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ニューカルマ
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ニューカルマの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.94pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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ネットワークビジネスでも何でも親にならない限り総て組織の末端の雑魚は結局食い物にされる他無い。それに開眼する迄散々食い物にされる一部始終を修行時代として仄仄と描いた一篇。 そもそも年金逃げ切り問題を見れば分かる通り、そもそもこの社会自体が巨大な鼠講に過ぎず、大人が自分たちの年金のために、頑張れば成長できる、何でもできるという幻想を子供や若者に刷り込み、安値で労働活動させることで経済や社会は維持されている。そんな幻想をもとに、我々は己に鞭打ち、競争や労働をしてきた。もし、若くして幻想を持たなければ、誰も無理して働かない社会ができてしまうのでネズミ講スキームが維持できず、大人たちは自分たちの年金が危なくなってしまう。この仕組み自体が一つの類としてのカルマ構造として現前している。 主人公はその構造に取り込まれ、周りに踊らされ、何度も食い物にされてもされても立ち上がり、一発逆転を目指して会社辞めたりの奇行に走るがそれは総て只々カルマのなせる業と俯瞰され、平たく言えば食わなければ食われるという普遍的な淘汰の掟の中で生きる他なく、それは巨大な鼠講とは気付かせず他人をマニピュレーションできると信じて政治家になる友人も同罪であり、故に友人の説教など聞いてられない主人公の姿勢が正当なものとして活きている。 | ||||
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勤務先のリストラで将来の不安を感じていた主人公が、ネットワークビジネスに手を染め、葛藤を抱えながら成功と転落を繰り返す社会派小説です。この業界をしっかり取材されているのか、そのことに詳しくないものにとってはリアリティーを感じました。 マルチ商法はすごく身近ではないかもしれませんが、誰でも一度ぐらいは耳にしたりして知っているのではないでしょうか。いつかは行き詰まるような気がしますが、成功者の高い報酬や甘言に惑わされ徐々に嵌っていく恐ろしさが淡々と描かれています。 小説としては脇役の友人が主人公の対比として上手く書かれていて、また一方的に主人公を責めきれないところも、遣り切れなさが残りました。 | ||||
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大昔から脈々といき続ける商法(この連鎖こそが「ネットワーク」なのかも知れない)は、会員になるか、完全に毛嫌いするかの二者択一の世界。でも、絶対に絶滅することなく、成功すれば巨大でおしゃれな本社ビルが一等地に立ち、トラックよりも大きな運転手付きリムジンで横付けする超上級会員も間違いなく存在するし、嬉々としてロゴ入りの手提げ袋を手に闊歩する会員さんもお見かけする。 その反面、カフェやファミレスでは「勧誘・セールスはお断り」と大書されるお店もけっこうあるし、普通のラーメン屋で先輩から説教される後輩クンを目撃したりもする。そんなに品質の優れた商品で、原価率も低いのであれば、経営者たちは普通に広告宣伝費をかけて流通させたほうがはるかに効率よく利潤をあげられるはず、との意見も当然だろう。 ただし、主人公が入会する心の奥底の描写がいまひとつ弱い感じもするが、成功と失敗を繰り返し、友人やお金、そして人として一番大切な「信用」を失ってしまう過程はたいへん濃く読み応えがある。そして、衝撃の結末は「やっぱりね。」なのか「驚愕。」なのかの判断は読者にゆだねられている。 | ||||
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前作の『狭小邸宅』が面白かったので、購入しました。文章のリズムはよく、まったくストレスなく読み通せました。ネットワークビジネスの描写もリアリティがあり勉強になりました。 しかしながら、一人称の小説として、前作では仕事に引き込まれていく主人公に、自分の経験と重ね合わせて、感情移入していくのが分かりましたが、本作では地の文の語りとしての主人公と、物語中の主人公の言動が、同一人物として一致していないように感じ、今ひとつ感情移入できませんでした。 読んでいて面白かったのは間違いなく、また次回作に期待しています。 | ||||
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まっすぐに自分の夢に挑戦し、成功していくタケシに嫉妬し、自分も成功したいと考えてネットワークビジネスにはまっていくユウキの生き様を描いた物語。 ネットワークビジネスの光と影がよく描かれており、読みやすかった。自分の先行きに不安を感じながら生きている中で、怪しいと思いつつも手を出してしまい、あとにひけなくなってくる。ユウキの不安と葛藤、嫉妬と執念がどう変化していくのか楽しめた。 タケシがユウキに言った、「友達から縁切られるって、それって普通じゃないよ」という言葉がネットワークビジネスの現実を捉えていて心に響いた。 ただ、最後の終わり方が中途半端な感じで残念だった。 | ||||
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