い。多少改行が多い事に目をつぶれば傷らしきものは一切無い。これだけ巧ければもう直木賞の射程距離は充分だ。
■蛇足:新庄さんは文芸誌『すばる』でデビューし、デビュー作も不動産業界をモチーフにしたエンタテイメント---中間小説---だった。そして本作の連載はエンタテイメント主体の『小説すばる』だ。集英社はもう、純文学作家を育てようとする気概が無くなってしまったのだろうか・・・?それだけがどうも腑に落ちない。
ニューカルマ (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:ニューカルマ (集英社文庫)より
4087458318
No.20:
(5pt)

ニューカルマ

面白くて一気読み
です。
当方47歳零細自営オーナー
ですが、学校でたての若い頃
同級生や周りの知人が、マルチに
はまってて、当然私も勧誘も受けてました(笑
 実際にマルチ始めたり、
かかわることなかったですけど、
 この小説読んで、まあだいたいそんな
内情なんでしょうなと、納得いきました
 ぜひとも社会経験が少ない
若い人たちに、勉強の為に読んでもらい
たいです。

次回作にも期待してます!
ニューカルマ (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:ニューカルマ (集英社文庫)より
4087458318
No.19:
(4pt)

作風の確立を感じました(作品内容に触れていますので、未読の方はご遠慮ください)。

「狭小住宅」から、約3年。
寡作な作家ですね。
全回の「狭小住宅」を読みましたので、彼が今回はどんな展開の作品を書くのか、
テーマもネットワークビジネスという物議のあるテーマですので、楽しみに読んでみました。
読後感として、展開が前作と同じだなということ。
その意味で、作風の確立している方なんだなと感じました。
内容的には前作と同様、売る側の経済的欲望丸出しの情念、それに疑問を持ち揺らぐ心、が描かれています。
それらの衝突についての登場人物の発言や主人公の語り部の内省には、感じ入ったり、なるほどと楽しめる部分がありました。
前作同様、主人公の揺れる心に煮え切らなさを感じましたし、小説なり、物語なりの作為的な展開(この主人公ならばもともとの電子部品会社でもそれなりの評価を受ける人材ではないのか、主人公とタケシとがなぜ、縁が切れずに続くのか、タケシがなぜ主人公をそこまで大切にするのか、木村社長の商品の品質やネットワークビジネスに疑問を持たないのか等)に違和感を感じたこともありましたが、
思うに、この作者の主役はトリックスター的な役割を果たしているのだなと理解しています。
なお、多くの人は、人の集合体の中でその集合体の論理で動き、オウム真理教のように狂気の世界に陥ることがあるわけですが、
新堂 冬樹の「カリスマ」もそういった世界を描いていますので、類書として推薦いたします。
ニューカルマ (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:ニューカルマ (集英社文庫)より
4087458318
No.18:
(5pt)

勤め人の葛藤の一例のような話(少し内容に触れています)

リストラの始まる会社にて、自分で何かを始めようとして健康食品を売りさばくマルチ商法での道を選んで成功とどん底を繰り返す話。
身近に全く別の世界で自分の信念に基づきどんどん突き進んでいく友人がいるからこその葛藤。そしてその友人だけは勧誘できず、心のどこかで自分が何をしているかは気づいている事。(あっさりと書かれているが、)一時の怒りの勢いで退職した会社が、ほどなくして新商品が当たりボーナスも復活し軌道にのるというところは読んでいて心苦しく、辛い気持ちにさせられる。
行きつけのバーのママからも、喫茶店の店員からも出て行く事を言われるあたりもそうだし、最後に言い合いをする際、前の会社の上司伝いで「おだてたら何でも言うこと聞いてくれる便利な迷える子羊がいる」という認識だけで繋げられていたあたり読んでいて本当に不愉快な気持ちになる。
置かれた状況は多かれ少なかれ今の時代同じようなもの。確かに、会社や国が守ってくれないのは肌で感じる。そんな時、この本を読む事ができてよかった。
「友達から縁切られるって…それって普通じゃないよ」この一言が全てだと思う。
ニューカルマ (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:ニューカルマ (集英社文庫)より
4087458318
No.17:
(3pt)

