燃えつきた地図
評判
燃えつきた地図の評価:
3.91/5点 レビュー 32件。 C ランク
Amazonレビュー一覧
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1〜4 1/1ページ
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燃えつきた地図の評価:
3.91/5点 レビュー 32件。 C ランク
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一言で言うと「時代の波に揉まれて風化したな」だった。それはテーマ的な意味において。
この小説は、今や二十世紀、戦後派の現代文学の傾向である「自意識とばかり格闘している、せせこましい現代人(当時)の肖像」を描く、孤独と喪失の物語だろう。ただしチラホラとある素晴らしい比喩表現には唸らせるものがある。やはり安部公房は紛れもない大家だ。
その他、本作の印象を語るならば、
・主人公の性癖が縷々と述べられ、作品冒頭から、「レモン色の女」と男女関係になることは容易に想像がついた。
・見当違いの妄想をあたかも意味ありげに語る主人公が偉そうな口の聞き方でやはり時代風化を感じる。しばしばナンセンスで大袈裟な述懐ぶりが気になる。
・もはや古臭くジメジメしているが、英語翻訳ならば知的でクールな文体として海外での印象が良さそう。
・丘陵地帯の上にある団地の存在が、カフカの『城』を微妙にオマージュしてるように感じた。
この後、同じく失踪をテーマにしている点で同じだが『砂の女』を読み返し始めたが、そちらの方が時代風化せずに名作だなと思いながら興味深く読めている。