ありそうでなかった新分野を開拓した小説の成果

大昔から脈々といき続ける商法(この連鎖こそが「ネットワーク」なのかも知れない)は、会員になるか、完全に毛嫌いするかの二者択一の世界。でも、絶対に絶滅することなく、成功すれば巨大でおしゃれな本社ビルが一等地に立ち、トラックよりも大きな運転手付きリムジンで横付けする超上級会員も間違いなく存在するし、嬉々としてロゴ入りの手提げ袋を手に闊歩する会員さんもお見かけする。

その反面、カフェやファミレスでは「勧誘・セールスはお断り」と大書されるお店もけっこうあるし、普通のラーメン屋で先輩から説教される後輩クンを目撃したりもする。そんなに品質の優れた商品で、原価率も低いのであれば、経営者たちは普通に広告宣伝費をかけて流通させたほうがはるかに効率よく利潤をあげられるはず、との意見も当然だろう。

ただし、主人公が入会する心の奥底の描写がいまひとつ弱い感じもするが、成功と失敗を繰り返し、友人やお金、そして人として一番大切な「信用」を失ってしまう過程はたいへん濃く読み応えがある。そして、衝撃の結末は「やっぱりね。」なのか「驚愕。」なのかの判断は読者にゆだねられている。
ニューカルマ (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:ニューカルマ (集英社文庫)より
4087458318
No.16:
(5pt)

素晴らしいエンターテイメント

中村文則の教団Xが好きな人におすすめ。
またハゲタカシリーズの経済小説的な一面もある。
エンターテイメント性で経済小説を文芸に昇華させていて、秀逸である。
資本主義社会の「善」と「悪」について考えさせられる作品。
資本主義では「善」と「悪」は必ずしも対になる概念ではない。
経済的な成功には多かれ少なかれ「善と悪」を内包するものなのか、と考えさせられた。
個人的な正義に忠実に生きる主人公と、その結末は見事だった。
読者によって様々な感想を持てる、多面性のある作品。
狭小邸宅も面白かったが、より深みがあり、次の作品が楽しみです。
ニューカルマ (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:ニューカルマ (集英社文庫)より
4087458318
No.15:
(4pt)

甘くない

ドラマや映画化は不可能ですかね?
この先もなくならないビジネス?
大変勉強になりました。
ちなみに荻上さんのラジオで知りました。
ニューカルマ (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:ニューカルマ (集英社文庫)より
4087458318
No.14:
(5pt)

リストラ前 退職前 定年前の準備に!

会社というところの特徴を研究されている
勤め人を選択した場合におきてくる不満をよく分析されています
会社員として働く場合におきてくる心理を研究し分析されている
会社員が会社に振り回され精神的に追い詰められる限り 救済される道を探します
会社員として生きる場合 自分を救済する方法は何か明確にしたい
会社員の救済方法を会社は用意しない
じわじわと追い詰めて
放置されます
会社がリストラする前に 何をしたらいいかを考えさせられる
また定年する前に不測な事態はおきます
そうなる前に準備が必要とわかってても何をしたらいいかと考えてしまう!
それでも何かしよう!
自分にできることをしよう
その場合に人間関係を現金化する健康食品販売だけはやらないと決意できる小説です
ゴールデンウィークに是非読んでみてください
ニューカルマ (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:ニューカルマ (集英社文庫)より
4087458318
No.13:
(3pt)

前作と比較して

前作の『狭小邸宅』が面白かったので、購入しました。文章のリズムはよく、まったくストレスなく読み通せました。ネットワークビジネスの描写もリアリティがあり勉強になりました。
しかしながら、一人称の小説として、前作では仕事に引き込まれていく主人公に、自分の経験と重ね合わせて、感情移入していくのが分かりましたが、本作では地の文の語りとしての主人公と、物語中の主人公の言動が、同一人物として一致していないように感じ、今ひとつ感情移入できませんでした。
読んでいて面白かったのは間違いなく、また次回作に期待しています。
ニューカルマ (集英社文庫)Amazon書評・レビュー:ニューカルマ (集英社文庫)より
4087458318

スポンサードリンク

  



12>>
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!